架空都市「ヨコハマ」。
文豪の名を懐く特殊な能力を持った若者たちが繰り広げる文豪異能力バトル!
ある孤児院を追い出されてしまった中島敦。
餓死寸前のところを風変りな者たちに助けられる。
彼らは、国や警察さえも踏み込むことのできない事件を解決する「武装探偵社」と呼ばれる集団。
「人喰い虎」の討伐へ同行させられる敦。
そして・・・。
【第1話】人生万事塞翁が虎
川に流されてきた謎の男
孤児院を追い出されて餓死寸前の中島敦は、強盗をしてでも何としても生き延びるとヨコハマの川原で決意していた。
しかし、川に流されてきた謎の男を見過ごすことが出来ず助けることに。
自殺マニア
その男は自殺マニアの太宰治で、自害の邪魔をされたことに最初は文句を言われながらも、迷惑を掛けた対価として食事をご馳走になる。
武装探偵社
太宰の代わりに食事を奢ってくれた国木田独歩から、2人は警察の手に負えない事件を片付ける異能集団「武装探偵社」であることを聞く。現在武装探偵社が携わっている”人喰い虎”を捕獲するという仕事を聞いて、敦は自分が虎に追われていること、孤児院が虎に襲われて経営難になり口減らしに追い出されたことを明かした
月下獣
太宰は敦を囮にして虎を誘き出すことにする。
遠く離れた工場に敦を連れだした太宰は、敦自身が「虎に変身する」異能を持つ能力者なのだと伝えた。
月を見た敦は虎に変身して太宰に襲いかかるが、太宰の能力「人間失格」に敗れて気を失う。起きた敦に彼の能力「月下獣」の存在を伝えて、武装探偵社の社員にすることを太宰は告げた。
【第2話】或る爆弾
自覚した異能の扱い方
太宰の計らいで武装探偵社の社員寮に入った敦は、ヨコハマでやっとまともな生活を送れるようになっていた。
しかし、自分の異能を制御出来ない自分には武装探偵社の社員は務まらないと感じており、一般的な仕事を探してみようと思うと太宰に伝える。
太宰はそんな敦にも仕事を斡旋しようと街へ連れ出す。
人質&説得!?
斡旋先に向かう途中で国木田に遭遇した2人は、武装探偵社に立て籠もった爆弾魔がいると聞いて、対処をするために現場へ向かう。
犯人は探偵社に私怨を持っており、バイトの女子高生・ナオミを人質にして社長を出せと息巻いていた。犯人に面が割れていない敦は、通りすがりの新聞配達員を装い説得を試みる
国木田の能力
敦が犯人の気を逸らした隙に、国木田は「独歩吟客」という手帳に書いたことが具現化する能力を使い、エアーガンを作り出して攻撃を繰り出す。
しかし、捕らえた犯人に爆弾のスイッチを押されてしまい、敦は思わず爆発被害を広げないよう爆弾に覆いかぶさった。
入社試験
しかし一連の事件は全て敦の入社試験であり、区から追われている虎である敦を擁護する必要があるのかも含めて社長の判断を仰いでいたのだ。
爆弾犯を演じしていた谷崎潤一郎とその妹ナオミもグルで、入社試験に加担していた。
悩む余地なし!
探偵社に入社しなければ仕事にも就けず家もなく、知り合いもいない状況で、さらにはまたもお尋ね者の虎として過ごさなくてはならない、と太宰に言われて、結局入社の選択しかできなくなる敦だった。
【第3話】ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス
難しすぎる問題
武装探偵社の試験に合格して無事入社することになった敦。
歓談している最中に先輩たちの前職当てクイズを行うことになったが、太宰の過去だけは今まで誰も当てられたことがなく、最初に正解を出した者に賞金70万円与えることになっているという。
初仕事!
