体内に存在する37兆個もの細胞たち一つ一つにフォーカスを当てた斬新な作品「はたらく細胞」。独特の世界観や、ヒトの体内で日々奮闘する細胞たちの姿が印象的です。中でも、体内に侵入してきた細菌やウイルスたちを除去するのが仕事の白血球には、印象的なシーンがたくさんありますよね。
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
日々、細菌やウイルスたちの侵入に対して、戦う姿を見ていると、ちょっとは健康に気を付けようと思ってみたくなりますよね。今回はそんな「はたらく細胞」に登場する白血球にスポットを当てて、その特徴や魅力についてまとめていきます。
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
目次
白血球と一口にいっても色々な種類があります
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
「はたらく細胞」の中で、白血球といえば白い作業着を着た好中球が印象的ですよね。体内に侵入してきた細菌やウイルスたちを積極的に排除していく姿から、白血球といえばというイメージになっています。
しかし、そんな好中球ですが、白血球全体から見れば、50%~70%ぐらいを締めているといわれています。その残りはどうなっているのかというと、好中球以外の白血球がいるということです。
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
つまり、白血球には好中球以外にも様々な種類があり、それぞれが自分に与えられた仕事を全うしながら体を守っているのです。今回は「はたらく細胞」に登場する白血球たちをまとめて紹介していきます。
1.見つけた細菌は残さず排除! 好中球
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
好中球は白血球の中でも全体の50%~70%を占める血球です。「はたらく細胞」では、このキャラクターが中心となっているので、すべての白血球が好中球であるというイメージがわいてしまいますが、そんなわけではありません。体内に侵入してきた細菌やウイルスたちを見つけ次第排除していき、体内の平和を守る仕事人です。
細菌などを見つけると容赦なく襲い掛かる
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
好中球の特徴としては、細菌などを見つけ次第容赦なく襲い掛かって排除するという点です。普段はクールな印象なのに、細菌たちと戦っているときだけは、獰猛な姿になるので、周りの細胞たちからは変わり者扱いされています。
遊走能力で組織内をスイスイ移動
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好中球には郵送という能力があります。遊走という能力を使うことによって、体内の組織間を自由に移動することができるので、細菌たちが発生した場所にいち早く駆けつけて、排除することができます。細菌たちにとってみれば、いきなり好中球たちが現れるので、驚きますよね。
貪食作用で細菌を殺す
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好中球は貪食という作用によって、細菌たちを食べて、内部で分解することに酔って殺菌することができます。作中でも、好中球が「喰えばわかる」と細菌などをバリバリと食っているシーンが印象的でしたね。
しかし、実際のところでいうと、細菌を飲み込んだ好中球はやがて死亡し、死体は膿となって体外に放出されるそうです。
レセプターで細菌たちを探知
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好中球にはレセプターというレーダーのような機能が備わっており、細菌が近くにいるとレセプターが反応して、いち早く細菌たちのもとへ向かいます。作中のレセプターは、早押しクイズのボタンのようなデザインになっており、そのダサさは赤血球などに指摘されています。
白血球になる前は骨髄球
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好中球は、一人前の白血球になる前に骨髄球という段階があり、作中では骨髄内の学校のような場所で育てられているシーンが描かれています。幼少期から正義感が強かった骨髄球は、緑膿菌に襲われていた赤芽球を助けたことがあります。
2.寄生虫ならお任せ! 好酸球
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好酸球は白血球全体の2%~5%を占める血球の一種です。作中では、金髪にツインテールで、二股の槍を持ち、ピンク色の作業着を着ていました。この好酸球は細菌などに対しては、そこまで強さを発揮することができません。そのため体内に細菌が侵入してきたときには、足手まといになってしまい周囲から呆れられてしまいます。
