『銀河英雄伝説』ではラインハルトとヤン・ウェンリーという2人の主人公が登場し、それぞれ異なる陣営に立って戦いを繰り広げていきます。また『銀河英雄伝説』には彼ら以外にも魅力的な人物がいて、それぞれ優秀な部下として描かれています。そんな『銀河英雄伝説』に登場する主要人物を一挙に紹介していきます。
2人の英雄を軸に描かれるスペースオペラ!
出典: 銀河英雄伝説 ©田中芳樹/Production IG/徳間書店
『銀河英雄伝説』はラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーの2人を軸に、銀河系を舞台して攻防と権謀術数を描いた作品。銀河帝国サイドではラインハルトが皇帝となって銀河統一を目指すのに対し、自由惑星同盟サイドでは術策で戦場を駆け抜けていくヤン・ウェンリーの様子が描かれ、両陣営とも見逃せない展開が連続していきます。そんな『銀河英雄伝説』の物語を彩る主要人物たちをまとめていきますので、ぜひ最後までチェックしてみてください♪
『銀河英雄伝説』の華となる2人の主人公
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『銀河英雄伝説』は銀河帝国サイドと自由惑星同盟サイドの2つの視点から物語が進行していき、それぞれにラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーという2人の主人公の活躍が描かれています。最終的にラインハルトの銀河統一までの道のりが展開され、そこで対立する国家の両雄が戦場で激突しあいます。まずは『銀河英雄伝説』を語るにあたって外すことができない2人の主人公について触れていきましょう。
ラインハルト・フォン・ローエングラム
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銀河帝国サイドの主人公となるラインハルト・フォン・ローエングラムは、帝国の首都星オーディンで下級貴族の長男として生まれます。姉のアンネローゼと盟友キルヒアイスと仲睦まじく過ごしていましたが、ある日に宮内省の役人によってアンネローゼが校庭の後宮として召されることとなり、姉を奪われたローエングラムは帝国を憎悪するようになるのでした。下級貴族でありながら帝国軍人としては異例の出世を重ね、最終的に皇帝の座に座って銀河統一を果たします。
ヤン・ウェンリー
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自由惑星同盟サイドの主人公となるはヤン・ウェンリーで、星間交易船の船長である父親に育てられます。子供の頃から歴史研究家になることを目指しており、15歳になると歴史を無料で学べるという理由で士官学校へと入学。そこで戦略家としての素質を見いだされては、イゼルローン攻防戦やアスターテ会戦などで功績を収めていき、同盟軍史上最年少で元帥の地位にまで上り詰めるのでした。またヤン・ウェンリーは数々の劣勢においても勝利など結果を得てきたことから、「奇跡のヤン」とも呼ばれています。
銀河帝国陣営の主要人物
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初めての全人類統一専制政体が敷かれた銀河帝国は、正式にはゴールデンバウム朝銀河帝国と呼ばれ、軍人だったルドルフ・フォン・ゴールデンバウムによって誕生しました。そこから長い年月を経て、ラインハルト・フォン・ローエングラムが誕生すると、そこから銀河帝国の歴史は大きく変わっていくことになります。元は下級貴族だったラインハルトでしたが、最終的に新銀河帝国の皇帝にまで上り詰めるまで大成していきますが、まずは彼を支えた近しい人物たちから紹介していきましょう。
ジークフリード・キルヒアイス
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ラインハルトの盟友であるジークフリード・キルヒアイスは、彼の姉であるアンネローゼに恋心を抱いていましたが、皇帝の後宮に入ることが決まると精神的なショックを受けます。しかし自身以上にショックを受けていたのは他ならぬ盟友であり、彼と共にアンネローゼを簒奪すべく共に帝国軍幼年学校へと進むのでした。帝国軍に所属してからもラインハルトの副官として彼を支え続け、数々の功績をあげていきます。
アンネローゼ・フォン・グリューネワルト
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ラインハルト・フォン・ローエングラムの姉であるアンネローゼ・フォン・グリューネワルトは、ラインハルトが銀河統一を志すようになったきっかけになった人物。皇帝の愛人になることを受諾すると、家族と離れて暮らすようになっては、それから前を見て生きるように無くなります。しかし皇族に入ってからも、弟とキルヒアイスに会う時間を作っており、彼女にとって唯一の安らぎの時間となっています。
ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ
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ヒルダの愛称で呼ばれているヒルデガルド・フォン・マリーンドルフは、ラインハルトの首席秘書官として傍にいましたが、ほどなくしてラインハルトと結婚します。秘書官を務める以前は自ら人質になってラインハルト陣営に赴き、そこで彼に対する忠誠を誓うのでした。キルヒアイスを失ってからのラインハルトは本来の自分を失いかけていましたが、ヒルダは政治だけでなくプライベートでも支え続け、やがて誕生するローエングラム朝をラインハルトが目指した姿へと導いていきます。
ルドルフ・フォン・ゴールデンバウム
