『十二大戦』では、干支の名前を冠した12人の戦士たちによるバトルロワイヤルが繰り広げられ、最後の1人になるまで戦いは続いていきます。その中で主人公として描かれている寅の戦士・妬良をピックアップして、どういったキャラクターなのか、また十二大戦の戦いでどのような活躍を見せているのかを詳しく紹介していきます。
目次
寅の戦士・妬良のプロフィール
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二支の一つ「寅」を司る戦士が妬良で、本名は姶良 香奈江となっています。身長154cm・体重42kgと比較的小柄な戦士で、十二大戦ではトラ柄の下着を身につけて、上着にジャケットのみを羽織るというスタイルで登場。戦いが始まっても公園のベンチに寝ながら先を浴びるように飲んでおり、一見すれば戦士らしい様子がないキャラクターとなっています。
元々は真っすぐな性格をしていた
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
どちらかと言えば戦士というよりも飲んだくれの方がピッタリな妬良ですが、最初からこのようにだらしない性格だったわけではありません。真っすぐな性格を持っていて、正義の心を持っていた少女でしたが、ある日を境に上京が一変することに。それ以来、現実から目を背けるようにして酒を浴びるように飲むようになり、十二大戦序盤で描かれているような妬良ができあがってしまうのでした。
実家は空手の道場を営んでいる
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
妬良の実家は空手の道場を営んでおり、彼女も父親に武道を教わっていた身でした。彼女の武芸は他の門下生を圧倒するほどで、道場では敵なしの存在となっており、父親も期待していた様子が描かれています。しかし、妬良はある日をきっかけに酒に溺れる生活を送るようになってしまい、結果父親である師範代から破門を言い渡されることに。十二大戦では酔拳のようなスタイルで戦いますが、元々は幼いころから身に付けた空手がベースとなっており、格闘戦に長けた戦士となっています。
肩書きは「酔った勢いで殺す」
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦に参加する戦士たちには、それぞれ肩書きが存在しています。妬良の肩書きは「酔った勢いで殺す」となっていて、その名の通り酔拳を操ることが想像できるでしょう。もし妬良が酒に溺れることなく、真っ当な戦士として十二大戦に参加していたらどんな肩書きになっていたのか?気になるばかりですが、それでは妬良の魅力が半減してしまうので野暮な考えと言えるでしょう。
十二大戦における妬良の活躍とは?
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
『十二大戦』の物語において、妬良は序盤で公園のベンチに寝ながら酒を飲む様子が描かれており、とても強者揃いの戦士の一人とは思えません。しかし終盤になると大きな活躍をしており、様々なエピソードが描かれているのも事実。そこで妬良の『十二大戦』における活躍はどのようなものかをまとめてみました。妬良のことを知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
戦いよりも酒を飲むことを優先
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦開幕が告げられると、妬良は戦士たちが試合会場で散り散りになったことをいいこととして、公園のベンチで一人酒を飲み続けます。戦いが勃発している都市部から少し離れた公園で身を隠すわけでもなく、堂々と飲み続けている姿は酔っ払いとも見て取れるでしょう。また戦いにも関心がなく、酒が飲めればそれでいいという姿勢を貫いており、静観するわけでも好機を窺うわけでもなく、ただ飲み続けている姿が描かれています。
必爺の接近も気配で察知する
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
『十二大戦』序盤から中盤では、だらしない姿しかない妬良ではあるものの、背後から密かに接近してきた必爺の気配に気づいていました。目下、ただの酔っぱらいと油断していたこともありますが、必爺は妬良の持っているポテンシャルを見た瞬間には、見るも無残に殺されてしまいます。妬良もあっけないとして、体の中から獣石を取り出しては、再び酒を飲むために街へと繰り出していくのでした。
牛井と組んで憂城と戦うことに
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
