YouTubeやニコニコ動画の浸透で、今やすっかり当たり前となった「ゲーム実況」ですが、近年ではそんなゲーム実況の浸透に伴って、様々なアイディアのアニメ、漫画作品が描かれることとなりました。その中でも特に奇抜なアイディアで注目を集めたのが本作『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』です。本作では ゲームをプレイするプレイヤーの2人の発言がゲーム内のキャラクターに聞こえており、「神託」という形で受け止められています。通常のゲームでは、経験することのできない様々な展開が、この「神託」という設定で実現され、魅力的に描かれています。今回はそんな本作ならではの設定である「神託」 について、注目しておきたい視点や本作ならではの設定に隠された秘密をさまざまな観点から分析し紹介をしていきたいと思います。本作を一通り楽しまれたファンの方であっても、もう一度楽しんでいただけるような内容となっていますので、ぜひともチェックしてみてくださいね。
まず本作の面白さについて解説!!
本作の最大の魅力といえばまず挙がるのが本作の「乙女ゲーキャラクターを俯瞰的に楽しむ、プレイヤーを俯瞰的に楽しむことができる点」でしょう。本作に登場するキャラクターには「ゲーム内のキャラクター」と「現実世界のキャラクター」がおり、それぞれの特性に合わせた楽しみ方をすることができるのです。
ゲーム内と現実という二つのストーリー
本作ではストーリー構成もゲーム内と現実とで分かれています。キャラクター同士の絡みのみでなく、ストーリー進行という面でも二つの観点から楽しむことができるような作品となっているので是非とも注目をしていきたいですよね。
ゲーム実況あるあるも豊富
そのほかにも、ゲームをやっている方ならば誰でも経験したことのあるような「あるあるネタ」など細かいネタにも余念がありません。ゲームに普段慣れ親しんでいる方ほどハマる構成となっていると思いますので、是非ともゲーマーの方はチェックしてみてくださいね!
新しい異世界系になる?
このように本作は従来の「異世界転生系」のアニメ作品や漫画作品に比べても、特に異色の作品となっています。主人公が異世界に転生してしまうのではなく、ゲーム画面を通して俯瞰的にキャラクターと交流するという新たな価値観を提示した作品となっているのです。
とにかく斬新
本作はとにかく斬新な設定や工夫点が目立つ作品となっています。従来のアニメ作品や異世界転生系に飽きてしまったという方であれば、必ず満足することができるような作品となっておりますので、少しでも興味が出たという方本作をより詳しくチェックしてみてくださいね!
「神託」で異世界転生系の弱点を克服!!
そんな、数多くの工夫点の中でも特に注目していきたいのが「神託」という設定です。本作ではプレイヤーがゲーム内のキャラクターに話しかけることができ、それをゲーム内キャラクターは「神託」と表現しているのですが、実はこの設定の裏にはとても深い工夫が隠されていたのです。
異世界主人公に共感できない!!