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銀河帝国を作り上げて初代皇帝の座になったのがルドルフ・フォン・ゴールデンバウムで、元は軍人として銀河連邦に属していました。しかし軍を退役した後は政界へ進出し、宇宙歴310年にゴールデンバウム朝銀河帝国を起こし、それまで立憲君主制だったところを専制君主制へと移行させます。皇帝になってからは弱者排斥の姿勢が顕著になり、自身の神格化を加速させていくのでした。
ローエングラム陣営の主要提督
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ラインハルトの傍には盟友にして優秀な副官キルヒアイスがいましたが、他にも優秀な部下を多く揃えていたことにより、武勲をあげて帝国内で地位を徐々に高めていきます。そこでラインハルトを皇帝へと押し上げたローエングラム陣営の主要提督たちを紹介していきましょう。彼らの活躍なしにはラインハルトの成り上がりはなく、いずれも魅力的で屈強な人物が揃っているますので注目してみてください。
ウォルフガング・ミッターマイヤー
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ローエングラム陣営の主要提督と一人であるウォルフガング・ミッターマイヤーは、キルヒアイスの死後に最も信頼された人物で、後に首席元帥になって宇宙艦隊司令長官にも任命されます。ロイエンタールとは親友の関係にあり、世間では「帝国軍の双璧」と呼ばれるほど艦隊指揮能力や白兵戦技術などに長け、数々の功績をあげていくのでした。
オスカー・フォン・ロイエンタール
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オスカー・フォン・ロイエンタールはラインハルトの部下として数々の活躍を見せていき、ローエングラム朝銀河帝国が誕生すると統帥本部総長に任命されます。その後も新領土総督も務めるといった様子が描かれていますが叛乱を起して致命傷を負ってしまうことに。しかしラインハルトへ友誼が切れておらず、彼を侮辱する発言をした人物を殺害した後に息を引き取っていますが、これが後の歴史に大きな影響を与えたと論議されることになるのでした。
カール・グスタフ・ケンプ
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カール・グスタフ・ケンプは元ワルキューレ乗りで撃墜王の異名を誇った経歴の持ち主で、ローエングラム陣営に就いてからは勇猛な将官として知られるようになります。戦闘シーンは多くが描かれていませんが、ラインハルトから武勲を賞賛されており、昇進することが決定していたため活躍していたことが間違いありません。しかしイゼルローン攻防戦においてヤン・ウェンリーの策略で大敗を喫し、主要提督では最も早くに命を落としています。
エルネスト・メックリンガー
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ローエングラム陣営の主要提督を務めるだけでなく、一方で優れた詩人や画家、音楽家という文化人の側面を持っているのがエルネスト・メックリンガーです。戦場での様子よりもラインハルトの幕僚や軍政面で活躍している様子が多く、ヒルダが皇后になると幕僚総監の地位について、ローエングラム朝銀河帝国の栄光と発展に貢献していくのでした。
フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト
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フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルトはラインハルトの注目を浴びたことで主要提督にまで上り詰めている人物です。アムリッツァ会戦でも2艦隊を撃破する大きな功績を立てましたが、ヤン・ウェンリー率いる第十三艦隊に反撃されて同盟軍を打ち損じることに。それでもその後の戦いでしっかりと武勲を上げている様子が描かれており、最も大きな功績といえば自由惑星同盟に亡命したメルカッツを撃破したことでしょう。
コルネリアス・ルッツ
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銃の盟主として知られるコルネリアス・ルッツは、当時大尉だったラインハルトにアドバイスを行っていた過去があります。その後はローエングラム陣営の有能な艦隊司令官として活躍しており、アムリッツァ会戦やリップシュタット戦役でその様子が描かれています。順調に昇進を重ねていきますが、最後は襲撃されたラインハルトを逃がすために銃撃戦を繰り広げては、後にウルヴァシー事件と呼ばれる事件で命を落とします。
アウグスト・ザムエル・ワーレン
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部下からの暑い人望を得ているアウグスト・ザムエル・ワーレンは、最終的にローエングラム陣営の将帥として活躍しています。高い地位まで上り詰めることができたのはアムリッツァ会戦やリップシュタット戦役での功績があり、ヤン・ウェンリー率いる艦隊を苦しめる大きな働きも見せた結果でした。しかしその代償は大きく自身の艦隊に大きな損害を与えてしまい、ラインハルトから名誉挽回の機会として、地球教討伐の任務を与えられています。
パウル・フォン・オーベルシュタイン
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ラインハルトの参謀として活躍したのがパウル・フォン・オーベルシュタインで、主に軍略や政略といった部分を務めています。何より目的を達成させるために効率や能率を最優先としており、そこに人道や倫理観はあまり見られない冷徹な人物として描かれています。実力や実績は大きいため認められているものの、他の主要提督たちからは異端として嫌われている存在でもあります。
