ミステリと言う勿れは7SEEDSの田村由美さんの新作で、今回はSFではなくなんとミステリ!ただこの作品の読み方は『ミステリというなかれ』。つまりミステリだけどミステリっぽくない作品なのです。何でミステリじゃないのかというと、大体探偵役で主人公の久能 整(くのう ととのう)のせいです。物語の探偵役というものは変な奴が多い先入観がありますが、この主人公も相当変な奴です。そんな変な主人公、久能 整について紹介したいと思います!
目次
探偵役で主人公、久能 整の最初の事件は?
大学生の久能 整のアパートに、ある日突然警察がやってきます。近所の公園で同じ大学に通う同級生、寒河江健が何者かに殺害されたからでした。何故か、同級生を殺害した嫌疑をかけられた整は警察署の取り調べ室で代わる代わるに取り調べを受けますが、その取り調べ室で整は、取り調べを行った警察官におしゃべりを始めます。しかし、その雑談は当人に対して非常に刺さる雑談ばかりでした。整のおしゃべりは留まることを知らず、脱線に次ぐ脱線をしているのにいつの間にか事件の核心に迫っていきます。
天然パーマの大学生で頭脳明晰な探偵、久能 整
久能 整の読み方は(くのう ととのう)、せいでもひとしでもなくととのう。大学で心理学を学ぶ学生で、爆発した感じの天然パーマが特徴の学生です。見た目からして変わった学生ですが、頭脳明晰で観察力、分析力に優れ、様々な知識を持ち目端が利く別作品の名探偵と比べても遜色ない能力をもっています。何よりも何もしてないのに事件に巻き込まれたり、興味を持って首を突っ込んだことが事件に繋がっていたりと、事件への遭遇率も他作品の探偵と遜色ありません。
久能 整はこんな性格!マイペースなおしゃべりパーマ
容疑者の嫌疑をかけられいたとしても常に冷静で動じない性格、というより非常にマイペースな性格をしています。だから事件が起こっていてもよく話が脱線します。その内容は一見何一つ事件に関係なかったりしますが、話し相手にとっては何かを見透かされているかのような核心を突く質問ばかりします。それは整が相手を良く分析した質問だからで、結果的にその脱線から真相にたどり着いてしまいます。
変わった趣味をお持ちの大学生久能 整、休日とか何してる?
マイペースで一人が好きな性格。休日にはカレーを作り、作り方にこだわり長時間煮込むほどのこだわりを見せます。他の趣味は絵画鑑賞で美術館に行くのも趣味です。最近の大学生にしてはかなり変わった趣味思考なので大学内で親しい友人はいないようです。友人と一緒に遊びに行くこともなく自己完結しています。でも、人と話すのが苦手と言う訳ではなく、喋る機械があればとにかく喋ります。
事件に巻き込まれる男
おしゃべり大好きなくせに自発的に他人と関わらないのに、事件には巻き込まれます。何もしてないのに殺人事件の容疑者にされたり、急いで飛び乗ったバスが偶然にもバスジャックされたり、何気なく興味を持って首を突っ込んだものが事件に関わっていたりとそれこそ、往年の名探偵のように向こうから事件がやってくるため、彼もまた名探偵として一番重要な、事件に巻き込まれる素質を持っているようです。
変わった癖を持ってる久能 整は必要以上に犯人を刺激してしまう男
優れた記憶力、分析力から様々なたとえ話を用いますが、そのたとえ話や質問が当人のクリティカルな部分を突いてしまうこともあるため、必要以上に犯人を刺激してしまうことがあります。しかも、遠慮なしに言いたいことをずけずけ喋ります。また、よく人の癖を真似てしまうという癖を持っています。ただ、どちらもわざとやっている訳ではなく完全に無意識。ある意味空気を読めない男なのかもしれません。
久能 整は冷静沈着で中身が見えないところがある?
仏頂面で冷静沈着、常にマイペースを崩さない彼はあれこれ質問してはその人の中身や本質に触れてきます。しかし、当の整は感情的になることもなく、たとえ話や事例を用いて話をするため、整自身の考えが見えづらいところがあると思います。自分自身の考えを話さないという訳ではありませんが、整自身の中身や本質には触れてほしくないように思えます。最も、極端にマイペースというだけかもしれませんが、友達も恋人もいないのはそういうとこだと思います。
家族となんかあった?
おしゃべりの内容で家族に関する質問をなげかける割には、整はあまり家族の事に触れてほしくなさそうな感じがあります。家族を顧みない父親を責めるような事を言ったりと、自分の父親を恨んでいるかのような節があります。とはいえ、整と書いてととのうと読む名前を付けたり、整自身の奇人変人ぶりを見ていると、恐らく父親も奇人変人なのだと思います。
苦手なことは人付き合い?女っ気のない久能 整
人付き合いが苦手と言うより、しなくてもいいやというスタンスの整は友達と言えるような相手も当然、彼女もいません。しかし、ひょんなことから女性にプレゼントを買ったりデート紛いの事をする羽目になったときには一番慌てます。頭脳明晰で全てを見透かすような整でも、こればっかりはどうしていいのか分からないようです。この作品は少女漫画誌に掲載されている作品ですが、当の整に女っ気はなくヒロインっぽい女性もいません。4巻で登場したライカとはデート紛いのことをしますが、今のところヒロインに見えません。
知り合いみんな事件関係者
そんなだから知り合いは皆事件関係者、および謎に首を突っ込んだ結果知り合った人達ばかりです。よく関わるのは最初の事件で取り調べを担当したちょっとチャラい巡査の池本(事件に良く関わるから必然的に関わる)で、二つ目の事件の黒幕だった犬童ガロは唯一の友達と言えるかもしれません。事件に全く関わっていない知り合いは、現時点で心理学の教授の天達先生くらいです。事件に関わっていなかったら誰とも関わっていなかったでしょう。
【ミステリと言う勿れ】主人公久能 整まとめ
ミステリと言う勿れはその名の通り、ちょっとミステリとは違います。主人公の久能 整にはあらゆる意味で名探偵の能力を持っていますが、普通の探偵のように証拠品とか証言とかで推理せず、自分のおしゃべりから脱線に次ぐ脱線、その過程でカウンセリングやプロファイリングみたいなことをして何やかんやで結論にたどり着くのです。かなり新感覚の作品だと思います!7SEEDSがアニメになったのでもしかするといつかアニメになるかもですが、ドラマ向きなのでドラマの方が早いかもですね。