アニメや漫画好きの方はご存じかと思いますが、異世界モノと呼ばれている作品は今や一つのジャンルとして認知されています。アニメ化される作品は毎シーズン必ずといっていい程異世界モノが含まれており、今回ご紹介している「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う」も異世界モノの作品です。その異世界モノ作品も小説から漫画、アニメを含めると数多くの作品があり、その中で人気作品になる為に如何にオリジナリティを持たせるか皆さん頑張っていらっしゃいます。しかし、まず最初に主人公の設定が「異世界転生」「異世界転移(召喚)」「転生・転移無し」これらが3つのどれになるのかが作品の方向性を決める大事な一歩かと思います。今回はこの3つの設定を改めて考察するとともに、「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う」を特集してきましたので、他のテイマー作品もいくつかご紹介していきたいと思います。
目次
最近多いのは「異世界転生」作品?
元々は小説投稿サイトからの作品がアニメ化されヒットした事で人気になり、その後「小説家になろう」で多数の人気作品が登場します。その後「なろう系」ブームと呼ばれる現象になった異世界モノ作品ですが、今一番多い設定は「異世界転生」作品だと思います。アニメ化される作品を見ても「異世界転生」ものが多いですね。
では「異世界転生」とは?
現実世界で何等かの原因により死亡した後、異世界に別の人物や生き物に転生する事です。ただ近年は剣などに転生する作品もあり多様化しています。そして転生する際は基本前世の記憶を持ったまま転生する設定が定番になっています。ただ、「黒の召喚士」の様にあえて設定で前世の記憶を持たずに転生する作品もありますので今後は様々なシチュエーションの作品が出るのではないでしょうか。
最初に注目された「異世界転生」作品は?
色々ご意見があるかと思いますが「異世界転生」人気のきっかけになったのは「幼女戦記」「転生したらスライムだった件」のアニメ化あたりだと思います。「この素晴らしい世界に祝福を!」とも考えましたが、主人公は現世で死亡し女神によって異世界に行くのですが、本人がそのまま異世界へ行く事からこれは転生ではなく転移だと思い外しました。
「転生したらスライムだった件」の人気
ほぼ同時期にアニメ化された「幼女戦記」「転生したらスライムだった件」ですが、転スラ人気の高まりは凄いです。関連書籍を含めたシリーズ累計発行部数はアニメ第1期放送時で1000万部だったのが第2期第2部放送時で3000万部を突破し、コミックが2022年第46回講談社漫画賞の少年部門を受賞するなど人気は高まる一方です。そして現在日本テレビ系列で再放送をするなど11月の劇場版公開への期待が伺えます。
「異世界転生」作品の設定は自由度が高い?
まず何に転生するかで色々なシチュエーションが考えらえます。人間か魔物か、それとも剣など生き物ではないものか。人間に転生したとしても誰に、どんな身分の人に転生するのかでも色々と考えられますね。また転移であればその時の年齢に限定されますが、転生の場合人間であれば何歳に転生するのかでストーリーを色々組み立てられます。この事を考えても「異世界転生」は自由度が高いなと思います。
「異世界転生」作品の今後は・・・
「異世界転生」作品の自由度が高いと書きました。逆に言えば高いが故に更に細分化されて色々ジャンル化されると思われます。しかし、いくら細分化されても作品が多すぎれば似たような作品が増え、飽きられてしまいます。やはり最終的には魅力がある作品が残っていくのです。そして作品数も落ち着いていくと思います。
異世界モノの元祖?「異世界転移(召喚)」作品
神話の古事記にあるイザナキが死んでしまったイザナミに会いに黄泉の国へ行く話しのところは、「黄泉の国(異世界)」に「行く(転移)」という解釈をすると「異世界転移(召喚)」に近いお話しという考え方もできると思います。これはあくまで例えで、別の世界に行く(転移・召喚)作品は一つの設定として結構存在し、異世界モノ作品が認知されるより前から普通にあったという事が言いたかったのです。
「異世界転移(召喚)」の設定は色々
基本は何等かの原因で異世界に移動する事です。その原因として人為的に現実世界から移動させるとか、神的存在が異世界に移動させます。もしくは異世界から召喚されてしまうなどが一般的にある設定です。その他には何等かの形(例えば扉)を介して現世と異世界を移動する作品や、自身の力で異世界から現世にやってくる作品もあります。また異世界に移動した後、役割を終え現世に戻った後を描いた作品などもあり、細かい設定は数多くあります。
商業用作品ではいつ頃から?