自由惑星同盟陣営の主要人物
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カリスマ性でリードしてきたラインハルトに対して、主に人望や人当たりといった面で部下を従えてきたのがヤン・ウェンリー。できる限り血を流さずに戦いを終わらせることを目指す彼の心意気に惚れた人物が揃っており、立案された作戦を忠実に実行しているのが第十三艦隊に所属する人物たちでした。そんなヤン・ウェンリーを支えた自由惑星同盟の主要人物たちについて、どのような顔ぶれになっているのかを見ていきましょう。
ユリアン・ミンツ
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ユリアン・ミンツはヤン・ウェンリーの被保護者であり、将来の後継者となる人物です。ヤンに憧れて自身も軍人の道へと進み、数々の功績をあげる活躍を見せるのでした。18歳になるとヤン・ウェンリーが他界しますが、その後革命軍司令官代行という立場に就き、やがて皇帝となったラインハルトと謁見するにまで至ります。その語はヤンが目指した歴史研究家の道へと進み、ヤン・ウェンリーに関する生涯を執筆するのでした。
フレデリカ・グリーンヒル
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ヤン・ウェンリーの副官として第十三艦隊に所属するフレデリカ・グリーンヒルは、エル・ファシル脱出の際に当時21歳だったヤン・ウェンリーに一目惚れし、少しでも近づくために軍人になります。驚異的な記憶力と情報や事務処理能力に長けており、とても常識のある人物として描かれています。また後にヤンからプロポーズを受けて結婚しており、しばらくは軍服からエプロンを着替えた日々を送るようになるのでした。
ダスティ・アッテンボロー
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ヤン・ウェンリーとは士官学校時代の後輩で、彼が率いる艦隊の分艦隊指揮官でもあるのがダスティ・アッテンボローです。学生時代こそジャーナリストを目指していましたが、親によって半ば強引な形で士官学校へと入ります。しかし1年生の時に門限を破って塀を乗り越えようとしており、その際にヤン・ウェンリーに見つかってしまいますが、彼が見てみぬふりを貫いたことで懲罰を逃れたというエピソードを持っています。
オリビエ・ポプラン
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オリビエ・ポプランは空戦のエースとして登場しており、自由惑星同盟の帝国領進行では第十三艦隊に配属され、白兵戦で活躍する姿が描かれています。その戦功は敵機の総撃墜数が250を超えており、これは帝国隊同盟戦における歴代撃墜王のTOP10に入るほどの数字となっています。またユリアンとカリンに空戦技術を教えた師でもあり、彼らの活躍はポプランあってこそだと言えるでしょう。
アレックス・キャゼルヌ
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ヤン・ウェンリー率いる艦隊の後方業務を担っているのがアレックス・キャゼルヌで、エリート街道を進んでいるものの、エリートとっぽさがあまり感じられない人物です。ヤン・ウェンリーとは士官学校に事務次長として赴任した時に知り合っており、それからはお互いに得難い友人関係と認識しあうほどの絆を作るのでした。またヤンの死後はユリアンの素質を見抜いて擁立しており、シヴァ星域会戦終結まで職務を遂行し続けています。
ワルター・フォン・シェーンコップ
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銀河帝国から亡命した人物たちで構成される薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊の隊長を務めているのがワルター・フォン・シェーンコップです。ヤン・ウェンリー艦隊の気風を作っているのが他ならぬシェーンコップですが、白兵戦技や陸戦指揮の達人であり、イゼルローン攻防戦では自由惑星同盟の勝利に大きく貢献。その後も第十三艦隊の主要メンバーとして登用され、ヤン暗殺を阻止するといった活躍が描かれています。
ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ
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ゴールデンバウム朝銀河帝国の上級大将という肩書を捨てて自由惑星同盟へ亡命、その後はヤン・ウェンリーの艦隊で客員提督を務めるといった流転の人生を送っているのがウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツです。艦隊指揮能力は随一と言えるものを持っており、当時は敵ながらヤンも帝国軍の名将と認めるほど。理にかなった戦術を展開することに長けており、後世の軍人たちの規範として教本にもしばしば登場する人物となります。
優れた能力を持つ男たちの活躍は必見!
出典: 銀河英雄伝説 ©田中芳樹/Production IG/徳間書店
『銀河英雄伝説』に登場する主要人物たちをまとめて紹介しましたが、いかがでしょうか?銀河帝国と自由惑星同盟の両サイドには数多くのキャラクターが登場しており、特にラインハルトとヤンに近しい人物たちの活躍は目が離せません。2人の主人公が活躍できる陰には主要提督や副官たちの働きがあってこそで、彼らの行動や発言に注目してみるとより『銀河英雄伝説』が面白く見えてくるはずです。