原作は細音啓によるファンタジーもののライトノベル作品で、「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」通称「キミ戦」。2017年から『富士見ファンタジア文庫』で刊行されており、2018年には『ヤングアニマル』で漫画化、2020年10月からはアニメの放送が予定されています。大魔女ネビュリスが帝国を火の海沈めたことから、軍事国家「帝国」と魔女の国「ネビュリス皇庁」は世界の覇権を巡り、終わりのない戦争をしていました。戦場で帝国の兵である主人公のイスカと魔女の国の王族である「氷禍の魔女」アリスは出会います。二人は敵対する関係でありながら、互いに惹かれ、目指すべきトコロが同じであることに気付きます。しかし、二人はロミオとジュリエットのような関係であり、一緒になることなどありえませんでした。運命の出会いをした二人でしたが、互いの目的の為に戦場に赴くことになるのです。今回は、アニメ化に先駆け、気になるあらすじを紹介していきたいと思います。ネタバレを含む内容となっているので、まだ見ていない方は注意してくださいね!!
目次
釈放されるイスカ
物語は主人公であるイスカが釈放されるところから始まります。帝国の最高戦力「使徒聖」だったイスカは重罪を犯し、終身禁固刑に処されていました。逮捕から一年、突然の釈放に驚きを隠せないイスカ。「八大使徒」と呼ばれる帝国議会を統べる最高幹部が一度決定したことをそう簡単に覆すはずがないからです。イスカの釈放は、重大な任務を遂行する為に必要だったのです。それは大魔女ネビュリスの直系「純血種」、その中でも帝国が特に警戒している「氷禍の魔女」を討伐することでした。魔女に対抗するには星剣が必要不可欠であり、星剣は黒鋼の後継者しか使えません。黒鋼の唯一の後継者であるイスカは異例の釈放を受け、魔女の討伐に向かうことになるのでした。
イスカの犯した重罪とは?
最年少で使徒聖になったイスカですが、捕虜となっていた魔女を脱獄させた罪で逮捕されてました。イスカの目的は敵国との平和交渉でした。それには敵国が交渉に応じざるを得ない人物を捕虜とする必要があり、幼い魔女をわざわざ危険に晒す必要などないのです。また、イスカは魔女とは呼ばず、精霊使いと気を使って呼んでいます。敵国ではありますが、全てを悪とするのではなく、平和的にこの戦争を終わらせることを目指していたのです。
第九〇七部隊の再結成
大八使徒はイスカに必要なものを全て揃えると言いますが、イスカは仲間三人で十分だと言います。釈放されたイスカは、逮捕される前に組んでいた第九〇七隊を呼び集めました。正確無比のイケメンスナイパー・ジン、イスカを兄のように慕う凄腕の機工士・ネネ、巨乳でドジっ娘の隊長・ミスミス。三人ともイスカが戻ってくることをずっと待っていたのです。大八使徒の支援を断り、この仲間を集結したということは、イスカもこの三人を相当信頼しているということですね。任務を聞いた隊長のミスミスは面食らっていましたが・・・(笑)
ネビュリス皇庁の襲撃
車で移動中の九〇七部隊は突然攻撃を喰らいます。精霊部隊からの攻撃と判断したイスカはジンに隊長とネネを連れて逃げるように指示します。一人になったイスカに舐めてかかる精霊部隊でしたが、イスカは炎を斬り、一瞬で精霊部隊を倒してしまいます。これではリハビリにもならなかったでしょうね・・・。精霊部隊を倒したイスカでしたが、その先にはなんと任務の目標である「氷禍の魔女」が待ち構えていました。準備もなしにいきなり目標と接触してしまったイスカだったのです。
「氷禍の魔女」と交渉するイスカ
「氷禍の魔女」の名はアリスリーゼ・ルゥ・ネビュリス9世、通称アリス。アリスの強烈な攻撃でイスカは捕まってしまったと思われましたが、イスカはその攻撃を避け、隙を見てリンを人質としました。イスカの要求はリンの代わりにアリスが人質になること。リンは自分のことなど気にせずイスカを倒すように言いますが、アリスは自分を捕虜にして何をするつもりなのかを問います。イスカは終わりのないこの戦争に終止符を打ちたいと考えており、王族の精霊使いである「純血種」を人質に、ネビュリス皇庁に和平交渉に応じさせるつもりだったのです。
