原作は白石定規による短編ライトノベル作品です。2019年にあずーるがキャラクターを手掛け漫画化されており、2020年10月よりアニメが放送予定となっています。主人公のイレイナは、「ニケの冒険譚」という本に憧れ、魔女になって旅をすることを夢見ます。魔女になったイレイナが旅の中で様々な場所や人を訪れる内容となっており、基本的には一話完結となっています。また、GA文庫より刊行されている『リリエールと祈りの国』は本作の世界観を引き継いだ続編となっています。今回は心にグッとくる名言をいくつかご紹介していきたいと思います。
イレイナがサヤに向かって言った強烈な一言
「本気で何かを成し遂げる時人はいつだって一人です」
これは人に甘えてばかりのサヤに向かってイレイナが喝を入れた時のセリフです。妹が先に魔女見習いの昇格試験に合格して帰郷し、独りぼっちになってしまったサヤは、イレイナのブローチを隠して、イレイナに傍にいてもらおうとしていました。サヤがブローチを持っていることに気付いたイレイナは、サヤから言ってくるのを待っていましたが、いつまでたっても本当のことを言わないサヤに説教をするのでした。自分の人生の決断・行動は他人がするものではなく、自分でするものです。他人に甘えている時点で何かを成し遂げるという強い意志は存在しません。しかし、その後に「一人でいても決して孤独ではない」とイレイナは付け加えています。やるのは一人ですが、それを応援し、支えてくれる人はいるということです。皆さんも何かをやろうとする時、この言葉を思い出して、自分を奮い立たせてみてはいかがでしょうか?
イレイナが国王に残した言葉
「嘘つきというものはいつだって平然とした顔をしているものですよ」
これは側近が自分に嘘をついていた事に驚いていた国王に向けてイレイナが言ったセリフです。イレイナは占い師を偽り日銭を稼いでいたところ、国王に呼ばれて国の未来を占うことになります。そこで国王の側近の悪事を暴き、国を正常な状態に導くことになります。側近は国王に嘘をついていましたが、イレイナも占い師という嘘をついており、それを国王は気付きもしていませんでした。嘘をついた時に動揺したりするような人はそもそも嘘つきにはなれません。平然と嘘をつけるからこそ嘘つきなのです。あなたの周りにも平然といている人がいるかもしれませんよ・・・。
フランがイレイナに教えた事
「でも我慢ばかりしていては駄目ですよ。気に食わないことがあれば戦えるようになりなさい」
フランの厳しい仕打ちに我慢の限界に達したイレイナは泣き出します。その時にフランがイレイナにかけた言葉であり、初めて師匠として教えた事です。我慢強いのは決して悪いことではないと言っているフラン。しかし、我慢というのは自分が気に食わないことを耐えている状態です。適度な我慢というのは生きていくうえで必要でしょう。ですが、我慢も続けていけばそのうち限界がきて、心が壊れてしまいます。一度壊れた心というのはそう簡単には戻りません。そうならない為にも、適度に自分に正直になり、自分の心は自分で守らなければならないのです。
物語の結末
「人の為の行いが正しいとは限らない」
寝たきりの妻を励ますために、夫が妻にありったけの絶景を見せるといった昔話の結末です。夫は妻の喜ぶ顔が見れると思っていましたが、絶景を見た妻は二度と自分では見ることの出来ない絶景に焦がれ、外へ出ようと無理をするようになります。何度も夫にベッドに戻され、自分をベッドへ戻す夫に嫌悪感を抱くように・・・。そして最後には夫に癇癪を起こし、余命よりもずっと早く亡くなってしまうのです。「小さな親切大きなお世話」、「有難ありがた迷惑」なんて言葉もあります。人に親切にすることはとても素晴らしいことです。しかし、親切にしている自分に酔ってはいませんか?それが本当に相手にとって良いことなのか?今一度よく考えてから行動することが大切なのかもしれませんね。
大切な人を想っての決断
「別れは悲しいことだ。でも生きている限り人は悲しみを乗り越えなければならない」
愛すべき恋人のニーナを自ら遠くへと追いやったアベル。それを聞いたニーナはそれで良かったのか?と尋ねます。当然、一緒にいるのが一番に決まってます。しかし、先のない自分のせいでニーナが苦しむぐらいなら・・・とアベルは別れを決断したのです。自分を優先するならば、死ぬ間際まで傍に置いておくという選択肢もあったでしょう。しかし、アベルは相手のことを優先したのです。別れというのは、突然に、色々な形でやってきます。しかし、その別れで挫折していてはとても生きてはいけません。相手を忘れろという訳ではありませんが、その悲しみを乗り越えてこそ人は強くなるのです。
魔女や魔法は人を救わない
「自分を特別だと思わないこと」
多くの国や人を訪れ、自分の無能さに打ちのめされたイレイナ。そんなイレイナにフランがかけた言葉です。魔女は魔法が上手に扱えるだけであり、魔女や魔法は決して人を救わない。もし救われた場合は、一助にすぎないとフランは教えました。魔女は偉大だと思っており、その魔女になれたイレイナは人助けが出来ると思っていましたが、現実はそう上手くはいかず自分に嫌気が差します。フランから言葉をかけてもらったことで、フッと肩の荷が落ち、とても気持ちが楽になるのでした。人より能力が優れている人、大きな目標を掲げている人、周りから期待されている人、そういった人は自分がしなければ・・・と責任を感じてしまうことが多いのではないでしょうか?もちろんそれも大事ですが、プレッシャーに押しつぶされてしまう前に、この言葉を言い聞かせ、肩の荷を下ろして見るのも良いかもしれませんね。
心に刺さる名言集まとめ
いかがだったでしょうか?『魔女の旅々』は短編で、淡々と話が進むので気軽に見ることが出来る作品ですが、妙に心に残る名言が多いです。ここでは一部を抜粋して紹介させて頂きましたが、まだまだ素敵な名言が沢山ありますので、是非、ご自身の目で確かめてくださいね!!