今年アニメ3期が放送されることが決定し、さらに人気が加速している本作『かぐや様は告らせたい』。日本有数の学力と歴史を持つ、超名門校の生徒会に所属する主人公白銀御行とヒロイン四宮かぐやが互いのプライドと恋心をかけて高度な恋愛頭脳戦を繰り広げるという内容の作品なのですが、なぜここまで本作は男性女性問わず多くのファンに愛されているのでしょうか?通常ラブコメ作品には明確にターゲット層が用意されており、男性か女性のどちらか一方のみに熱烈な支持層が存在するするものなのですが、本作では男性ファンがやや多いものの女性のファンも散見されており幅広い層に愛されている作品であるといえます。こんなそんな、ラブコメ作品中でも特に人気のある作品である本作についてその人気の秘密を考えていきたいと思います。
目次
本物のラブアンドコメディー!
まず、本作の特徴として挙げられるのは徹底してラブアンドコメディーとしてのストーリー展開にしていることです。というのも、恋愛要素とコメディ要素を両方扱っている作品は多くあるのですが、本作はそれらの作品と比べても極めてこの二つの要素がバランス良く展開されています。
コメディーが満遍なく入っている
ブコメと言っても通常は恋愛かコメディ、どちらかに偏ってしまうことが多くもう片方の要素がおざなりになってしまうことがよくあります。しかし、本作はどんなにシリアスなエピソードでも笑いにつなげることをおざなりにしません。そのため、恋愛描写であってもどこかに笑いが潜んでおり、どのようなシーンであってラブアンドコメディーとして楽しめる作品となっています。
顔芸がとにかくおもしろい!
特に本作ではキャラクターの顔の描き方がおもしろいですね。顔芸の面ではアニメ版よりも漫画版の方がより面白く描かれていますので、この辺りは本作の原作者が持っている作品を作る上での武器であると言えるでしょう。
男性も女性も満足できる作品構成
このように本作はラブアンドコメディとしてバランス良くコメディと恋愛描写を描いているため、作品のストーリー進行がハードになりにくく、幅広い読者層が気軽に楽しむことができる作品となっているのです。しかし、本作が男女ともに幅広く受け入れられているのにはまだまだ多くの理由があるようです。ここからは本作が幅広い層に受け入れられている理由をさらに深掘りしていきたいと思います。
男性が満足できる作品と女性が満足できる作品は違う
そもそも、本作のように男女に幅広く受け入れられているラブコメ作品というのは非常に少ないんですね。というのも、男性と女性ではラブコメ作品に求めるおもしろさというのが少しズレているんですね。男性には男性の需要が、女性には女性の需要がそれぞれラブコメにはあるのです。
男性が満足できるラブコメとは?
ということで、ここからは男性と女性、双方がラブコメ作品に求めているおもしろさについて紹介していきたいと思います。まずは男性がラブコメに求めるおもしろさについて紹介です。
熱血の成り上がりストーリー!!
男性がラブコメ作品に求めるおもしろさはなんといっても「熱血の成り上がりストーリー」です。男性は恵まれない立ち位置から努力を繰り返し大逆転劇を繰り広げる作品が大好きです。これは歳を取ってからも変わらないようで、男性の中年世代では『下町ロケット』や『半沢直樹』などの仕事で繰り広げられる逆転劇が人気となっています。
努力してヒロインを振り向かせる!
このようにラブコメ作品でも男性は努力してヒロインを振り向かせる作品を好む傾向があります。本作でも一般家庭出身の白銀が勉学に励み財閥出身のかぐやと肩を並べるというサクセスストーリーが描かれています。このあたりが本作が男性読者に支持されている理由なのではないでしょうか?
女性が満足できるラブコメとは?
それでは、女性が求めるラブコメの要素とはどのようなものなのでしょうか?ここからは女性がラブコメを読む際に求める要素について紹介していきたいと思います。
お姫様になりたい!
