好調だったアニメ1期から引き続きアニメ2期が制作されることとなった大人気作品『シャドーハウス』ですが、本作には数々の個性的なキャラクターが登場する他、冒頭から展開される複雑で深みのあるストーリー展開など、数多くの魅力がありますね。今回はそんな本作の面白さについて徹底的に紹介していきたいと思います。アニメ2期に向けて本作を視聴してみようか迷っている読者の方はぜひ本作を観るかどうかの判断材料にしていただければ幸いです。登場人物の約半数の顔がわからないなど、数多くの作者の工夫点がある作品ですので、物語としても考察する対象としても非常に興味深い作品ですので、細かく本作の面白さピックアップして紹介して行こうと思います。
顔が描かれない登場人物
本作の特徴として挙げられるのは、顔が一切わからないキャラクターが約半数にものぼるということではないでしょうか?数多くの漫画作品が日本にはありますが、顔が一切が描かれることなく物語が進行する作品というのはかなり珍しいのではないでしょうか?
顔を描かないことはリスクが高い
なぜ顔が描かれないキャラクターが多く登場する作品が少ないのか?という点については、読者の皆さんでも容易に想像ができるのではないでしょうか?というのも、漫画作品にとって顔が描かれないキャラクターが多く登場するというのはかなりリスキーなことなんですね。ここからは顔が描かれないキャラクターが登場すると、なぜ漫画作品においてリスクになってしまうのか紹介していきたいと思います。
表情と漫画
というのも、漫画作品においてキャラクターの表情というのは極めて重要な要素なのです。当たり前ですが、漫画作品には声や物音などの直接的な音を表現する力はありません。ただの絵ですので声のトーンや音などで、キャラクターの心情を細かく表現することができないのです。そのかわり顔の表情を細かく描き分けることで、漫画家たちはキャラクターの心情をうまく表現しているのです。
心情を書かないといけない
そのため本作でも表情を描くことができないという欠点がやはり出てしまっています。シャドー一族たちは表情で細かく心情描くことができないので、読者に見逃してほしくない感情はいちいち文章で書かないといけないです。この辺がシャドー一族のキャラクターとしての薄さにつながってしまい、あまりシャドー一族に感情移入できないという読者の方が多くなってしまっているのではないでしょうか?
「すす」という解決策
しかし、作者もその欠点を野放しにしているわけではありません。本作に登場するシャドー一族たちは表情を読み取ることができない代わりに、頭にすすの煙が出ることで感情が表現されています。顔を見なくても、一目でどのような感情なのかわかるようになっているのですね。そのようなこともあり複雑な表情を読み取ることができませんが、どのような感情なのかは多少読み取れるようになっているのです。
数多くの伏線
さらに本作の魅力の1つとして挙げられるのが、冒頭から描かれる数多くの伏線でしょう。シャドーハウスという極めて閉鎖的な環境で繰り広げられる生き人形たちの交流や、大人たちの会話などから少しずつ明らかになるシャドーハウスの謎を解いていく謎解きものとしての面白さも本作の魅力の1つであると言えるでしょう。
生き人形
特に生き人形に関しては作品冒頭で数多くの情報が隠されており、物語で彼らの正体が明らかになっていくにつれて本作の作り込みの深さに感服した読者の方が多いのではないでしょうか?アニメ1期で生き人形の正体についてはある程度語られましたが、まだまだ語られていない設定も隠されているので、引き続きアニメ2期でも注目していきたいですね。
シャドー一族
そして何よりも最大の謎といえるのがシャドー一族の存在でしょう。姿だけでなく出自やルーツまでもが全く描かれていない彼らの正体は何なのか?そして、シャドー一族の長であるおじいさまの目的とは?等々、これからのストーリーで明らかになるであろう重大な秘密がまだまだ隠されている1族ですので、ぜひアニメ2期では1番注目していきたいですね。
『約束のネバーランド』と作風が近い?
