大人気作品『化物語』シリーズに登場する「忍野扇」。主人公「阿良々木暦」の前に現れ、度々名言や謎多き言葉を残し、この物語を混沌の渦に巻き込む不気味な少女です。彼女はいったい何者なのか?その秘密に迫ります。
忍野扇とは?
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
「忍野扇」の初登場は、『化物語』シリーズでの「傾物語」です。私立直江津高校に転校してきた高校1年生の転入生です。ショートカットに手が覆われるほど長い袖の制服をまとい、青白い肌。膝上のスカートから除く足には黒いストッキングを穿いています。一見かわいらしいルックスですが、その瞳は光彩の全くない漆黒。表情や感情が全く読めない瞳をしています。
忍野メメの姪っ子?
自称「忍野メメの姪っ子」。その真相は後々明かされますが、羽川翼以外はその肩書を鵜呑みにしていました。神原駿河のファンで後輩という関係性で神原が紹介し、主人公「阿良々木暦」に近づきました。推理小説好きを公言していて、時には事件を謎解くように物語の指針をを阿良々木に示しています。
これまでの忍野扇
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
初登場の「傾物語」では、不気味な後輩というイメージが大きく、正体は全く分かりませんでした。阿良々木暦に信号機がすべて赤信号になる瞬間についての話をし、阿良々木をいきなり「この愚か者は。」と罵りました。まだ彼女についての情報は少ないです。
花物語での扇
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
なぜか「花物語」では忍野扇は男子高校生姿で登場しました。青白い肌と漆黒の瞳はそのままで、手には黒い手袋を着け、学ラン姿で自転車に乗り似て非なる姿で神原駿河の前に現れました。神原駿河に「悪魔様」の存在を伝え、それがきっかけで神原はまた「猿の手」の怪異と関わります。
囮物語での扇
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
また女子高生姿に戻った忍野扇。自転車で千石撫子の前に現れ、初対面にもかかわらず千石撫子の名前を知っていました。その後にわざとらしく自己紹介をし、千石撫子を警戒させています。この時、後に千石撫子が神様になってしまうきっかけを作ったのが忍野扇です。阿良々木家にある「ご神体のお札」の存在を教え、かつ「逆撫子」のきっかけでもある「くちなわ」のシュシュを撫子に渡しました。いったい何を考えているんでしょう。
恋物語の扇
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
直接は登場しませんが、専門家「貝木泥舟」を襲撃した中学生が「扇さんの言っていた通りだった…!」と言っていました。この中学生をそそのかし、貝木を襲撃するよう仕向けた模様です。
憑物語の扇
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
専門家「手折正弦」の元へ向かう途中の阿良々木と斧乃木余接の前に現れました。何食わぬ顔で現れましたが、実は手折正弦に阿良々木とキスショットの「退治」を依頼したのは彼女です。ここまで数々の事件のきっかけを作ってきた忍野扇。斧乃木余接から「どっかの誰かの掌の上」「黒幕だろう」と言われていました。
終物語の扇
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
「終物語」の忍野扇は阿良々木の幼馴染「老倉育」の母親の謎解きを羽川翼と競うように解いていました。なぜか羽川とは相性が悪いらしく、忍野扇相手に羽川は今まで見せたことのない表情や台詞も披露しています。そしてこの「終物語」で忍野扇の正体がついに判明します。
忍野扇の正体
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
忍野扇。彼女の正体は「怪異」です。正確に言うと「阿良々木暦の自己否定が具現化した怪異」です。「終物語」にて臥煙伊豆湖が忍野扇の正体を暴きました。臥煙伊豆湖曰く「ダークこよみん」。
産まれた経緯
怪異である忍野扇が産まれた経緯としてはまず、主人公「阿良々木暦」が正体不明の「くらやみ」に出会ったことが最初のきっかけです。正しくない物を消滅させる「くらやみ」は迷い牛である八九寺真宵が本分を果たさなかったために現れ、八九寺真宵を消滅させようとしました。このことに阿良々木は疑問を持ちます。八九寺の様な何でもない善良な怪異が消滅させられて、なんで僕なんかが…という思いが生まれます。
「自己批判」
