「月が導く異世界道中」の公式ホームページには、『神と人族から見捨てられた男の異世界世直しファンタジー』と書かれており、出版元のアルファポリスのホームページでは、『とことん不運、されどチートな真の異世界珍道中が始まった!!』と書かれています。どちらも主人公の深澄真が不運から始まる異世界で、どんな世直しをしていくのだろうと思わせるキャッチコピーです。第一幕ではそのキャッチコピー通りの珍道中を楽しく、そして時には辛い経験もありますが、明るく楽しい作品として描かれていました。そんな第一幕から名シーンや迷シーン、そして印象に残った名言をご紹介したいと思います。
4位:真の恩人!とってもいい神様!!
第1話の冒頭で登場し、真が召喚される時に色々とめんどうを見てくれた月読命様は、本当にいい人ならぬ、いい神様です。真の命の恩人といっても過言ではないと思います。月読命様はこのあと真のために力を使った為、何百年の眠りについてしまうので、今回が最後の登場になってしまうかもしれません。その貴重な登場シーンの中から一つ印象に残ったというか、違う作品でも見た事があるようなお約束シーンですが、大好きなシーンなのでピックアップしました。
男のロマンの行方
真が召喚される時に本来なら事情が説明されているはずがされていなかった為、姿を現し状況を説明する月読命様に真は異世界行きを承諾します。しかし、真には異世界に行く前に心残りがありました。それを察した月読命様が言ったセリフです。
案ずるなかれ、真殿。男の夢たる数々の品物は、私が責任を持って処分しておこう!
これを聞いた真は、「あぁ、あんた神だ、神様だよぉ~」と涙を流し、感謝するのでした。転生してスライムになる別の作品でも同じようなシチュエーションがあった気がしますが、こういうお約束展開は大好きです。
女神より格上の月読命様
そして、真に自身の力を出来る限り与えたり、召喚された真が女神に世界の果てに捨てられた時も助けに来たのは月読命様でした。女神から勇者の役割を剥奪され捨てられた真に神として「新たなる世界での自由を認める」とお墨付きを与えたのです。女神より格上の月読命様は眠りにつく前に女神が真に対して行った不条理を他の神々に伝えます。この伏線が回収されるのはもっと後になりますが、第二幕で描かれるかどうかは分かりません。それを視聴しながら待つのも楽しみの一つですね。
3位:巴が待っていた言葉・・・
次にご紹介するのは、第7話で真たちがライム・ラテと仲間たちに襲撃された時のシーンです。レンブラントの奥さんと娘たちの呪病を治そうとする真を妨害する為に、ライムは襲ったのですが、その時点で呪病は治されていますし、元々レンブラントに恨みを持つ呪術者がライムたち冒険者を騙して利用していたのですが、そんな事は知らないライムはとんでもない相手に喧嘩をしかけたのです。
時代劇かぶれの巴の言葉
治療を終えてレンブラントの屋敷から出てきた真を巴と澪が出迎えます。その時を狙って、ライムたちは攻撃をしかけます。そして、巴と澪に金で真を裏切るよう話しかけてきました。すると、澪はその話しに乗ってしまったのです。それは、巴と澪が一緒に戦うと絶野の時の惨状になりかねないと真が澪に話しに乗るように仕向けたのでした。真と巴に襲い掛かる冒険者たちですが、巴は戦おうとしません。真が巴に何をしているかと聞くと、「開始の合図がありませんので。ご老公様の伝統のあれですよ、あれ!」と笑顔で言うのでした。恥ずかしいと思いながらも、「言わなきゃダメか・・・」と諦めた真が言った言葉が最高です!
巴さん、ひとつ懲らしめてやりなさい!
