今年2024年に待望のアニメ化がされることとなった、本作『じいさんばあさん若返る』ですが、本作の特徴といえば、心に残るキャラクター同士の掛け合いやセリフが多い事が挙げられますね。もともとはSNS上で掲載されていた作品ですので、短いエピソードが多く、ストーリーがシンプルな代わりに読者一人ひとりに響くような展開がきっちりと描かれているのが本作の魅力であるといえます。そのため、本作には読者の心に響くような名言が数多く登場しており、本作の主人公として登場する2人の人生観や考え方が垣間見える名言が好きだというファンの方も多いと思います。そこで、今回は本作におけるじいさんとばあさんの名言をまとめていきたいと思います。 アニメ1期で描かれる範囲までの名言を集めて紹介していますので、アニメ第1期の放送まで待ち切れないと言うファンの方を楽しめる内容となっています。ぜひチェックをしてみてくださいね。
目次
12位 ワシはそういうのにめっぽう弱いからの
本作の名言ランキング第12位は正蔵の「ワシはそういうのにめっぽう弱いからの」です。 この名言は、若返った際におしゃれとして髪飾りをつけていたイネに、正蔵が放った言葉です。イネは正蔵に自らの変化について気づいてくれるのではないかと期待をしていたのですが、 反応がなかったため、落ち込みかけていた時に正蔵からそっと添えられた言葉となっています。かなりシャイな性格だけれど、イネのことを思ってちゃんと言葉にする正蔵の姿がかっこいいですね。
11位 人の恋人さ 手ェ出すな
本作の名言ランキング第11位はイネの「人の恋人さ 手ェ出すな」です。 この名言は、 かつて正蔵の許婚に対してイネが放った言葉で、男気あふれるイネの性格がわかる名言となっています。孫に再現をせがまれて、当時の再現を行うことになった際には、同様の言葉を孫に向けており、そのシーンからも十分当時の威圧感が伺いしれます。
当時としては珍しいイネからのアプローチ
当時の日本では自由恋愛の結婚が少なく、ましてや女性からのアプローチはほとんどありませんでした。そのような状況の中でも正蔵の許婚と正々堂々と向き合い、自らの力で正蔵を手にしたイネの漢気あふれる行動には、思わず目を奪われてしまいますよね。ちなみに、現代でも孫に夫をせがまれ、即答で拒否していたりと、許嫁以外にもこの漢気は健在のようです。
10位 とうの昔にワシはアンタに堕ちとるよ
本作の名言ランキング第10位はイネの「とうの昔にワシはアンタに堕ちとるよ」です。この名言は正蔵がイネをさらに惚れさせるべく、体を張って様々な仕事をしていた際に、イネが正蔵に対して放った言葉です。結婚をしているものの、さらに妻に好きになってもらいたいという正蔵の気持ちと、それに応えるイネの気持ちの双方が描かれている名言となっています。
9位 ばあさまだから嘘つくんじゃよ
本作の名言ランキング第9位は正蔵の「ばあさまだから嘘つくんじゃよ」です。 この名言は2人の結婚記念日に何も用意していないと言っていた正蔵が、実は冷蔵庫の中にお祝いのケーキを隠していた事をイネに発見された際に放った言葉です。嘘をつかない関係というのが夫婦関係において良いことだとされていますが、正蔵とイネのように、長い間連れ添った夫婦にはこのような口説き文句も通用するのですね。
老夫婦ならではの信頼
このように本作には老夫婦ならではの価値観をもとにした名言が多く登場しています。通常の恋愛漫画では楽しむことができないような2人の熟年の駆け引きに注目をしてみると、これまで自分が目にも留めていなかった言葉が名言に見えてくるかもしれませんね。
8位 そう遠くない未来にワシらも お前のタバコ吸いに行くはんで
本作の名言ランキング第8位は正蔵の「そう遠くない未来にワシらも お前のタバコ吸いに行くはんで」です。 この名言は先に旅立った友人の墓参りに正蔵が訪れた際に放った言葉です。若返っているとは言え、他の友人たちは年老いたままですので、何人かの友人は正蔵を置いて旅立ってしまっているようです。そのような友との別れの中で、正蔵も自らの死期について意識をしていることが伺い知れる名言となっています。
