「東京卍リベンジャーズ」は週刊少年マガジンで連載中の作品で、2021年4月から『東京リベンジャーズ』のタイトルでアニメが放送されます。本作はいわゆるヤンキー漫画・不良漫画のジャンルですが、それだけではなくタイムリープやサスペンスといった要素も入っている作品です、そんな「東京卍リベンジャーズ」の作者、和久井健先生について紹介していきたいと思います!
目次
元はヤンマガ出身!?和久井先生の経歴を紹介!
和久井先生のデビューは2005年で別冊ヤングマガジン掲載の「新宿ホスト」でデビューし、その年に週刊ヤングマガジンで「新宿スワン」を連載し、8年間の連載を経て2013年に連載終了。同作はドラマ化、実写映画化もされています。その後は週刊ヤングマガジンで「セキセイインコ」の連載を開始し、2015年に完結。その後は執筆の場を少年誌に移し、2015年からは週刊少年マガジンで『デザートイーグル」を連載し、2016年に完結。2017年から「東京卍リベンジャーズ」を連載中です。
元々の職業はスカウトマン!!??
和久井先生の連載作である「新宿スワン」はスカウトマンを題材にした作品です。野球とかサッカーのスカウトではなく、夜の世界のスカウトマンです。女の子を風俗店にスカウトするというバリバリのグレーゾーンを描いた作品です。夜の世界の作品を描いた作品は珍しいとはいえ、ないわけではありません。ただ、スカウトマンという題材にした作品は唯一無二でしょう。というかなぜそんな題材を選んだのか?実は和久井先生はかつて実在した日本一のスカウト会社の元スカウトマンという経歴があるのです。
和久井先生の作風・ジャンル・画風を解説!
和久井先生の作品の特徴はその題材が一番の特徴でしょう。最初の連載作品である「新宿スワン」は歓楽街の風俗スカウトを題材にした作品です。以後の作品である「セキセイインコ」はサスペンス・ミステリー。活躍の場を少年誌に移してから連載された「デザートイーグル」は不良漫画・裏の世界の成りあがりを描いた作品です。総じて裏の社会や暴力を背景にした作品や、多くの伏線を張った作品が特徴的だと思います。
その画風は?
画風は迫力のあるリアルな劇画で、裏の世界の怖さやリアルさを事細かに表現している画風です。キャラクターは親しみが持てるというよりは、あくまでリアルさを追求したデザインでドラマ性や伏線に重きをおいています。ただし、それは青年誌のヤンマガでの画風で、少年誌に移ってからは画風を少年誌向けに変化させています。少年誌に移ってからの「デザートイーグル」はまだ青年誌の面影を残しているものの、「東京卍リベンジャーズ」はまさに少年誌向けの絵柄となっており、新宿スワンの画風とは一目で見て分かるほど違っています。
和久井先生の代表作『新宿スワン』を紹介!
「新宿スワン」は和久井先生の代表作品で、裏の世界の風俗スカウトマンを題材にした作品です。パチンコで負けてへこんでいた白鳥竜彦が真虎という怪しい男に誘われて歌舞伎町でスカウトマンの仕事を始めることから始まり、歌舞伎町のスカウト会社「バースト」でスカウトの仕事に就いた後、抗争や他の地域への進出などを描いています。裏の世界で成り上がっていく様相を描く傍ら、その背後に潜む大きな陰謀に巻き込まれ、その謎を紐解いていくストーリーとなっています。
「新宿スワン」の補足的説明
ヤングマガジンで連載され、全38巻という長期連載となった作品です。ドラマ化、実写映画化された作品でもあります。風俗のスカウトマンという超異色の題材で、しかも作者自身の経歴からノンフィクションも含まれているというリアルさと怖さが最大の特徴とも言える作品です。裏の世界を描いた作品はいくらか存在するものの、作者の経歴のせいでそれがフィクションかノンフィクションか区別できないという怖さのある作品です。
和久井先生の代表作『セキセイインコ』を紹介!
