2018年秋より放送が始まった『からくりサーカス』の主人公の一人、才賀勝の魅力はズバリ言ってしまえば出会いと成長にあります。からくりサーカス自体が複雑怪奇な設定なので、その出会いと成長を追っかけていくことが一番手っ取り早く魅力を伝えられると思うので、ネタバレしながらその成長を追っていきたいと思います。
目次
【からくりサーカス】初登場時の才賀勝はどんなキャラ?
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
才賀勝は世界的にも有名な大企業才賀グループの社長、才賀貞義の子供です。しかし、勝は愛人の子でありながら、貞義の遺言により何故か巨額の遺産を手に入れることなってしまいます。そんなの親族にとっては面白い訳がなく、命や身柄を狙われる立場となっています。そんな勝の登場時の性格は弱虫でただ守られるだけの貧弱な坊やでした。
加藤鳴海、才賀しろがねとの出会い
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勝の親族により命を狙われた勝はその場に居合わせたお人よしの兄ちゃん『加藤鳴海』によって助けられ、その後現れた傀儡人形『あるるかん』を操る人形遣い『才賀しろがね』に助けられ、才賀勝のぶっ殺し組の阿紫花英良らの襲撃から逃れます。強く優しい加藤鳴海は幼少の頃勝に負けず劣らず貧弱な坊やだったと話し「オレよか、強くなれるぜ」と言葉を残し、その言葉は後の勝に大きく影響を与えます。
誘拐され、戦うことを選ぶ
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
その後、勝を誘拐し養子にしようと企てる叔父の才賀善治の命令で誘拐されます。鳴海としろがねはぶっ殺し組の阿紫花らに利用されたり利用したりして、善治の屋敷に殴り込みを掛けます。勝はそこで逃げずに戦うことを決意し、驚異的な才能の片鱗と度胸を見せ10億円で阿紫花を買収し窮地からの脱出を図り、鳴海としろがねと合流します。
加藤鳴海死す!
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
人形遣いとの戦いを終え、そ燃え広がり倒壊する屋敷から脱出しようとしますが、大爆発から勝をかばった鳴海は片腕を残して爆発に巻き込まれてしまいます。勝が戦うことを決意できたのも全ては鳴海と出会ったから。笑うべきだと分かったときは泣くべきじゃないと、いろんなものをくれた加藤鳴海はその目の前で失い勝の物語は始まります。
【からくりサーカス】ここが魅力!才賀勝の成長物語
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
加藤鳴海と出会い、弱かった自分から抜け出すことを決意した才賀勝。しかし待っていたのは加藤鳴海との最悪の離別でした。しかし、この経験は才賀勝を人間として成長させることに大きく影響していたのだと思います。そしてこれから勝は様々な出会いを経て成長していくことになるのです。
【からくりサーカス】サーカス編での才賀勝の活躍(前半)!
サーカス編始動
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
『からくりサーカス』という作品は加藤鳴海の視点で話が進むからくり編と才賀勝の視点で話が進むサーカス編で構成され、その後物語が交錯するからくりサーカス編を経て最終章へと繋がっていきます。サーカス編では才賀勝が様々な人とであり、終わりかけの仲町サーカスを再建していくお話になります。
勝、善治の養子になる
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
結局、勝は善治の養子になることにしました。しかし、善治は勝に対して大きなトラウマを抱えてしまいその遺産を濫用する気はなくなってしまったようです。そして、勝は再び学校に通い始めます。
いじめ再始動・仲町サーカスとの出会い
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
勝は当初学校で虐められていましたが、鳴海との出会いや修羅場を潜ってきた勝は強くなっていました。いじめをもろともせず、いじめっ子と戦う勝でしたがそこに人形遣いのぶっ殺し組残党が乱入。いじめっ子たちを人質に取られ窮地に立たされた勝は仲町サーカスの面々やしろがねの活躍もあって何とか救出されるものの、皆を危険に晒してしまった勝は知り合いを巻き込まないために転校を決意します。
タランダ・リーゼロッテ・橘との出会
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
仲町サーカスの助力によって助けられた勝はかつて栄華を誇った仲町サーカスの芸を見て感動します。そんなとき、大手サーカス団パリシャームサーカスから逃亡した殺人虎『ビースト』を追って日本にやってきたタランダ・リーゼロッテ・橘と出会います。
ビーストを殺すためにドラムと共に来日
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
リーゼロッテは猛獣使いであり、かつて姉を殺害したビーストを殺すためにライオンのドラムをともに来日していました。リーゼは自分の身を犠牲にし、自らを捕食させているその隙を突いてドラムにビーストを殺させるつもりでした。しかし、間一髪で勝に助けられ自分を縛っていた姉の呪縛を断ち切り、ビーストを倒すことに成功します。
リーゼが仲間に加わった!
