ハイスコアガールは90年代のゲームセンターを舞台としたアーケードラブコメディと銘打たれた作品です。90年代を生き抜いてきたゲーマーたちにはノスタルジーを感じさせ、そうでない人でもまるでその時代にいるかのような空気が味わえる、ゲーマーなら必見のこの作品もついに、色々ありましたがついにアニメ化が決定しました!!という訳で、このハイスコアガールの作品の見どころ、作品の魅力を伝えていきたいと思います!!
目次
本当に色々あったハイスコアガール
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
今は素直にアニメ化を喜びましょう。
魅力① 90年代の格ゲーブームを題材に織りなすストーリー
ハイスコアガールの始まりはゲームをこよなく愛し、ゲーム以外何の取り柄もない劣等感丸出しの少年『矢口 ハルオ』と金持ちで才能に溢れ、ゲーセンという盛り場におよそ相応しくないお嬢様でありながら天性のゲームテクニックを持つ『大野 晶』のとある因縁をきっかけに物語が始まります。
矢口 ハルオと大野 晶の因縁の始まりとは?
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
金持ちで容姿端麗、学業優秀でありながら、初代スト2で最弱キャラと言われるザンギエフを使い28連勝という離れ業をやってのけ、自分のプライドと存在価値を危うくさせた大野に対して、ハルオ少年はその鼻っ柱を折り、屈辱を味あわせるために『待ちガイル』と『投げハメ』を使いリアルファイトになる、これが二人の因縁です。もうこの設定の時点で面白い!
魅力② 魅力的で親しみを持てるキャラクター
ハイスコアガールには主に3人のキャラクターを中心に物語が進みますが、3人とも親しみを持てる魅力的なキャラクターです。
かんたんなキャラ紹介『矢口 ハルオ』
主人公の矢口 ハルオはゲームの事になったら一直線のゲーム脳な少年です。当初は天性のゲームテクニックを持つ大野を敵視し、お互いにいがみあっていましたが自分と同じくらいゲームへの情熱を持つ大野を同志だと思うようになります。ゲームが絡むと底意地の悪さを見せますが、他人の嫌がることを率先してやるのが常識の格闘ゲームでは常識の範囲内で、ゲームが絡めば他人を気遣うこともある優しい性格です。
自分のプライドが危うくなれば反則技も辞さない格闘ゲーマーの鑑
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
ゲーム以外に何の取り柄もない自分が、容姿端麗、学業優秀でお金持ちのお嬢様に負けることなど許されていいはずがない。そう思ったハルオ少年は勝って自分のプライドを守り、相手の鼻っ柱をへし折るために、初代スト2における反則的な策『待ちガイル』と『投げハメ』によって勝利を掴みました。
ちっとやそっとのことでは動じない
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
小学生にして人間の本性が現れる盛り場に入り浸っているおかげか、テストで0点をとっても、教師にゲーセンで遊んでいるものは名乗り出なさいと言われても、修学旅行で置いてけぼりを喰らったとしてもまったく動じることはない精神的な強さを持ち合わせています。
分かる人にはその魅力が分かるのですよ
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
コアなゲーマーにしてゲーム脳、しかも日夜ゲーセンと言う盛り場に入り浸るようなやつは、周囲からあまりいい印象を持たれないでしょう。しかし、宮尾や小春のようにその人間的な魅力に気付くキャラクターもいます。
ゲームを通して人間として成長していく
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
元々、精神面ではタフなハルオ少年ですが、苛烈な英才教育を受けながらそれでもしっかりとやりとげ、ゲームの腕も落とさない大野に胸を張って対等でいられるようにと精神的に成長していきます。
かんたんなキャラ紹介『大野 晶』
ヒロインの大野 晶は容姿端麗で学業優秀のお嬢様ですが、実はハルオと同じくらいゲームへの情熱を持ち、ゲームテクニックでは天才的な才能を持っています。しかし、家庭の方針で苛烈な英才教育を受けており、家庭用ゲームはおろか友人と遊ぶことさえ許可されておらず、よく屋敷から抜け出してゲーセンに通っています。性格は無口で感情表現がとても苦手。
ゲームが絡むと目を輝かせる
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
ゲームの話になると耳ざとく反応し、ハルオのPCエンジンの話に聞き耳を立てたり、病欠のハルオの家にプリントを届けに行き、ハルオのゲームの話を聞いて目を輝かせます。かわいい。
ホラーがとても苦手
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
