今回は東京シティ・エスペリオンが対戦した相手チームの主要プレイヤーを、その特徴やプレースタイルを中心にご紹介したいと思います。
東京武蔵野蹴球団ユース
チームは、練習環境もあまり整っていませんが、少ない練習時間で強豪校たちと渡り合えるような練習を積んでいました。アシトのDF転向後、2試合目のスタメンで戦った相手ですね。ハイプレスとカウンターの強みを活かしたサッカーで、中野、金田という思い出深い選手たちを相手にし、大熱戦を演じました。
目次
中野淳之介(なかのじゅんのすけ)
中野淳之介は、青井たちと同じエスペリオンのセレクションを受けていました。セレクションは不合格に終わりましたが、それを見ていた東京武蔵野ユースにスカウトされ、現在は武蔵野のユース生に所属しています。彼は、守備的な中盤の選手で、チームのスタイルであるハイプレスで相手を囲い込む役割を主に担っていましたね。
金田晃教(かねだあきのり)
金田晃教は、守備的でカウンターサッカーの武蔵野において、唯一前線に張り続けゴールを狙うFWのプレーヤーです。金田は中野と同じく、セレクション落ちのあとこの武蔵野に来ました。青井たちが4月に入寮する前に冬から武蔵野のユースでトレーニングを積んでいたおかげで、長身の体にはしっかりとした体幹がつき、1トップとして申し分のない体つきへと成長しました。また、セレクションでの恨みを晴らすため、青井たちやエスペリオンには強い執念を持っていましたね。
武藤千秋(むとうちあき)
武藤千秋は武蔵野のキャプテンです。個人技よりもチームでの話し合いや修正力に長けた人物で、エスペリオンのロングボール多用の戦術にもすぐ対応していました。試合開始から相手に合わせてゲームプランを考え、伝達し、チームを落ち着かせる司令塔の役割を担っています。この選手のおかげで武蔵野が好調だったことがわかりますね。
東京VANSユース
両ウイングバックの攻撃力が特徴のチームで、エスペリオンと同じ東京にあるユースです。この試合は9月ということもあり、代表戦の時期と重なり、主力を欠いた1年生主体のチームで戦うことになりましたね。2トップに加えウイングがFWの位置まで攻撃参加してくるスタイルを活かした、超攻撃的サッカーが持ち味です。
辰巳樹里(たつみじゅり)
持ち味のサイドへの侵入のスピード力を武器に、片翼を担う選手です。すでにJリーグ内定を果たしている選手で、足元の技術も申し分ないです。また、個人戦術も高く、エスペリオンの弱点もすぐに見抜いていました。東京VANSのチームメイトたちからの信頼も厚く、ピンチになるほど彼にボールが集まる傾向にありましたね。
船橋学院高校
高校サッカーならではの当たりの強さやプレスの速さなどが特徴のチームですね。二原とトリポネの2トップで点を取るスタイルですが、名将夏目仙市(なつめせんいち)監督の采配も合わさった、隙のないチームでしたね。また人格者でもあるこの夏目監督に指導された選手たちのチーム意識の高さや仲間思いな性格などが、印象的なチームです。
二原尚章(ふたはらなおふみ)
二原尚章は、阿久津に重戦車と例えられたほど、フィジカルあるFWの選手です。また、Jリーグ内定も決めており、フィジカルもそうですが、トップスピードになるまでの動き出しの速さも魅力の一つです。スタイルとしては彼の特徴を活かした一点突破の猪突猛進で、個で打開する動きを多く見せ、得点を量産していました。
トリポネ・ルフィン
父が外国人の大柄のアフロの選手です。1年生の弟サミーと共に特待生としてこの船橋に所属しており、幼い頃から指導してくれている夏目監督や自分を信頼してくれているチームメイトたちへ感謝しプレーで恩返しをしようとする優しい性格の持ち主です。二原と2トップを組んでいますが、彼よりもトリポネの方が周囲の選手を使う万能型FWです。また、日本人離れした足の長さとそのしなやかさで、鞭のように足がしなって伸びてくる強烈なシュートを放っていましたね。
青森星蘭高校
すでにIH(インターハイ)優勝をし、あとは高校選手権、プレミア優勝の2つを獲れば三冠を狙える位置につけているのが、青森星蘭(あおもりせいらん)高校です。雪でフィールドが覆い隠されてしまうほど、過酷な環境で育った選手たちの強さが魅力です。70歳を迎える成宮監督の指導方法や上手さではなく強さをもとめるスタイルが、ユースにはない力強さとなって表れています。
羽田琉騎(はねだりゅうき)
羽田琉騎は、先ほど紹介した東京VANSユースにもともと在籍していた選手で、青森ではチームの主将を務めます。恵まれたユースの環境に甘える自分と段々と弱くなっている自分を感じ、東京VANSからこの青森星蘭へ入学しました。ユースの頃から持っていた高い技術力に、強い精神力とポストプレーができる肉体を手に入れ、このチームの攻撃の主軸になりました。
槇村嬰人(まきむらえいと)
槇村嬰人はU-18代表の正GK(ゴールキーパー)を務める選手です。ジュニアユースまではエスぺリオンにいましたが、身長の低さを理由に昇格できなかった経歴を持ちます。そのため、エスぺリオンやユースに対して個人的に強い思いを抱えています。青森で身長を補うため、もともと優れていた反応速度を磨き、キャッチング、飛び出しなどもさらに洗練された選手へと成長しましたね。
北野蓮(きたのれん)
北野蓮は1年生ながら強豪青森星蘭で、背番号10を背負う司令塔です。彼はU-18代表、そしてすでに高校卒業後のJリーグ内定とすでに他とはレベルの違う選手ですね。そのすごさは青井と同じ俯瞰の眼を持っていることに加え、桐木や栗林に匹敵するほどの足元の高い能力があるので、これらを活かしたパス、ドリブル、守備のコーチング、鮮やかなアシストなどが魅力の選手です。とにかく至宝と呼ばれるにふさわしい選手ですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は主人公青井葦人が対戦した相手チームとその主力選手について取り上げました。各チームのスタイルと選手の個性が嚙み合ってどのチームもいい味を出していましたね。そんな強敵ぞろいだからこそアシトたちは成長できたのではないでしょうか。