いよいよ2021年7月から放送が開始された「現実主義勇者の王国再建記」。ごく普通の青年として生きていた相馬一也は、ある日突然エルフリーデン王国に勇者として召喚され、ソーマ・カズヤとしてそのままいきなり国王に!?異世界から召喚された勇者がチートな能力を使って、敵をバッサバッサ……という展開とは違い、本作は主人公が主に頭を使って王国を再建させていくのが見どころ。今回はそんな「現実主義勇者の王国再建記」が、今後どのような展開になっていくのか……アニメより一足先にあらすじを紹介していきます。
目次
「勇者」として異世界へ召喚された主人公
異世界モノの作品は大きく分けて二種類あり、主人公が前世で死んでしまい、異世界へ記憶を持ったまま生まれ変わる「異世界転生」。普通の日常を過ごしていたにもかかわらず、突然別の世界へ転移させられてしまう「異世界転移」に分かれています。本作は異世界転移モノであり、主人公の相馬一也はごくごく普通の学生で、大学受験に合格した後に異世界へ転移してきました。転移した理由は異世界で「勇者召喚」の儀式を行ったからであり、一也は「勇者」として異世界に召喚された事になります。他の異世界転移モノと少し違うのは、転移させられてきたにもかかわらず冷静であまり慌てた様子がないところ。すぐさま状況を把握するために国王・宰相と3人で2日間に及ぶ会議を行い、近隣国や国内の事についてある程度の状況を把握。すると会議を終えた直後に国王は「国王を退位」「一也を新たな国王に任命」「娘と一也の婚約」。この3つを何の相談もなく突然発表してしまい、相馬一也は大学生ではなく、「ソーマ・カズヤ」として第14代国王になってしまいました。
異世界に転移して使えるようになった魔法
この異世界ではすべての人間が大なり小なり魔法が使える世界であり、この世界に転移してきたソーマも転移をきっかけに魔法が使えるようになります。魔法能力は「生きた騒霊たち(リビング・ポルターガイスツ)」という名前で、物に自分の意識をコピーして操るというもの。初登場時で最大3つまで操る事ができ、物を媒介すれば複数の物事を同時に考える事が可能に。書類仕事を3人分いっぺんにこなす事ができ、仕事の効率は格段にUP。ただし、初期段階では完璧に操ることが出来ておらず、書類の内容が1枚づつズレていたなんて事も……最初は近場でしか魔法を操ることが出来ませんでしたが、能力が成長すると操作できる距離も伸び、遠距離から媒介を通して戦闘に参加する事も可能になっていきます。
王国の柱となっている「三公」と「禁軍」
王国の戦力には4つの派閥が存在しており、国王直轄軍である「禁軍」を束ねる人族のルドウィン・アークス。陸軍大将は獣人族のゲオルグ・カーマイン。空軍大将は半竜人のカストール・バルガス。海軍大将は500年以上生き続けるエクセル・ウォルター。この4人はそれぞれの領地を持ち、組織のトップとして王国を守ってきていました。しかしソーマに忠誠を誓っている戦力は現時点で「禁軍」のみ。残りの三公達は先代国王の人柄を敬愛しており、その地位を奪うようにして即位したソーマに対しては未だに忠誠を誓っていないとされていました。ちなみにカストールはエクセルの娘と結婚しており、2人は親族の関係でもあります。
特殊な才能を持つ5人の部下
「ただ才あれば用いる」。国王に仕えていた宰相以外、これまで王国に仕えてきた人間は信用できないと思ったソーマは、自身の信頼できる家臣を募るため玉音放送で才のある者を募集します。学歴・年齢・種族・性別・身分・出身全てが不問。さらにオールラウンダーの優秀な者ではなく、ただ1点のみ突出した特技を持っているものを募集しました。大勢の募集の中から選ばれた代表者5人は、剣術に長けるダークエルフのアイーシャ・ウドガルド。圧倒的な歌唱力を誇るジュナ・ドーマ。宰相マルクスからすぐに宰相の座を譲られるほどの頭脳を持つハクヤ・クオンミン。動物だけでなく魔物とも会話ができるトモエ・イヌイ。食に関しては随一の知識を持つポンチョ・パナコッタ。この5人が今後王国再建のために重要なポストを任されることになります。