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しかし、好酸球の強みは細菌を倒すことではありません。好酸球は寄生虫にめっぽう強く、寄生虫が体内に感染するのを防いでくれます。寄生虫は、細菌と比較すると大きな生物でもあるので、好中球たちでは手に負えない部分があります。しかし、好酸球であれば、寄生虫を難なく倒すことができます。
褒められると弱い好酸球
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
普段は、細菌たちとの戦闘で足を引っ張っている分、後ろめたい気持ちが多かった好酸球ですが、寄生虫感染から体内を守ったときには、周囲から賞賛を浴びます。普段褒められ慣れていない好酸球は、そのときに、普段のクールな姿からは想像できないようなにやけ顔をしてしまいます。
3.好中球や好酸球を引き寄せる 好塩基球
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
好塩基球は、全体の1%以下を占める白血球の一種です。特定の抗原に出会うことに酔ってヒスタミンなどを放出し、アレルギー反応を引き起こすと言われています。
また、好中球と好酸球を問題のある部位に引き寄せる物質を作るといわれており、寄生虫が体内に侵入した時も、好酸球と白血球が駆け付けた場所に立っていました。
謎の多い好塩基球
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
そんな好塩基球ですが、実際のところまだ多くのことは解明されていないそうです。そのためか知りませんが、キャラクターとしても謎めいたことを口走り周囲を困惑させています。しかし、好酸球は何を言っているのか理解できるようです。
見た目もいわゆる中二病的な恰好をしています。登場したのは、寄生虫の回だけでしたが、今後何かしらで関わってくるのか注目ですね。
4.ウイルスやがん細胞を抹殺 NK細胞
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
NK細胞は全身をパトロールしながら、ウイルスやがん細胞を見つけ次第攻撃する免疫細胞です。攻撃的な性格をしており、見た目は筋肉質の女性で、サーベルを武器にして戦っています。
笑うことで活性化する
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NK細胞は「笑う」ことによる刺激が間脳に伝わることに酔って、神経ペプチドという情報伝達物質が活発に生産され、この物質がNK細胞に付着することで、活性化します。作中では、NK細胞自身が笑うことで、パワーアップして、がん細胞を倒すことにつながりました。逆に、強いストレスを感じてしまうと、免疫力が低下し、元気が亡くなってしまうこともあります。
昔はゴスロリファッションだった!?
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
NK細胞たちを活性化させるために、樹状細胞が彼らの昔の写真をバラまいた時に、NK細胞のもとに届いたのは、ゴスロリファッションでマクロファージと並んでいる写真でした。今のNK細胞とは、似ても似つかない格好でもあり、NK細胞自身にとっても黒歴史だったらしく、この写真を見た瞬間に発狂してしまいました。
しかし、形はどうあれパワーアップはしました。
5.抗原作って敵を一掃! B細胞
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
B細胞は、抗原情報を樹状細胞や記憶細胞から受けることによって、抗体を作り出して、敵を一掃することができます。B細胞が抗体さえ作ってくれれば、形勢を逆転できるので、みんなから頼られる存在でもあるのですが、抗原情報の提示が遅れると、戦闘にまったく貢献することができません。
記憶細胞とのコンビで活躍
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
記憶細胞は過去に体内に侵入してきた細菌やウイルスの抗原情報を記憶している細胞です。なので、B細胞は記憶細胞が覚えている抗原情報から抗体を作ることができるため、この2人のコンビプレイによって、戦闘を有利に進めることができます。しかし、記憶細胞の方が結構忘れっぽく、抗原情報の提示が遅れてしまい抗体を作れないという事態が度々起こります。
活躍しているが目立たない
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
抗体を作ることによって、敵を一掃することができるので、細菌たちとの戦闘ではかなり貢献をしているのですが、いつも目立つのは好中球やキラーT細胞などの体を張っている細胞たちとなっています。そんなことに不満を感じながら、抗体を噴射しています。
6.体内を守る殺し屋 キラーT細胞
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
キラーT細胞は、体内の殺し屋で、ヘルパーT細胞の指令によって出動し、細菌やウイルスたちをせん滅する軍隊のようなキャラクターです。攻撃的な性格で周囲から怖がられており、キラーT細胞の集団は、さながら体育会系のような雰囲気を出しています。
昔はナイーブT細胞だった