精霊術を斬る「星剣」
リンがイスカの隙を突いて逃げ出します。人質がいなくなったアリスは交渉に応じる必要もありません。「千枚の棘吹雪」でイスカを圧倒するアリス。精霊は星の意思そのものであり、精霊を拒絶した帝国がその攻撃に対抗できる術はないのです。しかし、イスカの双剣は世界に一体しか存在しない精霊術を斬る特別な剣でした。黒の星剣は星を遮断する力を持ちます。精霊術は星の力を起源とするため、そこを遮断されては術自体が成立しなくなります。また、白の星剣は星を解放する力を持ち、黒の星剣で斬った精霊術を一度だけ再現することが出来るのです。星剣によって「千枚の棘吹雪」を突破し、アリスに止めを刺そうとするイスカでしたが、無敵の盾「氷花」により手が出せなくなってしまいました。
急接近したイスカとアリス
互いに決め手に欠けている中、アリスは自分の野望を話します。「侵略も迫害もない恒久の平和」それこそがアリスが望む世界なのですが、それを言っている最中に足を滑らせ霜柱から一直線に落下・・・せっかくカッコイイこと言っていたのに、おっちょこちょいが過ぎますね(笑)基本的に優しいイスカは反射的にアリスを助けてしまい、二人は近距離で見つめ合うことに。素顔を見られたアリスはイスカを生かす訳にはいきませんが、そこに九〇七部隊が応援に駆け付けます。追ってが来たことで、アリスたちは撤退。ジンはイスカに氷禍の魔女がどんな顔だったのか聞きますが、イスカは何故か見ていないと嘘をつきます。イスカとアリスはこの時からお互いを意識するようになっていくのでした。
互いに意識し始める二人
氷禍の魔女との戦いが終わり、久しぶりに自分の部屋に帰ってきたイスカでしたが、全く眠れませんでした。氷禍の魔女の精霊術は一つ一つが天変地異に匹敵するほどのレベルであり、敵対する者としてこれほどの脅威はありません。しかし、それを使っていたアリスは自分と同じぐらいの歳のすごく綺麗な女の子だったのです。一目ぼれのようなものでしょうか?イスカの頭の中はアリスでいっぱいになっています。一方、アリスはというと・・・こちらもやはりイスカが気になって眠れていませんでした。アリスは幼い頃に黒と白の双剣を使う人物に助けられていたようで、その人物がイスカなのか・・・?と気になっているようです。
おっちょこちょいな隊長ミスミス
部屋から出てこないイスカを心配するミスミスは、気分転換にとオペラのチケットをプレゼントします。しかし、渡したのはちょっぴりエッチな大人のブラジャー・・・。ミスミスは貴重品を下着の中に隠しているそうです(笑)めちゃくちゃ焦ったミスミスは言い訳をしますが、最終的には大人の下着だって挑戦したいという本音が漏れてます。
オペラで二度目の邂逅
ミスミスの好意によりオペラを見に行くことになったイスカ。隣の席には物語に没頭して号泣する女性が・・・。親切でハンカチを手渡すと、お礼をしたいと言う女性。会場の照明が付くと、その女性はなんと氷禍の魔女アリスだったのです。偶然にも同じオペラに居合わせた二人。決着を付けようとするアリスでしたが、リンに止められます。現在二人がいる中立都市では、①都市では一切の争いを禁じる。②全文一条は先に手を出した方が違反者となる。③すべての文化を受け入れ芸術を楽しむこと。と法律で定められているのです。ここで騒ぎを起こしては世界中の中立都市を敵に回すことになるため、お互いに手出しは出来ないのです。突然の出会いに驚く二人でしたが、ここでは争うことなく別れることになります。
星剣を託されたイスカ
オペラを見ている最中に眠りに落ちてしまったイスカは、昔の夢を見ます。星剣は世界を「再生」する唯一の希望であり、それを師匠から託されたイスカ。師匠がどのような経緯で星剣を託したのかはわかりませんが、戦争に終止符を打つカギは星剣を持つイスカが握っているということですね!
