『銀河英雄伝説』銀河帝国サイドの主人公であるラインハルト・フォン・ローエングラムは、物語において銀河統一という偉業を成し遂げます。戦場に立てば常勝の天才と呼ばれたラインハルトですが、彼の海の親である両親や姉のアンネローゼ、結婚するヒルデガルドといったように、周りには様々なキャラクターがいます。今回はラインハルトの家族関係についてまとめていき、どのような人物がいるのかを紹介していきますので、最後までチェックしてみてください。
目次
新銀河帝国の皇帝となったラインハルトとその家族は?
出典: 銀河英雄伝説 ©田中芳樹/Production IG/徳間書店
若くして銀河帝国軍の上級大将となり、それからも数多くの功績をあげては、異例の出世スピードで駆けあがっていたラインハルト。生まれ持ってずば抜けた才能を持っており、戦場では敵なしの強さを誇ったことから、常勝の天才と言われるほどでした。そんな彼を生んだ両親や軍に入るきっかけとなった姉はどのような人物なのでしょうか?また銀河統一を果たした後に結婚するヒルデガルドにも触れていきながら、ラインハルトの家族関係をまとめていきます。
異例の出世で駆けたラインハルト・フォン・ローエングラム
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ラインハルトの家族関係を語るにあたって、まずは本人自身の詳細から見ていきましょう。どのようにして軍に入り、戦場ではどのような勝利を収めて出世していったのか。また彼の生涯を追っていきながら、ラインハルト・フォン・ローエングラムという人物の大筋を紹介していきます。皇帝の座に就くまで濃密な時間を過ごしているラインハルトですが、彼が送ってきた人生をチェックしてみてください。
姉を誰よりも慕っていたラインハルト
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ラインハルトは下級貴族の生まれで、5歳年上の姉・アンネローゼがいました。ほとんど姉に育てられたと言って過言ではなく、ラインハルトは母親のように慕っており、彼にとって全てとも言えます。しかし10歳になると、アンネローゼは皇帝の後宮に召されることとなり、突然の別れを強いられることとなるのでした。それからラインハルトは帝国を激しく憎むようになり、体制を変えること、何より姉を取り戻すためにゴールデンバウム王朝を倒すことを目指して、帝国軍幼年学校へと進んでいきます。
軍では常勝の天才として戦果を上げ続ける
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幼年学校を卒業するとラインハルトは頭角を現し、戦場で数多くの功績をあげたことにより異例の出世スピードで駆けあがっていきます。出世の裏には戦いにおける天賦の才を披露したことにあり、その実績から周りの幕僚や司令官はラインハルトを「常勝の天才」と評するに至るのでした。そして若干20歳にして上級大将に就任すると、その後も帝国元帥にまで上り詰めては、やがて軍の実権を握っていきます。さらに爵位も進めていっては、国政も掌握して事実上の銀河帝国の支配者となりました。
ローエングラム王朝を建てた後にヒルダと結婚
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盟友であるキルヒアイスが凶弾に撃たれて亡くなると、ラインハルトは彼の言葉を実現させるため、フェザーン自治領と自由惑星同盟を制圧・併呑して銀河統一を成し遂げます。その後、ゴールデンバウム朝から皇帝位を授かると、新たにローエングラム朝を建てて、皇帝ラインハルト1世として即位することに。皇帝になって翌年には主席秘書官だったヒルデガルドを皇后として迎え、アレク大公を授かっています。
25歳という若さで崩御したラインハルト
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銀河統一を果たしたものの各地では動乱が続いていたため、皇帝になってからも陣頭指揮を執っていたラインハルトですが、後に皇帝病と呼ばれる奇病にかかってしまいます。治療法もない新病であり奇病であることから、ラインハルトは皇帝に座してから2年余りで崩御することに。常勝の天才と呼ばれた男の障害は意外にも短く、その後はアレク大公の摂政にヒルデガルドが就任して、彼の作り上げたローエングラム朝をより大きく育て上げていくのでした。
唯一無二の姉:アンネローゼ・フォン・グリューネワルト
