アカギと言えば、心理描写を重視する作品でその時間の流れが遅いことで有名です。特にコミックス7巻から始まる鷲巣編は月一連載で完結までに要した巻数はなんと7巻から35巻までの28巻。連載期間はおよそ20年。これで一晩の勝負です。そんな現実時間にして20年物時間を費やした『アカギ』の鷲巣編をまとめてみました!
目次
鷲巣編① 始まりはとある奇妙な殺人事件…
ことの始まりは、山中に埋められた若者の奇妙な死体が見つかったことから。地中に埋められた死体は全身から血が抜かれていました。刑事の安岡がその死体を確認すると、それはかつてコンビを組んでいたニセアカギこと平山幸雄でした。この時点で安岡にはある心当たりがありました。
狂気に染まった闇の帝王
その事件の犯人は『鷲巣巌』。戦後の動乱を駆け抜けた闇の世界の帝王であり、自分の力で全てを得てきた彼でも『老い』と『死』だけは免れない。そんな事実に狂い、若いと言うだけで若者を憎み、金と権力を背景に命懸けの勝負をさせて負けたものたちの命を奪っていたのです。
鷲巣編② アカギ、鷲巣と対決……!
刑事の安岡と稲田組の若頭仰木は結託し、鷲巣とアカギをぶつけて鷲巣の全財産を狙います。鷲巣と対面した3人は鷲巣麻雀のルールを説明されます。4牌中3牌を透けたガラスの牌で行うこと、コンビ打ちありで直接点棒の移動があった場合に祝儀として鷲巣は現金、アカギは血液で清算し、半荘終了後に点差に応じての清算があること、鷲巣は2回戦が終わるごとに続行か否かの選択が出来、アカギは半荘ごとに血液の補充が可能。
長きに渡る戦いの始まり……!
対戦が始めると、鷲巣はすぐにアカギの異質さを思い知ることになります。対局が始める以前に死を早めるレート10倍アップの提案をしたことから始まり、その度胸と常人では計れないキレた神経に、今までの対戦相手とはまるで別物だということを感じ取ります。
鷲巣編③ 1回戦……!
鷲巣はその持ち前の豪運を発揮し、早めのテンパイからツモアガリでアカギの血液を採決する機会もありましたが、闇を味方に付けるアカギの異質な何かは確実に鷲巣を委縮させ、裏目を出させます。第1回戦のオーラスは鈴木に危険牌をうたせる保険をかけるも、アカギに看過され直撃を受けて終了。
鷲巣編④ 2回戦……!
アカギは半荘が始める前の血液補充を拒否。その後、鷲巣に満貫をツモアガリされ合計で血液を1100cc失います。その後、ハネ満の直撃をとるもののそれでもアカギは血液の補充を拒否し続けます。2回戦は終始アカギのペースでしたが、オーラスで鷲巣が西發ホンイツドラ3の跳満が見える手を引き入れ、アカギが西を抱えてしまうピンチがありましたが、鷲巣のミスに付け込んで鈴木からの差し込みを頭ハネ。2回戦もアカギの勝利。
鷲巣編⑤ 3回戦~4回戦……!
ここからテンポを崩した鷲巣に対し、アカギは終始順調。しかし、3回戦の東二局で鷲巣のリャンソウ暗刻がカンドラによって、最終的にはドラ12という化物に昇華。このまま鈴木に差し込ませることも出来たが、鷲巣は直撃を狙いアガらず。安岡が最後のイーピンを引いたことからアカギは動き、鳴きからのイーピン切りで鷲巣はロン。脳内物質が駆け巡るほどの絶頂を味わいますが、それを安岡が頭ハネ。鷲巣は結局点棒を稼ぐこともできずに終了。
血液破棄……!
そこからは終始アカギが場を支配し、3回戦は大勝。4回戦もアカギが制止して鷲巣は大れ量の現金を失うことになります。すっかり憔悴しきってしまった鷲巣は続行を選択しないかに思えましたが、アカギがこれまで失った血液を全て破棄するという条件を追加したため勝負は続行。5回戦へと続きます。ここまでで単行本13巻。
鷲巣編⑥ 5回戦……!
5回戦東一局、鷲巣はその豪運で無理矢理流れを作りハイテイツモによるアガリを狙いますがアカギが安岡への差し込みで回避しようとしますが、安岡の手が倍満という高い役であったため安岡はロンせずチーで逃げます。しかし、その選択が最悪の裏目となり三槓子嶺上ドラ4の跳満となります。
流れはアカギに…
その後、致死量の血液を抜かれたアカギでしたが事前に500ccの血液を輸血しておくという裏技によって生還。そこからは動揺して鷲巣が流れを掴めずに裏目、また安岡への警戒も緩んでしまい点棒を減らしていきます。そこからは完全にアカギに場を支配されてあり得ない打ち方を連続。倍満直撃からのオーラスもアカギが制して6回戦へ行くかと思われたが、アカギはアガリ止めを拒否。続行を宣言します。
勝負続行……!
連荘後もアカギは順調に点数を伸ばしていきます。鷲巣にしてみればアカギがレンチャンすれば討ち取れる可能性も高まる。しかし、アカギが4連荘した時点で鷲巣の資金が底をつくことが分かります。今までリスクを侵して連荘を続けたのはこのためでした。
アカギ大魚を取り逃がす……!
その後、鷲巣は振り込めば終わりと言う状況を知ります。それでも負けたら終わる状況はアカギと同じであり、強気を崩しません。しかし、部下の忠告もあり最後にはアカギの連荘を蹴るために鈴木に差し込む逃げを選択します。その選択はまさに正解…!アカギは大魚を鳥逃し、流れが鷲巣に傾きつつあることを確信していました。ここまで単行本16巻。
鷲巣編⑦ 長い長い6回戦の始まり…!
