『上野さんは不器用』は月2回刊行される漫画雑誌『ヤングアニマル』にて、短期集中連載されていたtugenekoの漫画作品です。2019年の1月にはテレビアニメ化され、TOKYO MXを中心に放送予定とのこと。主人公は、中学生の上野。上野は様々な方法で意中の相手である田中に告白を試みるも、いつも失敗してしまうといったストーリーになっています。今回は『上野さんは不器用』に登場する名シーンを独自にランク付けしたものについて紹介していきたいと思います。
目次
第10位 上野のパンツで遊ぶ山下?
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
上野が、厚みは一般的な布程度でありながら、あらゆる衝撃を吸収する防護布を開発したときのこと。上野は田中に対し、もう既にその布を装着しているから、何処にその布があるのかを判断して叩いてみろと言うのでした。そして正解したらその場で現物をプレゼントするとのこと。その肝心の布ですが、上野はその布でブラ型防護服を作っていたため、胸に装着しており、思春期の少年であろう田中に胸を注視させようという思惑からこの実験を始めたのでした。しかしそんな上野の考えをよそに、田中が「あっ、わかった」と言って叩いたのは、上野のお尻。「ちょっと待てやー!!」という上野ですが、「やっぱりここだ!」と再び上野のお尻を叩く田中。さらに正解だと勘違いした田中は当たったことが嬉しいのか、お尻を叩こうとジリジリと上野について回るようす。「ここじゃねーって言ってんだろ!!」と言い、逃げ惑う上野ですが、ついには田中にお尻を叩かれて転んでしまいます。追い打ちをかけるように、田中は上野の腕をつかんで「離しませんよ、認めるまで。ほらいい加減認めてください。ここが正解なんでしょ。」と嬉しそうに叩き続けるのでした。いつまでも叩き続けるため上野はしぶしぶ正解だと告げ、やっと解放されます。すっかり戦意喪失した上野は帰ろうとしたところ、田中が「当てたらくれるって言ってたでしょ」と手を差し出します。お尻に装着していると嘘をついてしまった上野は、もう叩かれたくないからと、普通のパンツを脱いで田中に渡します。田中は「普通のパンツみたいですね」といいながら、パンツを伸ばしたり回したりして遊ぶのでした。さらには散々遊んだ挙句、「まぁこんなの貰っても使い道無いんで返しますね」と返すのでした。田中の性格がよくあらわれているシーンです。
第9位 空気に流されない田中
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
第1話。上野が究極の携帯型ろ過装置“ロッカくん”を発明したときのこと。“ロッカくん”は、見るだけで目が腐る世紀末級のドブ水ですら、氷窟から滾々と湧き出る大地の泉レベルにまで浄化可能という代物とのこと。そこで上野がろ過したものは、自らの尿。それを聞いた田中は「ちょっとそれ仕舞ってくださいよバッチいなぁ」とはねのけるようす。しかし上野はそのろ過した水を田中に差し出し、飲めと命令してきます。拒否し続ける田中ですが、上野も譲らず飲んでほしいと頼み続けるしまつ。そんな上野は田中に恋をしており、この行動は少し変わった愛情表現なのでした。しかし鈍感な田中はその気持ちに気づかず、拒絶する姿勢を崩しません。そんな田中に対してついに泣き出してしまう上野。そこで科学部の後輩である中学1年生女子・山下は「本当は部長だって素直に伝えたいと思っているはずです。でもそれ以上に不安なんです。まっすぐ気持ちを伝えて、もしも駄目だったら・・・って。だからこんな方法を取ったんだと思います。」と伝えます。そして「でも部長、大丈夫ですよ。田中先輩はちゃんと受け止めてくれます」「だから先輩、これが部長の今の気持ちです。どうするかは先輩が決めてください」と言い、飲む流れを的確に作り上げます。ついに飲むかと思うも、田中は「・・・・・・いや、飲まないけど」と、空気に流されずに言うのでした。田中の一貫した姿勢に上野が悩み続けているということがよくわかる名場面です。
第8位 山下の優しさ
