『七つの魔剣が支配する』は日本のライトノベル作品で、略称は「ななつま」です。「ラノベ好き書店員大賞2019」で1位を獲得し、さらに「このライトノベルがすごい！2020」でも1位を獲得しました。発行部数は70万部を突破し、2023年7月にはアニメが放送予定と注目されている作品です。物語の舞台となるのは「キンバリー魔法学校」という場所なのですが、この学校は他の学校とは一味違う、クセの強い学校と言えます。今回は、そんなキンバリー魔法学校とは一体どんな場所なのか、様々な視点から解説していきたいと思います！
キンバリー魔法学校の概要
7年制の魔法学校で、作中の世界において魔法学校の頂点に君臨する学校として知られています。基本的には15歳で入学するのですが、魔法使い以外の普通人家庭の出身の場合、諸事情で途中から入学する者も多いです。世界中から優秀な人材を募っており、キンバリーの教員には特別推薦枠という物が与えられています。卒業できるのは生徒の８割です。残りは留年や退学・・・で済めば良いのですが、実際は残りの生徒は死亡か再起不能、あるいは行方不明などの理由で卒業できないという恐ろしい実態があります。主人公のオリバーらが入学してから進級するまでの1年間で、全学年合わせて16名が死亡しており、実はこれでも比較的少ない方だそうです。ちなみに、「下級生を可能な限り死なせないように」と一部の上級生が尽力しており、そのお陰で毎年の死者に含まれる下級生の割合は、総じて低い数字となっています。
校風について
自由主義および成果主義であり、実力重視の校風であることから「異端狩りの育成校」と揶揄されることもあります。その校風から、生徒および教師ともに保守派が多い傾向にあります。魔道の探求が何よりも優先される過酷な環境なので、進級出来ただけでもそれなりの実力が付くと言われています。学年が一つ違うだけで実力差という高い壁があり、逸脱した経歴や才能といった要因が無ければ勝つことは難しいです。特に、下級生と上級生の実力の差は歴然で、学年トップクラスの実力を持つオリバーやナナオでさえ、上級生相手では歯が立ちません。
校舎について
校舎というよりも城塞のような外見です。校内には大広間が少なくとも20以上、小部屋が300以上存在しています。その数は日によって変わったり、新たな部屋が発見されることも当たり前にあります。外観上の大きさと内部の面積が明らかに一致しておらず、構造が非常に謎です。建築者の子孫でさえ分からない部分が多いほど、詳細を説明することが困難な魔法建築です。校内の専門家の間でも意見が分かれてり、「キンバリー構造学」という学問分野まで存在する程です。巨大な迷宮に蓋をするような形で建っており、それがキンバリーが「学園魔宮」と呼ばれる理由です。魔素が濃くなる夜の時間帯は、校舎の構造が変化して「迷宮」に迷い込んでしまう危険性があります。
生徒は寮生活
寮は男女ごとに存在しており、校舎からやや離れた位置にあります。五階建てで、二つの寮に一年生から五年生までの千人以上が住んでいます。六・七年生は、既に研究者の領域に踏み込んでいる生徒もいるため、環境に配慮して別の場所に専用の寮が用意されています。基本的に二人部屋ですが、特別な事情があれば一人部屋が用意されます。新入生の部屋決めは入学パーティの間に教師が調整しており、パーティ中に仲良くしていた者と同室になることが多いです。生徒の出入りを把握するために、ドアノブには人格が与えられており、ドアノブに許可を取ることで寮のドアの鍵が開きます。現代で言うオートロックや指紋認証に近いのかも知れません。男子寮と女子寮の間には大きな噴水がメインの庭園が存在し、学年を超えた生徒同士の交流や、恋人同士の待ち合わせの場などに利用されています。
迷宮について
校舎内に存在する絵画や噴水などによって校舎と繋がっており、出入りする場合はそれらを用います。しかし、必ずしも常に同じ場所に繋がっているとは限りません。まさに迷宮のような造りとなっています。迷宮に潜る際には、五～六人のパーティを組んで挑むことが推奨されます。住み着いている魔法生物以外に、同じ生徒からも襲われる可能性もあり危険性が高いため、立ち入りを三年生以上に限定しようとする動きもあります。しかし反対が多く実現していません。何らかの要因によって、地形が破壊されたとしても自然と元の状態に戻る力が働くため、「迷宮の恒常性（ホメオスタシス）」と呼ばれています。また、「迷宮トレイルラン」という競技もあります。迷宮に潜って帰還するまでの早さを競う競技です。迷宮の構造への知識、速度を保ち続ける体力、遭遇するトラップや魔獣への対処などが要求される命懸けの総合競技で、迷宮の探索に慣れて力を持て余した上級生の一部が、腕試しとして行っています。迷宮トレイルランのタイムには、公式のランキングが存在しています。仮に迷宮で行方不明となった場合、一定の日数が経過した後に教員らによる捜索が始まり、半年経過しても発見できなかった場合は死亡扱いとして処理されます。
他にもこんなビックリ要素が・・・！
卒業までに八割の生徒が性交を経験しています。ある程度の年齢になれば経験する生徒も多いでしょうから、別にわざわざ言わなくても・・・と思うかもしれません。しかし驚くべきことに、ここでは学校側が直々に性行為を推奨しています。三年生になると、正式に生徒の妊娠と出産が許可されます。度々妊娠中の上級生を廊下で見かけるほど、学校側も様々な手段で推奨する程です。在学中に子を授かる予定の生徒に対しては「四年生になるまでに誰かと経験はするように」という助言もあります。また、死者が出ることが珍しくない学校のため、校内で合同葬儀が毎年行われます。死後の安息や魂の救済を願うには魔法使いの生き方は相応しくないとされており、葬儀では聖句や経文は存在しません。祭壇には棺が置かれていますが、遺体が収まっているものは半数も無く、壮絶な死に方をした生徒が多いことが分かります。身体が残らなかった、あるいは回収できなかった場合は代わりに遺品が納められ、棺は色鮮やかな献花によって彩られます。仮にその年に一人も死者が出なければ葬儀が行われることはありませんが、そのようなことは今までに一度もありません。
キンバリー魔法学校の解説まとめ
他の学校の常識では考えられないような、他の作品に登場する魔法学校という括りで見ても、非常にクセの強い学校だと思います。そんな学校にやってきたオリバーたちの運命がこれからどうなるのか、とても気になる所です。アニメの放送が待ち遠しいですね！それでは今回はここまでです。読んで頂きありがとうございました。