東一局、流れがアカギにはなく鷲巣に流れていることを看過していたのはアカギだけでした。鷲巣は順調に高い手を伸ばすも、アカギにはその流れがない。東一局、東二局とアカギは鷲巣を躱すものの、東三局で気付きます。流れがあるのはアカギではなく自分であると。その豪運をアカギは闇に紛れた牌のブラフで何とか裏目を引かせるものの鷲巣の豪運は止まりません。
小四喜字一色でフィニッシュ
安岡が東を切ってしまったことから始まり、鷲巣は鈴木による差し込みで字一色が確定してしまいます。あり得ない豪運。しかし、鷲巣はそれでアガらずにあくまでもツモアガリを待ちます。が、そのアガリ牌をアカギが抱え、直後鷲巣は北をツモ。中と入れ替えれば鈴木からの差し込みで小四喜字一色のダブルが成立。鷲巣は運に任せてツモアガリを狙いに行きますが、鈴木が切った北に牌を倒してしまい成立。それが正しかったかは分からぬものの、ここで96000もの大差がつくことになります。
続く2本場
続く2本場でも鷲巣の好調は止まらず、国士無双テンパイ。しかし、アカギの国士無双を匂わせたノーテンリーチの恫喝によってテンパイを破棄。その後、鷲巣は次巡にアガリ牌の白を引いてしまいます。この局は鈴木がツモアガリで終了します。
流れはアカギに
そこからはアカギに流れがやってきます。3900の直撃を奪い、続く局でも親満の直撃。この時点で鷲巣の資金はほぼ底を突きます。大差がつき決着したと思われた状況でアカギは息を吹き返します。その後の連荘でもアカギは親満の直撃。この時点で鷲巣は現金の支払いが出来ず、鷲巣は自分の血液を賭けて勝負に挑むことになります。ここまで単行本21巻。
鷲巣編⑧ 6回戦 血液を賭けたデスマッチ
血液を賭けたデスマッチが始まり、鷲巣は流れを変えるべく捨て身のリーチ。それは一時好機をもたらす選択でしたが、リーチせず粘ったアカギによって討ち採られて採血…!。その後のアカギが直撃を取り、更に採血…!しかし、死の間際に立った鷲巣は覚醒。再びその豪運が蘇ります。
南二局…あり得ないツモっ…!
Wリーチからの差し込みでアカギの親を蹴ったことから始まり、勢いづいた鷲巣は次局でも勢いに任せたリーチを繰り出します。それを安岡が左手で隠していたスーピンで鳴き一発を阻止、しかしそれが裏目で鷲巣は次巡ツモアガリ、裏ドラ4がついて跳満ツモ。これによりアカギは300ccの血液を抜かれてしまいます。しかし、それでもアカギは死なずに復活……!フラフラしながらも生きている感覚に満ちたアカギは南三局へと進みます。ここまで単行本24巻
鷲巣編⑨ 鷲巣麻雀はここからが長い…!南三局
死の淵から生還したアカギは続く南三局で運を味方につける鷲巣に対して、闇を味方につけて奮戦。その闇に鷲巣の手は止まる。とにかく振り込まぬことだけを考え手を進める。アカギは最終的に鷲巣が三枚抱える北単騎で待ちます。鷲巣の隙に付け込んだ北待ちは功を奏し鷲巣は北を放るものの、アカギはアガらず高めを狙い二つ目の北もスルー。3つ目の北で河底をつけてのロンで討ち取ります。ここまで28巻。
鷲巣編⑩ 鷲巣地獄に落ちる…!
血液を抜かれ昏睡状態に陥った鷲巣は、鬼たちが亡者たちを弄ぶ地獄へとやってきます。そこで虐げられた亡者たちを従え、地獄で反乱を起こします。そこに閻魔大王が現れて一度はその威光にひれ伏すものの、アカギへの執念を糧に復活し閻魔大王にガチビンタ。その後、生命力を取り戻した鷲巣は復活し現世へと戻ってきます。そしてお互い極限状態のまま最後の戦い南四局が始まります。ここまで30巻。
鷲巣編⑪ 鷲巣麻雀決着……!
二人の配牌は神に魅入られたような配牌でした。鷲巣は国士無双テンパイ、アカギは清一色七面待ち。配牌で10話もの時間を費やし、最後の戦いが始まります。アカギは鷲巣のアガリを潰すため、7面待ちを捨てて鳴き結果鷲巣の国士無双を潰します。しかし、鷲巣はそこからの鬼引きで鈴木からのサポート込みでアガリが確定します。ですが、鷲巣は最後まで続行できずに絶命。部下たちが救命措置に入ったため決着となります。ここまで35巻。
鷲巣編⑫ 鷲巣麻雀その後…
アカギは勝利したものの、勝負は鷲巣の勝利であり報酬を受け取らず姿を消します。鷲巣は部下たちの救命措置で蘇生します。鷲巣はこのままでは終われずにアカギを探しますが、アカギの行方は分かりませんでした。
【アカギ】鷲巣麻雀編まとめ
鷲巣編をまとめてみましたが、この鷲巣編は決着まで約20年。単行本で28巻分。しかも6回戦だけで19巻を費やし年数にして約14年。とてつもない時間をかけた勝負でした。一晩の対局で20年。そして1回の半荘で16年かけた作品は唯一無二でしょう。いろんな意味でアカギは伝説を残したと思います!
アカギは原作漫画ももちろん面白いのですが、アニメも緊張が伝わる迫力満点のシーンが多く非常に見ごたえのある作品となっており、漫画もアニメも両方楽しみたいという人も多いのではないでしょうか。
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