では日本での商業用作品はいつ頃からかというと1979年に刊行された高千穂遥さんの「異世界の勇士」でしょうか、異世界ファンタジー作品としては初めてかと思います。その後も異世界転移作品は出ています、小野不由美さんの「十二国記」は1991年に刊行されてから現在に至るまでシリーズ継続中の人気作品です。
バイストンウェルの作品たち
ではアニメの「異世界転移(召喚)」作品は?というと「聖戦士ダンバイン」を思い出してしまいます。富野由悠季さんが総監督として手掛けた作品で、当時ファンタジー作品が浸透していない中「風の谷のナウシカ」をかなり意識して作られた意欲作で「富野版ナウシカ」と呼ぶ人もいる程です。富野さんは同じバイストンウェルを舞台にした作品として「リーンの翼」や「オーラバトラー戦記」なども手掛けています。
異世界モノ作品人気の立役者
「異世界転移」作品の人気の火付け役はやはり「ソードアート・オンライン」(以下SAO)ではないかなと思います。SAOは異世界作品というジャンルを広め人気に大きく貢献した作品で、今なおSAOシリーズは続いており、アニメや映画なども作られ続けています。SAO人気の後に、小説投稿サイトから異世界モノ作品が多く投稿されるようになります。そして、人気作品が多く輩出されるようになりました。
「異世界転移(召喚)」作品の今後は
異世界への転移という設定は昔からある設定で、コンスタントに作品は出ていました。それが小説投稿サイトで誰もが作品を発表できる様になり、「なろう系」と言われる作品が多く投稿され異世界モノのジャンルが新しくできたのです。今は異世界人気で多くの作品が作られていますが、「異世界転生」の最後で書きました通り作品が多くなりすぎれば飽きられてしまい、質の良い作品だけが残っていくのではないかと思います。
「転生・転移なし」の異世界モノって・・・
転生もしなければ転移(召喚)もない、という事は架空の世界での物語という事になります。そういう作品は昔から沢山存在しますし、ファンタジー作品では特に多いかと思います。但し、今回は異世界モノのジャンルの中で考察していますので、異世界モノでの設定をご紹介します。
チートなスキルは貰えない
「異世界転生」「異世界転移(召喚)」では現世から異世界に行く際にスキルを与えられる設定が多く、異世界でそのスキルがチートだったという事が多いと思います。また、前世の記憶を持っているので知識を使って無双していくという設定も多く見られます。しかし転生も召喚もしなければそういう恩恵はありません。
ではよくある設定は?
まずは本人に自覚がないパターン、パーティー追放系に多いです。次にスキルへの認識不足パターン、優秀なスキルと思われていたものと違うスキルを得たが、そのスキルは無能という認識の為貴族の家から追い出される系に多いです。次に努力パターン、最初は地味な能力やスキルだが愚直に精進し成長する系です。次はスキルを与えられるパターン、精霊や悪魔、魔王などを助けたり気に入られたりし、仲間にした事で能力を得られる系です。他にもありますが一般的なものはこのような感じでしょうか。
今回ご紹介している作品は
今回ご紹介している「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う」がまさにそうですね。超優秀なピースとテイマーですが、勇者パーティーでは索敵や荷物持ちをさせられています。そして、勇者達は主人公の能力に理解がなく追放していしまいます。まさに「転生・転移なし」の王道作品です。
テイマーが主役の作品をご紹介します
「勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う」以外にもテイマーが主人公の作品で、面白い設定や魅力的なものがあります。それではコミカライズされている作品の中からいくつかご紹介したいと思います。
「俺の前世の知識で底辺職テイマーが上級職になってしまいそうな件」
聖騎士や英雄といった選ばれし者でも半分も攻略できないような難関のダンジョンを、単独で攻略できる最強の職業がテイマーという世界で、最強の従魔と共に活躍していた主人公が、1億分の1以下の確率で起きる収納魔法の事故によって別の世界に転生してしまったところから物語は始まります。その転生先はテイマーが底辺職という世界でした、8歳の少年ヴァリウスに転生した主人公が「テイマー最強」を証明する事を決意するところから始まる物語です。
この作品の設定は転生!?