黄門様伝統の言葉
その言葉を聞いた巴は超嬉しそうな笑顔で「はい!!」と戦うのでした。 「安心せい、みねうちじゃ!」と両刃の剣で大暴れし、ライム・ラテと仲間達はあっという間に倒されたのです。 その後、ライムは自分たちが呪術者に騙されていた事を聞かされ、巴の部下として働く事になりました。 時代劇かぶれの巴の真骨頂とも言えるこのシーンは楽しくて大好きなシーンです。 ちょっと話しが逸れますが、第1話と第4話で流れたEDテーマは水戸黄門でお馴染みの「ああ人生に涙あり」のカバーでした。 第1話が真バージョンで第4話が巴と澪バージョンで流されました。 第二幕でもまた聞きたい方は多いのではないでしょうか。
2位:真が異世界で流した涙
次に紹介するシーンは第11話で、真を利用しようとして亜空に連れてこられたヒューマンたちが脱走する際に、廃棄する武器や道具を奪おうとしたため、爆発が起こり、巴の分体とハイオークの青年が死んでしまいます。そして偶然逃げ延びたヒューマンを真が殺してしまうシーンをご紹介します。
ヒューマン至上主義
爆発後怪我人を識と治療した真は他に生存者がいないか探します。しかし巴の分体とハイオークの青年、ヒューマン2人は既に亡くなっていました。ただ1人、偶然開いた霧の門から逃げる事が出来たヒューマンの女性の痕跡を見つけて追いかけようとした真の頭の中にその女性の記憶が流れ込んで来たのです。その女性が初めから真を利用する為に近づき、ヒューマン至上主義の塊の考え方が原因で今回の爆発が起きた事を真は知りました。
亜人がヒューマンをもてなす意味
生き残った女性は偶然開いた霧の門と持っていたクレイイージスのおかげで奇跡的に生き残り、ツィーゲの街に戻っていました。逃げられた事を喜ぶ女性の周りに霧が立ち込め、その前に真が現れました。ヒューマン至上主義の塊の女性は相変わらず上から目線の物言いで真に解放するよう言います。しかし真は元いた世界の感覚でヒューマンを考えていた自分を後悔していました。エマにヒューマンをもてなす意味が分からないと言われた言葉が理解できたのです。そして「僕は今心から思っている、お前たちを殺しておくべきだったと」とヒューマンに言ったのです。
乾いていく真の心
いつもと違い、人としての感情が消えてしまった様な真は女性に近づきます。そんな真に気圧された女性は剣で襲い掛かりますが、防御の界にはじき返されます。その瞬間、女性の両手は真によって切り飛ばされていました。そして泣きながら命乞いをする女性に対して、真はためらうことなく喉に短剣を突き刺したのです。その時、真が言った言葉は一言でした。
さようなら。
思い出したヒューマンではなく人間の心
まるで心が乾いてしまったかのような真の表情と言葉でした。しかし、「初めて自分の意思で殺したな、こんなもんか」と言った後、涙が溢れてきたのです。何故涙が出るのかわからず、困惑する真でしたが、ある事を想い出します。真の脳裏に元いた世界でペットが死んだ時のことが蘇ってきたのです。そして、「死んでしまうと悲しい」という人間の感情が戻ってきました。真は手が震えだし、声を上げて泣き出します。異世界で忘れかけていた人間の心を真が想い出した瞬間だったのです。
1位:真を襲うヒューマン最強冒険者
第一幕で一番盛り上がったシーンは、真がヒューマン最強の冒険者、ソフィア=ブルガと御剣こと上位竜ランサー相手に戦ったシーンだと思います。真が本気を出して戦ったのは、巴と澪が従者になる前に無敵の蜃と災厄の黒蜘蛛として戦った時以外では、この戦いだけです。第一幕のクライマックス的戦いでもあるこの戦いはやはり外せないと思います。
糞女神の企み
真がソフィアとランサーを相手に戦うことになったきっかけは、真が忌み嫌う糞女神が仕組んだことでした。ヒューマンと魔族の戦争が始まろうとしていたため、女神は真を勝手に戦場へ転移させ利用しようとしたのです。そしてその戦場には魔族側についていたソフィアとランサーが居たので、戦闘になったのです。
聞く耳をもたない強敵!
突然、戦場に転移させられた真は状況が全くわからず動揺しているところをいきなりソフィアに襲われてしまい、左手の中指と薬指を切られてしまいます。ソフィアとランサーは女神の金色の光で転移してきた真を女神の仲間と思っており、攻撃してきたのです。真はソフィアたちと戦いながら、探索の界で状況を把握して女神の思惑だと気付きます。自分は女神の加護を受けてないし、戦う意味がないとソフィアたちに話しますが、ソフィアとランサーは聞く耳を持ちません。そして、「私たちはあなたを殺す」と宣言したのです。
魔力解放!
女神との関係を否定しても、耳をかさず殺す宣言をしたソフィアに、真の堪忍袋の緒がついに切れます。真は魔力を抑える指輪ドラウプニルを全て外し、全魔力解放し反撃を開始したのです。それまで真を格下扱いで舐めていたソフィアとランサーは、突然強くなった真に困惑します。そして、真の攻撃は2人を圧倒するのです。一瞬の隙をついてソフィアが斬りかかってきました。真は寸前で躱し、ドワーフの打根でソフィアの大剣を砕いてしまいます。武器を失ったソフィアは、とっさに真を掴み、はるか高い上空へ移動し、真を落下させたのです。勝ちを確信したソフィアとランサーでしたが、真は最後反撃を試みたのです。
お土産、持ってけ!さんざん好きなように弄んでくれやがりましたお礼だ~!!
真はドラウプニルと水のブリットの矢を合わせた指輪ブリットを最大威力で打ち込みました。そして、そのまま亜空へ避難したのです。
唯一の全能力解放
真の放った矢の威力は凄まじく、ソフィアとランサーはかろうじて生き残り、周りにいた魔族軍とヒューマン軍は殆ど壊滅させてしまいます。その跡地は大きな湖ができてしまいました。第一幕で真が全力で戦ったのはこのソフィアとランサーの戦いだけです、最後の真の全力の反撃は見ていて爽快感がありましたね。
名シーンや迷シーン、名言ランキングまとめです
第一幕で印象にのこったシーンや名言をご紹介いたしました。コメディー要素が多い作品ですので感動や心打つような感じにはなりませんでしたが、それが「月が導く異世界道中」の魅力でもあります。第二幕でも「つきみち」らしいシーンが見られるのを期待したいですね。最後までお読みいただきありがとうございました。