週刊ヤングマガジンにて2014年~2015年にかけて連載された作品全5巻。東京・新宿歌舞伎町に住む少年の金田七はある事件は同級生の島日輪子が何者かに殺害されたことをきっかけに記憶を失い、頭の中にメモリーという記憶の化身の人格が生まれます。何故日輪子は死んだのか?そして、七の前に次々と現れる裏の組織の刺客。七は自分の失われた記憶に恐怖しながらも前に進み、自身に秘められた謎に迫っていきます。
「セキセイインコ」の補足的説明
舞台は前作と同様の新宿歌舞伎町ですが、ミステリー・サスペンス要素の強い作品となっています。ただ、ミステリー・サスペンスの裏に異能バトル的な要素もあってリアリティを持った前作とは毛色が違う作品となっています。絵柄は劇画のリアルな画風ですが、作風自体は少年漫画の要素が一ミリもなかった前作と違って少年漫画的な要素がある作品だと感じました。もしかしたら作者はこの頃から少年漫画書きたいと思っていたのかもしれません。
和久井先生の代表作『デザートイーグル』
週刊少年マガジンにて2015年~2016年にかけて連載された作品全5巻。高校生の高見沢林檎はID偽造という闇のビジネスに手を染め、母親を破滅させた悪に復讐を試みようとします。そこで偶然出会った同じ高校の鷲尾一期との出会いをきっかけに、二人で闇の世界に入り込んでいきます。
「デザートイーグル」の補足的説明
初めての少年漫画での連載ということで、自身の得意な裏の社会を描いた作品に不良漫画の要素を合わせた作品となっています。ただ、主人公が高校生ということもあってリアリティがかなり薄くなってしまった印象。連載も一年間でほぼ打ち切りとみていい作品ですが、少年漫画に合わせた画風の変更は後の東京卍リベンジャーズで存分に活かされています。
和久井先生の代表作『東京卍リベンジャーズ』
週刊少年マガジンで2017年から連載され現在も連載中の作品。タイムリープの能力に目覚めたしがない青年が、かつての恋人が殺されるという運命を変えるべく、すべてのきっかけとなった暴走族グループの東京卍會で悲劇のきっかけとなる事件を回避するため奔走していきます。
東京卍リベンジャーズのあらすじ
26歳フリーター。ボロアパート住まいで年下の店長にこき使われパワハラされるとにかくうだつのあがらないダメフリーターの花垣武道(タケミチ)は、ある日中学時代に交際していた橘日向が東京卍會の抗争に巻き込まれて弟の直人とともに亡くなったことを知ります。さらにタケミチ自身も何者かによって駅のホームから突き落とされ死ぬという直前に、12年前の過去にタイムリープします。
あらすじその②
東京卍會に喧嘩を売ってボコボコにされるという過去を追体験したタケミチは、その帰りに日向の弟である直人を不良の手から救います。そのとき直人に12年後に日向が死に、タケミチもホームから突き落とされて死ぬことを伝えます。そのときに直人とした握手がトリガーとなり、タケミチは現在へと戻るのですがタケミチは死んでいませんでした。タケミチを助けたのは死んだはずの直人でした。直人はタケミチの言葉で自身が死ぬ未来を回避し、タケミチを助けたのです。しかし、未来を知っていた直人でも日向を救うことは出来ませんでした。タケミチと直人は日向を救うべく、タイムリープで未来を変えることを計画します。
東京卍リベンジャーズの補足的説明
作者の過去作品で題材にした、裏社会、サスペンス、不良漫画の全ての要素を取り入れた作品。やりたいこと全部詰め込んだような作品ですが、一方絵柄は青年誌だったころから比べると一目で見て少年漫画と分かるようになっており、非常に親しみやすい作品となっています。
【東京卍リベンジャーズ】作者についてまとめ
「東京卍リベンジャーズ」の作者である和久井健先生についてまとめてみました。過去作から洗っていくと、「東京卍リベンジャーズ」はやりたいことの集大成と言える作品に感じました。絵柄や単行本の表紙も変わっていっているのがかなり特徴的でまさに少年漫画に合わせたというのが感じ取れます。現在連載中の本作は一応の宿敵と決着をつけた形でこれからの展開が滅茶苦茶気になります。アニメも4月から放送なので是非見てみてください!