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
上野が瞬間脱臭装置“ダッシュたん”を作ったときのこと。この発明品は、対象へ謎の電磁波を照射することで、あらゆるニオイ物質を瞬時に天界へと導くという代物。上野はタイツ、山下は靴下、田中は上履きを対象として使うことに。そこでまず実験を行う前に、各々が違う人物の対象の臭いを確認することになりました。上野は山下の靴下を嗅ぐも「放課後まで履いてた女子の靴下って感じ」とのこと。次に田中が上野のタイツを嗅ぐ番に。上野は、女子のタイツを本人の前で嗅いで感想を述べなければいけない恥辱を田中に受けさせられるとニヤニヤしているのですが、そんな田中は驚いた顔で「くっさ」と一言。それに対して上野は「臭くないと検証にならないからな」と言うも、田中は「いやそりゃそですけどこれは・・・くっさ」「ちょっ・・・えー・・・・・・こんなことになるんですか?」と驚きを隠せないようす。そう言われた上野は冷や汗をかきながら固まってしまいます。それに気づいた山下は自分もタイツを嗅ぎ、「いや普通こんなもんですよ。私の靴下もこんなですよ」とフォローを入れます。しかし田中は山下の靴下を嗅ぐも「いや部長のタイツの方が臭いよ」と言い「部長のは8靴下分くらい臭いよ」と言います。そんな田中はもう脱臭しようと言い始めるのですが、山下は「脱臭しない!」と声を挙げます。「臭くないから脱臭もしない!」「これは女の子特有の良い匂いです!」と言い張る姿も。気まずくなってしまった上野を思った上でのこの行動から、山下の優しさ伺える名場面です。
第7位 それでも好き
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
究極の携帯型ろ過装置“ロッカくん”を作ったときのこと。上野は自分の尿をろ過し、それを飲んでもらいたいと田中に迫るも、田中は拒否し続けます。好きな相手である田中だからこそ飲んでほしいと思い、頼み続ける上野ですが、結局は飲んでもらえませんでした。「田中はなんだ、告白されてもボーっとしてんのか」と言うと、告白されたことはないと照れる田中に対して、「今、ほぼされてんだよ現在進行形で!」と分かりやすく伝えますが、田中は「エッ!誰にですか!?」と驚いているようす。そして田中が帰った後。上野は今までさまざまな方法で思いを伝えようとしてきたことを思い出しながら、極度に鈍感な田中に呆れているようす。しかしその後に、「でもあーいうとこが好き!!」と赤くなった顔を手で隠しながら言うのでした。上野の一途な恋心が表れている名場面です。
第6位 お口で分子交換?!
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
上野が、未来の成分ドラントーデ配合の未来ドリンク“ドラントーデS”を摂取した日のこと。この“ドラントーデS”を飲むと、およそ24時間もの間、飲用者由来のニオイ分子を無香化することができるとのことでした。匂いがしないからと足の裏を嗅ぐよう田中に命じる上野。いざ田中が上野の足を嗅いでみたところ、匂いは全くしないようす。しかしこの“ドラントーデS”は、ニオイ分子を体外に排出しないから匂わないのではなく、ニオイ成分は体外に排出はされるものの、そのニオイ分子自体が無香化されているとのこと。それゆえに匂いを嗅ぎ続けると、ニオイ分子が嗅いでいる人物の体内に取り込まれることになります。今回のこの上野の実験はその効果を利用し、自分のニオイ分子を田中の体内に取り入れさせ、体内から受け入れてもらおうというひとひねり加えた作戦なのでした。好奇心旺盛な田中は、全身の匂いも消えるのかとお腹や首などいろいろなところの匂いを嗅ぎ始めます。ついには口臭まで確認したいとのことで、田中の口が近距離にある中で口を大きく開けることに。いつまでも嗅ぎ続ける田中を殴って走り去る上野。そんな上野は顔を隠してしゃがみ込み「田中とお口で分子交換しちゃったよぉ」と照れていたのでした。嬉しいハプニング?が起きた名場面です。
第5位 真っ当な間接キスチャンス到来?!