友との別れ
このように、本作はラブ&コメディーでありながら、高齢者ならではの悩みや苦しみを描いた作品ともなっています。特に己の死に対しては非常に多くの視点から描かれていますので、今回紹介した友人との別れ以外にも、様々な描写を通してこのテーマが出てくることとなります。本作は、他のラブコメ作品では楽しむことができないような深いテーマも内包されているのです。
7位 ツルはいい子だべ大丈夫だ安心せい お母さんはいつでもそばにいる
本作の名言ランキング第7位はイネの「ツルはいい子だべ大丈夫だ安心せい お母さんはいつでもそばにいる」です。ツルはイネの姉で、現在認知症となってしまい、ほとんど記憶を失ってしまっているようです。しかし、そのような中でも若かりし頃の自らの母の姿に似ているイネを見た際に、母親だと勘違いをして話しかけることはできるようです。そのような自らの母親に対する姉の思いを知ったイネは姉に対して母親として接し、姉の想いを受け止めることとなります。
認知症を描くことの意義
認知症というテーマは通常のラブ&コメディー作品では描かれる事はありません。ラブコメ作品は若い世代が見ることの多い作品となっているので、通常であれば認知症なども描く必要は無いのですが、逆に認知症とは程遠い若い世代が読者だからこそ、認知症に対して家族はどのように向き合っていくべきなのかというテーマを描いていく必要があると作者が考えたのではないでしょうか。
6位 おかえりばあさま
本作の名言ランキング第6位は正蔵の「おかえりばあさま」です。 この名言は、夢の中で砂時計を壊してしまい、記憶を失っていたイネが正蔵の努力の甲斐もあって記憶を取り戻した際に、正蔵がイネに対してかけた言葉となっています。非常に簡単な言葉ではありますが、それまで描かれてきた描写で、正蔵がイネのために多大な努力をしていたことを知っていると、心に響く名言となっています。
記憶を取り戻すために奔走した正蔵
この名言は正蔵の努力という前提を知っていると、非常に心に響くものとなっています。アニメでもおそらくイネの記憶喪失エピソードは重要なエピソードとして描かれると思うので、正蔵が彼女のためにどれだけ努力をしてきたのか、ぜひとも注目してみてください。
5位 ただただ「時代」にのまれていくのは嫌じゃから 少しだけ逆らってみようかの
本作の名言ランキング5位はイネの「ただただ『時代』にのまれていくのは嫌じゃから 少しだけ逆らってみようかの」です。 この名言は、過疎化によって廃業寸前に追い込まれている店を救う際に、イネが発した言葉となっています。本作の舞台となっている青森県はイネにとってもかけがえのない場所であり、過疎化によって寂れていってしまうことを仕方ないと思いつつも、心のどこかに抗いたいという心を彼女は持っているようです。
地方ならではのテーマ
このような過疎化問題は、地方を舞台としている本作ならではのテーマであるとも言えるでしょう。作中において、様々なお店や公共施設などが廃業の危機に瀕していることを示唆する描写があり、実際に青森県の弘前大学に通われていた原作者の経験が反映されている描写となっています。
4位 学校さ行ってたら ばあさまと出会っとらんってことだ
本作の名言ランキング第4位は正蔵の「学校さ行ってたら ばあさまと出会っとらんってことだ」です。 この名言は、正蔵がイネと一緒に高校を訪れた際に、自らが高校に通うことができなかった過去について話したときに発せられた言葉となっています。 孫たちが通っている高校を見て、自らも高校に通いたかったという思いを打ち明けたものの、逆に言えばそのことがなければイネと出会うことができなかったという捉え方をしているのは正蔵らしいですよね。
今よりも進学率が低かった時代