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ラインハルトの姉であるアンネローゼは、彼が銀河統一を目指すようになったきっかけとなっており、『銀河英雄伝説』の物語において原点とも言えます。弟であるラインハルトの面倒を見るのではなく、母親に代わって育てていた部分もあることから、ラインハルトからは姉弟の関係を超えた存在として見られています。そんなアンネローゼはどのような人物なのか、またラインハルトと離れてからの彼女の生活について見ていきましょう。
15歳で皇帝の愛人になることを受諾する
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下級貴族の家に長女として生まれたアンネローゼですが、15歳になると皇帝フリードリヒ4世の愛情になることを申し入れられます。実質的に命令であるため逆らうことはできず、アンネローゼは自身の境遇を悲しく思いながらも、慎みながら受け入れて家族と別れるのでした。弟であるラインハルトとの別れには胸が張り裂ける思いがあったでしょうが、彼の親友であるキルヒアイスに弟のことを託すと、そのまま菩提樹のある池のほとりの館へと転居していきます。
家族と別れてからは前を向けなくなる
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ラインハルトとキルヒアイスは任務の合間にアンネローゼへ会いに行っており、その度に幼い日の思い出を懐かしんでいます。アンネローゼにとって弟たちのすがたを見ることは日常に帰ってくることと同義で、それ以外では自身の人生に対して前を向けなくなるほどになっていました。それでもやはりラインハルトのことを常に心配しており、常に傍にいるキルヒアイスに対しては助けてあげてほしいとお願いするばかり。キルヒアイスもまたアンネローゼに恋心を抱いていることから、その想いを汲み取るのでした。
キルヒアイスの死でさらに世を離れていく
出典: 銀河英雄伝説 ©田中芳樹/Production IG/徳間書店
ラインハルトがアンネローゼとの日々を取り戻すべく奔走している最中、アンネローゼはさらに世間から離れていく生活を送っていました。さらに拍車がかかってしまったのはキルヒアイスの死の知らせで、アンネローゼは失意と自責の念に囚われてしまいます。そして住まいを山荘へと移しては、毎日のように手芸をして暮らすようになってしまい、世を離れていくのでした。この頃になるとラインハルトと顔を合わすこともなくなり、再会したのは弟の結婚式で5年ぶりとなっています。
ラインハルトの結婚相手ヒルダとは懇意の関係に
出典: 銀河英雄伝説 ©田中芳樹/Production IG/徳間書店
キルヒアイスの死からは世間から離れた生活を送るアンネローゼでしたが、そこにヒルデガルドが訪れて初対面を果たします。ヒルデガルドは山荘の警備について許可を貰うために訪れますが、拒否するアンネローゼを説得したうえ、受諾してもらうことに成功します。それから2人の関係は懇意となり、後にラインハルトの皇后となる彼女と親しくなるのでした。アンネローゼはヒルデガルドに対して女性ならではの貢献をしており、支えるだけでなく出産時も守り続けるなど、特別な関係を築いていたことが窺えます。
ラインハルトの両親
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ラインハルトとアンネローゼの関係は家族以上のものを感じさせますが、彼らを生んだ両親については、どのような人物なのか多くが描かれていません。そこで僅かなシーンから、ラインハルトの両親について詳細をまとめてみました。ラインハルトとアンネローゼとはどのように接していたのか、父親・母親として彼らにしてあげたことなどをチェックしてみてください。
父親:セバスティアン・フォン・ミューゼル
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ラインハルトとアンネローゼの父親であるセバスティアンは、爵位を持たない下級貴族として描かれています。妻であるクラリベルを事故で無くして以来、2人の養育を放棄してしまい、やがて酒におぼれてしまうのでした。アンネローゼが皇帝の後宮に納められると、帝国から渡された支度金や年金を全て酒に変えており、やがて肝硬変を患って倒れてしまいます。ただ実の娘が帝国に取られてしまうことには納得していない様子で、「逆らえないなら金に換えた方がマシ」という発言から本意ではなかったことが窺えます。
母親:クラリベル・フォン・ミューゼル