まず、従来の異世界を描いた作品には「キャラクターに共感できない」という欠点がありました。当たり前ですが、私たちとは全く文化レベルの違う世界での話ですから、彼らの気持ちになって物語に入り切ることは難しくなってしまいますよね。
ストーリーを楽しむ担当と共感担当を分けた
そんな「キャラクターに共感しにくい」という弱点を本作は「ストーリー担当」と「共感担当」にキャラクターを分けることで解決しました。それぞれに分割をすると物語が交錯して混乱してしまいそうですが、本作は「神託」という設定を使いすることで、二つの次元のキャラクターを交流させ、物語に一貫性を持たせているのです。
ドライに楽しめる異世界系作品
そのため、本作で描かれているゲーム内での出来事は基本的にゲームなので取り返しが付きますし、どこか現実ではないという意識を持てるため、非常にドライに楽しむことができるのです。このような楽しみ方ができるのも、「神託」をする側のプレイヤーに感情移入できるようにした副産物と言えるでしょう。
別の作品との掛け持ちも
このように、異世界系に近い作品でありながらもフラットな視点で楽しむことができる作品であるため、他の作品と合わせて楽しむことができるのも本作がおすすめの理由の一つとなっています。神託という設定が一つ追加されるだけで、作品としての特性も大きく変わるのですね。
「神託」という仕掛け
ここからはさらに先ほどから紹介した「神託」という設定に隠された仕掛けについて深掘りをしていきたいと思います。本作の目玉設定とも言える「神託」にはどのような工夫が隠されているのか?じっくり考えていきましょう。
二つの世界を繋げると生まれる新しい面白さ
従来であれば異世界の話は異世界の話であって、現実世界と関係を持つ描写はあまり描かれることがありませんでした。しかし、本作では現実世界と乙女ゲーの世界を密に交流させたことで、従来の異世界なんだけど、現実世界のことばや感性が次第に受け入れられていくという全く新しい描写を描くことができたのです。
動画のチャット機能的な面白さ
また、昨今多くのユーザーが楽しんでいる動画でのチャット機能的な面白さも楽しむことができるようになっています。要は「神託」というのは普段私たちが配信者にやっている「チャット」のようなものなのですから、動画コンテンツが普及した現代社会にマッチして設定であると言えるでしょう。
日常でありふれた光景
このように、本作で描かれている「神託」は純粋に動画のチャット機能のようなものですので、これに近い経験を普段から読者の皆様が体験していると言えるでしょう。そういった意味でも、実は「神託」という設定は我々からしても理解しやすい設定であると言えるでしょう。
ゲーム実況者という文化
本作の「神託」を介したプレイヤーとキャラクターの関係は現実でいうところの動画配信者と視聴者の関係に近いと言えます。そのため、本作の「神託」についてさらに深掘りをするためには現実世界でのゲーム実況者を視聴するという文化について深掘りをしていく必要があるのです。
プレイを見て楽しむ新しい文化
昨今の動画配信サービスの普及で「他人のゲームプレイを見て楽しむ」という新しい文化が出来ました。本作でも基本的にプレイヤーが楽しんでいるのを俯瞰的に楽しむという内容となっています。このような俯瞰的に見て楽しむというゲーム実況ならでは面白さを異世界ものの作品として落とし込んだのが本作なのです。
ゲームと配信者、二つの次元
本作のストーリーはこのようにゲームと配信者の二つの次元をさらに俯瞰的に作品を通して楽しめる作品となっています。二つの次元でのストーリー進行となっていますが、「神託」という設定がうまく繋ぎ止めているのでストレスなく作品を楽しむことができるようになっています。
現代に合った設定
このように本作の設定は非常に現代にあったテイストのものとなっています。新しい趣味の形を敏感に取り入れて独自の工夫をし、全く新しい形の作品として世に生み出したというのが本作の一つのすごいところであると言えるでしょう。
それぞれのゲームの楽しみ方
一口にゲームと言ってもプレイヤーによってそれぞれの楽しみ方があります。特定のキャラクターに肩入れをしたり、効率的なクリアを目指してみたりと、多種多様なストーリーをプレイヤーの行動次第で楽しめるというのがアニメや漫画にないゲームの面白さであると言えるでしょう。
同じストーリーでも配信者によって面白さが違う
同じように、全く同じタイトルの作品であっても配信者の個性によって楽しみ方は多く変わってきます。本作でも従来の乙女ゲーとはまた違ったゲームの楽しみ方が描かれていますよね。
悪役令嬢を救え!!
特に本作では本来は悪役ポジションのキャラクターを「実はツンデレなのではないか?」という視点のもと、通常のゲーム作品では出来ないような柔軟な視点で独自の世界を描いている作品であると言えるでしょう。「神託」という設定一つではなく、このような独自の作品展開の方法も本作の一つの魅力であるということができるのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?今回は本作『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』に描かれる「神託」という設定に注目をして本作の設定の斬新さとその背景について紹介をしてきました。「神託」以外にも数多くの魅力的な設定が描かれている作品ですので、是非ともその他の作品についても詳しく調べてみてくださいね!