本編の開始早々、いきなり魔王軍に入りたいと言い出す勇者レオ・デモンハート。これまで人間たちの為に魔王軍と戦い続けてきた勇者が、なぜ人間の敵である魔王軍に入ろうと思ったのか。そこにはレオなりの考えがあり、また、レオ自身にも多くの秘密が隠されていました。そこで今回は物語の主人公、レオ・デモンハートについて詳しく紹介していきます。
目次
魔王城での採用面接に全てをかける元勇者レオ
物語の始まりは、レオが魔王城で採用面接を受けるところから。真剣な表情で魔王城の扉を叩くレオ。その先には魔王エキドナを中心に、四天王が待ち構えていました。本来なら一触即発のこの場面、レオが出したのは剣ではなく履歴書。自分の事を「元勇者」と名乗り、勇者を辞めてきたことを宣言。特技は剣術、黒魔術、精霊魔術神聖魔術、その他全般。1対1でエキドナを倒した実績あり!即戦力として活躍可能!「愚かな人間を滅ぼし、魔族の千年王国を作るため、新生魔王軍への入団を希望する!」とアピールをしました。もちろん結果は不採用。即答で「不採用に決まっとろうがボケェ!」と言われ、レオは副試験官である四天王を拉致……もとい説得し、二次面接に挑んで魔王軍に採用される事になります。(エキドナには内緒)
レオが1人で魔王軍と戦っていた理由
さかのぼる事約一年前、レオはエキドナ率いる魔王軍と戦い勝利していました。その際、レオの元には仲間はおらず、レオ1人で魔王軍と戦っています。その理由は「ぶっちゃけた事言うと、仲間とか邪魔だから」でした。レオは王国騎士の称号を持っており、メイジとしても、アルケミストとしても、レンジャーとしても超一流。何でも完璧にこなせるがために、回復魔法しか使えないプリーストや、魔術に理解が無い剣士などは足手まといであり、友情連係プレーをしながら進むくらいなら、自分一人で進んだ方が速いと思ったからでした。実際レオは、パーティーを組んで世界を救ってる間に、自分一人なら5回は世界を救えると豪語しています。そんな理由でレオは1人で旅立ち、1人で世界を救ったのでした。
レオが魔王軍に入ろうとした理由
魔王エキドナを倒し、約一年の旅を終えたレオ。人間たちの待つ聖都レナイェに戻ると、そこで待ち受けていたのは歓迎の言葉でも労いの言葉でもなく、王からの褒美でもなく……「魔王より強い怪物」「人の姿をしたバケモノ」「我々に牙を剥いたら──」といった、レオを恐れるような声ばかりでした。そして国民たちの出した答えが「勇者を殺せ!」というものです。翌日から数多くのアサシンや野盗に変装した聖騎士たちがレオの元に送り込まれ、レオはその有象無象を返り討ちにする生活がスタートしました。そしてとうとう聖王からも国外追放を言い渡されてしまいます。行く当てもなく彷徨うレオの耳に入ったのは、魔王軍が人材を募っているという噂。「世界が俺を殺そうとするなら、俺が世界を殺してやる」そう考えたレオは、自分を迎え入れてくれるのは魔王軍しかないと考え、魔王軍の採用試験を受ける決心をしたのでした。(即不採用されましたが)
勇者レオからオニキス卿へ
四天王にこれまでのいきさつを話し、何とか採用までこぎつけたレオ。しかしエキドナから採用の許可を貰った訳ではないので、素顔を隠し、ゴッドハート卿を名乗る事にしました。ゴッドハート卿としてシュティーナの仕事の手助けをするレオ。その最中でゴッドハート卿か、ブラッドソード卿か、オニキス卿か、自分の名前を何にするのかずっと悩んでいたのですが、最終的にオニキス卿を名乗る事にしました。こうしてレオの正体を知るのは四天王のみ。他の魔王軍(魔王エキドナを含む)は新たな仲間として、オニキス卿を迎え入れる事になります。
四天王の教育係