酒を飲むために街にやってきた妬良でしたが、そこで過去に因縁がある失井と遭遇することとなり、敵意を露わにして構えます。しかし卯の戦士・憂城との交戦を避けられない状況になると、失井からの提案で一時休戦して共闘することに。彼の機転で死ぬ思いをしながら窮地を脱することになりますが、憂城の実力は十二大戦に参加する戦士の中でもトップクラスであり、何よりネクロマンチストの能力で戦いは続いていきます。
最後は牛井の手で殺されることを望む
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
憂城によって操られた断罪兄弟を退け、さらに憂城自身をも打ち倒したかに思えましたが、彼の意識がまだ生きていたことから、妬良は致命傷を負ってしまうことに。それでも意識があったため、まだ憂城の支配下には置かれていませんでした。妬良は意識があるうちに失井の手で殺されることを望み、彼もまたその願いを引き受けます。妬良の最期は満たされたような表情を浮かべており、十二大戦で唯一満足して退場した戦士となります。
妬良が持つ特殊能力
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦に参加している戦士たちは、何かしら特殊な能力や技能を身に付けているものですが、妬良はどのような力を持っているのでしょうか?作中で描かれている妬良の戦闘シーンから、彼女が持つ特殊能力についてまとめていきましょう。十二大戦終盤まで生き残っていただけでなく、戦闘能力も優れている妬良の強さに肉薄していきます。
酔拳と獣のような戦闘スタイルで戦う
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
妬良は元々空手道場で武術を学んでいた身で、そこでは彼女より勝る人物はいませんでした。それに加えて作中にも描かれている通り、酒を浴びるように飲んでいることから、持ち前の武術と組み合わされた酔拳を用いて戦います。構えも獣のような独特なスタイルとなっていて、酔拳のトリッキーさを持ち合わせていることから、戦っている時の妬良はまさに虎そのもの。相手の肉を引き裂くほどの力を持っているため、格闘戦では右に出るものはいないかもしれません。
過去のできごとから酔拳を身に付けることに
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
妬良の特殊能力は酔拳が当てはまりますが、最初から身に付けていた能力ではありません。過去のできごとがきっかけで酒に溺れるようになった妬良ですが、それでも戦士として戦場に赴く日々は変わらず、そこで酒を探して飲み続けていました。酔拳で戦うようになってからの妬良は、銃弾が飛び交う中でも構わず突っ込んでいき、飄々とかわしながら相手の兵士を次々と倒していきます。それまでは自身も銃を持って戦っていましたが、酒一つが大きく変えていることが窺えます。
十二大戦における妬良の願い
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦の優勝者には、副賞として「どうしても叶えたいたった一つの願い」を成就させることができ、戦士たちはそれぞれの想いを持って戦っています。普段から酒を飲み続けている妬良もまた、何かしら特別な願いを持っている戦士ですが、一体どのような想いを抱えて戦っているのでしょうか?作中で描かれているシーンから、その内容を紹介していきます。
欲しいものは「正しさ」
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
妬良は元々、空手に打ち込んでいた少女であり、武道を通して「正しさ」について考えていました。身に付けた武術で弱い人を助けることが自分の正義だと信じていましたが、いざ戦士として戦場に出ると、そこで社会の矛盾や歪みに出くわします。これによって自身の信念が崩壊することとなり、妬良は現実から目を背けるようになって、酒に逃げてしまうようになるのでした。
心の師である牛井に振り向いてほしかった
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
酒に逃げ続ける日々を送り、それでも戦士として戦場に出ていた妬良ですが、ある日に丑の戦士・失井と出会います。彼もまた戦士として同じ戦場に出ていましたが、妬良を一般市民と勘違いして、近くのキャンプ地まで送っていくと申し出ます。妬良は彼の強さに惹かれることとなり、「正しさ」とは何かについて尋ねてみると、失井から回答を得るのでした。それが妬良を立ち直らせるきっかけとなり、再びトレーニングを積み重ねては、いつか失井にお礼を言いたいという想いを持って戦い続けます。
妬良が十二大戦に参加するまでの過去