その後、神原駿河の持つ「レイニーデビル」の力が初代眷属を通し、伝説の吸血鬼で物体具現化の力を持つ「キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード」こと忍野忍に取り込まれ、阿良々木暦のもとにたどり着きます。そして上記の阿良々木暦の「自己批判」が数々の怪異の力によって具現化されたのが「忍野扇」です。
「間違いは間違い。正しくないことを裁く」怪異
阿良々木暦が生み出した「間違いは間違い。正しくないことを裁く」怪異となりました。しかしここで注意したいのが、「くらやみ」とは別の存在だということです。
忍野扇の退治
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
「終物語」おうぎダークで忍野扇の退治が実行されました。自分は忍野メメの姪だといい、「くらやみもどき」のような存在の忍野扇。そんな彼女の存在を暴き、嘘を見破り、本物の「くらやみ」によって消滅させようという退治方法です。
認められる
しかし、阿良々木暦によって、また「宿敵」羽川翼が連れてきた怪異の専門家「忍野メメ」によって存在を認められ、自分がついた嘘が真実に変わり、「くらやみ」は忍野扇を飲み込むことなく消滅しました。
思い込み
本物の「くらやみ」がいるのにもかかわらず、「くらやみもどき」を装っていた忍野扇。彼女自身、自分は「くらやみ」だと思い込んでいたと臥煙伊豆湖は解説しました。元々阿良々木暦が「くらやみ」の存在を知ったため生まれた怪異です。阿良々木暦が自分自身を許せない心がそのまま間違ったことを正す怪異として忍野扇は「くらやみもどき」として数々の事件で暗躍します。
阿良々木暦と忍野忍
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
「私はあなたですよ。阿良々木先輩。」の言葉通り、阿良々木暦から生まれた「ダークこよみん」が忍野扇です。阿良々木暦から生まれた事実を知りつつも、「くらやみ」の化身だと思い込み、「くらやみもどき」として暦を責めてきました。
愚か者ですね
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
阿良々木暦のことを何度も「愚か者ですね」と責め立て、否定的な言葉を発します。しかし、阿良々木暦はかわいい後輩として時に行動を共にしフィールドワークに励み、名言や謎解きなどの扇の言葉に耳を傾け、阿良々木暦にとってある意味特別な存在になっていました。
助けられる
「終物語」では「くらやみ」に呑まれる直前に扇を助けます。それは今まで他人のために動いてきた自分が、初めて自分(扇)を助けるために動いた瞬間でした。忍野メメの名言「人は勝手に一人で助かるだけ」が頭をよぎります。
羽川翼と忍野扇
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
扇の天敵とも言える羽川翼。普段他の先輩たちには恭しくも失礼な発言を連発する扇ですが、羽川翼相手には煽りまくります。しかし、羽川相手にはいつもの余裕は感じられず、「羽川とかいうやつ」「羽川おっぱい」などと直接口激に出ます。「終物語」では、阿良々木とどちらが老倉育の家に行くかで激しいバトルを繰り広げます。
煽る扇
ちなみに羽川の名言「何でもは知らないわよ。知ってることだけ。」を逆手に取り、「あなたは本当に何も知りませんね、羽川先輩。」と罵っています。忍野扇は終始羽川翼を警戒していました。名前の扇とは「羽」に「戸」を突き立てているという由来が一説にあります。
神原駿河と忍野扇
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
忍野扇にとって阿良々木暦の次に関係深いキャラといえば神原駿河になります。登場時は神原駿河の後輩として扇は紹介されました。その時は猫かわいがりしていた神原駿河も「花物語」においては扇に対する態度が一変。冷たくあしらうように接しています。扇はというと、先輩に対するいつもの「慇懃無礼」スタイルで神原と接しています。
驚きの変化
神原駿河は阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎが卒業した後は落ち着き、キャラも一変しています。しかも忍野扇にいたっては性別が変わっているので、もはや何が何だか…。阿良々木達卒業後、一体何があったのでしょうか。
まとめ
出典: 化物語 ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
謎に包まれた存在「忍野扇」。怪異絡みの事件の裏で暗躍し、阿良々木たちに意味深な名言を残す彼女は「終物語」にて正体を暴かれます。しかし、「終物語」以降も性別を変え各キャラ達の前に現れます。文字通り生まれ変わったのか、怪異の属性が変わったのか…まだまだ続く『物語シリーズ』での忍野扇の存在は今後も目が離せません。