ハルバートとカエデ
制服を身に着けてお忍びで城下の様子を見る事にしたソーマは、リーシアとアイーシャを連れて街へ向かいました。ジュナが働く歌声喫茶「ローレライ」へやってきた3人はジュナの歌声と料理を楽しんでいたのですが、その時近くのテーブルから言い争う大声が聞こえてきます。言い争っていたのは陸軍の人族ハルバートと禁軍の獣人族の女の子カエデ。2人は幼馴染なのですが、陸軍に所属しているハルバートは新たな国王となったソーマを良く思っておらず、ソーマに対する罵詈雑言を口にしていました。しかしその後ソーマはハルバートに反乱を起こせばどういう未来が待っているのかを話し、その場での事は不問に。後日父親に連れられ城へ現れたハルバートは陸軍から禁軍へ転属する事を命令され、カエデは洞察力を買われて禁軍の参謀となります。(カエデが上司、ハルバートは部下という事に)最初こそ頼りない2人でしたが、物語が進むにつれて禁軍には無くてはならない存在となります。
ダークエルフの里の救援へ
プロジェクト・ヴェネティノヴァと名付けられた都市計画を始め出した頃、アイーシャの元へ1通の手紙が届けられます。手紙の内容はアイーシャの故郷である神護の森が大規模な地滑りにあい、集落の半分が飲み込まれて行方不明者が多数出ているという知らせでした。それを知ったソーマは、すぐさま救援部隊として都市計画に参加していた50名を引き連れ神護の森へ。ダークエルフは多種族が森に入る事を禁じていましたが、族長の娘であるアイーシャの要請として特例的に森へ入る事を許されていました。凄惨な現場で必死の救助活動を続けるソーマたち。救える命、救えなかった命が増えていく中、「なぜ森を守ってきた自分たちがこんな目にあうのか」と嘆く者もあらわれ、ソーマは被災者の救出と同時に、諭すように地滑りが起こった理由を説明していく事になります。
三公への最終勧告
アドミニア公国を征伐する事を決定したソーマは、その前に玉音放送を通して初めて三公と対面。これまで度重なる要請に従わなかった三公に対し、従うのかこのまま反逆するのかを尋ねて最終通告を行います。この会議で海軍大将のエクセルはソーマの指揮下に入り忠誠を誓う事を約束。実はエクセルは元々密偵であるジュナを通してソーマとつながりを持っており、カーマインをギリギリまで説得していたのですが成果は得られず。カストールは信頼するゲオルグと反逆する側についてしまいます。
城塞と要塞
三公の反逆を機に進軍を開始したアミドニア公国軍は城塞都市アルトムラの前に大軍を布陣。するとアルトムラの領主が現れ、土下座をして一切抵抗せず開城する事を約束します。その代わりに「領内の貴族を説得するまでの時間が欲しい」という領主に対し、しばらく待つことにしたアミドニア公国軍。しかし翌日まで領主は現れず、翌日更に待つよう頼まれてしまいます。一方他の場所では同時期にもう1つの戦いが起こっていました。豊臣秀吉の一夜城の要領で、一晩のうちに要塞を作り上げたカエデたちは陸軍と傭兵の猛攻に耐えていました。しかし、カノン砲(大砲)を持ち出した事で戦局はどんどん不利になっていきます。そこへ現れたのがダークエルフのスールと総大将のルドウィン。スールは放たれた大砲を矢で砕き、ルドウィンはカノン砲を破壊するべく正面から突撃します。
ソーマ軍VSカストール
