巨匠・宮崎駿監督といえば、スタジオジブリで活躍しているアニメーターですよね。宮崎駿監督が作り出したアニメ作品はどれも人気が高く、海外でも高評価です。それは知っているけど、いったいどんな人なのかまではあまり知られていませんよね。宮崎駿監督がアニメに賭ける思いや人格を徹底的に解剖していきます。読み終わった頃にはきっとジブリを見たくなりますよ。
宮崎駿監督プロフィール
親近感
宮崎駿監督は1941年1月5月生まれの現在（2019年）78歳です。宮崎駿監督といえば白いひげに白髪、大きな眼鏡と笑顔がイメージではないでしょうか。この笑顔がたまらなく好きなんですよ！東京都東京市出身で、ご実家は数千人の従業員で働く「宮崎航空興学」の役員を務めてらっしゃるご家庭で、4人兄弟の次男として誕生しました。お坊ちゃんなんですね！そんな感じがしないくらいなんだか親近感が持てる方ですね。
アニメとの出会い
幼少期から体が弱く運動が苦手だった宮崎駿監督は、もっぱらの読書愛好家です。漫画も大好きで将来は漫画家を夢見ていました。しかし、高校3年生の時に見た「白蛇伝 （はくじゃでん）」のアニメを見たことをきっかけに、アニメーターを目指します。その後は東映動画（現・東映アニメーション）に入社しています。
決意
東映アニメーションに入社するも漫画家の思いは断ち切れなかったそうです。そんな中入社1年目の時にソ連制作長編アニメーションの「雪の女王」を見て、心が決まったそうです。一生アニメーターとして生きていくということを！やはり少しでも気持ちが固まっていない状態だと、アニメーションにも気持ちが入りませんもんね。ここから宮崎駿監督の才能が開花します。
宮崎駿監督 スタジオジブリまでの歩み
才能
プライベートでは24歳で同じアニメーターの女性と結婚し、2児の父になります。高畑勲（たかはた いさお）さん、森康二（もり やすじ）さん、そして写真の右に映っている大塚康生（おおつか やすお）さんと、制作期間3年の大作である「太陽王子ホルスの大冒険」を作り上げました。この作品では原画担当で監督ではありません。
初監督
その当時人気が低迷気味であったルパン三世の新作映画の監督として起用されたのが宮崎駿監督でした。この作品が宮崎駿監督の初監督作品なんです！今でも大人気の作品ですよね。宮崎駿監督のオープニングからの盛り上がりは勿論、今までお茶らけていただけのルパンが初めてカッコよく見えたアニメでした(笑)因みにこの時には東映アニメーションを退社して、Aプロダクションに移籍しています。
パンダコパンダ
今でも人気のある「パンダコパンダ」も実は宮崎駿監督の作品なんです。1972年、1973年に2本のアニメーションを作成しています。少しトトロにも似ていますね。今でもグッズやアニメも人気で、エンドレスで見れる作品ですよ。
初成功
実は「アルプスの少女ハイジ」のアニメは、全カットの場面設定、画面構成（レイアウト）と原画を担当されました。実はこの作業かなり頭使うんですよ。レイアウトによってはハイジの表情が分かりにくかったり、場所がいまいち分かりにくかったりと少しでも間違うと視聴者が冷めてしまうんです。テレビアニメでは珍しい最高平均視聴率26.9％の大ヒットを収めました。この作品で初めて宮崎駿監督は成功を実感したそうですよ。因みにこの時にはズイヨー映像（現・日本アニメーション）に移籍しています。
超人
1978年には「未来少年コナン」というアニメの監督をされています。名義では演出になっていますが、実質的な監督だったようです。この時の働きぶりがヤバいんです！ストリートボード・設定・キャラクターデザイン・メカデザインを全ての回で担当し、さらに大部分の絵コンテ（映像の設計図のようなもの）・レイアウトを描き、スタッフが作成した脚本・絵コンテ・レイアウト・原画を一人でチェックしていたそうです。今では引っかかりそうですが(笑)かなり壮絶な仕事現場だったのでしょう。
宮崎駿監督 風の谷のナウシカ誕生
企画秘話
1980年代に「となりのトトロ」、「天空の城ラピュタ」、「もののけ姫」、「風の谷のナウシカ」が企画にあげられていたんですが、原作が無いものは映画化しないと白紙になったそうです。今見ると凄い作品しかないのですが、逆に映画化されていなくて良かったように思います。ジブリとしての作品では無くなりますしね。そしてこの時宮崎駿監督の才能に惚れこんでいたのが、今では相方となっている鈴木敏夫（すずき としお）プロデューサーです。「風の谷のナウシカ」の映画化に向けて企画したのが鈴木敏夫プロデューサーなんです。白紙にはなりましたがまだまだ諦めませんよ！
