TVドラマシリーズで有名となった「池袋ウエストゲートパーク」ですが、原作は石田衣良さん著の短編小説で、第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞しています。小説、TVドラマ、コミック、舞台と多方面で展開されている本作品は、様々な社会問題を取り上げており、実際に起きた事件を参考にしたストーリーが多いのも特徴です。2020年7月にはアニメ化も決定しており、再び、IWGPが注目を集めることになるでしょう。今回はTVドラマ最終回の『士の回』についてご紹介していきたいと思います。TVドラマ版の脚本は宮藤官九郎さん、チーフ演出は堤幸彦さんが担当しています。今回は、ドラマシリーズ終了から約三年後に放送となった特別話『スープの回』についてご紹介していきたいと思います。
目次
約3年の時を経て帰ってきたIWGP
2000年4月~6月まで全十一話で放送された『池袋ウエストゲートパーク』は、「もう一度見たい」という声も多く、過激なシーンもあった為、深夜枠にて再放送が行われました。
放送後もファンが多く、原作は連載中だった為、多くのファンの期待に応えるべく、スペシャル回として2003年3月に『スープの回』が放送されました。
サブタイトルは「もっとドラマに革命を!ブクロを揺るがす大事件で伝説のアイツらが帰ってくる!今夜奇跡の再集結!ブクロ最強伝説」
原作の『骨音』、『東口ラーメンライン』をベースとしたエピソードとなっています。『スープの回』のスープはスペシャル→SPECIAL→SP→スープと、話の中で出てくるラーメンのスープが掛かっているらしい。
IWGPファンへのアフターストーリー
Gボーイズとブラックエンジェルスの抗争から3年後が舞台となっており、本編以上にギャグ・コメディ要素が強い作品となっています。
ホームレス襲撃事件を解決していくのがメインストーリーですが、Gボーイズとブラックエンジェルスとのラーメン抗争や、マサがマコトに成りすましたり、マコトの父親が出てきたりと、
サブストーリーが多く用意されています。また、スペシャルなだけあってゲストで出演している俳優さんもとても豪華になっています。
ミクスチャーバンドのRIZEがそのままの名前で登場!
まず驚いたのが、マサがくれたチケットでライブに向かうのですが、それがRIZEのライブでメンバーの名前もそのまま登場したことです!ライブのシーンは会話がなく、そのままライブを楽しめる映像となっていました。
このライブの後も、ストーリーの重要な役として各メンバーがマコトたちと絡んでいきます。
まさかのホームレス?!
クレイジーバンドの横山剣さんがマコトの父親役として登場するのですが、まさかのホームレスで登場します。
白のハット、ファー付きコートにサングラス、こんなホームレスいないと思いますが(笑)
作中では「いーね!」を何度も披露。「タイガー&ドラゴン」のサビも披露してくれます。
木更津キャッツアイも集合!!
ブラックエンジェルスを追いかけるマサたちが遭遇したのは、黒の服着た木更津キャッツアイのメンバー!!
マスターが「つーかあれ俺に激似じゃね?」と言って逃げ去っていまいました。友情出演ですね。クドカンコラボが実現した、ファンにはたまらないシーンとなりました。
ヒカルとの再会
マコトはヒカルと付き合い始めた記念日の22日に毎月電話するようにしていました。(電話しないとヒカルがブチ切れるそうで・・・)
マサと本屋にいたマコトは、今日が22日であることに気付くとすぐにヒカルに電話します。すると、すぐそばから「弦楽セレナーデ」の着メロが・・・。
目をやると「渋沢光子先生サイン会」の看板が?!ビックリの展開でしたが、休憩の間にマコトとヒカルは喫茶店で二人の時間を過ごします。
カウンセラーの先生に勧められてリハビリの一貫で書いたら、編集者の目に止まって、今や大人気作家となったヒカル。お父さんとの話がメインとのことで、もうすっかりトラウマは克服できたようですね。
「虎」、「馬」、「誠」の三部作の小説でタイトルからもわかるように、やっぱりマコトのこと書きたいんじゃん!って思ってしまいました。
去り際の「マコっちゃん、今度遊ぼうね!前みたく」というヒカルの言葉は、逆に今はもう昔とは違うという風にも捉えることができ、マコトが何も変わっていないことを示唆しているようにも思えました。
ネカフェの店長となったカズノリ
スライの情報を調べてもらう為、カズノリを訪ねるマコト。カズノリはスーパーロン毛に戻っており、ネカフェの店長を務めていました。
あの引きこもりだったカズノリが情報屋を経て、遂に店長として立派に働いている・・・。マコト、外に連れ出した甲斐があったね!
情報を聞くついでに、MDを聞こうとするマコトはCDのところに入れ、その後カセットのところに入れます。「わざとでしょ?」カズノリも思わず言っちゃいたくなりますよね。
やっぱり最後はこの人!!
今回は全然タカシ出てこないなーと思っていましたが、やっぱり今回も最後はカッコいいとこ持っていきましたね。
RIZEの音の正体が人骨を折る音だと言っても早くやれという観客たち。ブチ切れたマコトは自分の骨の音で我慢しろとハンマーで自ら腕を折ろうとします。
マコトさん、カッケーけど痛々しいです。ビビッて避けちまったと言い、次は絶対折ると腹を括ったマコトの前に「あたいが折ってやるよ!」とタカシが突如現れます。
「決めるときはブクロスタイルで決めるっしょ!」と言い、カウントダウンとを始めた初っ端でハンマーを振り下ろし骨粉砕。
この音の光景と音のエグさに観客は静まり返り、事態は収拾しました。エピソードの最後でマコトは腕が折れていないことを明らかにしました。タカシは豚骨を腕に仕込んで、それを叩き折ったのです。
腕を折らずに事態を収拾させたタカシ、やっぱブクロのキングですね!
TVドラマ版スペシャル『スープの回』を解説まとめ
いかがだったでしょうか?
IWGPファンへのファンディスク的な要素の強い本作は、本編を見終わった後から見ることをおすすめします!
コメディ要素が強く、シナリオとしても本編の方がやはり面白いと思うので。
ただ、ファンとしてはアフターストーリーがあるのは非常に嬉しいものですね。