陸軍の相手は禁軍に、アミドニア公国軍はエクセルたちに任せたソーマは、少数の側近たちを連れて空軍を率いるカストールの元へ向かいます。その移動手段として使ったのが「戦艦アルベルト」。カノン砲を装備する巨大戦艦に無理やり車輪を付け陸上を移動し、カストールの待つ紅竜城邑に対し遠距離から砲撃を浴びせます。既に妻と息子とは縁を切り、部下に自分の後を任せる言葉を残すなど強い覚悟をみせていたカストールでしたが、攻撃を受けて反撃のため娘のカルラをアルベルトの元へ送り出したものの、自身は何かを感じ取ったのか城を守るため1人で残る事に。その読みが当たり、場内へやってきた少数のソーマ軍とカストールの戦闘が始まります。アイーシャすら敵わない圧倒的なカストールの力に押されるソーマ軍でしたが、思わぬ伏兵が現れて戦況は一気に覆る事に……。
ゲオルグの覚悟
今回の戦いで最大の敵になると思われていたゲオルグ。しかし自身が戦場に現れる事は無く、ただひたすら戦況を眺めていました。そして空軍がソーマ側につき、対空連弩砲が破壊されたと聞くと、反撃する事も無くあっさりと敗北を認めてしまいます。というのも、この戦争は全てゲオルグの描いた絵であり、本当の目的は今後王国の不穏因子になるであろう「不正貴族」を1か所に集めて一斉に捕まえる事でした。予想通りソーマのやり方に納得できなかった不正貴族は、全員が反乱を起こしたゲオルグの元へ集結。空軍の攻撃を受けるまでは黙っていたゲオルグでしたが、対空連弩砲が破壊された事により「領民を捨てて逃げよう」と言い出したのを聞くと完全に愛想をつかし、部下に命じて不正貴族たちに隷属の首輪を装着。その後、自分にも同じく隷属の首輪をつけさせ、この戦いを終わらせようとしたのですが……ソーマは更にもう1つの目的を果たすため降伏した陸軍を連れ先へ進んでいきます。
アミドニア公国に対して正式な宣戦布告
ゲオルグという武人の大木を乗り越えたソーマは休むことなくそのままアミドニア公国への宣戦布告を行います。ソーマの狙いはアミドニア公国の首都「ヴァン」。アルトムラで足止めを食っていたアミドニア公国軍はこの宣戦布告を聞き、全軍が大慌てで首都ヴァンへ引き返していきました。ガイウスは周りにお構いなしで兵士もついていけない程の行軍速度で走り続け、沼地では兵たちを足場に使い仲間を犠牲にしながら先へ進みます。途中でソーマ軍の奇襲にもあい、完全に疲弊しきっていたアミドニア公国軍。気付けば3万人いた兵の数は半数の1万5000人にまで減っています。それでも途中で村民を無理やり徴兵し、兵の数だけは2万5000人まで回復するのですが……。ヴァンまであと数十キロの地点でアミドニア公国軍が目にしたのは王国軍5万人が待ち構える絶望的な状況でした。
王国軍5万VSアミドニア公国軍2万5千
ついに始まった王国軍とアミドニア公国軍の最終決戦。兵の数でも2倍と圧倒している王国軍ですが、数だけでなく士気の高さでも圧倒。ここまでほぼ無傷でやってきた王国軍に対し、アミドニア公国軍は奇襲と行軍で疲れ果てた兵士と無理やり徴兵された村民が大半を占めているので士気が低く戦いの途中で逃げ出す者も現れるほど。圧倒的不利な状況を見て、ガイウスも早々に負け戦だと認めてしまいました。自らが犠牲となって時間を稼ぎ、息子のユリウスに復讐心を継承させ逃がし、全てを託したガイウスはアミドニア人の気骨を見せるため負け戦と知りながら最後の決戦へ向かいます。
ソーマVSガイウス
少数の精鋭と影武者を使い、王国軍の中を突っ切ってついにソーマの眼前までやってきたガイウス。その鬼気迫るような気迫はソーマを圧倒し、強力な土系魔法と防具によりソーマとカルラを圧倒。それでも焙烙玉を使いなんとか倒したと思われたのですが、ガイウスは最後の力と気力を振り絞って立ち上がり……。
「現実主義勇者の王国再建記」あらすじまとめ
ここまで第一話から、おそらくアニメで放送されるであろうアミドニア公国軍との戦いまでのあらすじを紹介してきましたがいかがだったでしょうか?シリーズはかなり長くまだまだ続くのですが、一先ずここで一段落となります。今回紹介しきれなかったキャラの活躍などもあるので、詳しい内容は是非アニメでチェックしてみてください。