『BEASTARS』(ビースターズ)は週刊少年チャンピオンで連載されている、擬人化された肉食獣と草食獣の生活を描いた物語。種族を超えた友情や恋が描かれ、相容れない対立が発生するなど、どこか人間味を感じます。今回は『BEASTARS』主人公のレゴシをピックアップし、キャラクター像に迫っていきましょう。どんなキャラクターとの関わりがあるのか、どのような戦闘シーンが描かれたのかを紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
『BEASTARS』レゴシのプロフィール
『BEASTARS』の主人公を務めるレゴシは、種族が肉食獣のハイイロオオカミとなっています。舞台となるチェリートン学園の高等部2年生で、演劇部の美術チームに所属しており、周りから近寄りがたい変わった動物と見られながら過ごします。物語序盤でこそ物静かに役割を淡々とこなしていましたが、ウサギのハルと出会いと様々な経験を経て、抑え込んでいた自分自身を露わにしていくようになります。
どんな性格をしている?
レゴシはもの静かで目立とうとしない、大人しい性格をしています。加えて肉食獣であること自体にコンプレックスを抱いており、無害な存在でありたいと願っていました。しかしハルとの出会いを果たすと、彼女への感情は恋心なのか、それとも肉食獣としての本能なのかで悩んでいくように。また様々な経験を経ていくことにより、怒りなどの感情を表に出すようになるため、序盤と比較すると大きく成長している様子が窺えます。
レゴシの家族とは?
レゴシの母親は自殺をしたため、家族と呼べる存在はコモドオオトカゲのゴーシャくらいです。それまでゴーシャとは長い間合っていませんでしたが、リズとの一件で退学した後、ゴーシャから尋ねてきたことで再会を果たすことに。レゴシはゴーシャを恨んでいる部分があり、それは母親が自殺したことと関係があるのではと睨んでいたためでした。レゴシはゴーシャにきつく当たってしまうことを反省するもあり、2人はあまり良い関係を築けているとはいえません。
モデルになった人物
『BEASTARS』の主人公であるレゴシには、モデルとなった人物がいます。それがアメリカで活躍したルーマニアの俳優ベラ・ルゴシです。作中に登場するキャラクターは、いずれも西欧風の名前になっていますが、レゴシだけは東欧風の名前が付けられています。ルーマニア出身の俳優が名前の由来になっていると分かれば、合点がいくのではないでしょうか?また余談として、ベラ・ルゴシはドラキュラを演じたことで一躍有名になった俳優でもあります。
『BEASTARS』レゴシの友人や仲間たち
『BEASTARS』には様々な動物たちが登場しており、レゴシに寄り添って力を与えます。その中から特に関係の強い5匹のキャラクターを紹介しましょう。いずれも作中で重要な人物であるため、レゴシと仲間たちの情報をチェックしてください。
唯一の理解者であるジャック
ジャックはレゴシと一緒に生活をする、種族がゴールデンレトリバーのキャラクター。実家が隣り合っていたため、幼なじみの関係にあります。高い知性を持っており、学園では学力トップの成績を修めています。しかしオオカミである部分は薄れながらに持っているため、ハイイロオオカミであるレゴシと衝突することもありました。のちに2人は分かりあうようになり、特に周囲から誤解されがちなレゴシを気にかけている様子が描かれています。
眩しい存在であるルイ
レゴシが所属している演劇部の役者長を務めているのがルイで、種族はアカシカとなっています。草食獣ながら高いカリスマ性を持っているため、レゴシからも「将来のビースター」と尊敬の念が贈られていました。しかしルイにとって草食獣は肉食獣に捕食される立場にあると考えており、それ自体が強いコンプレックスにもなっています。そのためレゴシに対して苛立ちを見せる様子もあり、強い言葉で叱責する様子が描かれています。
ハルとは互いに惹かれあっていく