そんな数々の伏線が隠されている本作ですが、この本作の特徴や作風が『約束のネバーランド』と近いという指摘を耳にすることがあります。ほんとに本作は『約束のネバーランド』と酷似してるのか考えてみました。
一概に『約束のネバーランド』のパクリとは言えない
確かに本作を調べてみると『約束のネバーランド』と似ている展開も多く見られます。しかし、それらの展開がすべてが『約束のネバーランド』から来ているとは思えません。
よくある展開
そもそも『約束のネバーランド』のように子供たちが自らの命を守るために施設から脱出するというあらすじは、文学作品でいえばノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』など、もともと数多く存在する作品のストーリー進行ですので、本作が直接約束のネバーランドから着想を得たとは考えられないのです。
時代を深掘りするともっとおもしろい!
さらに本作の魅力は魅力的なキャラクターや数多くある伏線だけではありません。本作がどのような時代を舞台にしているのか深く考えることによって、本作が作品を通して我々に問いかけたいテーマについても知ることができるのです。この辺の時代背景を探求する資料としての特性も本作の魅力的な点の1つであるといえます。
産業革命期
本作の時代はおそらく産業革命期であると考えられます。農地で畑を耕すなどの仕事が主だった時代から、蒸気汽関が発明され工場で働くという仕事に農作業が取って代わられ始めた産業革命期の人々の生活の変化や考え方の移り変わりなどを抽象的に抽出して描いている作品なのです。
石炭とすすエネルギー
人類史にとって石炭が動力源として使えるということに気づいた事は大きな事件でした。この石炭の動力源としての使用方法の発明という人類史の大事件を本作オリジナルの設定であるすす炭という物質に変換することによって描いているのです。
洗脳と初期の学校教育
実は産業革命期に現在の学校教育という概念が生まれたのです。当時は農作業しか人々は知らなかったので、都市での工場の作業に人々を急速に適応させる必要がありました。そこで子供たちを親元から離して、学校大切に毎日通わせることで都市部での生活に必要な基本スキルを習わせるようにしたのです。この辺の初期の学校教育形態とシャドーハウスでの子供たちの扱い方はかなり酷似しているのではないでしょうか?
我々もシャドー一族なのか?
このようにシャドーハウスでのシャドー一族は中流階級の人々を工場で働かせることによって現在の裕福な暮らしを維持しています。これは産業革命時のジェントリー階級だけではなく、現在の裕福な生活をしている我々にもいえることです。現在の我々の裕福な暮らしは、貧困地域での安い労働力があってこそ成り立っているものです。そのように考えると、あながちシャドー一族のやっていることを一辺倒に批判することができませんね。
作者のメッセージを探そう
このように本作のシャドー一族の設定については現在の我々の社会に対する問題提起も含まれているのです。作者が、今後この問題提起に対してどのような答えを我々に提示してくるのか注目していきたいですね。
アニメで注目したいところ!
ここからは原作の漫画ではなく今後描かれるアニメ2期について注目して紹介していきたいと思います。アニメは原作の漫画とは少し違った魅力がありますのでぜひ原作とアニメ両方楽しめるようにチェックしてみてくださいね。
声優の演技が本作の弱点を補う!
上記の解説では本作の弱点がシャドー一族の顔が描かれないことによる心情表現不足と解説しましたが、アニメではこの弱点が見事に克服されています。というのも、漫画では表現できなかったキャラクターの微妙な声の演技を入れることができるので、淡白になりがちだったシャドー一族の感情表現がより深く描けるようになったのです。
アニメになるべくしてなった!
このような理由から本作は非常にアニメ化に向いている作品だということがわかります。まさにアニメになるべくしてなった作品であるといえますね。
アニメオリジナル展開はどうなるのか?
そして何よりもアニメオリジナル展開が楽しみですね。1期では最後の最後でファンが度肝を抜くアニメオリジナル展開があったので、アニメ2期でもアニメでしか語られることのない特別なストーリー進行になって欲しいですね。1つの作品で2度楽しめるのでかなり面白くなると思います。
もう一度アニメ1期を見直そう!
何がともあれアニメ2期が非常に楽しみなのは間違いないです。今からアニメ1期を見返してアニメ2期の怒涛の展開に備えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?今回は大人気漫画作品『シャドーハウス』のアニメ2期について紹介していきました。キャラクターの顔を描かないという大胆な工夫がより生きることになるのがアニメ化だと思いますので、原作を見て本作面白いと思ったファンの方はぜひアニメを楽しんでみてくださいね。