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まだ抗原に一度も遭遇したことがない未熟なT細胞を、ナイーブT細胞といいます。T細胞部隊では下っ端になっており、頼りない存在ではあるのですが、樹状細胞のT細胞活性化作用によって、一気に成長を遂げます。
胸腺学校時代は落ちこぼれ
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
キラーT細胞になる前は、胸腺学校という場所で厳しい訓練を受けています。胸腺学校を卒業して、一人前のキラーT細胞になれるのは、全体の数%といわれており、厳しい門でもあります。
リーダー格のキラーT細胞は元々胸腺学校では、落ちこぼれでした。卒業も危ういと周囲から思われていたのですが、日々の努力と仲間の助けによって、見事卒業することができました。
メモリーT細胞
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キラーT細胞のような風貌をしている、T細胞の一種です。敵の記録を可愛らしい本にまとめています。
最終奥義「T細胞パーフォリン・キャノン・パンチ」
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がん細胞との戦いで窮地に陥っていたキラーT細胞たちでしたが、そのピンチを救ったのが、キラーT細胞の最終奥義「T細胞パーフォリン・キャノン・パンチ」です・これは「パーフォリン」という感染細胞を攻撃するときに出す物質を用いて、T細胞の「身体を守りたいという気持ちが己の中で最大限に高まったときに放てる」という伝説の技です。
キラーT細胞は、胸腺学校時代からこの技を練習していました。ここ一番という所でこの技を放つことができ、がん細胞から体を守ることに成功しました。
7.免疫細胞たちに指令を出す ヘルパーT細胞
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ヘルパーT細胞は、細菌やウイルスたちの侵入に対して、各免疫細胞たちに指令を送る司令官ような立場の細胞です。このヘルパーT細胞の働きによって、キラーT細胞などが現場に出動します。
胸腺学校時代はエリート
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ヘルパーT細胞もキラーT細胞と同じく幼少期は胸腺学校にいました。その頃は、エリートでもあり、抜群の成績を収めていました。後の、キラーT細胞と出会い、友情をはぐくんだことがきっかけで、ヘルパーT細胞への道を歩みます。
少しおっちょこちょいな一面も
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クールでクレバーなイメージのあるヘルパーT細胞ではありますが、たまにおやつのクッキーの粉が頬についたままになっていながら司令を出すなど、おっちょこちょいな一面があります。
8.殺し屋・掃除屋・保育士 マクロファージ
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白血球全体の3%~6%を占めているといわれているマクロファージは、細菌などの異物を殺すだけではなく、そこから抗原情報を提示することができます。また、殺した細菌たちの掃除もやってくれます。
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見た目は上品なお嬢様のようなのですが、殺傷能力は極めて高く、時に周りが引いてしまうほどの戦闘を繰り広げます。武器は主に鉈やハンマーなどを使います。
赤芽球を育てる保育士でもある
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マクロファージは体内で殺し屋や掃除屋という役割を持っていますが、その他にも、赤血球になる前の赤芽球を骨髄内で育てる保育士のような役割も持っています。様々な顔をもつミステリアスな魅力を持っているキャラクターですね。
9.マクロファージの仮の姿 単球
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単球は白血球全体の約7%を占めるといわれている遊走細胞です。体内に侵入してきた細菌などを倒すのが仕事で遊走能や貪食能も旺盛で、とても頼りになる細胞です。
実はマクロファージ=単球
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単球は骨髄で作られ、血液中を流れている細胞ですが、一度血管外に出るとマクロファージになります。マクロファージの上品な見た目と、単球の全身防護服を着た姿とでは、かなりのギャップがあるので、赤血球は驚愕してしまいました。
まとめ
出典: はたらく細胞 ©清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction
「はたらく細胞」に登場する白血球たちをまとめていきました。白血球とはいっても、色々な種類があるというのは、勉強になりますね。これからの展開でこれらのキャラクター達がどのような働きをしていくのか注目ですね。