大人気漫画「女王の花」って知ってますか?「そんなんじゃねえよ」などで知られる和泉かねよし先生が手がける歴史漫画であり、「ベツコミ」にて連載されていました。きれいなイラストと感動的なストーリーで瞬く間に話題になりました。そんな「女王の花」ですが、ストーリーとしては亜の国の姫である主人公「亜姫(あき)」とその奴隷である「薄星(はくせい)」との切ない恋の物語が描かれます。そこでこちらの記事では「薄星」について詳しく解説していきます!
薄星とはどのようなキャラクターなのか
薄星とは亜の国に送られてきた奴隷の少年です。西域の生まれとされていて、胡人(こじん)。金髪碧眼が特徴です。その珍しい見た目から気味悪がられることもありましたが、初めてきれいだと褒めてくれた亜姫に対しては絶対忠誠を誓うようになりました。ここから淡い恋心を抱くようになります。
土国からやってきた
この時代は戦乱の世です。亜国・土国・黄国・曾国に分かれて互いに勢力を争う国たち。薄星はもともと、第二王妃であり土妃のもとへ土王子6歳のお祝いということで土国より贈られた奴隷でした。物語初期において出会った謎の商人である青徹に守るべき主を決めていること(亜姫)を見込まれ、亜姫とともに様々な武芸を仕込まれました。さらに亜姫は母の出身などから国内であまりいい扱いを受けておらず、結果として黄国へ人質に向かうのですが、その際も同行します。恋焦がれ葛藤の中、ときには亜姫と距離を置いたこともあった薄星でしたが、物語が進むにつれてお互い惹かれあっていきます。
そのほか設定など
武芸を仕込まれたこともありかなりの戦闘能力を誇る薄星。少年から青年に成長する頃には体格も優れていきます。また文字の読み書きができず机の前にじっとしておくことも難しい一面があるのですが、最終巻では亜姫にむけて手紙を残しています。さらに物語の途中で毒矢を受けた影響が後を引き、右手に力を入れることができなくもなります。
薄星と主人公・亜姫の関係性が泣ける!
そんな薄星と主人公の亜姫の関係性が泣けます。今まで見世物としか扱われてこなかった薄星にとって、亜姫の言葉は救いでした。こうして主従関係を結んだ2人でしたが、この時点で2人は無力です。14歳の時に他国に送られた2人。土妃への復讐を誓い、2人で苦しい中成長を遂げます。
2人の合言葉「千年の花」とは
この物語を語る上で欠かせないキーワードである「千年の花」。これは千年に1度だけ咲く花であり、どんな望みも叶える力があると伝えられていました。かつて亜の国の女王は、「女王の花」とも呼ばれるその花を自分の墓に供えて欲しいと願っていました。そして亜姫と薄星は窮地に陥るとこの「千年の花」というキーワードをおまじないのように唱えるのです。
恋焦がれている薄星
薄星の亜姫に対する想いはだんだん大きくなり、恋焦がれていくようになるのに時間はかかりませんでした。しかしそれでもしばらくは、亜姫は薄星のことを大切な幼なじみとして認識していました。しかしある事件をきっかけに亜姫は薄星のことを男性として意識するようになります。
薄星と亜姫の想いが通じる
そんな薄星はやはり不器用なところがあり、1度は亜姫と距離を置いたこともありました。しかしそんな2人を結んだのはとある事件がきっかけでした。ある日の戦の中で薄星は、毒が仕込まれた刃を受けて死にかけてしまいます。もうダメかと思ったそのとき、咄嗟の機転で亜姫は薄星を救いました。しかしそれは、亜姫の命を危険に晒すやり方だったのです。そのことをとがめる薄星。
2人の関係が切ない。
しかしそこで亜姫が言った台詞とは「ほんのちょっとだけよ?思ったの 薄星が助からないならここで駄目でもいいかな…って」、そして「背負わなければならない国のことも復讐も 力及ばずここで駄目になっちゃって 私はもうなんの価値もないただのおんなのこに戻って 二人で死ねたら それはそれで幸せかなぁ…って」というものだったのです。これはおそらく今までずっと隠してきたであろう、姫としてではなく一人の女の子としての本音でした。どんなに強かったとしても、亜姫はまだ十代の女の子。しかしこの言葉を漏らした後、馬鹿なことを言ってしまったと自分を責める姿がまた切ないです。そしてこのとき約束を交わすのですが、これはラストシーンへの伏線になります。
しかし想いは実らない
とはいえ完全なる身分違いの恋。どれだけ想いが通じあったとしても、2人の恋が実ることはないのです。それは亜姫が女王の座に近づけば近づく程そうなるわけで、2人の距離は切ないながらも開いていきます。そんな中、激しくなっていた戦はついに最終局面になります。明日の命も保証されないような厳しい局面の中、土妃からの勢力はますます増していきます。亜姫はせめて薄星には生きていて欲しいということで、悲しい決断をします。自分のそばから離すことにしたのです。
切ない決断だが
それはあまりにも残酷で悲しい決断でした。しかしそんな亜姫のことを、薄星は誰よりも理解していたのです。そして2人は一緒に生きたいという思いを抱えながら別れの決意をします。しかしそれを知った青逸により、その配下となり従軍することになったのでした。
薄星はイケメン!
