原作は細音啓によるファンタジーもののライトノベル作品で、「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」通称「キミ戦」。2017年から『富士見ファンタジア文庫』で刊行されており、2018年には『ヤングアニマル』で漫画化、2020年10月からはアニメの放送が予定されています。大魔女ネビュリスが帝国を火の海に沈めたことから、軍事国家「帝国」と魔女の国「ネビュリス皇庁」は世界の覇権を巡り、終わりのない戦争をしていました。戦場で帝国の兵である主人公のイスカと魔女の国の王族である「氷禍の魔女」アリスは出会います。二人は敵対する関係でありながら、互いに惹かれ、目指すべきトコロが同じであることに気付きます。しかし、二人はロミオとジュリエットのような関係であり、一緒になることなどありえませんでした。運命の出会いをした二人でしたが、互いの目的の為に戦場に赴くことになるのです。今回は、アニメ化に先駆け、気になるあらすじを紹介していきたいと思います。ネタバレを含む内容となっているので、まだ見ていない方は注意してくださいね!!
目次
第九〇七部隊に与えられた最後のバカンス
イスカたち第九〇七部隊は、上司であるリシャによる大作戦を決行する前に、休暇を与えられていました。みんなカジノで楽しんでいる中、イスカだけはアリスのことが気になり浮かない顔をしていました。いつも偶然に出会ってきた二人でしたが、オペラやパスタの名店、画家の展示会など二人の趣向が同じだからこそ出会えていたのです。今回のカジノはイスカがあまり好む場所ではなく、おそらくアリスも同じでしょう。そこにアリスがいるとは思えず、イスカは深いため息をつくのでした。
隊長ミスミスがカジノを選んだ理由
カジノでボロ負けのミスミス・・・。ジンは休暇を過ごす場所がなぜカジノなのか?とふと思います。これにはネネも隊長らしくない選択に疑問を持ちました。ミスミスの目的は最新型の戦車「メルカバ車両MI62型フランチェコ製」をゲットすることだったのです。カジノでジャックポットを出せば、特注品の戦車を買えると考えていたのでした。リシャは休暇を与える際に「最後のバカンスを・・・」と言っています。この言葉に次の作戦は大きな危険を伴うと察したミスミス。作戦に臨む際に、何よりも隊員の命を優先したいミスミスは、特注品の戦車を買えば全員が無事に帰って来れる可能性があると思っていたのでした。まずジャックポットが当たる可能性を考えればあまりにぶっ飛んだ行動ですが、仲間のことを何よりも考えていた隊長らしい選択なのでした。
すれ違う二人
ネネがお姫様みたいな綺麗な人からコインを大量に貰ったということを聞き、もしかしたらアリスかも?!と期待して探しに向かうイスカ。しかし、どんなに探しても一向に見つかりません。二人は偶然にも同じ占い師に占ってもらい、すぐ近くにいたにも関わらず、出会うことなくカジノ街を去ることになるのでした。やはり二人が好む場所ではないカジノでは運命的な出会いは起きないということなのでしょうか。
バカンスはまた来世、緊急招集される帝国兵たち
カジノで全部スッてしまい無一文になってしまったミスミス(笑)旅館で一休みしているとリシャから連絡が入ります。突然ボルテックスの出現が予測されたため、近くにいる帝国兵全員に緊急招集がかけられたのでした。発生地点はカジノのあるジュラクの北西。第九〇七部隊も当然召集されることに。5日間のバカンスの予定でしたが、ボルテックス回収のために休みを返上して現地に向かうことになるのでした。
奇跡の星霊エネルギー・ボルテックス
ボルテックスとは、星霊エネルギーがマグマのように噴き出すもので、星の気まぐれによって発生します。光に触れた人間を魔女に変え、魔女がその光を浴びれば星霊力が増強されます。帝国とネビュリス皇庁との戦争の元凶であり、星の厄介ごとの源とされている現象なのです。
指揮官は透明人間の使徒聖・ネームレス