「異世界転生」の作品です、ただ現実世界からではなく異世界から異世界へ転生する設定です。転生の理由が収納魔法の事故というのも珍しいですね、異世界から異世界でよく見る設定は魔王が何等かの理由で未来へ転生するというパターンが多くみられます。
ちょっと変わった作品設定
この作品はちょっと変わった設定で、出てくる魔物が孫悟空風や猪八戒風かと思えばスライムも出てきます。そして、孫悟空風の魔物のドロップアイテムが如意棒や筋斗雲だったりと世界観がかなり変わっています。結構アバウトな設定で物語が進むので細かい事が気になる方にはあまりお勧めできませんが、ワンパンマンみたいなぶっ飛んだ設定でも大丈夫な方は楽しめる作品だと思います。
「追放されたお荷物テイマー、世界唯一のネクロマンサーに覚醒する......」
「追放されたお荷物テイマー、世界唯一のネクロマンサーに覚醒する 〜ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜」、テイマーだったランドはお荷物扱いされていた仲間に裏切られます。ダンジョンに置き去りされテイムしていた仲間が殺された時に「ネクロマンサー」に覚醒してしまいます。その後、ヴァンパイアロードのミリムが仲間になり、一緒に冒険者パーティーを組むのでした。
この作品の設定は?
この作品は「転生・転移なし」の設定です。そしてタイトルにある通り主人公ランドがテイマーからネクロマンサーに覚醒します。ネクロマンサーは死亡した魔物をネクロマンス契約し仲間にできます。その際契約した者の能力を吸収する力があり、ネクロマンスすればする程ランドは強くなっていくのです。
ヴァンパイアの王との出会い
ヴァンパイアの里の調査をしていた時に出会ったのがヴァンパイアロードのミリムです。圧倒的な力を持つミリムの前に成すすべもないランドでしたが、ランドに興味を持ったミリムから眷属にならないかと言われます。話しをしていくうちにお互い似た者同士だった事もありランドの仲間になって欲しいという願いをミリムは受け入れたのでした。そして、ミリムとはネクロマンス契約ではなくネクロマンス盟約で契約を結んだのでした。
王道の異世界モノ作品
作品的には転生や召喚ではないですが「追放もの」「俺TUEEE系」「チート」など定番要素が盛り込んであります。しかし、バランス良く仕上げられていますので読み易い作品になっていると思います。「追放もの」によくある追放した側との因縁もしっかりありますので気軽に読んで頂ける作品です。
「不遇職『テイマー』は最弱スキル『正拳突き』で無双する.....」
「不遇職『テイマー』は最弱スキル『正拳突き』で無双する ~ハードモードの人生を努力でぶち破る~」、最弱ジョブ「テイマー」とハズレスキル「正拳突き」を持ってしまったジョンの物語です。怪我をしたフェンリルを助けテイムする事ができたジョンは自分の驕りでフェンリルを死なせてしまいます。嘆き悲しむジョンに師匠は「ジョブレベル100にしたテイマーは契約した魔物を生き返らせる」と教えます。それからジョンは正拳突きのスキルを極める為努力を重ねるのでした。
最低の設定からスタート
この作品も転生も転移・召喚も無く、生まれながらの最低の能力を努力で強くしていくという物語です。一番の設定といえば「ジョブレベル100にしたテイマーは契約した魔物を生き返らせる」で、死んでしまったフェンリルを助ける為にレベル100のテイマーを目指し精進するというスポ根的異世界作品です。
本当に風変りなテイマー作品
先ほども書きましたがスポ根主人公が正拳突き一本で突き進んでいく作品です。テイマーですが最初にフェンリルをテイムした後はテイムをしないのです。それはフェンリルを死なせてしまったのは自分が弱かったから、自分が守れるようになるまではテイムしないと心に決めていたからです。テイマーがテイムしない、正拳突きで戦う風変りな作品です。今後どんな展開になっていくのかとても気になります。
まとめです
主人公の最初の設定「異世界転生」「異世界転移(召喚)」「転移・移動なし」についての考察と、他のテイマー作品のご紹介をしました。設定のお話しについては大まかな考察になってしまいましたが、色々なサイトやライターの方が独自の視点で考察しています。興味のある方はそちらを調べるのも面白いかと思います。他のテイマー作品も少しご紹介しました。どれもちょっと変わった作品を選んでみましたので、興味のある方はコミックの方を読んで頂けたら嬉しいです。最後まで読んで頂きありがとうございました。