東京喰種JACK(トーキョーグールジャック)とは、週刊ヤングジャンプに連載中の石田スイ先生が描く大人気ダークファンタジーの番外編です。東京喰種JACKの主人公は、あの「無敗の捜査官」である有馬貴将。高校生でありながら異常な強さを持ち、喰種捜査官として活躍する有馬貴将を描いた物語です。この記事では東京喰種JACKのあらすじやネタバレ、「ジャック」の意味や有馬貴将の謎や意外な秘密を解説していきます。
東京喰種JACKとは?
出典: 東京喰種 ©石田スイ/集英社・東京喰種:re製作委員会
東京喰種JACK(トーキョーグールジャック)とは、石田スイ先生が描く東京喰種の配信限定のスピンオフです。東京喰種JACKの主人公は、喰種捜査官最強と謳われる有馬貴将であり、有馬の若かりし頃の物語が描かれている貴重な作品です。そして、有馬の友人である富良大志も物語に登場し、2人が友人となったきっかけも描かれています。
あらすじ
本編開始の12年前。13区の高校に通う不良少年・富良大志は幼馴染達をカボチャの仮面を被った人物に殺傷され、彼自身も殺されそうになるがクラスメイトの転校生・有馬貴将に助けられる。幼馴染の仇討ちを誓った富良は、有馬から仇が喰種という存在で、カボチャの仮面の喰種が“ランタン”と呼ばれていることを聞き、有馬と共にランタンの行方を追う。富良と有馬は順調に喰種を狩る中、ランタンの意外な正体を突き止める
登場人物
有馬貴将
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東京喰種JACKの有馬の容姿は黒髪。性格はクールですが、東京喰種の本編と比べると表情は柔らかく、少しお喋りで人間味があるように思えます。この頃から優れた身体能力を披露していますが、有馬の人間離れした優れた身体能力の秘密は、有馬の故郷「白日庭」にあります。有馬は幼い頃から白日庭で英才教育を受け、10代半ばという若さでCCGに入局し、捜査官として活躍していたのです。
富良大志
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有馬は潜入捜査として、東京13区にある誠清高校へ転校生としてやってきました。ギターケースに喰種を倒す時のクインケ入れて持ち歩いています。誠清高校には、東京喰種:reで上等捜査官として登場する富良大志も通っており、2人は同じクラスで席も隣同士でした。高校時代の富良は髪を明るく染め、真面目に学校へ通っていない、いわゆる「ヤンキー」でした。
三波麗花
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喰種に襲われていたところを有馬と富良が駆けつけ、助けられます。三波は2人の捜査を手伝いたいと言い、共に捜査をすることになります。三波は情報収集を担当し、使われていない工事現場のプレハブで怪しい人物を見たという情報などを仕入れたりなどの活躍をする
仮面の喰種「ランタン」
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かぼちゃの仮面を被った「ランタン」という喰種。有馬が学校に潜入捜査してまで追ってきた13区に潜伏しているグール。
ネタバレ・考察
若かりし頃の丸手捜査官
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ランタンの事件の後に富良に事情聴取をしたのは、東京喰種本編で特等捜査官として登場する丸出斎でした。有馬の才能を見抜きCCGに引き入れたのも丸出であり、東京喰種JACKに登場したこの頃から人の長所を見る目が非常に長けている人物です。
若かりし頃のヤモリ
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ヤモリは東京喰種JACKに登場した頃「ジェイソン」という名を名乗っており、後にCCGに捕えられます。CCGに捕えられてから戸影という尋問管に拷問を受け、凶悪な性格へと変わります。その姿が東京喰種の本編に登場するヤモリであり、ジェイソンを名乗っていた頃は東京喰種本編と比べるとまだ穏やかなように感じると言われています。
三波の正体
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ある日、富良は買い物帰りに三波に会います。2人が立ち話をしていると、大柄な男が通りかかり、三波は「クラスの子が言ってた怪しい人リストの人に似ている」と言います。2人は男を尾行し、有馬を呼びます。現場に着いた3人は、男を探すため二手に分かれます。富良は1人で、有馬と三波は共に行動します。
三波は喰種
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有馬と2人きりになった三波は、改めて助けてもらったお礼を言います。次の瞬間、赫子が有馬を襲い、その赫子の正体は三波でした。なんと三波は喰種だったのです。一方富良は、先ほど見かけた大柄な男と鉢合わせていました。実はこの大柄な男は、東京喰種本編に登場する「ヤモリ」です。富良はヤモリの攻撃をなんとか躱しますが、クインケを持ってない富良は打つ手がなく、ヤモリに追い詰められてしまいます。