ミュドル渓谷南西部・第一臨時基地に集まった帝国兵たち。この緊急招集で集まったのは、機構Ⅲ師とⅤ師、そして第九〇七部隊を含む召集組でした。基地にはミスミスの同期のシャノロッテも来ており、久しぶりの再会に喜ぶミスミスたち。歓談していた一同でしたが、シャノロッテは急いで会議の場に行くことを勧めます。指揮官のネームレスは時間よりも早く来るからとのことでした。集合場所に着くと、まだネームレスが到着していないことに安堵するミスミスでしたが、それは見えていないだけで、ネームレスはすでに椅子に座っていました。帝都の制圧兵器研究所が製作した光学迷彩衣装を着用しているので透明人間のように姿を消しており、パット見ではわかりません。影に注意してよく見るとその姿は見えてくるようです。
帝国兵の使命とネームレスの目的
召集された帝国兵たちの使命は、ボルテックスを皇庁よりも先に確保、もしくは破壊することです。それ以外一切の指示をしないというネームレス。しかし、一つだけ命令を出します。それは「俺の邪魔をするな」ということでした。ネームレスの目的はボルテックスを求めてやってくる星霊部隊を潰すこと。ネームレスは星霊使いになにか大きな因縁を持っていそうな気がしますね。
ネネの直感
第九〇七部隊はd-4地区を担当することになるのですが、ネネはj-3地区が気になっていました。他の部隊の担当のため、ミスミスは諦めるように促しますが、あまりにも気になったので、ネネは寄り道することに。ネネは制圧兵器開発部局から実験用の衛星「テトラビブロスの星」の試験運用を任されています。衛星はネネが着けている指輪の真上を飛ぶようになっており、そのカメラが昨晩、j-3地区付近で怪しい光を捉えていたのでした。
まるで光の滝のようなボルテックス
j-3地区を探索した九〇七部隊でしたが、特に怪しいものはなく持ち場に戻ることに・・・。諦めきれないネネは崖の向こう側が気になると言って走って行ってしまいます。一人にするわけにもいかないのでジンが同行することに。イスカとミスミスは二人の帰りを待つことにしました。ミスミスが岩に寄り掛かると、岩は崩れ、中には空洞が。中に入ってみると、そこには光の滝のようなものが存在したのです。ネネの直感は当たっており、j-3地区にボルテックスは存在していました。
純血種・キッシング
ボルテックスを発見したイスカとミスミスでしたが、そこは敵陣のど真ん中でした。ネビュリス皇庁は先にボルテックスを発見し、岩の壁で隠していたのです。帝国兵を消去するように命令されているキッシングと呼ばれる少女は、イスカたちを強力な棘で攻撃してきます。しかし、イスカは相手の攻撃を冷静に分析し反撃に出ます。キッシングに攻撃が当たる瞬間、イスカの剣の先にはミスミスの姿が?!咄嗟に剣を止めたイスカ。「空間を渡る扉」を生み出す純血種の登場により、ミスミスは捕まり、形成は逆転してしまうのでした。
キッシングの敗因とイスカの強み
キッシングの星霊は突き刺した物体を消し去ってしまう棘です。とても強力な星霊であり、普通に戦っては苦戦を強いられることは間違いないでしょう。しかし、キッシングはそれを多用してしまいました。イスカは瞬時にその性能を把握して、守りから攻撃に転じます。イスカが強いのは、星剣を使える上に、戦闘技術が高いこともありますが、どんな状況でも冷静に判断し、相手の力を見誤らないこともその要因なのでしょうね。
ボルテックスに飲まれるイスカとミスミス
キッシングを助けた新たな純血種は、ミスミスをボルテックスに投げ捨てるとその場を去ってしまいます。ミスミスを助ける為にボルテックスの中に飛び込むイスカ。壁に剣を突き刺し、宙ぶらりんの状態で耐えているところにネネが到着。上から助けようとしますが、その時、ボルテックスが噴火するかのように下から吹き上げてきて、イスカとミスミスはボルテックスに飲み込まれてしまうのでした。この噴火によりボルテックスは消失、緊急招集で集められた部隊は撤収することになるのでした。
魔女の星紋
