「幼なじみが絶対負けないラブコメ」は電撃文庫(KADOKAWA)から刊行されているライトノベルで2021年4月からアニメとして放送される作品です。幼なじみ=負けヒロインとなりがちな作品が多い中で、その幼なじみ=負けヒロインである構図をテーマにしている作品です。タイトルの幼なじみが絶対に負けないとはどういうことなのか?その解説をしていきたいと思います!ネタバレがあるので注意。
目次
幼なじみは時代の敗北者!!負けヒロインの歴史
ラブコメにおいて幼なじみは重要なステータスで、現在まででかなり多くの作品のヒロインを務めてきました。主人公と近しい存在で、最初は幼なじみとしか思っていなかったのに、いつの間にか気になりだしていた。みたいな形でラブコメにおけるエース的な存在でした。しかし、昨今では幼なじみが最終的に主人公と結ばれてハッピーエンドになったり、人気投票で一位を獲得することは少なくなってしまいました。それどころか主人公が別のヒロインと結ばれて敗北者となることも少なくはありません。幼なじみはエースから敗北者となったのです。
勝利者となった幼なじみヒロインはこんなのがいる!!
幾多存在する作品の中には勝利者となったヒロインが存在します。ラブコメでいえば、野球をやってる兄弟のうち片方が死んでしまう作品「タッチ」は幼なじみが順当にヒロインになったパターンです。メインがラブコメの作品でなければ順当に勝利するヒロインもいます。例えば、変な薬で子供になった名探偵「名探偵コナン」とか、人体錬成で酷い目にあった兄弟のお話「鋼の錬金術師」とかです。でも、ラブコメにおいて幼なじみが完全勝利した作品は少ないような気がします。
悲惨!敗北者と化した幼なじみヒロイン!!
敗北者と化した幼なじみヒロインは悲惨です。ここでの敗北者は二通り、『単純に主人公と結ばれなかった』か『メインの幼馴染よりも人気が出てしまったヒロインがいる』のパターンに分けられます。前者のパターンは、精神的ショックにより暗黒面に落ち、ある意味大きなインパクトを残したり「shuffle!」など、中には物語の序盤で主人公の身代わりになって死亡する国民的RPG「DQ4」があったり、もっとひどいのだと何度も死んだりゲル状になったりするような「シュタインズゲート」ヒロインもいます。
何故幼なじみは敗北してしまうのか……
ラブコメで何故幼なじみヒロインが敗北してしまうのかですが、その一つはやっぱり物語を展開させにくいからではないでしょうか?ラブコメにおいて、出会いの部分が省略されてしまうのはやっぱり物語を展開させるうえでマイナスポイント。出会いは最悪だったけど……みたいな展開は無理だし、世話を焼いてくれる幼なじみは良くも悪くも変化がありません。幼なじみで家族のような存在だったけど最近になって気になりだした。みたいな展開はありますが、逆に言えばそれ以外あるのかって話です。無理矢理変化を付けたら空鍋を煮る運命になります。
本題!「幼なじみが絶対負けないラブコメ」ってどうゆうこと?
