『るろうに剣心』シリーズにおいて、最も印象に残る武器といえば「逆刃刀」とほぼ全てのるろ剣ファンの方が答えるでしょう。逆刃刀といえば本作のキャラクターについてほとんど知らない素人の方であっても「知っている!」という人が多くいるほど、アニメ業界において、特に知名度の高い武器となっていますよね。 純粋な刀剣ではなく、刃が通常のそれとは反対の方向に備わっているという独特な見た目や、そのいびつな設計に隠された主人公剣心の過去の存在も相まって、非常にドラマチックでかっこいい武器であると言えるのではないでしょうか?今回はそんなアニメ業界を代表する人気武器である逆刃刀について『るろうに剣心』シリーズの内容をあまり知らない方であっても十分にわかるように解説をしていきたいと思います。逆刃刀自体は他のアニメ作品でもオマージュとして登場する事が多い超有名武器ですので、是非とも本作のストーリーを楽しんだことがないというアニメファンの方も、この記事で逆刃刀についてチェックしてみてくださいね。
本作の主人公緋村剣心が扱う刀
まず初めに逆刃刀の概略について紹介をします。逆刃刀とは漫画作品を原作とする『るろうに剣心』シリーズに登場する主人公の緋村剣心が作中で使用している刀剣です。主人公が使う刀ですので、作中でも多くその過去について深掘りをされている刀剣であり、物語の進行において、非常に重要な役割を担っている刀剣でもあります。
刃が反対の方向をしている
逆刃刀の特徴として挙げられるのは刃が通常の刀剣と異なり、反対の方向を向いているという点でしょう。通常の刀剣と異なり峰が前面に向いているため、斬り合いになっても相手を殺す事はありません、あくまで打撃を与え敵を気絶させることを目的として作られている刀なのです。
「不殺」の信念を体現
なぜこのような全く武器として意味をなさない逆刃刀を剣心が愛用しているのでしょうか? 実は剣心が逆刃刀を使うのには、彼が大切にしている「不殺」の信念の存在があるのです。剣心は作中にて、決闘によって相手の命を奪うことを自ら禁じており、「不殺」の信念というものを掲げています。そのため剣心が扱う逆刃刀は、相手の命が奪われることがないような設計となっているのです。
威力は十分
とはいえ、逆刃刀は重量を持った鉄の塊であることは変わりありませんので、切れ味こそは無いものの、一流の剣客であっても一太刀浴びせれば、一瞬で気絶させるほどの威力を誇る武器ではあります。あくまで相手を殺すことができないという弱点は残しながらも、戦闘時には充分に相手を倒す決定打となりえる、ちょうど良いバランスの武器なのです。
剣心の過去と逆刃刀
相手を殺すことができない逆刃刀を使用している剣心には「不殺」の信念があることを紹介しましたが、ここからは「なぜ剣心がそのような人の信念を掲げることとなり、逆刃刀を使用しないといけなくなってしまったのか?」という点について解説をしていきたいと思います。
自らの妻の命を奪ってしまったトラウマ
剣心が人を殺すことができなくなってしまった理由として最も大きいのが、自らの妻である雪代巴を意図せず殺してしまったというトラウマがある事が挙げられるでしょう。自らが暗躍することによって日本に平和をもたらすことができると考えていた剣心が意図せず妻の命を奪ってしまったことで自らが行ってきたこれまでの行いを報いを受けてしまったと感じたのです。
「剣は狂気、剣術は殺人術」
このような経験をしたからこそ、剣心は作中を通して「剣は狂気、剣術は殺人術」と発言するシーンが多く見られるのです。このセリフ自体は、剣心の師匠である比古清十郎が元々言っていたものなのですが、下積み時代の剣心は、この言葉の真意を汲み取ることができずに、自らの力を日本のために生かしたいという一心で剣客としての道を選んでしまったのです。その結果、自らの妻の命を不運にも奪ってしまうという悲劇に繋がり、剣心は改めて師匠の言葉の重みを痛感することとなるのです。
幕末に活躍した剣客達を前にどこまで通用するか?