男性がラブコメにサクセスストーリーを求めるなら、女性は作品の中でヒロインにどれだけ感情移入できるかを重視するのです。特に女性は自身を投影する主人公はお姫様などの「もしも自分がお姫様だったら、、」と想像した時に楽しくなれる立ち位置のキャラクターを求める傾向があります。
ロマンティックな展開!!
そして何よりも、恋愛パートにはキャラクターの見た目の良さよりもロマンティックさを求める傾向があります。「お姫様」と「ロマンティック」これこそが女性が作品に求めるおもしろさなのです。
作者は少女漫画にも造詣が深い?
さて、上記の記事で女性と男性が求めるラブコメ作品の傾向の違いを紹介させていただきましたが、特に女性のラブコメに対するニーズへは少女漫画が広くカバーしています。むしろ、女性が求めるラブコメ要素というのは少女漫画が最も特化しているというのは間違い無いでしょう。その中でも本作では少女漫画のネタなどが多く散見されており、作者が少女漫画を深く研究していることが伺えます。
男女両方が熱くなる展開が描かれている!!
そのようなこともあり、本作は通常の男性向けのラブコメ要素だけでなく女性が求める「ロマンティック」や「お姫様」というワードも忘れることなく抑えています。この辺りの女性戦略と男性戦略のバランスの良さが本作が男女両方に支持されている理由であると言えそうです。
「ウルトラロマンティック」
そう考えると今期の副題が「ウルトラロマンティック」なのは少しおもしろいですよね。今期の内容は特にロマンティック路線で攻めていくようなので、比率でいうと少し女性に向けた作品になるかもしれないですね。
実はリアリティーのある学園描写
さらに本作は学園生活の描写も丁寧にされています。学生ならではの生徒の感性をリアルに描くことで本物の学生が本当の学園で生活しているかのように読者が感じることができるのです。
石上の描き方がガチ
学園生活の描写に注目するのにあたって特に注意してみて欲しいのが石上の描き方です。石上は俗に言うインキャなのですが、このインキャのあるあるをうまく描いています。特に上手い描写は石神視点の時だけ女性キャラクターの顔が描かれていないんですよね。実はこれは石上が話す時女性の顔を見ていないということなんですよね。話している時に女子の顔を見れないというのは男子あるあるなのですが、その辺りをうまく描写していますよね。
他の作品と描写を比較する
このように男性キャラクターが周りをどのように見ているのかを描いている作品は本作の他にも多くあります。特に『いじらないで長瀞さん』では本作の石上目線のような表現も描かれているので、ぜひ本作と表現の違いを比較してみてくださいね。
レベルの高い笑い
そして、もう一つ本作の魅力として挙げられるのはハイセンスな笑いの要素ですよね。本作は名門高校を舞台にしているということもあり、かなり高度なネタも仕込まれています。
『かぐや様は告らせたい』はラブコメ版『聖お兄さん』だ!
特に難解なギャグになるとさまざまな国の文化について知っていないといけなかったりと、100%楽しむとなると事前知識が多く必要です。この辺りの事前知識があればあるほど楽しいという作品構造は仏教知識やキリスト教知識がないと楽しめない『聖お兄さん』のおもしろさに似ているのではないでしょうか?
「鳥葬なう」
例えば、この「鳥葬なう」というネタなのですが、そもそも鳥葬が何なのか分からなければおもしろいと感じることができません。鳥葬というのは主に古代インドで行われた葬儀方法を言うのですが、この葬儀方法はそこそこインド史に興味がないと知らない分野です。この辺りの高偏差値のギャグが出るというのも本作のシュールなおもしろさに繋がっているんですね。
頭脳戦を仕掛けられる読者
このように本作では「恋愛頭脳戦」というテーマのもとストーリーが進行するのですが、裏を返してみると高度なギャグにより読者の側も頭脳戦を仕掛けられているのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?今回は本作『かぐや様は告らせたい』のおもしろいところについてとことん紹介していきました。もちろん今回紹介した内容以外にも本作の魅力は多くありますので、皆さんも3期を視聴して考えてみてくださいね。アニメミルではその他の本作の魅力について多くの記事で紹介していますので、よろしければそちらも併せてみていただければ幸いです。