有馬の推測
有馬と三波の交戦です。有馬は、三波が喰種だということを前から勘づいており、三波の足のサイズが22センチということから、ホテル街の捕食事件の現場に落ちていた学校の指定の22センチのサイズのローファーが三波の物だと推測、さらに三波が自分を警戒していることや、プレハブ小屋の喰種が三波に犠牲にされたことも推測していました。
有馬の一撃
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交戦を続けた有馬と三波でしたが、有馬の一撃で三波が倒れます。そして有馬はそのまま下の階にいるヤモリを突き刺し、富良を助けます。ヤモリは逃げていき、有馬は「ランタンがここにいる」と富良に上まで来るように言います。富良が上に到着すると、血を流し衰弱している三波が横たわっていました。
三波の正体は「ランタン」
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富良は三波の正体がランタンだということを信じられずに狼狽えます。三波は普通の人間のように生きることに憧れていました。そのため、恵まれた環境に生まれていながら人に迷惑をかける行動をするリョウたちが気に食わず、殺したと言います。「死んだってかまわない。社会に必要とされないクズ」という言葉に富良は、「だけど俺にとっちゃ大事な人たちだ」と涙を流します。
富良のその後
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富良は東京喰種JACKでのランタンの事件をきっかけに、喰種捜査官を目指すことを決意します。あの日右目を失った幼馴染のアキと結婚し、東京喰種:reでは、有馬の部下である宇井郡が率いるS1班で活躍し、ある時は悩んでいる後輩に優しい言葉をかけたりするなど、立派な上等捜査官に成長した富良を見ることができます。
富良のクインケ
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そして富良が持っているクインケは、自身の手でとどめを刺したランタンの赫子を素材に作られ、東京喰種本編で活用しています。東京喰種:reでは、自分で駆逐した喰種のクインケをなかなか使えなかったと語っているシーンがあるので、クインケを見るたびに三波のことを思い出し、最初は使うのを躊躇っていたのではないかと言われています。
東京喰種JACKの「ジャック」の意味
1つは東京喰種JACKの物語に登場するランタンの「ジャックオーランタン」のジャック、そして東京喰種JACKのメインである有馬貴将の通り名が「ジャック」であることから、この2つの「ジャック」をかけているようです。
ネクタイピン
出典: 東京喰種 ©石田スイ/集英社・東京喰種:re製作委員会
実は有馬の通り名の「ジャック」は、東京喰種:reで重要な伏線になっているのではないかと言われています。そのシーンが、東京喰種:re31.5話のシャトーでのクリスマスパーティで、佐々木ハイセは有馬へのクリスマスプレゼントにネクタイピンを送っています。デザインはチェスの駒の馬。馬は「ナイト」つまり「ジャック」をさします。
ナイトからキングへ
佐々木は後に金木研に戻り、有馬から隻眼の王の座を受け継いでいます。つまり佐々木は「キング」であり、佐々木ハイセから有馬貴将へ「キングからナイトへのプレゼント」としていた伏線なのではないかと言われています。
ネクタイピンの行方
出典: 東京喰種 ©石田スイ/集英社・東京喰種:re製作委員会
ネタバレですが、ちなみにこの騎士(ジャック)をモチーフにしたネクタイピンは、有馬が亡くなった後に、金木の元へと戻ってきます。それは有馬が「自身が死んでいてもなお、金木(キング)のことを守るジャックとしての役割を全うしようとしている意味が込められている」と言われています。実際に有馬は、平子達0番隊にジャックの役割を託し、金木を守るように伝えていました。
東京喰種JACKには描かれていない有馬のもう1つ過去
東京喰種:reの71話でコクリアで有馬と四方が交戦しているときの四方の回想で、高校生の有馬が四方の姉のヒカリを駆逐したことが明らかになりました。ヒカリはヒロインの霧島董香の母親であり、四方は董香や弟のアヤトの叔父ということになります。有馬が霧島一家を襲ったシーンは東京喰種JACKには描かれていませんでしたが、有馬のクインケ「ナルカミ」はヒカリから作られたものだったのです。
まとめ
有馬はもう亡くなってしまっているので、これからの東京喰種の物語に登場することはありませんが、多くの捜査官や金木研の心の中で生き続け勇気を与える存在であり、そんなことができる有馬貴将はやはり偉大な人物だと言われています。