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魔法科高校の劣等生

【魔法科高校の劣等生】「追憶編」司波達也と深雪の過去編!?アニメ1期につながる最重要ストーリーとは?(ネタバレ注意です‼)

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追憶編の漫画表紙

2014年にアニメ1期が放送された「魔法科高校の劣等生」ですが、劇場版、アニメ2期、スピンオフの「魔法科高校の優等生」と続々と映像化がされてきました。今回は冬にアニメ放送が決定された「魔法科高校の劣等生 追憶編」について、司波深雪と司波達也の関係性を中心に漫画と原作ライトノベル版を合わせて、徹底解説していきたいと思います。(*ネタバレを多分に含みます。)

いつもの司波兄弟と違う!?

追憶編キービジュアル

「三年前、沖縄。お兄様からいただいた、この命―あれから、私は変わった。」これは「魔法科高校の劣等生 追憶編」公式Webサイト上で公開された特報PVでの司波深雪のセリフです。映像には砂浜で二人歩く司波兄弟の姿。よく見ると、どこか幼い表情の二人。深雪が「お兄様」ではなく「あの人」と呼ぶ姿など、気になる点がいくつもあります。それではアニメ1期につながる彼らの物語、追憶編について紹介していきます。

あらすじ

追憶編の漫画表紙

舞台は西暦2092年、沖縄。司波兄妹が国立魔法大学付属第一高等学校、通称「第一高校」に入学する3年前のお話になります。アニメ1期よりも前のお話ということで、司波達也と司波深雪の関係もだいぶ異なります。「私は兄のことが嫌いではありません。…でも私はこの人が苦手です。」これまでのアニメを視聴されてきた方々はわかると思いますが、司波深雪の「お兄様愛」は非常に強く、傍から見ると恋人だと間違われる場面が何度もありました。その深雪が「兄」と呼び、達也のことを「苦手」だった頃のお話になります。

司波家の家族旅行

司馬深夜のドレス姿

沖縄への家族旅行。アニメでは初めて司波達也と深雪の母親である司波深夜が登場します。長いドレスを着た赤い目の長身の女性で、あどけない表情と共に、司波達也へ向ける眼差しはひどく冷徹な印象を受けます。沖縄、恩納瀬良垣(おんなせらがき)に買った別荘に到着すると、司波深夜のガーディアンである桜井穂波が別荘の掃除を済ませて待っておりました。司波深雪のガーディアンである司波達也、司馬深夜のガーディアンである桜井穂波、四葉家に存在するこの規則が、二人の関係を普通の兄弟ではない何かに変えてしまっているのでした。

深雪と達也の関係

司波深雪と司波達也の歩いている場面

これはライトノベル版で細かく説明がなされるのですが、この頃の深雪にとって達也は、家族から使用人同然の扱いを受けながらも、それをさも当たり前のように顔色一つ変えない人物でした。この旅行で初めて兄に護衛をされるわけですが、深雪はこれまで家でも学校でもあまり関わりを持ってきませんでした。深雪にとって達也は、嫌いではないが、何を考えているのかわからない、苦手な人物だったのです。

深雪を護るガーディアンとしての達也

拳をガードする司波達也

別荘に到着した日、散歩に出かけた深雪と達也は沖縄の「取り残された血統(レフト・ブラッド)」の輩たちに絡まれてしまいます。深雪が襲われるすんでのところで、割って入った達也は、両手を前に出し、構えを取ります。中学生の達也より二倍はありそうな背丈の色黒の男の正拳を真正面から受け止め、カウンターで左拳を相手のみぞおちへ叩き込み大男をダウンさせる兄。ガーディアンとはいえ、まだ中学生の達也が、初めて深雪の目の前でその力の片鱗を見せた場面でした。

深雪の眼差し

兄を想う司波深雪

「兄はこんなにも強かったのでしょうか。」兄の知らない一面をみた深雪は、この時から少しずつ兄を意識するようになります。高難度の解析・分解魔法、卓越した体術、新作CADへ興味深々な様子、この旅行中に垣間見える兄の姿は深雪には新鮮で、それと同時に魔法が使えるのになぜガーディアンなんかをしているのかという疑問を抱かせます。「家族なのに、兄妹なのに、わからないことばかり…本当のことが知りたい。あなたのこと、知りたい。」揺れ動く兄への感情に深雪は切にそう思います。

