アカギ~闇に降り立った天才~及びアニメ闘牌伝説アカギはギャンブルを題材にし、特に心理描写に力を入れている福本作品の代表作です。裏の世界に降り立った天才、赤木しげるがその才覚と狂気を武器に裏の世界で勝負をする作品ですが、その一番最初の対戦であり伝説の始まりとなる竜崎~矢木戦についてストーリーを解説していきたいと思います。
オレが望んだもの……それは変化だった…
賭博の負け、株式の負債で多額の借金を背負った南郷は追い詰められていました。ヤクザの竜崎と借金の棒引きを賭けた麻雀でも連敗し、すでに後がない状況。誰でもいい…!このよどんだ空気を変えてくれっ…!そう思ったとき、雀荘にある人物が現れます。それこそ後に神域の男と呼ばれる、その頃まだ13歳の赤木しげるでした。
死ねば助かるのに
南郷にとってアカギは赤の他人でしたが、この嫌な流れを変えるべくアカギを雀荘に引き入れます。続く南四局で南郷にハネ満のチャンスが訪れますがそのためには超危険牌のウーピンを切らざるをえない状況。南郷は振り込みを避けるためリャンピンを切ろうとしますが、そのときアカギは「死ねば助かるのに」と声をかけます。
どうせ死ぬなら…
アカギは南郷に「気配が死んでいた。背中に勝とうという強さがない、ただ助かろうとしている。博打で負けが込んだ人間が最後に陥る思考回路……あんだはただ怯えている」そう言われた南郷は冷静になり、ここは危険牌でも通すしかないのだと思いなおします。「どうせ死ぬなら強く打って…死ねっ!」そう思い打ったウーピンは通り、次巡下家がイーピンを振り込み南郷はロン。リャンピンで逃げていれば下家に上がられていた状況でした。
あんたなら死線を越えられる……!
アカギの異質な何かを感じた南郷はルールも知らないアカギに代打ちを頼みます。簡単なルールを教えられてアガリもなければ振り込みもない状況で、南二局に動きがあります。大三元のタネ三つの勝負手でしたが、アカギはこれをスルー。直後、警察が雀荘にやってきます。アカギはその混乱の最中、川から牌を抜き、役満を成立させその役満成立をネタに南郷に口裏合わせを要求します。
このガキ…!切れてやがる…
警察が踏み込んできた理由がアカギがチキンランの生き残りだったから。しかし、南郷の口裏合わせで勝負は続行。直後、アカギは役満でアガリ。誰の目にもイカサマは明らかでしたが、その場に警察がいては暴力に訴えることもできません。アカギは警察を立会人にすることでイカサマを成立させたのでした。
捨て牌三種の声
その後残った安岡を加え、勝負は続行。アカギは振り込むことなく順調に手を伸ばしていきます。ときには驚くほどの危険牌を放るのに振り込まない。アカギは既に捨て牌の本質を掴んでおり、対戦相手の癖を見抜く洞察力も相まって覚醒。既に竜崎は相手にならず、竜崎はプライドを捨てて代打ちの矢木を呼ぶことを決めます。
代打ち矢木圭次登場
7回戦の途中で矢木が登場。しかし、矢木はまだ中学生のアカギなど眼中にありませんでした。しかし、その見くびりはすぐに改められることになります。竜崎の大三元をフイにしたことから始まり、危機察知能力や判断の速さなどを目の当たりにした矢木は次局、卓には入らず“見”に徹します。
矢木に電流走る――!
“見”に徹していた矢木はアカギの底知れない強さを見るも、麻雀の経験値の少なさからの隙を見つけ、電流が走ります。矢木は安岡とアカギにイカサマが発覚した際には腕一本、アカギとはサシ馬を握り負けたら指を失うというプレッシャーをかけに行きますが、アカギには通用せず、同じように矢木も指を失うなら構わないという条件を突きつけます。
魔物
アカギと矢木の対決が始まり、まずは矢木がカンチャン待ちの先制リーチを仕掛けます。アカギはアガリ牌を避けつつ手を伸ばすものの、矢木はアガリ牌を引き当てます。しかし、矢木はそのアガリを蹴ってアカギに迷いを抱かせようとします。そしてアカギもアガリ牌を引きますが、そのアガリ牌を蹴って自分の考えを確かめに行きます。矢木の思惑は外れ、矢木はアカギへの侮りを完全に捨てることになります。
リーチは天才を凡夫に変える
その後、アカギは好調をキープし順調に点を稼いでいく。一方、矢木も機を待っていました。そして、矢木に勝負手が入りキャタピラというイカサマで凡手をドラ8の怪物手に変化させます。そして、アカギのリーチと矢木のテンパイにあわせてコンビ打ちによる工作でアカギにロン牌を引かせます。アカギは倍満直撃で逆転を許してしまいます。
まるで白痴だな……
次局オーラス、点差は4000。アカギの配牌は清一色が見える思い手でした。アカギは早々に2鳴きし矢木以外の二人を降ろします。アカギはその後の3鳴きでテンパイを匂わせますが、その時点ではノーテン。が、アカギは全く意図の読めない暗カンで単騎待ちの状態に、しかもその残り牌を間違って倒してしまうミスを侵してしまいます。しかし、それこそがアカギの罠であり、カンの中にスーソウを隠しわざと見せることで放銃させる罠でした。矢木は思惑通りドラを切ってしまい、アカギの逆転トップとなります。
倍プッシュだ……!
アカギの勝ちで南郷の借金はチャラ。勝負は終わったかに思えたものの、アカギはチャラになった南郷の借金で倍プッシュを要求します。ヤクザたちは負ける流れであることが分かっていても受けざるを得えませんでした。その後、心を折られアカギに精神を支配された矢木はボロボロ。倍プッシュ後の勝負もアカギの圧勝に終わります。
さらに倍プッシュ……!
アカギはさらに倍プッシュを要求しますが、ここまでレートが上がればヤクザたちも素直に払うか怪しくなってくる。そう思った安岡の提案で仕切り直しとなります。この勝負は後日に持ち越されることになり、結果アカギの初めての対戦は完全勝利で幕を閉じました。
アカギ竜崎~矢木戦まとめ
アカギの最初の戦いは、麻雀をやったことがないにも関わらず圧倒的な才能を開花させたアカギの独壇場となって終りました。一番最初の対戦ではありますが、非常に内容が濃く見ごたえのある内容だったと思います。これを見れば絶対に次の話を知りたくなるような内容でした!