そんな「薄星」はかなりイケメンです。作中では見世物なんて言われていますが、金髪碧眼で容姿もかなり整っていてかっこいいですよね。幼少期も綺麗で可愛らしい少年という感じでしたが、成長してからの薄星はかなりかっこいい青年になっています。亜姫とも良きカップルという感じですね。かっこいいキャラクターが好きという人にも「女王の花」はぜひおすすめです。武芸を学んだということもあり、体格にも優れていて戦闘能力もかなりあります。
薄星が語る「千年の花」
千年の花についてはじめに亜姫に教えたのは薄星です。「ずっとずっと遠くの山にどんな望みもかなえてくれる花がさくんだって。でもその花は「千年に一度」しかさかなくて・・・だれも手にいれたことはないんだって。だからこれはことばのおまじない”いつかあなたの望みがかないますように”」というもの。そして亜姫の母は毒入りのスープを飲んで亡くなってしまうのですが、このときに薄星が亜姫に告げた言葉は「”千年の花”それは願いの花、そして誓いの花」というもの。この「誓い」に関しては様々な推測がされますが、薄星の命が果てるまで亜姫の手の中にいる、ということだと思われます。
「千年の花」というキーワードは度々登場する
先述したとおりおまじないのような形で登場するキーワードである「千年の花」。薄星が死にかけたときにも、亜姫は「千年の花」と言いながら、自分の腕を毒が塗られた剣で斬りつけました。さらに最終巻にて川で戦っているときには、薄星は「千年の花」と言いながら戦っていました。
幻覚を見せる花?
これは物語の最終局面でわかってくることなのですが、実はこの千年の花というものは幻覚を見せる花でした。最後のシーンにて、ずっと女王のそばにいた春琴が、女王を殺そうとした罪で捕まります。しかしそれは誤解であり、春琴は女王の座から解放してあげたいと思っていたのでした。この花を受け取った女王(亜姫)は、死んだわけではないのですが眠りにつきます。
薄星との約束
女王としての一生を過ごし、薄星の帰りをどこかで待ちながら老いていく亜姫。薄星は「あんたがあんたの言うとおりの国をつくれてすべての役割を終え女王からただの女に戻れる時がきたらある晴れた日に俺はあんたを迎えに行く」「そこから先は永遠に一緒だ」という言葉を残しています。亜姫は信じて待ち続けていたのです。それは誓いであり、何百年、何千年たっても迎えにいくというものでした。
【女王の花】薄星についてまとめ!
以上が「女王の花」に登場するキャラクターである「薄星(はくせい)」に関するまとめでした。いかがだったでしょうか。最初は奴隷として売られてきた少年でしたが、亜姫と出会い亜姫に絶対忠誠を誓い、そして恋が芽生えていくというふうに少しずつ人生が展開していきます。切なく純粋な2人の恋心は、みていて切なくなりますが感動してしまいます。