実は高校に通う事ができなかったと言うのは、正蔵だけのことではありませんでした。特に地方では農家が多かったので、子供は大切な労働力だったのです。そのような背景もあって、地方では高校に通うこともできない子供たちが多くいました。今でこそ高校の進学率は100%に近い値となっていますか、今当たり前なことがじいさんとおばあさんが若い頃には当たり前ではなかったのですね。
3位 違うべ 私の旦那だ
本作の名言ランキング第3位はイネの「違うべ 私の旦那だ」です。 この名言は、2人の若返りのタイミングがずれてしまい、正蔵がじいさんのまま、若いイネと一緒に出かけることとなってしまった際に、イネが放った言葉となっています。端から見ると、おじいちゃんと孫のように見える2人ですが、実は夫婦だったというのは、本作の若返りという設定を大いに生かした描写であるといえますね。
イネの性格がわかるシーン
このシーンからもイネの性格がよくわかりますね。イネは周りからどのように思われようと自分が思っている事をきっぱりと伝える性格の女性として描かれています。このシーンは特に、どのような場所であっても物怖じせず行動することができるイネの性格を最もよく反映しているシーンではないでしょうか。
2位 母親の務めは子供たちを悲しませないことでしょう?
本作の名言ランキング第2位はイネの「母親の務めは子供たちを悲しませないことでしょう?」です。この名言はイネが記憶喪失をしていた際に、自らの息子に対して優しい言葉を放った後に正蔵にかけた言葉となっています。記憶喪失中ですので、息子との記憶も失っているはずですが、どんなに息子との記憶がなくても困っている息子に対しては優しい言葉をかけられるのがグッときますよね。
記憶を失っても、変わらないイネの性格
イネはもともと華族の令嬢だったこともあり、記憶を失っている時はきつい性格だったのですが、自らの息子を前にしたときには、優しい言葉をかけることができたように、根は優しい性格の女性であることがわかりますね。表面的には変わってるように見えるイネの性格ですが、本質的なところでは昔と今とで変わっている事は無いようです。
1位 私は幸せだよ
本作の名言ランキング第1位はイネの「私は幸せだよ」です。 この言葉は、年老いた正蔵がイネに対して「若返ったらしたいことがあるか」と聞いたときにイネが答えた言葉となっています。正蔵はイネとの約束である。新婚旅行を果たすことができなかったことをずっと気に病んでいたのですが、イネ自身はその事を気にしていなかったようです。
原点にして頂点
この名言は第一話で描かれているもので、作中でも1番初めに登場する名言です。なんて事は無いやりとりではありますが、長い間一緒に連れ添ってきた2人だからこその言葉であるといえますね。この正蔵が聞いた「若返ったらしたいことがあるか」という言葉が、そのうちに実現するわけですから物語進行上も重要なやりとりであるといえます。
平凡な名言が多いわけ
このように本作で登場する名言は、一つ一つ注目してみると、心に残るものが多いのですが、その一方で、割と平凡なものが多いという特徴もあります。普段から日常生活の中で出てきそうな会話ばかりですが、この会話が逆に作中においてリアリティーに繋がっているのではないでしょうか。
幸せな夫婦の形
そもそも長い間一緒に連れ添ってきた夫婦からしてみると、変に取り繕った言葉よりも普段からのお互いの本心からの言葉の方が響くのでしょう。長い間一緒に過ごしてきた2人だからこその会話が故に、我々も心打たれるのかもしれません。 本作の何気ない会話が名言に聞こえる事の裏には、そのような作者の意図もあるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?今回は本作『じいさんばあさん若返る』にて登場する様々な名言について紹介をしていきました。老夫婦の生活を描いた作品となっていますので、パンチの利いた名言が出てくる事はありませんが、逆に一つ一つの名言に重みがあり、考えさせるものが多かったですね。これらの名言はアニメ版でもしっかりと描かれると思いますので、ぜひとも注目してみてください。