中立都市エインに戻ってきた九〇七部隊。イスカはジンから「星紋」が付いていないか確認するように言われます。ボルテックスの光を浴びた人間は、星霊に宿られ魔人となります。その際に、身体のどこかに「星紋」が浮かぶのです。実際には、光を浴びた人間全員がそうなるわけではなく、非常に薄い確率です。イスカもジャックポットが当たるよりも稀と言っています。しかし、そこに現れたミスミスの左肩には「星紋」がクッキリと残っていたのです。カジノではジャックポットを狙っていたミスミス・・・。こんなところで薄いとこ引かなくても・・・(笑)
隊長ミスミスの選択
星紋は星霊が宿った人間にだけ現れるものであり、自分の左肩の星紋を見たミスミスは、魔女になってしまったことに戸惑いを隠せず、パニックに陥ってしまいます。ネネもミスミスのことを考えパニックに・・・。イスカとジンは二人を落ち着かせ、ミスミスに二つの選択を迫ります。一つは、みんなでこのことを隠し、今まで通り帝国軍の隊長を続けること。この場合、星紋がバレた瞬間にネビュリス側のスパイ扱いとなるリスクがあります。もう一つは、自首することです。部隊は解散することになりますが、処刑は免れることが出来ます。任務遂行中の事故でこうなってしまったので、事情を説明すればそれなりの生活も出来るでしょう。究極の二択を迫られたミスミスは、隊長を続けた場合のイスカたちのリスクを考えます。しかし、ジンは自分たちのことは気にせず、自分のことを考えろと言うのでした。そして、ミスミスが出した結論は、みんなと一緒に部隊を続けると言うものでした。イスカたちもこれを快く受け入れ、第九〇七部隊は大きな秘密を背負うことになるのでした。
久しぶりの再会
オペラを見に来たイスカとミスミスでしたが、時間に間に合わずベンチで休憩することに。ミスミスが飲み物を買いに行っているとイスカの前にアリスが現れます。やっと出会えたことが余程嬉しかったのか、アリスは三日間探し回っていたことを言ってしまうのでした(笑)敵同士ではありますが、久しぶりの再会に内心喜んでいる二人。アリスは星霊のスペシャリストです。もしかすると星紋の消し方を知っているかもしれません。アリスになら相談をしてもいいかも・・・。と考えるイスカでしたが、おしゃべり大好き17歳に話すにはあまりにもリスクが高いとイスカは思うのでした。
イスカの連行
仲良く話しているイスカとアリスの間にリンが割って入ります。アリスに飲み物を持ってきたリンは、イスカにも飲み物を渡します。いつもイスカを警戒していたリンも少し心を許したのでしょうか?・・・そんなことはありませんでした。リンはイスカの飲み物に睡眠薬を入れていたのです。ちょうどそこにミスミスが帰ってきます。昏睡状態のイスカが連行されているのを見たミスミスは感情が昂り、星霊術を爆発させそうになります。アリスの思いやりによって暴走を免れたミスミスでしたが、イスカはネビュリス皇庁に連行されてしまいました。
人工星紋によるジンのファインプレー
ミスミスの報告によりイスカが人質に捕られたことを知った九〇七部隊は、ネビュリス皇庁に侵入しイスカを救出することに。しかし、ネビュリスの国境を超えるには星紋がなければいけません。帝国軍は百年もの間、ネビュリス皇庁に侵入しようと星紋を偽造しては見破られ、研究を重ね続けた結果、星紋を一時的に作る装置の開発に成功していました。この装置を使えば一時的に星紋を作れるので、侵入した後も帝国側の人間だとバレることはありません。ミスミスに星紋を付けようとしたリシャでしたが、ジンが自分がやると言います。リシャに本物の星紋がバレれば全てが終わってしまいますからね。ジンはすでに星紋がある位置に人工星紋を付け、リシャを誤魔化すのでした。このジンのファインプレーにより、しばらくはミスミスの星紋を心配する必要はありません。こうして、第九〇七部隊はイスカ救出のため、ネビュリス皇庁に侵入することになるのでした。
いよいよアニメ化!気になる内容をチェック!後編(ネタバレ注意!!)まとめ
いかがだったでしょうか?今回はイスカとアリスのやりとりはあまりなく、第九〇七部隊、特にミスミス隊長が目立っていましたね!!とりあえず星紋を誤魔化したミスミスですが、いずれリシャが気付きそうな気がしてなりません。またイスカの救出がどうなるのか続きがすごく気になりますね!!