そんな中、武装探偵社に訪れた美しい女性からの依頼で、会社のビルに出入りしている密輸業者と思しき怪しい輩たちを追い払う仕事を請け負うことに。
初仕事に緊張する敦に国木田は一枚の写真を渡し、「この人物に会ったら逃げろ」と伝える。そこに映っていたのは、ポートマフィア構成員であり異能力者の”芥川龍之介”だった
ポートマフィア
ビルの見張りに赴く谷崎潤一郎、ナオミ、敦の3人が袋小路まで連れてこられると、依頼人の女性・樋口一葉は自身の正体をポートマフィア構成員と明かして、3人を追い込んだことを芥川に連絡した。
まずナオミが狙撃されたことにより怒りを露わにした谷崎は、異能力「細雪」を繰り出し、自分の姿を隠して樋口に攻撃を繰り出す。
芥川龍之介
しかし、駆けつけた芥川の異能力”羅生門”によって谷崎も倒れてしまう。
芥川の目的は闇ルートで70億の賞金がかけられた人虎である敦の捕獲で、谷崎らは自分の存在のせいで巻き添えになったのだと思い傷つく。
芥川の異能
片足を奪われながらも異能力を発揮して抵抗する敦は遂に芥川と対峙するが、駆けつけた太宰の「人間失格」によって能力を無効化される。芥川らのやり口や裏事情に精通する太宰は、元ポートマフィアの構成員だったのだ。
【第4話】運命論者の悲み
懸賞金
太宰の助けもあって芥川から逃げることが出来た敦は、布団に寝かされた状態で探偵社の一室で目覚めた。
与謝野によって隣で治療を受けている谷崎の悲鳴を聞きながら、動揺する国木田の発言によって自身が70億の賞金首であることを知る。
黒蜥蜴
ポートマフィアの「黒蜥蜴」が襲撃した工場跡を見て、敦は自分の存在が探偵社を脅かすのではないかと危惧し敵方の樋口に「探偵社を辞めるから手出しをするな」という電話をかけて社を後にした。樋口は敦を狙わず「黒蜥蜴」を集めて、十人長のと立原道造と銀、百人長・広津柳浪に探偵社襲撃を依頼した。
余計な仕事
すぐに探偵社へ駆けつけた敦だったが、そこには黒蜥蜴をものともせず戦う社員たちの姿があった。国木田たちが動揺していたのは、急な襲撃で予定が狂うことや、壊れた備品の修理、近所のクレームに対応することで仕事が増えるためだった。
叱咤激励
溜息を付きながら、忙しい時に現場にいなかった敦を責める国木田。
国木田の責め言葉は敦がここに居てもいいことを示すものであり、自然と涙が流れてくる。
らかわれながらもどこか充実した気持ちを味わう敦だった。
【第5話】Murder on D Street
江戸川乱歩
ポートマフィア「黒蜥蜴」の襲撃の後片付けをしていた敦は、電車の乗り方すら分からないという不思議な名探偵・江戸川乱歩の付き添いを命じられる。
国木田からも一目置かれる存在の江戸川は、異能力”超推理”を発揮するために殺人事件の現場へ赴く。
殺人事件
銃弾を受けて現場である川辺に倒れていたのは箕浦刑事の部下である女性で、最近政治家の汚職とポートマフィアについて捜査していたという江戸川が事件を解き明かそうとすると、武装探偵社の協力は必要ないと一蹴されてしまった。
再び川から流れてきた太宰
現場を調べようとしていると入水自殺しようとした太宰が偶然流されてきて、女性部下の遺体を見て殺害手口はポートマフィアに似ているが、マフィアのやり口であるように顔を砕いていないため異なるもの仕業だと言う。
事件解決
何の手がかりもない事件の全容を解き明かせるものならやってみろという箕浦刑事に対して、江戸川は数秒考えた末に現場で共に捜査していた杉本巡査を犯人だと指差した。
杉本巡査の銃に三発の銃弾が入っていないことを指摘すると、銃を抜いて江戸川を攻撃しようとしたが、あっけなく取り押さえられてしまった。
殺害理由
女性部下は大物政治家の汚職を探している最中に証拠を掴んでしまい、大物政治家は警察内に紛れていたスパイである杉本巡査に彼女を始末させようとした。杉本巡査は彼女に警告して証拠を取り下げるよう説得したが失敗に終わり、自分の命を賭して止めようとするも誤って銃を発砲して彼女を殺害してしまう。
隠蔽工作
大物政治家に電話をかけて相談し、証拠隠滅のために残り二発を打ってポートマフィアの仕業に仕立てようとしたのだ。しかし、杉本巡査は彼女と恋人同士であったため、マフィアのやり方同様に顔を砕くことは出来なかった。
江戸川は全てを見通して、杉本巡査から証拠の入ったディスクの在り処を聞き出すことに成功した。
江戸川乱歩の能力
江戸川の能力に感心する敦だったが、太宰は江戸川に異能力はなく卓越した推理力で事件を解決するただの人間だと説明した。
異能力を持っていないからこそ、江戸川の実力を皆が認めているのだと続ける。
また武装探偵社の新たな一面を発見した敦は、夕暮れの道を江戸川と太宰と共に帰っていった。
【第6話】蒼の使徒
相性が悪い二人!?