天才的なゲームテクニックを持つ大野ですが、苦手なものはホラー。スプラッターハウスを始めとしたホラーゲームは当然苦手で、怖い思いをしたときは口には出さず暴力表現に出ます。スウィートホームなんかやったら開始数分で電源切りそう。かわいい。
無口なキャラクター
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
作中で殆ど喋らないキャラクターで、基本的に感情を表には出しません。怒ったときにはフンガー、満足げなときはんふーなど、実のところ分かりくいようで分かりやすい。かわいい。
不人気なキャラクターに同情して持ちキャラにする優しさ
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
初代スト2では最弱キャラとして見向きもされなかったザンギエフに感情移入し、以後持ちキャラとして使っています。ファイナルファイトでは使いやすいコーディーやガイに比べて敬遠されがちのハガーを使っています。普通なら勝てないので、無理、キャラ変えるわ、調整はよと言ってしまうもんです。
かんたんなキャラ紹介『日高 小春』
もうひとりのヒロイン日高 小春は中学生編から登場するクラスメイトです。当初は無趣味でしたが、ゲームが絡むととにかく一直線に夢中になるハルオに興味を持ち、ハルオに振り回されるうちに次第に惹かれていき、ハルオに自分を見てもらうためにゲームにプレイするようになり、小春自身もゲームを好きになっていきます。健気で一途な恋する乙女で多分、この恋は報われません。でも、そこが応援したくなるんだよなぁ!!
駄菓子屋ゲーセンで初めてゲームに触れる小春
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
吹雪の影響で立ち往生をした二人は、駄菓子屋ゲーセンで吹雪をやり過ごすことに。そのとき小春は初めてゲームに触れ、ハルオに惹かれていくきっかけになります。
クリスマスプレゼントであげた手作りの手袋をしてくれていることを喜ぶ小春
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
クラスのクリスマスパーティーに参加するはずだった二人ですが、ハルオが小春の家の前にあるネオジオ筐体に引き寄せられため参加せず、二人だけでクリスマスプレゼントの交換をしました。その手作りの手袋をしてくれていることに喜びます。かわいい。でも、その手袋はゲームのやりすぎですぐにボロボロになってしまいます。
バレンタインでチョコを渡そうとする小春
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
バレンタインデーにチョコを渡そうとする小春ですが、その日ハルオは病欠。ハルオの家に直接チョコを渡しに行きます。しかし、ゲーム脳のハルオはバレンタインとか一切関係なしにとにかくゲームの事ばかりで、自分のことなど考えていないことに気が付いてしまいます。せつない。
カップルに間違えられて有頂天になる小春
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
制服のままゲーセンに来たせいで、ゲームをやりに来た教師に見つかりそうになったハルオはその場を小春に任せて退避。その際、カップルに間違えられた小春はこの表情。かわいい。
修学旅行中置いてけぼりを受けた二人
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
二人はとにかく京都を目指し、その途中でゲーセンに寄ったりします。小春はデート気分でしたが、気になるハルオと大野との関係は聞けずじまいでした。
ゲーマーとしての才能を開花させる小春
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
ハルオが受験に失敗し、その負い目からゲーセンから遠ざかっている間に、小春はゲーセンで腕を磨き、ハルオが手も足もヒトダマも出せないほどに強くなっていました。
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
その原動力は、ハルオに自分に関心を持ってもらうためでした。健気な。
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
ちょっとやりすぎてハルオを泣かせてしまう。かわいい。
魅力③ ゲーマーの心を躍らせる90年代の世界観
90年代『ストリートファイター2』の発表より火が付いた格ゲーブームを題材にした作品ですが、登場するのはスト2だけではなく様々なゲームが登場します。90年代を生きてきたゲーマーならその懐かしさにノスタルジーを感じ、登場するゲームやキャラクターなど、『NAMCOXCAPCOM』でしか見たことねぇよという人でも、当時のレトロな世界観に心を躍らせること間違いなしです。
ゲームの歴史を学ぶことが出来る
