大人気少女漫画である「女王の花」。和泉かねとし先生が手がける少女漫画であり、切なく美しい恋の模様が話題になりました。「亜姫」と「薄星」の身分違いの恋に心を打たれたという方も多いのではないでしょうか。そんな「女王の花」は単行本15巻で完結するのですが、ラストが考えさせられる内容でした。そんな本作品に、もう1つのエンディングがあるというのはご存知ですか?そこでこちらの記事では、「女王の花」のもう1つのエンディングについて詳しく紹介します。
目次
もう1つのエンディングの前に!本編のエンディングとはどのようなものだったのか
「女王の花」最終巻に収録されている本編のエンディングはなかなか考えさせられる内容でした。人によってはハッピーエンドとも、そうでないとも取れる内容です。
春琴が捕らえられる
薄星と別れ、女王になった亜姫(亜妃)。日々仕事に勤しみ国民から慕われる女王になっていました。しかしそんな亜姫は、どこかでずっと薄星の帰りを待ちわびながら年老いていくのです。そんなある日のこと、亜妃のお付きであった「春琴」が、女王を毒殺しようとした罪で捕らえられます。国民に愛されていた女王。どうして殺そうとするのかと国民は非難轟々です。理由を追求すると春琴は、「女王は愛されてなどいなかった」とこぼすのです。15歳のときからずっと、女王をそばでみていた春琴。彼女は両親の仇を打つため女王を狙い続けていたのですが、女王はいつ寝ているのか分からないほど政務をこなし続けていて、近くにいた春琴も狙えないほど。
部屋からいなくなる女王
ある日いつの間にか眠ってしまった春琴が目を覚ますと、部屋にいたはずの女王がいなくなっていたのです。地下牢にいた女王は、土妃と話をしていました。女王は愛する男のいないこの宮殿は孤独の牢獄だと語ります。そんな女王は、女王であるにもかかわらず贅沢なものは身の回りに置かず、部屋には仕事用の机と書類があるのみ。そして彼女が唯一大事にしていたものは古い布切れでした。
「千年の花」
毒花で毒殺しようとした罪で捕らえられていた春琴。その半年前に、女王は千年の花を探すように御触れを出していたのです。「千年の花」とは物語の重要なキーワードであり、千年に1度しか咲かず、あらゆる願いを叶えることができるという花です。しかしこれは毒花ではなく、西域では薬として使われているもの。苦痛をなくし、夢の世界、ひいては幻の世界に誘うものでした。そのため女王は死んではおらず、ずっと眠り続けているのです。「千年の花」はずっと、女王と薄星がおまじないのように唱えていたものでした。
春琴の本当の理由
女王の願いは「女王のまま死にたくない」というもの。そのため薄星は、夢の世界に彼女を逃してあげたのです。春琴も毒殺しようとしていたわけではなく、国のため、国民のために女王としての人生を全うし、1人の女性としての人生を送ることができなかった彼女を解放してあげたい、空っぽの部屋から出してあげたいというのが春琴の本当の願いだったのです。
薄星との再会
部屋で眠っていた亜姫。そこに現れたのは薄星でした。亜姫は涙を浮かべます。今度こそ薄星を選びたいと決意した亜姫は、手を差し伸べる薄星の元へ駆け寄ります。受け止めた薄星、亜姫は他にもう何もいらないと思うのでした。そして春琴が部屋を見ると、いたはずの女王がそこにはいません。春琴は泣き出します。本当の春琴は、女王のことが大好きだったのです。
本編ラストシーンの本当の意味とは?
考えさせられるラストシーンだった本編。結局亜姫はどうなってしまったのでしょうか。死んでしまったのか、それとも違うのかについて本編では語られませんでした。例えば本当に「千年の花」の不思議な力で薄星と再会することができたのであればかなりのハッピーエンドですが、もしもただ幻覚をみていて、幻覚のなかで薄星に出逢っているのであればそれはあまりにも切ないですよね。そのためこのエンドについては、人によってハッピーエンドともそうでないともとることができるようになっています。
体が消えたことについては?
やはりこれも、千年の花の不思議な力なのでしょう。春琴が「あり得ないことがあるから面白い」と言っているようなセリフがあるように、こういうところに関しては読者に想像や考察ができるように余地を残しているのではないでしょうか。かなり気になりますね。しかしやはり体が消えているため、亜姫も薄星も亡くなっているということには間違いなさそうな感じではあります。
もう1つのエンディングについてネタバレ込みで紹介!
さてここからは、気になるもう1つのエンディングについて紹介します。「女王の花」には特装版の15巻があるというのをご存知ですか?実は2017年3月27日に、「女王の花」の特装版が発売されました。それは通常版の15巻の結末とは違うアナザーストーリーとして描かれていて、原作者の和泉かねとし先生が描き下ろしたものです。様々な考察がなされる通常版のエンディングとはまた違い、こちらは完全なるハッピーエンド。こちらの方を読んで救われた気持ちになったという方も多いのではないでしょうか。
女王になっていたのは…
このアナザーストーリーにて女王になっていたのは、なんと亜姫ではなくて土妃でした。そしてそのお付きは春琴。この理由としては、亜姫が土妃に女王の座を譲ったというもの。土妃は帰る場所も息子も失い捕らえられ、もはや欲のない状態でした。そういう土妃であれば、自分の代わりにきちんと国を治めてくれるだろうと亜姫は考えたのです。そして土妃は、王ではなくてかつての自分の家来である高諷が宰相になっていた不思議な夢を見たと言います。
亜姫は今どこへ
そして春琴は、少し寂しそうに「今頃あの方(亜姫)どこにいるんでしょうね」と呟きます。実はこの世界線での亜姫は、薄星を探す旅に出ていたのでした。そしてその時土妃は、「国も地位も捨て何も持たないただの女が、何年何年もかけ生死も定かでない男を探し出す、そんな夢物語が叶うのならば花の一輪ぐらいおくってやってもいいさ」と言うのです。これは言うまでもなく「千年の花」のこと。実はアナザーストーリーの方では、土妃から亜姫に「千年の花」を送るのです!
亜姫と薄星の再会
そしてここで場面が変わります。どこかもわからない遠い土地の中、亜姫はついに薄星を見つけました。そして2人は、きつく抱きしめ合うのでした。無事再会することができた2人。もちろんこれは、「千年の花」の力でしょう。2人とも生きていますし、無事再会できていますので、まごうことなきハッピーエンドという感じで最高ですね。
イラストにも注目!
本編の切なく考えさせられるようなエンドも素敵なのですが、もう1つのアナザーストーリーであるこちらもハッピーエンドで素敵ですよね。また特装版の15巻にはこのハッピーエンドの他にも、イラストや作中に登場した名言の紹介、さらに和泉かねよし先生からのメッセージなども掲載されています。「女王の花」ファンにとっては必見の、かなり充実した内容になっているのでぜひチェックしてみてくださいね!
【女王の花】もう1つのエンディングについてネタバレまとめ!
以上が「女王の花」のもう1つのエンディングについてのまとめでした!いかがだったでしょうか。ハッピーエンドなのかそうでないのか意見が分かれる本編でしたが、もう1つの方は完全にハッピーエンドでしたね。読んで救われた気持ちになった方も多いでしょう。このように2つの結末が用意されているとかなり読み応えがありますし、いろんな彼らの姿を見ることができます。本編のエンディングなどについても他の記事で紹介しておりますので、ぜひ読んでみてください。色々な角度から考察するのも楽しさがあり、切なくて感動する物語ですね!