シュティーナの仕事を軽減し、見事にその手腕を見せつけたオニキス卿は、続けて他の四天王の問題を解決していく事になります。まずは兵站部隊を率いる獣将軍のリリ。アホの子として扱われているリリは、とてもじゃありませんがトップに立って部下を率いるタイプではありませんでした。そんなリリには部下との連携がいかに大切かを学ばせ、兵站部隊の効率化に成功。その次は「旅に出ます」と書き残して姿を消した無影将軍メルネスに対し、コミュ力を身につけさせる仕事。大衆食堂でウェイトレスをさせたり、面接の練習をしたり、コミュニケーション能力を身につけさせていきます。そして最後は竜将軍のエドヴァルト。まさに脳筋の言葉がピッタリのエドヴァルトは「出来て当然」という事が多く、上官としてスパルタ過ぎたため、部下が付いていけない状況に。そんなエドヴァルトには、「初めての仕事や敵に対しては手こずるのが当然」という事を教えていきます。こうして四天王の仕事っぷりは効率化されていくのでした。
飲み会での必殺テクニック
以前は無表情で機械的な性格の優等生であり、コミュニケーションが得意では無かったレオですが、エキドナとの飲み会では上司の機嫌を取るテクニックを披露。上司(エキドナ)のグラスが空になったらすぐにお酒を注ぐ。そうする事で「気が利くやつだ」と印象付けると同時に、どんどんお酒を飲ませて酔い潰してしまう事が可能。事前に出される料理を把握しておくことで、話を広げやすくなる。上司からの質問は最高のアピール場所。その中でタイムリミット(〇時にはどうしても帰らないといけないなど)があると伝え、辛い飲み会から抜け出しやすくするなどなど……レオは辛い飲み会をちょっと楽にするテクニックを紹介していました。
実年齢は3000歳超え?レオ・デモンハートの過去
見た目的には20歳前後の青年の姿をしているレオですが、実はレオが生まれたのは現在より3000年ほど前。突如現れた魔王軍に対抗する手段として作られた、12人の生体兵器の1人だったのでした。12人はデモン・ハート・シリーズと呼ばれ、レオはその5番目「DH-05-LEO」というのが本当の名前です。12人はそれぞれ特殊な能力を持っていたのですが、その中でもレオは将来的には最強になると言われていた個体。自己成長に特化しており、敵と戦う事で能力を分析・解析し、全て自分のものにしてしまうという能力でした。(そのため、序盤はそれほど強くなかった)結局魔王軍との戦いで生き残ったデモン・ハート・シリーズはレオだけだと思われていたのですが……ちなみにデモン・ハート・シリーズには男性個体と女性個体が存在し、見た目は男性型と女性型があるのですが、あくまで兵器なので正式な性別などは存在しておらず、シュティーナにキスを迫ったりリリに求婚されたりしていますが、レオ自身は男性という訳ではありません。
レオが魔王軍に入った本当の理由
面接では「愚かな人間を滅ぼし、魔族の千年王国を作るため、新生魔王軍への入団を希望する!」と宣言して魔王軍に入ろうとしていたレオでしたが、本当の理由は他にありました。レオはエキドナが「賢者の石」を求めている事を知り、エキドナがどの様な存在なのか確認。その上で、賢者の石を託すに値する人物だと思ったのなら、エキドナに賢者の石を託そうと考えていました。実際にその目でエキドナがどういう存在なのか、どういう考えをしているのか知ったレオは、賢者の石を託すことを決意。賢者の石とはレオの心臓とも言える部分の装置「アカシック・エンジン」であり、それを託すためにエキドナと四天王の敵を演じ、自分をわざと破壊させました。あとはレオから賢者の石を取り出すだけ。それはビンの蓋を開けるのと同じくらい容易い作業です。しかしレオの目論見は外れ、エキドナや四天王はレオにトドメをささず、正式に魔王軍へ迎え入れる事を告げ、レオの一世一代の計画は失敗に終わる事になります。
元勇者・レオ・デモンハートまとめ
ここまで物語の主人公レオ・デモンハートについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?普通の人間でない事は何となく分かっていた人もいるかもしれませんが、まさか3000年以上も生きていたとは……正式に魔王軍の一員となったレオからも目が離せません。