いつもより10秒早く探偵社に着いた国木田が扉を開けると、敦が焦りの表情で助けを求めてきた。 敦の指差す先には裏山に生えたキノコを食べてラリっていた太宰がいた。
朝の書類整理を優先させようとする国木田だったが、邪魔をする太宰にキレて殴りかかる。
その光景を見ながら敦は、相性の悪い二人がなぜコンビを組んでいるのか不思議に感じていた。
蒼の使途
ヨコハマを訪れた旅行者が連続で失踪する事件が起こっており、太宰と国木田に同行する形で敦は調査に乗り出す。
非合法の情報屋である田口六蔵から、タレコミの出処が「蒼の使徒」だと聞き、元情報屋でヨコハマの道に精通している運転手のタクシーを利用して、情報の通り犯人のアジトである廃病院に乗り込むことに。
罠
廃病院を調査していると水槽で溺れかけている大学教授の佐々城信子を見つけ、信子の情報から他にも捕らわれている人がいることが分かり助けに向かう国木田。
しかし、国木田の努力も一歩及ばず、失踪者たちが閉じ込められている部屋に有毒ガスが噴射されて亡くなってしまった。
犯人
国木田はタクシー運転手の元を訪れて、誘拐犯はお前だと伝えた。
運転手はタクシーに乗せた観光客をガスで眠らせ衣服を奪い、被害者に変装してホテルにチェックインし、監視カメラの映像に映っていたのだ。
誘拐した理由は臓器密売に利用するためだったが、運転手は唆されただけで、証言する代わりに武装探偵社で保護して欲しいと申し出る。
ポートマフィアからの襲撃
運転手が交渉を持ちかけてきた瞬間、急にポートマフィアからの襲撃が国木田らに襲いかかる。誘拐した者の中にポートマフィアの関係者がいたのだ。
異能力「独歩吟客」を利用して閃光弾を発した国木田だったが、運悪く芥川と対峙することになってしまう。
蒼き王
国木田は智略を駆使して芥川を引かせることに成功するが、二度と来るなと厳しい表情で呟いた。臓器密売組織が取引に使っていたビルを訪れると、そこはすでに、もぬけの殻だった。そのビルはかつて国木田が追い詰めた「蒼き王」というテロリストが、田口の父親を含む5人の警察官を巻き込んで自爆した現場だった。
爆弾
そのビルはかつて国木田が追い詰めた「蒼き王」というテロリストが、田口の父親を含む5人の警察官を巻き込んで自爆した現場だった。
ビルの内部で探偵社への依頼文を見つけた国木田は、明日の日没までに爆弾解除をせよという内容を見て、次こそ自分たちが爆弾を止めてみせると決意を表明した。
まとめ
1話~6話で敦の「異能力」と「武装探偵社」のメンバーの能力や性格が分かります。
またボス的存在のポートマフィア「芥川龍之介」の存在などこれからの展開が非常に気になる所です!