(補足情報)沖縄の現状について

絡まれる達也と深雪

「取り残された血統(レフト・ブラッド)」とは、第三次世界大戦で沖縄に駐留していたアメリカ軍がハワイへ引き上げた際、取り残された子供たちのこと。彼らは軍に引き取られ軍人となりましたが、その子供たちに当たる第2世代の人たちの素行が悪いと地元住民からも避けられていました。国境最前線である沖縄では、この話の時点でもまだ軍の施設が多く、軍人が厳重に警備している状態です。

沖縄海戦

敵艦隊

突然、別荘のリビングで緊急ニュースが流れ、沖縄諸島海域に所属不明の潜水艦隊が出現し、侵攻、攻撃を仕掛けているとアナウンスが流れます。国防軍に連絡し、深雪たちは急いで基地内のシェルターへ避難することに。不安な深雪の表情を一瞥した達也が「大丈夫だよ、深雪、俺がついている。」と一言。深雪は、これまでの外聞を気にした建前の言葉ではないような気がして、顔を赤らめます。

司波深夜の能力

司馬深夜の魔法解説

鳴り響く銃声を聞いて深夜にシェルターの外を見てくるよう言われる達也。達也が出て行って、ほどなくして入口から「失礼します!空挺第二中隊の金城一等兵であります!」と救助に来た国防軍が駆けつけます。しかし深夜は鋭い目つきで「この人を信用すべきではないという、わたくしの直感」と深雪と穂波にだけ聞こえるように呟きます。司波深夜の直感。「忘却の支配者(ザ・ミストレス・オブ・レテ)」の異名を持つ彼女は、四葉家の中でも随一の精神干渉魔法の使い手であり、高い直感的洞察力を持ち合わせていました。

深雪の精神凍結魔法

キャストジャミングを受ける桜井穂波

深夜の明察の通り、駆けつけた国防軍は内部の反乱を先導していたメンバーであり、裏切り者たちでした。「こうして日本のために働いても結局俺たちはレフト・ブラッド、いつまで経っても余所者扱いだ。」国防軍内のレフトブラッドたちがその迫害に憤り、復讐を企てたのがこの襲撃の真相でした。浴びせられるキャスト・ジャミングで魔法が使えない深雪たちは、何とか隙を窺います。外から味方の国防軍が駆けつけ、ドアの向こうから説得をし、動揺を誘ったその瞬間、わずかに緩んだジャミングに深雪の精神凍結魔法「コキュートス」が炸裂します。

深雪、深夜、穂波の死!?

銃弾で貫かれる深雪

永遠に融けることのない凍結魔法。幼い12歳の深雪が、自身の放った魔法の罪悪感に耐え切れず、相手から目を背けてしまったその刹那、「深雪さん‼逃げて‼」反乱軍のマシンガンの銃口が捉えた深雪とそれを庇った穂波を貫く、悲鳴に近い銃声。「しま…っ」深雪がそう思った時には遅く、ばら撒かれた銃弾は深夜をも貫き、三人は大量の出血と共に倒れてしまうのでした。

深雪の走馬灯

深雪の走馬灯

「どうして―…あの人のことばかり思い浮かぶ…本当はきちんと謝りたかった。あなたを束縛しつづけたのは私自身なのだから。」走馬灯の中でおぼろげに感じた深雪の胸中は、この旅行を通してみてきた兄の姿であり、これまでガーディアンとして拘束し自由を奪っていたことへの後悔でした。「深雪っ‼」薄れゆく意識の中、深雪が聞いたその声は、初めて聞くむき出しの感情で、必死な声で耳に響く、紛れもない兄の声だったのです。

「〝お兄様〟」

お兄様と呼ぶ深雪

達也のかざした左腕から暖かい光を感じ、「分解」「再構成」された深雪の身体にはもう出血も痛みもありませんでした。「深雪、大丈夫か⁉」明瞭になった視界いっぱいに、心配そうな兄の表情「お兄様……。」と答える深雪。言葉を発した深雪自身が安心した表情で、何故かすんなりと出たこの言葉。「再構成」の過程で達也が意図してか、はたまた自然にか、「兄」「あの人」から「お兄様」へ、この時呼び方が変わったのです。

