2023年4月からアニメが放送予定のマイホームヒーローは、ヤングマガジンで連載中のクライムサスペンスです。遺産を目当てに家族が半グレに狙われ、その半グレに娘が殺されそうになり、思い余って殺っちゃった……そんなことがあって今まで真っ当に生きてきたサラリーマン、鳥栖哲雄は半グレを相手にギリギリの心理戦を繰り広げるという内容で、その手口はカタギのサラリーマンではありませんでした。そんな一般サラリーマン、鳥栖哲雄が作中でやってきたこととその手口を紹介していきたいと思います。
目次
主人公はごく普通のサラリーマン、鳥栖哲雄!
本作の主人公は普通のサラリーマン、鳥栖哲雄。両親を事故で無くし高校を中退したものの、自分の力で大学に進学し、おもちゃメーカーに勤務。人畜無害な性格から社内でも頼られる存在でした。彼には愛する妻、歌仙と反抗期の娘、零花がおり、47年間の人生真っ当に生きてきました。趣味はミステリ作品を読み、自分でもミステリを書くことですが、あくまでも趣味の範疇でした。しかし、彼の娘にいつの間にか彼氏ができていて、しかもとんでもないDV彼氏だったことから娘が心配でたまらなくなってしまいます。
つい殺ってしまった鳥栖哲雄……もはや後戻りはできない
娘のDV彼氏、麻取延人は実は母親の実家の遺産を付け狙う半グレ組織の一員でした。しかも、その延人が娘のマンションに来て暴れ散らかし、それを隠れて見ていた哲雄は、延人が過去に彼女を二人、衝動的に殺害したこととそれにもかかわらず警察に捕まることなく逃げおおせている事実、そして娘に対して衝動的な殺意を抱いていることを知った哲雄は背後から延人を撲殺してしまいます。そして、そこに現れた妻の歌仙が現れます。哲雄は自首することも考えましたが、警察が延人の所属する組織を追い切れていないことと、残された家族が半グレ集団に報復される可能性の高さから自首の選択を捨て、妻の歌仙とともに延人の死体を処理し、事実を隠し通すことを決意します。
娘とヤクザを何とかやりすごす
延人の死体を何とかする前に、哲雄と歌仙は帰ってきた娘を何とか誤魔化す必要がありました。哲雄は部屋が散らかっている理由と自分たちがここにいる理由について、金髪の彼氏と鉢合わせて部屋で散々暴れた挙句、物騒な発言をして出ていったと誤魔化します。ついでに危ないから実家に帰ってくるようにと誘導することもできました。しかし、その後妻と娘が実家に帰った後、仲間を探しに半グレが家の鍵をピッキングして侵入してきます。死体を見られたら即終了!そんな状況で哲雄は清掃業者を装って何とか死体を見られずにやり過ごします。半グレ側もピッキングで侵入している経緯から深くは追求してきませんでした。
死体をお風呂場で煮込んで柔らかくする
成人男性の死体を誰にも気づかれずに消し去る方法はいくらかありますが、事件化したら即終了。時間と環境的にとれる手段が限られている中選んだ手段は『死体をミンチにしてトイレで流す』という手段でした。しかし、手作業でミンチにするのも無理なので、お風呂場の浴槽にダンボールを断熱材にしてその上にアルミホイルを敷き詰めて簡易的な鍋を作った後、IHヒーターと銅板を合わせた簡易的な加熱装置を使って延人の死体を煮込んで柔らかくします。
ヤクザに監視されている中、バクテリアで死体処理
死体を細かくしてトイレに流す手段は、一度に全てを処理できるわけでもなければ、やり過ぎれば水道局やマンションのオーナーが気づいてしまうかもしれないため、死体の半分近くを自宅に持ち帰っていました。しかし、行方不明になった延人を探している半グレたちは、哲雄たち家族をマークしていたため山に埋めに行くことも出来ませんでした。そこで、買ってきた植木鉢とバクテリアを使って死体を分解することを決め、実行に移します。
半グレ集団の間島恭一と共闘戦線を結ぶ
哲雄は半グレからマークされた挙句に拉致され、苛烈な尋問を受けます。その指揮をとっていた実働部隊のリーダー、間島恭一は鳥栖夫妻が怪しいと感じており、事実として恭一の予測はほぼ確信を突いていました。哲雄の拉致と同時に鳥栖家に押し入り、妻の歌仙とともに尋問をするも目立った収穫はなく、スタンドプレーの結果として組織の上司から解任を言い渡され、組織内での立場が危うくなります。そこで哲雄はあえて恭一と共闘戦線を結び、自分が殺したにも関わらず行方不明の延人を一緒に探そうと提案します。これにより、組織の情報収集と状況の打開を図ります。
延人のアカウントを乗っ取り偽装した動画をアップロード
延人の恋人のキャバ嬢、響の情報提供により、延人が組織を裏切っていた証言とSNSのアカウントの情報を手に入れます。その後、妻と大学時代の友人を頼り、延人が生きているように見せかけた動画をアップロードします。さらにキャバ嬢の響を利用して延人の生存を演出し、これで組織側が延人の生存を信じてくれればそれで終わりでしたが、そうはならず組織側がほぼ偽物と判断してしまったため、哲雄は次の手段を考える必要がありました。
間島恭一に全ての罪を着せる計画!