まさかの三度目?!
オペラを後にしたアリスはリンを連れてパスタの名店に向かいます。お店はあいにくの満席でしたが、相席で良ければ座れるとのことでした。パスタを食べたいアリスは快く承諾し、相席のテーブルへ。そこには相席の人はおらず、リンと二人で飲み物を飲んでいると、相席の人が戻ってきました。相手は・・・言うまでもないですね(笑)ここまでくればもうわざとなんじゃないかと思ってしまいます。尾行を疑うリンですが、イスカの席に後から座ってきたのはアリスたちです。これにはぐうの音もでない二人・・・。結局、一緒に食事をすることになるのですが、アリスは人と会話をしながら食事をした経験がほとんどなく、食の趣向が合うイスカとの食事を不覚にも楽しいと思ってしまいます。この急遽始まった食事会で、互いの知らなかった部分を知ることになり、二人は一層惹かれ合っていくのでした。
帝国が誇る万能の天才、リシャ・イン・エンパイア
演習エリアの砂漠フィールドで踏破訓練をしていた九〇七部隊。猛暑の中での訓練を終え、クタクタのところに爽やかに登場するリシャ。彼女はイスカの元同僚であり、今では司令部付きの優等生です。第5席の参謀天帝の懐刀であり、イスカと同じ使徒聖といっても格が違います。そんな多忙なリシャが九〇七部隊の前に現れたのは、イスカたちに自分の下で働いてもらう為でした。第5席の直属の部隊になるのは九〇七部隊からすれば大抜擢なのですが、何の実績もないのに選ばれたことに不気味さを感じるジン。リシャは実績はないけど、実力を把握しているといっているが、実際はどうなのか?リシャはイスカに中立都市に行ったときの話を聞こうとします。アリスのことがバレているのか?!と思うイスカでしたが、ミスミスの天然が炸裂したおかげで話はうやむやに・・・。ミスミス隊長、ナイスです!!万能の天才リシャはどこまで知っているのか?九〇七部隊を直属にしたその真意とは一体?!
始祖の目覚めとその起因
母親に呼び出されたアリス。要件は精霊術の使用を控え、戦場に出ることを禁止するということでした。100年前にたった一人で帝国を火の海に沈め、大魔女と恐れられる始祖。その始祖は巨大な精霊の力により時間の流れを遮断し、今も生き続けているのでした。始祖の縛めに亀裂が入り始め、それを目覚めの予兆だと母親は言います。そして、それが始まったのはアリスがイスカと戦った時からだと言うのです。精霊は他の精霊と共振すると言われており、アリスの精霊が始祖に共振していると母親や星霊院は考えているのでした。自分の影響ではないと確信を持っているアリスは、イスカが「目覚めろ」と言っていたのを思い出します。始祖を縛っていた黒い石柱とイスカの黒い星剣は類似しており、白の星剣は精霊術を解放する。これに気付いたアリスは、イスカが始祖の目覚めに関わっているのではないか?と考えるようになるのでした。
もはやお約束の邂逅
リシャに帝国画家ヴィブラン・サリルの展示会チケットを貰ったイスカ。アリスもオペラの後に行く予定だったらしく、気分転換に展示会へ。中立都市エインにてまたしても偶然再会した二人。こうも同じ時間同じ場所で出会うなんてもう運命としか言いようがありません。敵対している同士なので一緒に行くわけにも行かず、分かれて美術館に向かうことになります。イスカがある程度見終わって帰ろうとすると、道に迷って美術館に辿り着いていないアリスの姿が。イスカは美術館に案内し、二人は共通の趣味を満喫。アリスはヴィブランを語るイスカに魅入ってしまうのでした。距離が縮まり、何気ない会話をする二人の姿は、敵味方なく、まるで恋人同士のようでした。
いよいよアニメ化!気になる内容をチェックしてみましょう!(ネタバレ注意!!)まとめ
いかがだったでしょうか?惹かれ合うイスカとアリスですが、敵対する関係であり、なかなか距離を縮められないので、もどかしい気持ちになると同時に引き込まれてしまいますね。共通の趣味を通して一気に距離を縮めた二人の今後の展開から目が離せません!!