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
そして、リーゼは自ら仲町サーカスに入りたいといい、一行は猛獣使いをサーカスのメンバーに加えて公演できる場夜を探しに旅立ちます。しかし前途は多難、優秀な芸人はいても仲町サーカスが公演を行えないしがらみがあったりして…はたして仲町サーカスは再建できるのか!?
【からくりサーカス】ここが魅力!サーカスを通して様々な出会いを経験する
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
仲町サーカスの3人やリーゼロッテと出会い、前途は多難ながらもサーカス団を立て直していきます。その中心人物はやっぱり勝で、関わった人たちも成長しています。その姿はもういじめられっ子で弱虫の勝ではありませんでした。
【からくりサーカス】サーカス編での才賀勝の活躍(中盤)
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
その後、サーカス団には自分の命を狙ったナイフ使いヴィルマやかつて仲町らを散々こき下ろすものの落ちぶれてレスホーム同然になった三牛兄弟、道具方の偏屈じいさん生方法安とその孫娘の涼子らを仲間に加え、サーカス団は復活の兆しを見せ始めます。
公演直前飛行機の不時着事故であの男の姿を見る
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
サーカスの公演の目途が立ち、いよいよ仲町サーカスの公演が始まろうとしていたそのとき、飛行機がサーカス場に不時着してしまいます。公演は当然中止になり、一同は救助活動を始めますが、そこに出てきたのは自動人形でした。自動人形の襲撃で勝としろがねは窮地に立たされますが、それを救った謎の人物がいました。二人はそれが、かつてしろがねを人間にし、勝を守って死んだ加藤鳴海だと感じていました。
加藤鳴海のためにサーカスを続けることを決意する
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
二人は加藤鳴海の姿を確認することはできませんでした。しかし、加藤鳴海がもし本当に生きているのならば、旅を続けサーカスを開いていればいずれ加藤鳴海は帰ってくる。そう信じた二人はサーカスを続けていくことを再び心に誓うのでした。
【からくりサーカス】サーカス編での才賀勝の活躍(後半)
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
才賀勝は旅を続けていくうちに、しろがねから本当の名前やその正体についてを教えられます。しろがねや勝はサーカス団との旅を続けるうちに、サーカス団のメンバーたちを本当の家族のように思うようになりました。しかし、マスコミが勝を嗅ぎつけ、巨額の遺産を相続したことをサーカス団のみんなに暴露してしまいます。
自分のことを知るためにはじまりの場所に向かう
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
サーカス団のみんなに嘘をついていたという負い目もあり、勝は自分の秘密を知る決心をします。そして、飛行機の不時着事故以来行動を共にしているギイに言われるままに、今の勝になったきっかけのはじまりの場所に向かいます。そこで勝はとんでもない事実を知ることになります。
軽井沢のからくり屋敷跡にて
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