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
“ガラクたん”を使った実験をした日のこと。この“ガラクたん”とは、適度な右回りの回転力を用いて銀河に語りかけることで、一息つくのに良い塩梅の水を顕現させることができるというもの。ペットボトルのような見た目をしているこのガラクたんをさっそく使おうと、上野はフタに適度な右回りの回転力をかけます。するとみるみるうちに500mlほどのペットボトルサイズの水が現れました。上野は田中に水を差し出すも、田中はその水を信用していないようす。そこでまず上野が実際に飲んで見せます。そして次は田中の番だと、上野は飲みかけのガラクたんを机に置くも、田中は新たなガラクたんを使って水を飲み始めるのでした。上野はその予想外の行動に「何勝手に新しいの開けとんだ!!」と怒っているようす。しかし田中は「だって自分が口付けたとこに男子が口付けるんですよ。女子の方がそういうの気にするでしょ」と気を利かせての行動でした。間接キスがしたかった上野は慌てたように「別に・・・かっ・・・かかかかか間接キシュとか、いちいちそんなこと気にしませんのですけどぉ?」と汗を流しながら誤魔化しているようす。さらに上野が「変なこと意識し過ぎなんですのけどぉ!?」と言うと田中はムッとした表情を浮かべ、「じゃあ僕が飲んでた方に口付けてくださいよ。なんとも無いんでしょそういうの」と、田中自身が飲んだガラクたんを差し出すのでした。田中の飲みかけのガラクたんを飲もうとする上野ですが、非常に慌てたようすでガラクたんを床に落としてしまうのでした。田中は「無理しなくていいですよ」と言い、こぼれた水を拭くために雑巾を取ってこようとその場を離れると、上野はそのペットボトルを拾いあげて口をつけようとしますが、戻ってきた田中が「部長それ落とした方でしょ」と冷静にツッコミを入れたのでした。普段怒ったような姿を見せない田中が珍しくムッとした場面であり、結局は失敗に終わりますが、田中から間接キスを迫られた名場面です。
第4位 妥協しない上野
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
新型痴漢通報装置“カンチカン”の実験を行ったときのこと。カンチカンとは、謎の精霊カンチチと霊的な精神接続を結び、羞恥行為を受けたと精霊会議によって判断された場合は、周囲の人間に対し警鐘を鳴らす装飾的装置とのこと。カンチカンを装着した上野は、田中に痴漢をしろと命じます。しかし田中は理解ができないと拒否しているようす。そこで上野が「痴漢被害で苦しむ人々の救済と考えろ」と言うと、意を決したように田中は「じゃあ痴漢役やります」と言うのですが、その直後すぐにカンチカンが反応。痴漢に遭うと反応する装置とのことですが、まだ田中は痴漢をしていません。どうにか静まらせようとする上野ですが、カンチカンは変わらず反応し続けているようす。そこで山下が上野を連れて、上野を落ち着かせます。この装置を使った実験の目的は、上野が田中に接触されるも平常心を保ち続け、行為を徐々にエスカレートさせていくとのことなのでした。しかし平常心を保てない上野に対して、カンチカンはすぐに反応を示してしまいます。そこで山下は「装置のスイッチ切りますか」と提案。しかし、上野は「そのラインを超えることは私には出来ない」と科学者らしい発言をするのでした。反応したのは風邪気味だったからと嘘をつき、田中の元に戻ってきた上野。しかしいざ実験開始となるとすぐさまカンチカンは反応してしまうのでした。そこで上野は、スイッチを切れば田中と近づくことができるのにそうすることができず、「妥協を許さぬこの腕が憎い」と泣き出してしまいます。田中はそんな上野の背中をさすり、「部長、まず体調を治しましょう。元気なことが一番大切ですからね」と優しく言うのでした。いくら田中のことが好きであっても、実験に妥協することができない上野の科学者気質が表れている名場面です。
第3位 上野流・委ね告白!