レゴシを大きく変えることになったきっかけでもあるのが、ドワーフ種のウサギであるハルという存在です。2人の初対面は、レゴシが見張りをしている際、暗闇で近づいてきたハルを食べそうになった場面でした。それからレゴシはハルを殺しかけた罪悪感を抱き、距離を置こうとしましたが、思惑と反して深く関わっていくように。そして多くの話を交わすと、互いに惹かれあうようになっていきます。
同じハイイロオオカミのジュノ
ジュノはレゴシと同じハイイロオオカミであり、演劇部に所属する高等部1年生のキャラクター。2人が深く関わっていくようになったのは、ジュノが不良に絡まれているところをレゴシが助けたところから。実のところ、ジュノは以前からレゴシに想いを寄せており、ピンチのところを救ってもらったことも相まって、想いが強くなっていくことに。しかしレゴシに相手をされず、あげくには天然の行動に振り回されてしまっている様子が見られます。
親身になって鍛えてくれたゴウヒン
ジャイアントパンダのゴウヒンは、闇市で心療内科を営んでいる医者。一方で肉食獣の捕獲に従事している様子もあり、レゴシは師弟関係とも言える関係で結ばれています。強面かつ粗暴な振る舞いが目立っていますが、実際には面倒見の良い性格をしているため、レゴシもゴウヒンを慕っています。テム食殺事件の犯人であるリズとの戦いに備えて、レゴシはゴウヒンの下で修行に励みますが、そこではゴウヒンを驚かせるほどの成長をみせるのでした。
『BEASTARS』レゴシとリズの戦い
『BEASTARS』では、肉食獣による草食獣の捕食が大きな事件へと発展していきます。寡黙で誤解されやすいレゴシに疑いの目が向けられますが、これはすぐに晴れることに。レゴシはリズが犯人であることを知り、これによって両者は激しい戦いを繰り広げていくのでした。作中でも屈指の大きな戦いとなったレゴシVSリズについて紹介していきます。
異種族の壁を越えるものを賭けて争う
『BEASTARS』序盤で起きたテム食殺事件は、レゴシを大きく成長させる事件でもあります。リズはテムから肉食獣の恐ろしさを理解し、受け入れた存在でしたが、思い余って食殺してしまいます。これによってリズは、「種を超えた真の友情は捕食でのみ築ける」と考えるように。しかしレゴシは、ハルとの出会いによって「異種族の壁を超えるのは愛」だと考えます。相容れない意見で2人は決闘をすることになり、草食獣に対する想いを賭けて全力でぶつかり合うのでした。
ルイの右足を捕食して互角に戦うレゴシ
レゴシとリズの間には大きな力の差が存在していました。リズはヒグマであり、元より強力な力を持っていたため、ゴウヒンの下で修業を経たレゴシですら歯が立ちません。そこにシシ組から抜け出したルイが駆けつけ、レゴシに自身の右足を捕食させます。これによってレゴシは覚醒することになり、リズと互角に渡り合っていきました。やがて決闘は、リズが肉食獣と草食獣の間にある絆に圧倒され、自ら敗北を認めて幕を閉じます。
リズに勝ったものの捕食の前科で謹慎に
辛くもレゴシは勝利を収めましたが、肉食獣が草食獣を捕食する行為は大きな問題でした。そのためレゴシは食肉の前科が付くだけでなく、草食獣に対する様々な制限が課せられることに。リズとの決闘の後、レゴシは退学して一人暮らしを始めますが、毎晩食肉の禁断症状に苦しめられてしまいます。しかし「草食獣という存在が好きな変態」と自覚するようになると、不思議と禁断症状が治まって、支障のない生活を送れるようになるのでした。
まとめ
『BEASTARS』の主人公であるレゴシは、はじめこそ大人しく振る舞っていましたが、ハルとの出会いによって表へと出ていくようになります。数々のできごとや事件を経験し、心身ともに強くなっていく様子は必見です。なによりレゴシには、素晴らしい仲間たちに恵まれているため、彼らとのふれあいにも注目が集まるばかり。これからどのように成長していくのか、また強くなっていくのかが気になるところです。