勝が思い立ったはじまりの場所。それはかつて自分が誘拐され、人形遣い同士の抗争の舞台となり、加藤鳴海と死別した軽井沢のからくり屋敷の跡地でした。そこの管理人と出会った勝は管理人からある鍵と手紙を渡されます。それは勝の父親がいずれくる勝のために、勝が生まれる以前より託されたものでした。その手紙には『記憶の伝達に何らかの間違いがあった』と訳の分からない文章が記されていました。
衝撃の事実
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
手紙の指示の通りに進み、とある部屋に入るとそこには勝に対してのメッセージが録音されていました。才賀勝の正体は、才賀勝ではなく才賀貞義の脳内データを完全移植した才賀貞義であることを伝えられます。その内容にショックを受ける勝。しかしその事実を受け入れる間もなく、黒賀村の人形遣いの襲撃を受けます。人形遣いは才賀貞義を葬り去るためにやってきたものたちでした。
勝、才賀正二と再開する
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
勝は黒賀村の人形遣いに捕まり、とある人物の前に突き出されます。その人物はかつて勝に唯一親切にしてくれた祖父の才賀正二でした。正二は身体の半身が無くなり、特殊の液体の中で生きながらえていました。正二は勝の中身が貞義であることを疑いません。才賀正二は自らの記憶が解けた自らの血液を勝に飲ませ、勝は正二の記憶を追体験し自分の置かれた状況の全てを知ることになります。
勝、過去の全てを知る
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
勝は正二の血を飲んだことによって、正二の過去を知ります。フランシーヌの生き写したるアンジェリーナと結婚ししろがねになったこと。同じくしろがねのディーン・メーストルと出会い養子としたこと。アンジェリーナとの間に生まれたのがエレオノールであったこと。自動人形の襲撃をきっかけにアンジェリーナは死亡し、エレオノールはしろがねになってしまったことを知ります。
才賀貞義の目的
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才賀貞義の正体はしろがねのディーン・メーストルでした。ディーン・メーストルはアンジェリーナを愛していた。しかし、アンジェリーナは正二と結婚してしまった。そこで貞義は標的をアンジェリーナの生き写したるエレオノールに変えます。エレオノールを感情の人形として育て、勝を守らせること。そしてその勝に成り代わることでエレオノールを手に入れることが貞義の目的であり、勝はそのための子供でした。
全ての黒幕
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そして、もっと言及するならばディーン・メーストルはかつてフランシーヌに恋し、その愛が実ることのなかった白金でした。正二の襲撃でその身体の全てが朽ちたわけではなかった全ての黒幕、白金=才賀貞義=ディーン・メーストル=フェイスレスが姿を現します。勝はフェイスレスの知識や経験をダウンロードされてはいたものの、人格まではダウンロードされていませんでした。
フェイスレスとのゲーム
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
フェイスレスの襲撃により、その場にいた戦力の殆どは瓦解。勝はフェイスレスからダウンロードされた知識や経験を駆使して互角の戦いをしますが、それでも絶体絶命の危機は変わりません。しかし、そんな勝に興味を抱いたフェイスレスはとあるゲームを提案します。それはこれから2年間エレオノールを狙い続け、勝はその2年間彼女をきっちりと守らなければならないというゲームでした。
【からくりサーカス】ここが魅力!衝撃の事実、でも勝は強くなっていた!