「幼なじみが絶対負けないラブコメ」(以下おさまけ)では三人の主要人物が登場します。主人公の丸末晴と、末晴が想いを寄せるヒロインの可知白草、そして末晴に想いを伝えたがフラれてしまった幼なじみの志田黒羽の三人です。末晴と黒羽は幼なじみであり、この調子でいけば黒羽は敗北ヒロインとなって空鍋を煮ることになってしまうでしょう。
丸末晴
本作の主人公。普通の高校生ですが、実はかつて一世を風靡した天才子役でしたが、ドラマの撮影中に母親が事故死したことがトラウマとなり、演技の世界から離れることになってしまったのです。可知白草に想いを寄せており、そのことから黒羽の告白を断っていました。
志田黒羽
末晴の幼なじみ。童顔で巨乳で世話好きな性格から男子からの人気が非常に高い。末晴のことが好きで以前に告白したがフラれています。末晴を振り向かせるために理想の女性を演じるほどに献身的で、それだけでなく色んな策をめぐらせていたのです。
可知白草
芥見賞受賞の現役女子高生作家。整った容姿もあって学園のアイドル的な存在。実際の白草は口下手で不器用。クールに演じているのは隠れポンコツの弱みを見せないためです。末晴とは友達以上恋人未満だったが、後に先輩の阿部充と付き合っているというお話が出てきます。
復讐に燃える丸末晴
結構いい感じだったのに、白草はイケメンで俳優で完璧超人の阿部先輩と付き合ってしまった。しかも、その阿部先輩はとんでもなく嫌なやつで白草と付き合えることをわざわざ目の前でアピールし、最大の屈辱を味あわせます。そこで、幼なじみの黒羽は末晴に提案します。白草と阿部先輩に自分が受けた以上の屈辱を与えるべく、“白草を惚れさせてから振る”こんな復讐を計画するのです。
復讐に燃える可知白草
が、実は復讐に燃えていたのは末晴だけではありませんでした。実は白草は子役時代の末晴と出会っていた幼なじみだったのです。白草は末晴とある約束をするのですが、その約束は果たされることがありませんでした。それは母の死という末晴のトラウマに大きく関わるものでしたが、当の白草が知る由もありません。実は白草も末晴と同じような復讐を末晴に試みていたのです。
復讐に燃える志田黒羽
が、実は同じような復讐を考えていたのはもう一人いました。ここで人間関係を整理します。末晴は過去に白草の約束を破り、黒羽の告白を断ります。白草は末晴をメンタルブレイクさせ、黒羽にとっては白草がいなければ末晴にフラれることもありませんでした。末晴は黒羽のメンタルを砕き、白草は末晴と黒羽のメンタルを砕きました。そして、末晴が白草のメンタルを砕き、黒羽が末晴と白草のメンタルを砕けば、三人が三人のメンタルを砕いたという構図が完成しますが、黒羽による白草へのメンタルブレイクは意図せず達成されていました。
全員の復讐は完遂する
黒羽はこの終着点として、末晴が白草のメンタルを砕き、自分が末晴のメンタルを砕くことを目的として動いていました。そしてその復讐は達成されます。その騒動の後、末晴と白草は泣くほど悔しい思いをします。が、当の黒羽も泣くほど悔しい思いをすることになります。黒羽がこんなことをした理由は、単純に末晴にフラれて悔しかったから。しかし、それは自分が勝利者になる機会をみすみす捨てたことでもありました。末晴たちがどのように行動し、どのようにこうなってしまったのかは是非ともアニメないし原作で確認してください。
勝利者がいないから幼なじみが絶対に負けないラブコメ
結論を言えば、このラブコメの最初のエピソードに勝利者はいません。勝者がいないので敗者もいません。一種の保留と言えば保留なんですが、全員が全員等しくメンタルを砕かれてしまう結末となっています。幼なじみが絶対に負けない理由は勝者がいないから。というか全員が敗北者だから結果として勝者と敗者という構図が出来なかった。そういう事です。第二章からはもう一悶着あります。幼なじみが絶対に負けないというアイデアをどのように消化させるのかが非常に面白いと思うので、これからが非常に楽しみです。
最終的な勝者
ただ、実はこの騒動で明確に勝利した人物が存在します。それは白草が付き合っていたとされる阿部先輩です。もちろん白草と阿部先輩が付き合っていたのは嘘で、それは末晴に対する復讐でした。阿部先輩は自ら悪役を買ってでたんですが、それにはとある目的があり、その目的もこの復讐劇で完遂されました。最終的な勝者は阿部先輩だったのかもしれません。
【幼なじみが絶対負けないラブコメ】負けない理由まとめ
「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」ってどういうことなのかをまとめてみました!最終的な結論は勝利者がおらず、全員が敗北者だったからですが、それに至るまでの過程は是非とも、アニメ、原作を見て楽しんでください!