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
上野が未来型救援装置“BGブルーライト”を発明したときのこと。この装置は、指定した色と同色相の物体を発光させることができるというもの。例えば、ある特定色をセーフティーカラーとして定めておくことで、被災時の発見を迅速に行うことが可能になり、救援活動において大きな可能性を秘めているとのことでした。今回は“BGブルーライト”の動作確認をするとのことで、まず上野のハンカチを識別します。ハンカチから識別した色は“一斤染”。この“一斤染”とは、紅花一斤で絹一疋を染めた淡い紅色の名称で、染料である紅花が高価であった平安時代には、この一斤染めを紅色の上限としてそれよりも濃い紅染は禁色とされていたとのこと。それゆえに“一斤染”の別名として“聴し色(ゆるしいろ)”という名がついているそうです。今回上野は、この“聴し色”でインナーに上野と田中の相合傘を描いていたのでした。上野は田中にその相合傘を見せ、最後の一押しを相手側に委ねるとのことで、上野流・委ね告白に挑戦したのでした。さっそく部屋を暗くして田中の反応を見る上野ですが、上野の方を見た田中はどこか照れたように顔を背けます。成功かと思いきや、山下が「一旦伏せましょ、一旦」と上野を鏡の前まで連れて行きます。上野はメッセージ性が強すぎたかと考えつつ、ふと鏡を見てみると、その相合傘の肝心の文字はタイで隠れて見えなくなっていたのでした。とんだ失敗に終わるこの作戦ですが、上野が“告白”という形でわかりやすく思いを伝えようとした、そんな進歩が見られる名場面です。
第2位 田中の膝まくら
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
上野がロボット版上野・“上野13号”を発明したときのこと。“上野13号”とは、介護用として開発中である試作機を上野独自にカスタマイズし、乙女の気持ちを表現できるような回路的なものを搭載した完全自立型ガイノイド。上野は、この上野13号を使って思春期特有のアレなやつを刺激して、田中をアワアワさせる作戦とのことです。さっそく作戦を実行。本物の上野は隠れて見守ります。上野13号は、田中のことをジーっと眺めるも、田中は「なんですか?」となんでもないようす。次に上野13号は「タナカ、ガム食うカ」とガムを差し出すと、田中は「あっじゃあいただきます」と言ってモグモグ食べ始めるのみでした。そんな上野13号は、次には「タナカひざまくらしロ」と連呼し始めたのでした。田中は「なんなんですか今日」と言いつつも、上野13号に膝まくらをしてあげるのでした。さらに上野13号は「タナカ、なでなでしロ」と言うのですが、田中は「部長なんか嫌なことでもあったんですか!?」と聞きます。そして「部長、何あったのか知りませんけど、何か悩みがあるならちゃんと相談してくださいよ。僕に言い辛いなら山下さんでも良いですし」と頭をなでながら言うのでした。そうすると上野13号はふいに立ち上がり「タナカ、ウエノ好きカ」と言うのですが、この状況に耐え切れずに上野が大声を上げながら飛び出してきます。そして「ヒェーだまされてやんのバーカ!バーカバーカ馬鹿アホ間抜けー」言いながら、顔を真っ赤にして上野13号を連れて部室を出ていくのでした。人にはあまり関心がないような印象を受ける田中が、上野のことを心配した、そんな優しさの見える名シーンです。
第1位 雨の中、一緒に帰る上野と山下
出典: 上野さんは不器用 ©tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会
上野が“II傘(アイアイがさ)”を発明したときのこと。この装置は上方に向けて反重力場を展開し、対象を受け流す微力な重力壁を発生させるというもの。これを頭につけることで、手ぶらな状態で雨に濡れずにすむという発明品です。そんな“II傘”を披露した後のとある日の帰り道。この日の帰りの時間には、雨がザーザーと降っていました。そこで“II傘”を頭につけた上野が帰ろうとしたところ、後ろから「ぶちょー」という声が。振り向くとそこには田中の姿があり、田中は「今日傘持ってきて無いんですよ。僕も入れてください」とのこと。上野は「しょーがないな特別だぞ」と言い、田中は上野の周辺の濡れない範囲へ入ってきます。そこで上野の肩を引き寄せる田中。上野は照れながら「おい!」と言うも、田中は「だってこれ僕半分出ちゃってますよ」とのこと。「もうちょっとこっちに寄ってください」という田中に、上野は「分かったから手のけろ!まったく」と言いながら、嬉しそうにしているのでした。そんな2人のほっこりするような名場面です。
名シーンランキング・まとめ!
いかがでしたか?今回は『上野さんは不器用』に登場する名シーンを独自にランク付けしたものについて紹介しました。友情を感じる場面や片想い中の上野のときめくような場面など、作中にはさまざまな場面が登場します。他にも多くの名シーンが登場しますので、ぜひチェックしてみてください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。