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
勝にとってはあまりにも衝撃的な事実。もし、勝が1話のときのままだったらなすすべもなくフェイスレスに捕まっていたでしょう。しかし、勝は鳴海や様々な人たちとの出会いを通して強くなっていました。今までの出会いや経験が勝を救ったともいえるでしょう。
【からくりサーカス】からくりサーカス編での才賀勝の活躍
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
勝はその後、黒賀村に残り人形遣いとして急激に成長していきます。フェイスレスの知識や経験に加え、天性を才能を持っていた勝はフェイスレスからの刺客を次々と退けます。そして、黒賀村の阿紫花三姉妹らとフラグを立てたりとこちらでおも様々で出会いと経験をして、さらに強くたくましく成長していくことになります。
【からくりサーカス】機械仕掛けの神編での才賀勝の活躍
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
フェイスレスは勝との2年間のゲームの決着を待たず、空前絶後の計画を発動させます。ゾナハ病による全人類抹殺計画の発動。そして、勝に人格をダウンロードしてエレオノールを手に入れる計画を実行します。エレオノールは黒賀村にてフェイスレスの放った自動人形『最後の四人』の襲撃を受け、必死で勝を守ろうとしますが勝は圧倒的に強くなっていました。
エレオノール連れ去られる
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
勝はもう守られる存在ではありませんでした。勝は最後の4人と対等に戦いますが、エレオノールの傍にいたおかけでゾナハ病にかからなかったサーカスの面々を半ば人質に取られるような形で連れ去られてしまいます。
勝、魔窟モン・サン・ミッシェルに乗り込む
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勝はエレオノールを助けるべく、単身フェイスレスの居城モン・サン・ミッシェルに乗り込みます。後を追ってきたリーゼ・平馬・涼子らの助力もあってフェイスレスの元にたどり着きますが、勝はフェイスレスに捕まりダウンロード施され、フェイスレスそのものになってしまいます。
救出
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ダウンロードが完了した勝は人格ごとフェイスレスそのものになってしまいます。そしてフェイスレスは勝に自らを破壊させ、勝に成り代わる最後の計画を発動させます。しかし、勝のダウンロードは失敗していました。エレオノールの血液を飲んだ勝は、生命の水の恒常性によってダウンロード処理が効かず、自らダウンロード処理を受けることでフェイスレスを欺いていました。
最終決戦への道
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
エレオノールをなんとか救出した勝。フェイスレスの計画はまた失敗に終わります。それを受けてフェイスレスはゾナハ病の進行を早め、人類を滅亡させようとします。ゾナハ病を止めるためには宇宙までフェイスレスを追いかけ直接聞き出すしかない。勝も最終決戦に向けての蒸気機関に乗り込みますが、その際勝は鳴海やサーカスの一同と顔を合わせることはできませんでした。
共闘
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宇宙へフェイスレスを追いかけるのは加藤鳴海の役目でしたが、シャトル打ち上げの直前、大量の自動人形が襲い掛かります。勝はその戦闘に乱入し、多勢に無勢の鳴海の背中を守ります。圧倒的な強さを見せた二人は自動人形を撃退しますが、勝は自分の正体を明かさずに自分がフェイスレスを追いかけると言います。そして勝はシャトルに乗り込みフェイスレスとの最終決戦に挑みます。
最終決戦
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宇宙へ上がったフェイスレスとの最終決戦は苛烈を極めました。勝もエレオノールを愛していたが、エレオノールは鳴海を愛していた。いわばフェイスレスと同じ立場に立っていました。フェイスレスは何故、自分がしたようにエレオノールを奪わなかったのかを問います。しかし、勝が出した答えはフェイスレスとは違いました。エレオノールが最初に好きになったのは、鳴海だった。奪っても自分は幸せにはなれない。
兄さん、僕が間違っていたよ
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その言葉はフェイスレスではなく白家の金が兄に向けた言葉でした。同じ立場の勝だったからこそ、その言葉はフェイスレスの心を動かしました。最後の最後にフェイスレスは兄の気持ちを理解し、これまで一度たりとも顧みようとしなかったフェイスレスは勝にゾナハ病の治療法を話し、勝を地上に送り出したあと最初で最後の懺悔の言葉を口にしながら散っていきました。
カーテンコール
出典: からくりサーカス ©藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
ゾナハ病は世界から消え、全てを終えた勝は異国の地で着ぐるみを着こんでいました。そこでかつての弱虫だった勝と似た境遇の兄妹を助けた勝は、その兄妹に「僕も強くなれる?」
と聞きます。そして、勝はかつて鳴海が言ったように答えます。
「うん、きっと、ぼくよりずっとね!」
才賀勝魅力まとめ
弱虫だった勝は逞しく成長し、最後には鳴海と肩を並べる存在になっていました。いろんな人たちとの出会いが勝を強くしました。それは鳴海の強さとはまた別のベクトルでした。鳴海の強さが悪魔的な強さだとすれば、勝はその逆のベクトルの強さを得ていたのだと思います。最後には世界を救うまで強くなった勝の姿は第一話から見返しても想像はつきませんね。それこそが才賀勝の一番の魅力だと思います!!