Blue Giantという作品をご存知ですか?ビッグコミックで連載されているジャズを題材にした作品なのですが、これがまた面白いです!ジャズに全く興味がなくそもそも音楽の知識が皆無なのに、すらすら世界観にのめり込み気が付いたら読破している。そんな作品です。そんな作品の主人公、宮本 大の師匠であり知識と技術を叩き込んだ『由井』を紹介していきたいと思います。
目次
『由井』と宮本 大の出会いってどんなだった?
大の師匠、由井との出会いはジャズバーの店長からの紹介がきっかけでしたが、それ以前に二人は出会っていました。由井は路上で演奏をしていた二人組をヘタクソとボロッカスに罵っており、大はその場に居合わせていました。その後、ジャズバーの店長に紹介されたとき由井は大のことをこれっぽっちも覚えてはいませんでした。
由井、大の演奏を聞いて才能を感じる
普段はてきとーであまりやる気を見せない由井でしたが、大との演奏ですぐにそのポテンシャルの高さを実感します。大は理論も技術もまったくなっていませんでしたが、それでもその演奏に面白さを感じ、それ以降は大の師匠となって理論と技術を叩き込みます。
月謝は不要?
それから大の師匠となり、自宅で指導することになります。由井はプロの指導者であり当然月謝なるものは発生して当たりまえでした。しかし、由井は月謝をとらず無償で指導をします。その理由は『面白いから』。面白いものは金を払っても見たいもの。大への指導は面白いものを見たいからしていたことでした。なお、由井は金に無頓着というわけではなく、他のレッスンを受ける生徒の月謝をちゃっかり値上げしたりしています。それだけ大が特別のようです。
実はすごいおっさん!あらゆる楽器に精通する『由井』
見た目は冴えないおっさんの由井ですが、若い頃には海外へ留学し音楽への造詣は深く、サックスが本業であるにも関わらずピアノを弾いたり、あらゆる楽器に精通しているようでその技術も指導力もとても高いレベルを維持しています。
由井、自分の限界を感じる
そんな由井ですが、かつては留学し毎日のようにサックスの練習に明け暮れて、技術は向上しましたが感性の鋭い由井にとっては自分には技術があっても、人を震わせることが出来る音楽は生み出すことが出来ないと悟り挫折を経験しています。大には自分にはないものが『既に咲いている』と評価し、その行く先を見てみたいと思うようになります。
興味のあること以外はとことん無関心な『由井』
普段の由井の印象を端的に言えば『やる気のなさそうなおっさん』であり、その実態も『やる気のないおっさん』です。家の片付けにも興味がなく部屋はバラバラで、音楽教室のレッスンのときもてきとーに心にも思っていないことを言って、てきとーに対応しています。
興味のあることには人が変わる男
興味のないことには無頓着な由井ですが、興味のあることに関しては人が変わったかのようなストイックさと情熱を見せます。大の演奏を聞いた由井はその場で大の指導をすることを決め、その指導の厳しさと熱量は普段の由井からすれば考えられないほどであり、それだけ大の行く末に期待していることが分かります。
興味のないことでもそつなくこなす男
由井は現在、音楽教室の講師であったり、地元のCMソングを請け負ったりして生活しているようですが、天才肌の由井らしくCMソングを請け負ったことをすっかり忘れて締め切りが大幅に過ぎていることを指摘され、催促されます。しかし、そのCMソングの作曲をカップ麺にお湯を入れて出来あがるまでの数分で作曲してFAXで送ります。
お茶の間にCMが流れる
今朝、カップ麺が出来上がるまでに考えました。と本当にてきとーに数分で考えて作ったCMソングは何の問題もなく採用され、しばらくした後お茶の間に流れるようになります。
放送されたCMを見た由井は「いいじゃん」と一言。由井はその直前に自分は一流にはなれないという会話をしていましたが、由井も十分に天才的な才能があるように感じられます。
普段はだらしない、でも音楽への情熱は凄い『由井』
大のお酒好きで整理整頓も苦手、仕事の依頼も忘れる。普段の音楽教室での指導も傍から見れば興味がなく、てきとーなことを言っているちゃらんぽらんなおっさんです。しかしながら本編から大分後のインタビューを収録したBONUSTRACKではいまだにサックスを続けており、おそらく大成した大にも負けないと豪語しており、音楽への情熱は消えておらず由井も大と出会ったことがきっかけとなりその年になって何かが『咲いた』のかもしれません。
『由井』は弟子の背中を押すよき師匠!
由井は大が上京し、世界一のジャズプレイヤーを目指すと決めたときにも背中を押し『お前はずっとずっと、ジャズを好きでいろよ』と言葉を残します。その後は妹の彩花にフルートを教えたりしながらも大の近況が気になっており、ネットで見つけた動画を目ざとくチェックしていました。
大、海外へと向かう前に
Blue Giantのラスト、沢辺雪祈の事故によって解散を余儀なくされた大は更なる高みを目指すために海外へ留学することを決意しますが、その前にも師匠である由井の元に顔を出しています。その後、物語はBlue Giant SUPREMEへと続き、大もとある国へと旅裁ちます。しかし、その国に行くことを決めたのは由井のアドバイスによるもので、最初から最後まで頼れる師匠でありました。
宮本 大の師匠『由井』まとめ
由井は宮本 大に技術と理論を叩き込んだ師匠であり、その師弟関係は大が成長していく面白さをこれ以上なく演出していたと思います。多少変わり者の由井でしたが、それでも魅力あふれたキャラクターであり、作品自体の魅力を掻き立てたキャラクターだとも思います。Blue Giantはジャズ漫画であり、音楽に興味のない人は敬遠するかもしれませんが、興味が無くても読み始めたら興味が出てしまうすごい作品なので、是非触れてみてほしいです!