『鬼滅の刃』『呪術廻戦』に続いて世界的にも大きな注目を集めているアニメ作品といえば、まさしく『SPY×FAMILY』でしょう。ジャンプ+発の漫画として連載開始した本作は、スマートフォンで誰でも気軽に原作を楽しめることから人気に火が付き、2022年のTVアニメSeason1放送時には国内外で爆発的な反響を呼びました。その後もアニメSeason2の放送や劇場版の公開を経て、ますます多くのファンに支持される大ヒット作品となっています。今回はそんな現在進行形で大注目の『SPY×FAMILY』に登場するキャラクターたちの声を担当している声優陣について、最新情報を交えてまとめてみました。アニメ好きなら思わず「この人が演じていたのか!」と驚く有名声優さんばかりですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
江口達也

本作の主人公であるロイド・フォージャー(黄昏)を演じるのは、声優の江口拓也さんです。低く落ち着いた声質に定評があり、これまでも『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の比企谷八幡役など数多くの男性キャラクターを担当してきました。2023年には第17回声優アワードで主演男優賞とMVS(Most Valuable Seiyū)に輝いており、実力・人気ともにトップクラスの声優さんです。甘いルックスでも女性ファンを惹きつけており、歌手としてアーティスト活動も行うなど幅広いジャンルで活躍されています。アニメを普段あまり見ないけれど「江口さんが声を当てるなら見てみたい」と本作を視聴し始めた方もいるようですよ。
幅広いジャンルで活躍

ロイド・フォージャーにピッタリな理由

ロイドは冷静沈着で知的なスパイというキャラクターですが、江口さんの落ち着いた声質と演技力はまさにこのイメージにピッタリです。任務中に見せるクールな一面から、アーニャの父として見せる優しい演技まで巧みに演じ分けており、ファンからも「黄昏の声は江口さん以外考えられない!」と好評を博しました。実際に原作者の遠藤達哉先生も「ロイドの仕事と家庭の両立の苦労を江口さんが見事に表現している」と太鼓判を押しています。ロイド役を通じて、江口さんの新たな魅力に気づいたファンも多いのではないでしょうか。
早見沙織

本作のヒロイン、ヨル・フォージャー(いばら姫)の声を担当するのは早見沙織さんです。日本の女性声優の中でも屈指の人気と実力を誇り、『鬼滅の刃』胡蝶しのぶや『俺ガイル』雪ノ下雪乃など数々の人気キャラクターを演じてきました。透明感のある上品な声質で、優しい役からミステリアスな役まで幅広くこなすため、アニメファンなら一度は早見さんの声を耳にしたことがあるでしょう。実際、「ヨルの声を誰が演じるのか?」と注目が集まった際、「早見さんなら安心して観られる」と期待する声が多かったようです。
ヨルの裏表の演じ分け

ヨルは普段はおっとりとした優しい女性ですが、その正体はプロの殺し屋という裏の顔を持つキャラクターです。穏やかな妻と冷徹な暗殺者という二面性を演じ分ける必要がありますが、早見さんはその難しい演技も見事にこなしています。普段のヨルでは柔らかく控えめな声色で家庭的な可愛さを演じ、一方“いばら姫”としてのシーンでは低めで凄みのあるトーンに切り替えて緊張感を生み出しています。「表と裏でまるで別人!」と感じさせるメリハリのある芝居に、視聴者からも「さすが早見さん」と称賛の声が上がりました。本作を観てヨルの魅力にハマった方は、ぜひ早見さんが同じくクール美女を演じた『俺ガイル』の雪ノ下雪乃にも注目してみてくださいね。
江口&早見ペアの共演エピソード

実はロイド役の江口さんとヨル役の早見さんは、過去にも人気作品で主人公とヒロインとして共演経験があります。先述したとおり、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(通称:俺ガイル)では江口さんが主人公・比企谷八幡、早見さんがメインヒロイン・雪ノ下雪乃を担当していました。どちらも落ち着いたクール系の声質が持ち味のお二人だけに、俺ガイルでも皮肉屋な八幡と才色兼備だが棘のある雪乃という掛け合いが絶妙で、「この二人だからこそ生まれる空気感がある」と多くのファンを魅了しました。『SPY×FAMILY』でもロイドとヨルがお互い秘密を抱えつつ少しずつ家族の絆を深めていく物語が描かれますが、この江口×早見ペアの息の合った演技が作品に自然な化学反応をもたらしています。前作からのファンにとっては再び二人のやり取りを楽しめる贅沢なキャスティングと言えるでしょう。
比企ヶ谷・ロイドの共通点

俺ガイルの主人公比企谷もロイドと同様落ち着いた性格のキャラクターであり、比企谷やロイドのような声質のキャラクターは江口さんの最も得意とするタイプのキャラクターであるといえます。
雪ノ下・ヨルの共通点

