可愛い絵柄に対してダークなストーリーでこれまでの”魔法少女もの”のアニメの概念を覆した話題作、「魔法少女まどか☆マギカ」。このアニメにも魔法少女ものにあるマスコットキャラクター的キャラクターがいました。それがキュゥべえです。可愛らしい見た目に反してその正体は意外なもので、だまされた視聴者もたくさんいたことでしょう。今回はそんなキュゥべえを紹介したいと思います。
目次
キュゥべえは魔法少女のマスコットキャラクター
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
魔法少女まどか☆マギカの世界の魔法少女は一般の女の子がどんな願いもひとつ叶えてもらう代わりに、魔法少女になるという”契約”の元、力を手に入れたという存在です。その契約の相手がキュゥべえです。キュゥべえは魔法少女の素質があるものを見いだし、契約を勧めたり魔法少女と行動を共にして魔女退治の手伝いをするというまさに「魔法少女のマスコットキャラクター」と呼べる存在です。
キュゥべえの可愛い見た目
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
真っ白な体に赤い目、大きなしっぽ、耳からは長い毛のようなものがあり猫のようなウサギのような姿をしています。現実にはいない生き物であるため、それもマスコット感を強くしています。また、普段はわかりにくいですが毛ももふもふしている描写があります。物語序盤、まどかに抱かれている姿や弁当やフライドポテトをもらって食べる可愛いです。しかしながら表情は乏しくあまり変わらないという不思議さもあります(コミカライズ版は表情豊かです)。
キュゥべえのお仕事
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
キュゥべえの役割は前述の通り魔法少女の素質のある女の子を見つけては魔法少女への勧誘を行います。契約が成立すればいかなる願いも叶え、女の子からソウルジェムを生み出し魔法少女へと変身させます。そのほかに、ソウルジェムを浄化するための道具、グリーフシード(魔女の卵)を魔女が生まれる前に処理することもキュゥべえの役割です。その際は、背中の赤い円の模様が開きそこにグリーフシードを放り込むという独特の処理方法を見せます。
徐々に見せるキュゥべえの本性
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
物語が進むにつれてキュゥべえの本性、目的が徐々に明らかになりまどか達はもちろん、視聴者をも驚かせ、イラつかせもしました。キュゥべえは実は「インキュベーター」と呼ばれる地球外生命体で、魔法少女と魔女の関係と仕組みを利用してエネルギーを回収して、宇宙全体を効率よく運営していくという目的を持っていました。一体キュゥべえにはどんな黒い面があったのでしょうか?
ソウルジェムの真実を説明していない
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
物語中盤、魔法少女のソウルジェムは魔法少女自身の魂であることが判明します。魔法少女の体は魂の抜かれた人形のようなものという真実を後から知らされた杏子は激怒しますが、キュゥべえは「どうして人間は、そんなに魂のありかにこだわるんだい?」と一蹴、むしろ魂と体を切り離すことで痛覚を無視できるようになるから戦いに効率的とまで言ってのけます。なぜ説明しなかったのかと問い詰めたれたときも「聞かれなかったから」と平気で言ってのけます。
魔法少女を利用する地球外生命体
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
キュゥべえは前述の通り「インキュベーター」と呼ばれる地球外生命体です。インキュベーターは生き物の感情をエネルギーへと変換する技術を開発しそこから得たエネルギーで宇宙のエントロピーを正常に保とうとしました(宇宙が崩壊しないようにするということです)。しかしながらインキュベーター自身は感情を持っていなかったため、地球の10代の女の子の感情に目を付け魔法少女と魔女の仕組みを作りました。そして魔法少女が魔女になる際に発生する莫大なエネルギーを回収するために魔法少女を利用したのです。
まどかを執拗に狙う理由
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
キュゥべえは特にまどかに執拗に契約を迫ります。まどかは非常に強い魔法少女になる素質があり、そのまどかが魔女になればこれまでとは比べものにならない莫大な量のエネルギーを回収できるからでした。
埋まらない人との溝
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
物語中盤以降、キュゥべえはどんどん黒い面を出していきます。さやかを失いふさぎ込むまどかに対して「人間はたくさんいるのになぜ一人の生き死にで落ち込むか」や「人の死は悲しむのに、家畜を殺して食べている現実に目を背けるのは理不尽だ」などとまどかとは一切わかり合うことのできないことを話します。さらには去り際に「この宇宙のために死んでくれる気になったらいつでも声をかけて」とまで言い放ちます。人の気持ちは一切理解しない生き物です。
キュゥべえとほむらの因縁
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
1話でほむらがキュゥべえを追いかけて倒そうとするシーンがありました。時間を繰り返しているほむらはこの時点でキュゥべえの目的と正体を知っているため、まどかと接触する前に倒そうとしていました。この後もキュゥべえとほむらのいたちごっこは続きます。が、キュゥべえは何匹も地球に来ていていくら倒しても代わりが次々と現れるのです。8話でほむらがキュゥべえを蜂の巣にした瞬間は胸のすく思いがしましたが、その後代わりが現れたときは「なんでだよ!」と思わず叫びたくなりました。
きれいなキュゥべえ?
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
最終話でまどかが世界を改変して魔女のいない世界になりました。これによりキュゥべえはこれまでの魔法少女と魔女の仕組みを利用したエネルギー回収方法を失い、魔獣を地道に倒してエネルギーを回収するしか無くなりました。そのため、キュゥべえは奇跡を対価に魔法少女へと変身させる存在となり、ほむらと共に行動し魔獣退治の手伝いをしていました。一見するとやっとマスコットキャラクターになったかのように見えましたが、以前の記憶を持つほむらから魔女の存在を聞かされたとき「魅力的な方法」と言っていました。キュゥべえの本質は変わっていないようです。
再び敵となるキュゥべえ
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
改変後の世界で魔女の存在を知ったキュゥべえは、ほむらを利用してソウルジェムから魔女を生み出そうと実験をします。穢れきったほむらのソウルジェムを円環の理の影響の及ばない結界の中へと隠し、結界の中で魔女を生み出そうとしました。途中まではうまくいっていましたが、まどか達魔法少女により結界が壊されほむらはようやく円環の理、まどかの救済を受けることができるようになります。
キュゥべえ、完全敗北
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
劇場版新編、叛逆の物語のラストでほむらによって再び世界改変が起こってしまします。その際キュゥべえは人間の感情を利用するのはあまりにも危険だと感じ人間から手を引こうとしましたが、「宇宙に蔓延する呪いを浄化」するために必要だと悪魔になったほむらに捕まり、強制的に協力させられてしまいます。最後のシーンではぼろぼろに傷ついたキュゥべえがまるで怯えるように(感情がないはずなのに)震えるシーンで終わります。ほむらがついにキュゥべえに勝利した瞬間とも言えましょう。
キュゥべえを好きになれる?なれない?
出典: 魔法少女まどか☆マギカ ©Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Partners
魔法少女もののアニメには必須であるマスコットキャラクターが、このアニメでは「キュゥべえ」という存在でした。しかしながらその正体は見た目と反して黒い性格の地球外生命体というショッキングなものでした。しかしながら、キュゥべえのこれらの行動も宇宙全体というマクロな面を考えてのことで、キュゥべえなりの正義があってのことです。そのキュゥべえを好きになれるかなれないかで、このアニメの視点も変わってくると思います。確かにムカつくキャラクターではありますが、時折見せる可愛らしく憎めない面もあり、不思議な魅力のあるキャラクターかもしれませんね。