作成決定
ここで映画化に向けて新たな助っ人が登場します。徳間書店アニメージュ担当の編集長である尾崎英雄（おざき ひでお）さんが、宮崎駿監督に漫画の連載をするよう考案したそうです。その漫画が大ヒットになり、映画化が実現し制作に入れることになったそうです。沢山の人の思いと、助け、そして何より宮崎駿監督の才能に惚れこんだらからこそ実現したんでしょうね。
宮崎駿監督 スタジオジブリ設立
設立
建物にアイビーなどが絡みついていることを「ジブリっぽい」とよく言いませんか？(笑)こちらはスタジオジブリ本社です。ここでさまざまな作品が制作されているんですね。1985年に設立し、翌年には「天空の城ラピュタ」、1988年には「となりのトトロ」が公開されています！宮崎駿監督が構想していた作品たちがやっと世に出てくるのです。躍進はまだまだ続きます！
名作が次々と登場
1989年「魔女の宅急便」、1992年「紅の豚」が公開され次々と大人気映画が誕生していきます。魔女の宅急便はその年の興行収入1位になり、ジブリの名を世に広めた作品です。ホウキにまたがる人が続出しました(笑)紅の豚は実は日本航空の機内で流れるはずだった中編アニメそうです。それが構想が膨らみ過ぎて長編アニメになり、世に出れることになったんですよ。「飛べねぇ豚はただの豚だ」が流行りましたね。
大作が続く
1997年に公開された「もののけ姫」は、構想に16年、制作に3年も費やしたまさに大作です。そして2001年に「千と千尋の神隠し」が公開されると、国外からの評価が上がります。ベルリン国際映画祭では39年ぶり、長編アニメーションでは日本として初の金熊賞を受賞します。そして2003年にアカデミー賞長編アニメを賞を受賞しています。世界の宮崎駿になった瞬間ですね！
さらに世界へ
2004年には「ハウルの動く城」が公開され、2019年現在でも興行収入ランイング6位を記録しています。そしてこの作品も海外からの評価が高く、ヴェネツィア国際映画祭のオッゼラ賞、ニューヨーク映画評論家協会最優秀アニメーションを受賞しています。2008年には「崖の上のポニョ」が公開され、公開1か月で興行収入100億円を突破するモンスター映画になりました。もう、凄すぎる！
全ての作品を受賞
そして宮崎駿監督の快挙となったのが、2005年にヴェネツィア国際映画祭において優れた世界的映画人に贈られる栄誉金獅子賞（えいよきんじししょう）を受賞しました。これは宮崎駿監督が今まで制作してきた全ての作品が受賞したということで、1982年に受賞した黒澤明監督以来日本では二人目となります。その際に「風の谷のナウシカ」が上映されたそうで、さらにファンが増えたんだそうです！日本人としても誇らしいですよね。
引退宣言
2013年に宮崎駿監督の漫画が原作となった「風立ちぬ」を最後に、長編アニメーション監督の引退宣言をされました。これまで引退宣言は作品が終わるたびに言われてきましたが、今回は会見まで開くほどだったんです。これには日本のみならず世界でもトップニュースとして発表されました。年齢、体力的なもののようで、やはりアニメーターという職業はかなりハードなんですね。
宮崎駿監督 今後
引退宣言後は短編アニメなどの制作に加わっていたそうです。それでもアニメに関わっている宮崎駿監督を尊敬します。きっと人生尽きるまでアニメーターなんでしょう！そしてなんと2017年に引退宣言を撤回し、実はもう制作に入っているそうなんです(笑)一安心。次回作の情報としては、タイトルが2017年に発売された「君たちはどう生きるか」という漫画から取ったそうです。内容は冒険活劇ファンタジーで、「引退するならファンタジーで終わらないと！」と意気込んでいるそうです！楽しみですね。
宮崎駿監督の軌跡はまだ終わらない！
いかがでしたでしょうか。【ジブリ】巨匠宮崎駿監督っていったいどんな人？をご紹介しました。作品は知っているけれど、宮崎駿監督のことは詳しく知らない方が多いのではないでしょうか。アニメーターとして沢山の作品に関わり、昔ながらの技法だけでなく新しい表現方法も積極的に採用してきた柔軟な方です。アニメーションに関してはかなり厳しい方ですが、それはいい作品を作りたいからなんですよね。お体にも気を付けて是非新作を楽しみに待ちましょう！