同様に俺ガイルのヒロイン雪ノ下とヨルも表面上はおとなしいキャラクターであるという共通点があります。本作の主人公とヒロインであるロイドとヨルは過去に江口さんと早見さんがタックを組んだ作品と同じような立ち位置のキャラクター同士であると言えますね。
種崎敦美

フォージャー家の娘であり、本作のマスコット的存在ともいえるアーニャ・フォージャーの声を担当するのは種﨑敦美さんです。見た目は愛らしい幼女、中身は超能力者というユニークなキャラクターであるアーニャですが、種﨑さんはその天真爛漫さと幼児らしい拙い喋り方を絶妙なバランスで演じています。「〇〇だいすき」「〜なのだ」など舌足らずなアーニャのセリフ回しがあまりに可愛いことから、SNS上では彼女の話し方を真似する「アーニャ語」が大流行しました。2022年には「アーニャ語」がネット流行語にもノミネートされるほどで、その人気ぶりがうかがえます。
アーニャ構文で注目?

アニメ業界内でも種﨑さんの演技は高く評価されており、2023年には第17回声優アワードで主演女優賞を受賞、さらに2025年の第9回Crunchyrollアニメアワードでは日本語声優賞(Best Voice Actor [JP])に輝くなど快進撃を続けています。幼い子供の純粋さから時折見せる大人びた表情まで、アーニャの魅力を最大限に引き出した種﨑さんの力演が、本作の大ヒットを支える原動力の一つになったことは間違いありません。「アーニャ役は種﨑さんしか考えられない!」という声も多く、まさに本作で最も注目度の高い声優さんといえるでしょう。
吉野裕行

ロイドの同僚で良き協力者でもあるフランキー・フランクリンの声を担当するのは吉野裕行さんです。フランキーはお調子者で女好きな情報屋ですが、どこか憎めない人の良さも併せ持つキャラクターです。吉野さんは軽妙な台詞回しとコミカルな演技でフランキーのムードメーカーぶりを存分に表現しています。時にはロイドに振り回され、時にはアーニャの無茶振りに巻き込まれ…といったドタバタ劇も、吉野さんのノリノリな演技のおかげで笑いどころ満載です。もちろんふざけているだけでなく、いざという時に見せるフランキーの男気や友情もきっちり声で演じ分けており、ストーリーに欠かせない名脇役となっています。吉野裕行さん自身も『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』や『機動戦士ガンダム00』などでメインキャラを務めた経験豊富な声優さんですので、その安定感は折り紙付きです。
甲斐田裕子

WISEの管理官でロイドの上司にあたるシルヴィア・シャーウッド(ハンドラー)の声を担当するのは甲斐田裕子さんです。シルヴィアは常に冷静沈着で威厳のある女性キャラですが、甲斐田さんの凛とした低めのボイスがその人物像に説得力を与えています。ヨル役の早見さんの柔らかな声質とは対照的で、劇中では女性キャラクター同士の声のコントラストが楽しめるポイントにもなっています。実は甲斐田さん、海外ドラマや映画の吹替でも活躍しており、女優のアンジェリーナ・ジョリーの吹替声優としても有名です。その堂々たる語り口はシルヴィアのような強い女性役にぴったりですね。物語序盤こそ登場シーンは限られていましたが、ストーリーが進むにつれシルヴィアの人間味ある一面も描かれていきますので、甲斐田さんの硬軟織り交ぜた演技にも注目してみてください。
山路和弘

アーニャたちが通う名門イーデン校の寮長であるヘンリー・ヘンダーソン先生の声を担当するのは山路和弘さんです。ヘンダーソン先生は上流階級の子弟が集う学校の教育者らしく、“エレガント”を信条とする品格ある紳士。その厳格さと温かさを併せ持つキャラクターを、山路さんは重厚かつ渋みのある声で見事に体現しています。山路和弘さんは洋画吹替界の大ベテランでもあり、『シュレック』シリーズのシュレックやマーベル作品のニック・フューリー役など、誰もが一度は耳にしたことがある声の持ち主です。アニメ作品でも『鬼滅の刃』では鬼舞辻無惨の声を務めるなど存在感を放っています。本作ではコミカルなシーンでの「エレガント!」という名台詞から、教育者として生徒に寄り添う優しい場面まで、山路さんの深みのある演技が作品に厚みを加えています。まさに適役と言えるでしょう。
小野賢章

ヨルの実弟で、東国保安局(SSS)の少尉を務めるユーリ・ブライアを演じるのは小野賢章さんです。ユーリは姉想いが高じて若干シスコン気味なところもありますが、職務では容赦ない尋問官という裏表のギャップが激しい人物です。小野さんは普段は冷静なイケメン青年としてのユーリと、姉の前で酔っぱらい暴走するコミカルなユーリの双方を巧みに演じ分け、その振れ幅の大きさで視聴者を笑わせています。小野賢章さんといえば『黒子のバスケ』の黒子テツヤや『ジョジョの奇妙な冒険』のジョルノ・ジョバーナなど数々の主演級キャラを務める実力派ですが、本作ではあえて崩した芝居にも挑戦し、新境地を開拓しています。ユーリが登場するエピソードはギャグシーンも多いので、小野さんの熱演にぜひ注目してみてくださいね。
藤原夏海