このような過去があり、「不殺」の信念を持つこととなった剣心ですが、果たして彼の信念がどこまで作中に登場する数々の強敵たちに通用するのでしょうか?剣心自身も幕末に活躍した剣豪とはいえ、作中に登場する敵キャラクターたちも同じように修羅場をくぐり抜けてきた強敵たちだらけですので、「不殺」の信念という一見甘えのような信念がどこまで彼らに通用するのか?という点には注目です。
刀工、新井赤空が制作
さて、ここからは剣心の過去だけでなく、逆刃刀の過去についても深掘りをしていきたいと思います。実は逆刃刀を制作した人物は、作中においても非常に重要な立ち位置のキャラクターとなっていますので、逆刃刀の製作者である新井赤空は必ずおさえておきましょう。
「殺人奇剣」を追及
逆刃刀の製作者である新井赤空は、元々「いかに切れるのかではなく、いかに殺せるのか」を追求した「殺人奇剣」と呼ばれる名刀たちを生み出した人物です。作中に登場する数多くの敵キャラクターたちが彼の制作した殺人奇剣を使用していることからも、彼の制作した刀剣がどれほど強力なものかということがわかるでしょう。
剣心と重なる過去
このように数多くの殺人奇剣を制作し、多くの人々の命を奪ってくることに間接的に加担してきた新井赤空ですが、剣心と同じように途中で自らの作り出した刀で多くの人々の命が奪われている事に辟易し、人の命を奪わない刀剣を制作することを決めます。このように「強大な力に魅せられて、一時期は多くの人々の命を奪うことになるも、途中で改心し命を奪わない方向性に舵を切った」というのは、どこか剣心と重なる過去ですよね。
刀工としての腕は超一流
このような過程を経て新井赤空によって作られたのが逆刃刀なのです。もともと殺人奇剣という刀剣を作っていて、多くの剣豪から支持されていたことからも、その実力は超一流である事が分かりますね。そんな超一流の刀工が作った赤空だからこそ、逆刃であっても十分に力を発揮する刀剣となっているのかもしれません。
瀬田宗次郎との対決で破損
このように新井赤空という、作中でも屈指の腕を持つ刀工によって制作された逆刃刀ですが、物語中盤において瀬田宗次郎との対決で刀身を割られてしまうこととなります。
天剣の宗次郎に破れる
宗次郎は、剣心の宿敵である志々雄真実に「天剣の宗次郎」と評されるほどの実力を有する人物です。宗次郎は喜怒哀楽の「喜」以外の感情全てを押し殺しており、人から命を奪うことに対して一切のためらいがありません。まさに剣心とは対照的な精神構造を持つキャラクターなのです。
「不殺」の信念に迷いが、、
このような強敵を相手にしたことによって、剣心自身も「不殺」の信念を抱えながら敵と戦うことに迷いが生じてしまいます。やはり、殺気は戦闘において最も重要な要素でもありますので、相手を殺さないということに意識を向けるだけでもかなりのハンデとなってしまうのです。このような剣心の「不殺」の信念に対する心の揺らぎが逆刃刀の破損という結果として現れたのでしょう。
新たな逆刃刀でリベンジ
1度はこのような心の乱れもあり宗次郎に敗北してしまう剣心ですが、その後、新井赤空が制作をしていた逆刃刀の真打を携え、リベンジを果たします。「不殺」の誓いを持っていても十分に強敵と渡りあうことができることを証明したのです。
次世代に受け継がれる
このように1度は破損しながらも、他人の命を奪わないという「不殺」の信念とともに、最後まで剣心と共に活躍をした逆刃刀ですが、最後は弥彦に譲られることとなります。自らと冒険を共にし、数々の困難を乗り越えてきた弥彦という、次の日本を担う新たな世代に逆刃刀譲ることとしたのです。
使いこなすのは大変
弥彦は剣心に逆刃刀を譲られ、初めて逆刃刀の扱いにくさを認識することとなります。通常の刀剣とは異なる設計のため、普通では遭遇することのないトラブルに見舞われることもあり、なかなか一筋縄で扱うことができる代物では無いようです。
剣心の願った平和な日本へ
かつて剣心が願った「誰もが平和に暮らせる日本」を作るために、逆刃刀は主人を変え活躍を続けるのです。
剣心と赤空の信念は残り続ける
時代と主が変わり続けても、剣心と赤空が掲げた「不殺」の信念は、次の世代の日本でも残り続けるのです。現在連載中の北海道編での弥彦と逆刃刀の活躍に引き続き注目をしてみてくださいね!
まとめ
いかがでしたか?今回は本作の主人公である緋村剣心が愛用する逆刃刀について紹介をしていきました。 逆刃刀は剣心の「不殺」の信念に基づいた刀剣であり、剣心の過去とキャラクター性があるからこそ輝くアイテムでしたね。まさに、最も剣心のキャラクター性を形にしているアイテムですので、ぜひとも剣心のみならず、逆刃刀についても注目してみてくださいね。