『十二大戦』では12人の戦士たちによる戦いを中心に描いていますが、同時にそれぞれの過去にも触れられています。どのような経緯で戦士となったのか、十二大戦が始まるまではどのように過ごしていたのかなど、内容は千差万別。妬良はその中でどのような描かれ方をしていたのか、また彼女が酒に溺れてしまった経緯などをまとめていきましょう。
学生時代は空手に打ち込んでいた
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
実家は空手道場を営んでいたこともあって、妬良もまた父親である師範代から武術を学んでいました。道場では彼女がトップの実力を持っていて、誰もがその腕を認めていたほどです。妬良の父親は清くすくすくと成長してくれた娘に誇らしさを持っており、妬良もまた自信を持った日々を送っているなど、全てが順風満帆のように見えます。しかしそれもつかの間であり、妬良が戦士として戦場に出ると、状況は一変するのでした。
戦場に出ると社会の歪みや矛盾を知る
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
戦士として妬良は戦場に出ることとなりますが、身に付けた空手を使うことはなく、ライフルを手に取って戦います。そこでは強い人が弱い人を助けている様子はなく、無秩序に人が殺されている光景が広がっていて、妬良は社会の歪みや矛盾を知ることになるのでした。これによって、妬良は信じてきたものが崩壊してしまい、現実から目を背けるために酒に逃げては、半ばアルコール依存症を患ったかのように生活していくようになります。
牛井との出会いが立ち直るきっかけに
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
酒に酔って現実を見ないようにしていた妬良ですが、ある戦場で丑の戦士・失井と出会います。迷うことなく剣を振るっている姿に憧れに近い感情を抱くと、妬良はなぜそのように行動できるのかを訊ねます。彼に「正しさ」を説かれると、その言葉を聞いた瞬間に立ち直ることができ、感謝をしたい一心で再会を望んでいました。十二大戦開幕直前にひと言かけようとしますが、失井は妬良のことを覚えている様子が感じられず、寸前のところで引いてしまうのでした。
妬良の強さを考察!
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦では終盤まで生き残っていた妬良ですが、ここで彼女の強さについて考察していきましょう。必爺や権力者たちの予想では、実力はそこまで高くないとされていた妬良ですが、実際のところはどうなのでしょうか?他の戦士たちよりも戦っている姿が多く描かれているため、妬良の戦闘シーンから強さを考察していき、彼女の本当の強さについて迫っていきたいと思います。
威圧感を消すことができる
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
必爺との戦いにおいて、妬良は自身の威圧感を消すことができることが分かっています。これによって必爺は油断をしてしまい、年老いていながらも十分に勝機があると見ましたが、戦闘モードになると大きな威圧感に気圧されてしまいます。さらには圧倒的なスピードで反撃のいとまも与えておらず、格闘戦においては十二大戦トップクラスであることが窺えます。また、酒に酔っていても必爺の気配を間違えることなく察知しており、かなりの手練れであることは間違いありません。
獣のようなトリッキーな攻撃が可能
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
酒を飲んでいることもあり、妬良は酔拳を使って攻撃を繰り出します。また虎のように四つん這いになっては、トリッキーな攻撃を仕掛けることも可能で、相手を翻弄しながら有効打を与えることもできます。酒に溺れるようになってからの戦場では、しっかりと相手にダメージを与えている様子があり、さらには飛び交う銃弾すらも交わしているほど。またバトルロワイヤルでは、実力が上である断罪兄弟に引けを取らない戦いを見せているため、十二大戦の戦士の中でも高い実力を持っていたことが分かります。
酔っても真っすぐな性格は健在!妬良のかわいさに注目!
出典: 十二大戦 © 西尾維新・中村光/集英社・十二大戦製作委員会
十二大戦に参加する戦士の一人・妬良についてまとめました。妬良は『十二大戦』の中では特別な存在となっており、敗退者であるにも関わらず願いを叶えた唯一の人物。失井と再会することが彼女の望みでもあったため、幸せな結果を得ることができたとも言い換えることができるでしょう。また彼女の過去についてのエピソードは、他の戦士たちよりも人間性があって現実的であり、惹かれる内容かもしれません。ぜひ妬良に注目してもらって、彼女が他の戦士たちとは違う描かれ方をしていることを知ってみてください。