アーニャのクラスメイトであり物語の鍵を握る少年、ダミアン・デズモンドの声を担当するのは藤原夏海さんです。ダミアンは東国の政権党首・ドノバン・デズモンドの次男坊という立場から最初は尊大で生意気な振る舞いが目立つキャラクターでした。しかし物語が進むにつれて、実は父に認められたくて努力する健気な一面や、仲間想いで優しい素顔も垣間見せるようになります。藤原さんはそんなダミアンの成長を、初登場時の憎たらしい演技から徐々に柔らかなトーンへと変化させて表現しています。「最初は嫌な奴だと思ってたのに、今では一番応援してるキャラになった!」というファンの声も多く、藤原さんの演技がダミアンの魅力を引き出していると言えるでしょう。藤原夏海さん自身、少年役を得意とする若手声優で、他にも『東京喰種:re』の六月透や『86-エイティシックス-』のセオト役などを務めています。今後もダミアンの活躍が増えるにつれ、藤原さんの名演にもますます注目が集まりそうですね。
加藤英美里

イーデン校でのアーニャの一番の親友、ベッキー・ブラックベルの声を担当するのは加藤英美里さんです。大富豪令嬢のおませな女の子であるベッキーは、アーニャにとって良き遊び仲間であり相談相手でもあります。加藤さんは明るく元気な少女の声を得意としており、ベッキーの天真爛漫さや時折みせる大人びた口調を自然に演じています。アーニャに影響されて大げさなリアクションをしたり、好きなアニメキャラ(〈ぎょるい〉)に夢中になって妄想したりといったコミカルな場面でも、加藤さんのキュートな声があることでキャラクターに愛嬌が生まれています。劇中ではアーニャの陰に隠れがちなベッキーですが、その表情豊かなリアクションのおかげで場面が一層賑やかになる縁の下の力持ち的存在です。加藤英美里さんといえば『魔法少女まどか☆マギカ』のキュゥべえ役や『ラブライブ!』シリーズの絢瀬絵里役などで知られる実力派ですので、ベッキー役でも安定感のある演技を見せてくれています。
佐藤はな

ダミアンの腰巾着的なクラスメイトであるエミール・エルマンの声を担当するのは佐藤はなさんです。エミールはもう一人の取り巻きユーインと共に常にダミアンに付き従っている少年で、登場シーン自体は多くないものの、ダミアンをいじったりアーニャと言い合いになったりとコミカルなポジションです。佐藤さんはそんなエミールの少々おバカで憎めないキャラクターを、元気いっぱいに演じています。実は佐藤はなさん、近年様々な作品でモブから主要キャラまで幅広く活躍している実力派で、『エデンズゼロ』や『魔法使いの嫁』などにも出演経験があります。本作では裏方的な立ち位置のエミールですが、佐藤さんの安定した演技のおかげでシーンにしっかり溶け込んでおり、作品を支える重要な一員となっています。
岡村はるか

もう一人の取り巻き少年ユーイン・エッジバーグの声を担当しているのは岡村はるかさんです。ユーインはエミール同様ダミアンの友人で、三人組でいることが多いキャラクターですね。岡村はるかさんは2020年代にデビューした比較的新しい声優さんですが、本作でのユーイン役が注目の大きな役どころとなりました。実は岡村さんの名字「岡村」と名前「はるか」は、大ベテラン声優の岡村明美さん(『ONE PIECE』のナミ役で有名)と一字違いで紛らわしいのですが、全くの別人ですので要注意です。岡村はるかさんは新人ながらユーインのやんちゃさと幼さを違和感なく演じており、「ベテランの岡村明美さんと勘違いした」という人もいるほど堂々とした演技を披露しています。今後経験を積めばますます活躍の場を広げるでしょうから、本作を機にぜひ名前を覚えておきたいですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は本作『SPY×FAMILY』に登場するキャラクターたちの声を担当している声優さん達についてまとめて紹介していきました。本作の主人公とヒロインを演じる江口さんと早見さんは本作以外にも数多くの作品で魅力的なキャラクターたちを演じられている声優さんですので、ぜひとも注目してみてくださいね。またアニメ2期の制作に合わせて追加で新しい声優さんが発表されるかもしれませんので、その辺も本作のアニメ制作情報を細かく追いながらチェックしておきましょう! いずれにせよ様々な情報が公開され、今まさに目を離すことができない作品となっておりますので、引き続きアニメミルやその他の媒体を通して追って行く必要がありそうですね。