哲雄が無茶だと感じつつも計画したのは、半グレ組織において唯一鳥栖夫妻を疑いマークし続けている最大の敵、間島恭一に全ての罪を被せる計画でした。鳥栖夫妻の連携によって恭一の住所を突き止め、そこに言い逃れが出来ない延人殺害の証拠を隠すことで全ての罪を恭一に着せようとします。しかし、恭一の方も哲雄が延人を殺害した確信に近づいていました。哲雄と恭一とのギリギリの戦いは続いていました。
下剤を仕込んでトイレに閉じ込めた後、キーロガーを仕掛ける!
恭一の方も流石で、盗聴器を仕掛けた際に見かけた謎の植木鉢を怪しいと睨み、確認しに来ます。それは紛れもなく正解でしたが、すでに延人はバクテリアにより分解された後でした。結局、恭一は詰め切ることが出来ませんでしたが、妻の歌仙の機転により恭一と哲雄のコーヒーに下剤を仕掛け、恭一をトイレに閉じ込めることに成功します。勿論哲雄も被害を受けましたが、その隙を見計らって恭一のパソコンにキーロガーを仕込み、彼のメールアドレスとログイン情報を入手することに成功します。
ついに恭一の部屋に入ることに成功!
哲雄の計画ではどうにかして恭一の部屋に入ることが絶対条件でした。それは非常に困難なミッションでしたが、恭一のメールアドレスを勝手に使ったことが恭一にバレたことを逆手にとり、組織の誰かが、万が一延人が見つからなかった場合、恭一を犯人に仕立て上げようとしているのではと声をかけます。恭一の立場からすればその可能性は十分に考えられるものでした。恭一は自分の部屋に哲雄を連れていく理由はありませんでしたが、目を離せば何をするか分からないと考えた恭一は哲雄を自分の部屋に招き入れます。
恭一をハメる最後の仕掛け
麻取延人を捜索するタイムリミットがついにやってきます。ここまでに見つからなければ哲雄は延人殺害の犯人として殺害されます。が、そこで哲雄の指示により、妻の歌仙が半グレたちに延人が組織を裏切り現金を強奪したという事実と、その共犯が恭一であったという嘘を暴露するメールを送信。延人の部屋を捜索した結果、強奪された現金が見つかり延人の裏切りが露呈し、恭一にその共犯だった疑惑が持ち上がります。半グレたちが恭一の部屋を捜索した結果、金庫の中から延人の遺骨が発見され、半グレたちは延人殺人の犯人が恭一であると断定し、哲雄は見事に恭一に全ての罪を被せることに成功します。
恭一の部屋に証拠を隠した驚きの手口とは?
恭一の部屋から延人の遺骨が見つかったことで全ての罪を恭一になすりつけた哲雄でしたが、それを実現させるには恭一がいない間に部屋に侵入し、金庫に遺骨を入れておく必要がありました。恭一に見張られていた哲雄にはそれが出来ませんでしたが、それをやってのけたのは哲雄の指示を受けた妻の歌仙でした。屋上から縄梯子を伝い侵入し、金庫はALSライトで照らした指紋から番号を割り出していたのです。そして、哲雄は恭一の部屋に行ったときにひそかに恭一の隙をついて窓の鍵を空けて密室を解除していました。そんな手口で哲雄は見事に生き残ったのでした。
【マイホームヒーロー】第1部の犯行手口まとめ
今回は主人公の鳥栖哲雄が第1部で行ってきた手口をまとめてみました。手口だけを見るとガンギマリのサイコパスにしか見えないのですが、相手が法の通じない半グレで、しかもそのまま行けば自分も殺害されて家族にも危害が及ぶことが明白で、これ以外に自分と家族を守る手段がなかったことからの行動だからやるしかなかったという状況でした。一般人のおっさんがギリギリの心理戦を繰り広げるのは滅茶苦茶面白かったです。ただ、アニメでは一部閲覧注意なシーンがあるかもしれません。