『陰の実力者になりたくて!』は、なろう系のライトノベル作品です。去年第1期のアニメが放送され、今年の10月には早くも第2期が放送される予定となっています。この作品は異世界転生がテーマなだけあり、普段の日常生活では使わないような専門用語が多いです。その用語を知っていれば作品が分かりやすくなり、楽しめること間違いありません。今回は、作中に登場する用語を解説していきたいと思います!
陰の実力者
主人公のシドが「なりたかったもの」です。陰の実力者の定義は曖昧で、「見た目は地味だが強大な力を持つ」という条件を満たせば該当するとされています。シドの考え方としては、物語の主人公でもラスボスでもなく、陰ながら事件に介入し圧倒的な実力を見せつけていくようなダークヒーローに憧れていると思われます。シドが人助けをする理由は正義感から来るものではなく「それが陰の実力者という存在」という美意識を持っているからです。シドの目標は陰で巨大組織を作る、又は組織の陰の首領になるといった具合に目標ではなく、あくまでも核に勝てることにこだわっています。「最強」を目指すのであれば核を乗り越えようと奮闘することは納得出来ます。しかし目的が「陰の実力者」であれば、核をも超える力を手にいれるというのはあくまで手段の一つに過ぎません。手段と目的がごちゃ混ぜになった滑稽さが、シドというキャラクターに面白味を与えています。
魔人ディアボロス
約1000年前に突如出現し、世界を破壊しようと各地を破壊して回った巨人です。圧倒的な破壊力と再生能力を持っていましたが、オリヴィエ、フレイヤ、リリという3人の英雄たちによって討伐されました。彼女たちは『3英雄』と呼ばれています。その後は、ディアボロスの細胞に眠る力を独占しようとする「ディアボロス教団」の企みによって隠蔽され、現在は架空の話として認知されています。
悪魔憑き
ある日突然、女性の身体が腐りだして死ぬという恐ろしい病気です。発現した患者は皆体が崩れて醜い肉塊に成り果て、挙句の果てに家族から嫌われ捨てられる、という悲惨な末路を迎えます。教会が浄化という名目で有料で引き取るのですが、実際は人体実験などを行い始末しています。このため、悪魔憑きの患者を教会に運びこむのがビジネスとして成立してしまっています。 病気の原因は体内に大量に蓄積された魔力が暴走したもので、従ってこれらの患者は強大な力を秘めているとされています。教団はそういった患者たちに着目し「適合者」と呼んで確保しています。シャドウガーデンのメンバー達が罹患した経験があり、その境遇から救ってくれたことから、組織への忠誠を誓っています。
悪魔憑きの正体
その正体は、過去にディアボロス教団の実験によってディアボロス細胞を埋め込まれた人物が、細胞に適応できずに拒絶反応を起こし、細胞が暴走を起こした状態を指します。ディアボロス細胞は魔力によって制御することが出来るため、本人が十分な魔力制御能力を持っているか、外部の力で制御を行うことで細胞に適応すれば、体が崩れることは無くなります。女英雄3人にも同様に実験によって埋め込まれ、ディアボロス討伐後に、彼女達が子孫を産んだ際にディアボロス細胞が受け継がれました。その結果、ディアボロス細胞を持つ人物が拡散し世界中で悪魔憑きの現象がみられるという悲劇が起こりました。元凶は実験を行ったディアボロス教団なのですが、教団は実験の存在を隠すため、忌避するべき「病気」として扱いました。
ディアボロス教団
約1000年前に世界を壊そうとした魔人ディアボロスが復活し、そのディアボロスの力の私物化を企んでいるとされるカルト教団です。この話はシドが作り上げた嘘・・・だと思われていました。しかし、実際はその嘘の話と同じ様な組織が実在していたのです。ところが、シドはそんな組織は存在していないと思い込んでいます。部下の戦闘力を無理やり底上げし、誘拐・洗脳することで兵士を増やす等の悪事を日常的に行っています。「ナイト・オブ・ラウンズ」と呼ばれる12人の騎士達によって指揮されており、協力者を除けば、構成員はなぜか男性しか登場していません。この教団は元々、ディアボロス討伐のために各地から集められた孤児たちを、人体実験に使うことを目的としていました。討伐達成後は目的が徐々に変化していき、不老不死などの禁忌を渇望するような集団へと変わりました。
この作品における「魔力」について
主人公たちの世界には「魔力」という概念はあるものの、火や水を放つなどの魔法という概念はありません。作中における魔力は、主に身体や武器の強化に用いられるエネルギーとして使われています。治癒することも不可能ではありませんが、難しいとされています。魔力の有無は才能で決まりますが、魔力を持っていること自体は決して珍しくありません。努力次第で魔力を伸ばすことも可能です。魔力がある相手に魔力無しで戦うのは無謀であり、自殺行為といも言えます。魔力にはいくつか流派があるのですが、前世において様々な武術を習得したシドからすれば、純粋な戦闘技術は精錬されていないとのこと。魔力は自分の体から離れると途端に制御が効かずに霧散するといった性質があるため、魔力の斬撃を飛ばすといった使用法は膨大な魔力と常識外ともいえる程の魔力制御能力を必要とする。ちなみに、アニメ版の世界では原作には無い銃タイプの武器が存在します。これは、一般兵が銃を使って戦闘するよりも、魔力の方が攻防共に優れていることを証明するためです。視聴者にとって視覚的に分かりやすくするための工夫が施されています。
専門用語紹介まとめ
この作品のタイトルを始めとした専門用語を紹介しました。当作品は専門用語が多く、他の作品で聞くような言葉でも、この作品独自の解釈がある場合もあります。専門用語を知っていれば、作品への理解度が深まること間違いありません。この記事だけでは載せきれなかったので、専門用語の解説はパート2も用意しています。そちらも是非ご覧ください!それでは今回はここまでです。読んで頂きありがとうございました。