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
90年代から始まった格闘ゲームのムーブメントを皮切りに、当時発売されたハードやソフトの知識が勝手に身につきます。マニアックなゲーマーの視点で描かれるので、コアな知識を身につき、現在発売されているゲームへの関連性に心が踊るかも。
魅力④ キャラクターの心証がコミカルに描かれる
ハイスコアガールはラブコメなので、登場人物の心証が描かれます。そのとき、脳内に登場するのが数多くの版権キャラクターたち。不安や葛藤などの心理状態を版権キャラクターたちがコミカルに動き回り表現します。心の中のガイル少佐に背中を押されるラブコメはさすがに唯一無二でしょう。
ハルオの背中を押すガイル少佐
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
初代スト2からハルオの持ちキャラであるガイル少佐は度々ハルオの頭の中に現れてはハルオの背中を押したり、アドバイスをしたりするハルオの相棒的存在です。
国へ帰りたいガイル少佐
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
初代スト2の待ちガイルが犯した罪は想像以上に重く、シリーズを経るごとに弱体化していくガイル少佐。
ハルオを導くキャラクターたち
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
苛烈な教育に耐えかねて家出した大野を探しに行ったハルオですが、なかなか見つからずにあきらめかけた。そのときみんながハルオを導くのだ!
軍人にはハメ殺されて号泣する赤きサイクロン
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
初代スト2の待ちガイルに対してとれる行動がないザンギエフは、ただただハメ殺されるのみ。待ちガイルのみならず投げハメという禁じ手まで使われてやられてしまったザンギエフの仇をとるべき、大野はハルオにリアルファイトを仕掛けるのでした。
大野をなだめるザンギエフ
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
小学生時代、大野とハルオは互いにいがみ合う関係でした。しかし、ザンギエフはそれほど悪い奴ではないと大野をなだめます。
小春を祝福するフォボス
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
ハルオとの真剣勝負に負けてしまい、悔しさに溢れる小春を励ますかのように祝福するフォボス。ハイスコアガール屈指の名シーン。
魅力⑤ 90年代ゲーマーのバイブル『ゲーメスト』の誤植ネタ
インターネットのなかった当時、ゲーマーの間に出回るゲームの最新情報は濃い攻略内容とは言えず、ゲームの紹介や基本的な攻略で終わっていましたが、その中で『ゲーメスト』の攻略内容は現役のゲーマーが執筆していたため非常に内容が濃く、当時のゲーマーのバイブルでした。現在は廃刊し、スタッフはアルカディアに移っています。
ゲーメストの誤植は今や伝説
しかし、現役のゲーマーの手書き原稿をゲームを知らない編集者が文章に起こした内容であったことから、攻略根幹を揺るがすほどとんでもない誤植を生み出したことで有名です。そのゲーメストの有名誤植はハイスコアガールでもふんだんに取り入れられネタにされています。
ザンギュラのスーパーウリアッ上
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
正・ザンギエフのスーパーラリアット
ゲーメスト伝説の誤植。ザンギエフが吸血鬼と化したのが『ザンギュラ』……というわけではないです。
インド人を右に
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
正・ハンドルを右に
唐突に出てくるインド人、ダルシムがテレポートでもしたんでしょうかね?
確かみてみろ!
出典: ハイスコアガール ©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会
正・確かめてみろ!
ゲーメストで連載されていた漫画の最終回でリュウが言い放った一言、最後の最後まで誤植で終わっていくのか…。
この他にも調べれば、誤植の事実が出てくるので興味のある方は自分の目で確かみてみろ!
ハイスコアガール作品の魅力まとめ
ハイスコアガールの魅力を一通りまとめてみましたが、作中にはマニアックな内容も含まれていてとてもじゃありませんが、その魅力のすべてを語りきることはできません。中にはハイスコアガールを読んでも作品の内容のほとんどがわからなかったなんて人もいるかもしれません。そんな人は、一つ一つ調べ内容を噛み砕きながら楽しむなんてのも一つの楽しみ方だと思います。ゲーメストの誤植も紹介したのは氷山の一角です、様式美ですが気になった人はぜひ、自分の目で確かみてみろ!!