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ラインハルトとアンネローゼの母親であるクラリベルは、まだ2人が幼い頃に事故で無くなっています。漫画版では門閥貴族が運転する車によって轢かれたとされており、それも二人の目の前で事故が起こっていることから、幼い子供たちにとってはトラウマになっていることでしょう。また映画版ではスリップ事故を起こした車から子供たちを助けるために身代わりになっており、いずれにしても2人には大きな心の傷となっているはずです。
ラインハルトと結婚したヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ
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通称ヒルダと呼ばれているヒルデガルド・フォン・マリーンドルフは、後に銀河統一を果たすラインハルトと結婚をしており、さらに彼の崩御後も摂政となって国政に携わります。類まれな才能を持っている人物でもあり、旧王朝では男性優位社会であったことから、ラインハルトとの出会いはまさに大きな転機となっています。そんなヒルダはどのような人物なのか、ラインハルトとどう関わっていたのかを紹介していきます。
キルヒアイスに代わる相談相手となる
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ラインハルトは盟友であるキルヒアイスを失ってからというものの、自失状態に陥ってしまいます。それを支え立ち直らせたのが当時主席秘書官の立場にあったヒルダで、キルヒアイスに代わって政戦両略の相談相手となります。またプライベートにおいてもラインハルトを支え続けており、彼が銀河統一を成し遂げるまで影ながらサポートしていました。さらにはラグナロック作戦において、持ち前の智謀でラインハルトの危機を救っており、彼女がいなければラインハルトの生涯はもっと短くなっていたでしょう。
ラインハルトの皇帝主席秘書官になる
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ラインハルトは戦功をあげて異例の出世を繰り返していきましたが、一方でヒルダはその才能を認められたうえで、重要な役職を任されていきます。皇帝の座に就いたラインハルトはヒルダを皇帝主席秘書官に登用し、さらにその後も第2代大本営幕僚総監に任命されるなど、それまでの旧体制を考えると有り得ないことが次々と起こります。それもこれもラインハルトがヒルダの持つ能力をしっかりと見極めているためで、周りの軍人たちも彼女の才能を認めざるをえないほどでした。
結婚するとアレク大公を出産
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やがてヒルダはラインハルトからの求婚を受けて結婚を果たします。これによってローエングラム王朝の初代皇妃となり、しばらくしてアレク大公を出産するのでした。しかしヒルダの出産において、地球教徒から襲撃されたと同時に陣痛を起こしており、母子ともに危険な状態にあったことは間違いありません。しかしテロが無事に鎮圧されると緊急搬送の後、男の子を出産して母子ともに健康な状態となるのでした。
ラインハルト崩御後は摂政皇太后となる
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ラインハルトが皇帝になってから2年余りが経つと、彼は崩御してしまい悲しみに暮れることになります。しかしヒルダはラインハルトの遺言通りに行動を起こし、まずは6人の上級大将を元帥へ昇進させ、ミッターマイヤーには主席元帥の称号を与えます。また元々才覚のあったヒルダは幼い我が子を2代目皇帝として、自身は摂政皇太后となってローエングラム王朝の国政を担います。このことからヒルダは「ローエングラム朝の育ての母」と呼ばれるようになり、新銀河帝国の継承・発展に大きく貢献していくのでした。
ラインハルトに近い家族たちの動きにも注目
出典: 銀河英雄伝説 ©田中芳樹/Production IG/徳間書店
ラインハルトには稀代の才能がありましたが、若くして亡くなってしまいます。それに姉のアンネローゼは悲しみ、皇后のヒルダも喪失感に襲われました。しかしその後、ヒルダはラインハルトの意思を受け継いでローエングラム王朝を存続させており、アンネローゼもまた懇意の関係にある彼女をサポートします。『銀河英雄伝説』のメインはヤン・ウェンリーやラインハルトたちとなっていますが、彼女たちの活躍もまた物語に欠かすことはできませんので、注目して見ると違った面白さが見えてくるはずです。