兄の秘密①

スーツ姿の達也

「彼らは深雪を手に掛けました。その報いを受けさせなければなりません。」深雪を助けた後、同様に司波深夜、桜井穂波も「治療」した達也は、駆けつけた増援の大尉である風間玄信にこう告げます。反乱軍への復讐戦、沖縄での国防軍とのこの共闘が、この後に達也が「特尉」と呼ばれる所以になりました。達也が戦地へ赴き、深雪たちは防空指令室へ避難してその様子をモニター越しにみている場面で、深夜から深雪へ兄の秘密について語られるのです。

兄の秘密②

幼いころの達也

「達也は魔法師としては、欠陥品として生まれました。」「達也は生まれつき、二種類の魔法しか使えません。情報体(エイドス)を分解すること、情報体を再構成すること。」何かを別のものに変えるのが魔法である以上、司波達也は魔法師として四葉家の一員としては欠陥品でした。「だから私と真夜は、7年前、あの子にとある手術を施すことになりました。」

兄の秘密③

人造魔法師計画

「人造魔法師計画。魔法師ではない人間の記憶領域に、人口の魔法演算領域を植え付けて魔法師の能力を与えるプロジェクト。」この手術の結果、達也には強い怒り、深い悲しみ、激しい嫉妬、怨恨、憎悪、過剰な食欲、性欲、恋愛感情、そういう衝動が欠落してしまったのです。ただ一つを除いて。深夜は淡々と言葉を続けます。「あの子の中に残った唯一の衝動は、兄弟愛。妹を、つまり貴方を愛し、護ろうとする感情。それだけがあの子に残された、本物の感情なのですよ。」

真実から未来へ

感情のない司波深夜

虚空を見つめるように他人事のように語る母の姿、自ら息子に精神干渉魔法をかけたと平然と言う母の姿。深雪は、母もまた、この実験で兄に対する感情が欠落してしまったことに気付きます。「魔法とは人の心をこんな風に、残酷に変えてしまう…。」残酷な、知らなければよかった真実、知らなければいけない真実。兄の唯一の衝動と真実を知った深雪の心情。この追憶編において、司波深雪と司波達也がどうしてあんなにも家族以上に深い関係なのかが、ここで明らかになります。

終戦とそれから

マテリアルバースト

後に沖縄海戦と呼ばれるこの戦いは、戦争というにはあまりに一方的な、残虐さよりもむしろ異常なほどに清潔感を持って、闊歩する達也が一方的に制しました。放たれた銃弾は兄には届かず手前で消滅し、対峙した体は情報体ごと消され、倒された味方は再構成され復活する。相手からすると悪夢でしかない達也の実践能力は、後に他国へ郊外を秘匿されるほどのものでした。そして最後には司波達也の「マテリアル・バースト」で敵艦隊を沈め、終戦を迎えます。

結末、ふたりで

墓参りをする深雪と達也

この戦いにより援護にいった桜井穂波が戦死し、数年後、司波深夜は持病の悪化のより他界。最終話では、二人っきりになってしまった達也と深雪が沖縄海戦の慰霊碑の前で手を合わせる姿が。2年半前に家族旅行をした時よりも仲良くなった二人の姿。互いを信頼し合い、思いやる姿があります。「深雪はどこへでも、どこまでも、お兄様についていきますよ。」二人は確かな兄弟愛と希望をもって、そしてこれから始まる「第一高校」での生活に胸を高鳴らせて、追憶編は閉じられます。

ぜひ一期を

追憶編のライトノベル表紙

私もこの記事を書いてる途中で、アニメ1期を見返していたら1話「入学編Ⅰ」の冒頭に、「マテリアル・バースト」を放つ兄の姿が。そう、これは追憶編の沖縄海戦のシーンなのです。よくみると、防御魔法を展開する桜井穂波の姿もあります。アニメ1期の時点からしっかりと追憶編の場面が描かれていることに驚きました。また、「兄弟愛。妹を愛し、護ろうとする感情。」しか本当の感情を持つことができなくなってしまった達也を知ったうえで、もう一度、1期、2期をみるのも大変面白かったです。これまでアニメ「魔法科高校の劣等生」シリーズを追っていたファンにこそ、ぜひこの追憶編を読んで、アニメも視聴してみてほしい作品です。

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