サッカー漫画の概念を根底からひっくり返すような超人気作品「ブルーロック」今回は序盤のエピソードを徹底解説していきたいと思います。(※ネタバレを含みます‼)
目次
「青い監獄(ブルーロック)」と絵心甚八(えごじんぱち)について
日本をW杯優勝させるため、日本フットボール連盟により雇われた特別コーチ・絵心甚八。彼が提案したのは、世界一のFW(フォワード)を生み出すための実験施設・「青い監獄(ブルーロック)」だった。全国から18歳以下の有望なFW300名を集め、「史上最もいかれたサッカー漫画」が今始まる‼
潔世一(いさぎよいち)について
全国大会を懸けた決勝戦、2年生FWの潔世一は同点のチャンスを迎える。相手キーパーと1対1、彼が選択したのはシュートではなく、フリーの味方へのパスだった…。その味方がシュートを外しチームは負けてしまい彼の夢はついえたかのように思われたが、「青い監獄(ブルーロック)」への招待状が届く。
入寮テスト・オニごっこ①
山奥に造られた謎の建物・「青い監獄(ブルーロック)」に連れてこられた選手たちは、各部屋12人ずつに分かれます。専用スーツが支給され、エゴを試す試験・オニごっこをすることに。制限時間は136秒、長方形の部屋に12人の選手、ボールが当たったらオニとなり時間終了時にオニだった人が脱落。シンプルかつ残酷な試練の火ぶたが切って落とされたのでした。
入寮テスト・オニごっこ②
「敗けたら今後一切代表選手の資格を失う。」選手たちがまだ動揺と混乱の最中、ボールが支給され、試験はスタートします。何人かがボールを当て合う攻防が続き、残り1分の時、潔がオニになってしまいます。潔は始め、見るからに雑魚そうなイガグリ頭の選手を狙いますが、その選手の足がつってしまい動けなくなった瞬間、残り数秒の彼にぶつければオニ回避ができる状況で、彼は反転しこの中で一番強いやつに標的を変更します。
入寮テスト・オニごっこ③
これまでの自分を変える、決定機にパスを選択したあの時の自分を変える、そのために彼が選択したのは自分より強い奴に勝つことでした。迫る残り時間とは裏腹に潔にはこれまで抱いてこなかったエゴの感情が溢れていました。そして残り一秒で渾身のボレーシュートをこの中で一番の実力者、U18代表候補の吉良涼介(きらりょうすけ)の顔面に叩き込み、潔は入寮を果たしたのでした。
オニごっこ解説
一見、遊びや簡単なアップとして行われたように感じられるオニごっこですが、長方形の部屋の広さは16.5m×40.32mのPA(ペナルティエリア)と同じ大きさ、制限時間は90分の試合で一人の選手がボールを持つ平均時間136秒。オニごっこ自体は、対人感覚や相手との駆け引きなど基本的なサッカーのスキルが試されるというサッカーにおける決定機を演出した試験でした。このような試験を用意した絵心甚八の考えの深さと独創的なアイデアは今後も注目すべきですね。
一次選考開始!
脱落した吉良を抜いた11名の選手たち。彼らは全員FWのチームとして第一選考に臨みます。第伍号棟のZチーム300名の選手たちの中でも実力が最底辺の11人として、伍号棟の他の5チームと総当たり戦をする「総当たりグループリーグマッチ」が一次選考の内容でした。4試合して上位2チームと各チームの得点王の3人が二次選考へ進めるまたもや厳しい試練の部隊が幕を開けたのでした。
第1試合 VSチームX①
「これはサッカーを0から創る戦いだ」絵心の言葉通り、FWしかいないチームでどのようにサッカーをするのか考えるところから始めることになります。対戦相手はチームX、試合開始すると全員がFWなせいで、全員がゴールを決めようとボールの周りに群がる小学生のお団子サッカーが始まってしまいます。そんな群がる人たちからボールを奪ったのは、相手チームの馬狼照英(ばろうしょうえい)でした。
第1試合 VSチームX②
大柄な体躯で強引に突破した馬狼はそのまま駆け上がり、巧みな個人技と右足のコントロールシュートであっさりと1点を決めてしまいます。圧倒的な彼の前にチームZはますます焦りバラバラに、反対にチームXは馬狼にボールを預けるチームへと成長していました。馬狼のプレーがチームの指針になる、つまりこれが0を1にする圧倒的な個の能力だったのです。しかし5対0まで点差が開いた状況で、まだあきらめていなかったのは潔と蜂楽廻(ばちらめぐる)でした。
第1試合 VSチームX③
チームの中でもドリブル技術の高い蜂楽が強引に切り込み、ラストパスを潔へ。あとはキーパーだけという決定機に、立ちはだかったのは前線から下がってきた馬狼でした。迫る馬狼にボールを取られそうになる一瞬、そこで潔はなぜか後方へロブパスを上げます。そこに待っていたのは大柄の中距離シュートが持ち味の國神錬介(くにかみれんすけ)でした。彼の振りぬいたシュートはゴールネットを揺らし何とか1点を奪います。シュートを撃とうとした潔自身でも理解できないうちにパスを選択してしまったことに驚く潔でしたが、これがエゴの無さなのか、それとも何かなのか、謎のまま1試合目は5対1の敗戦で終了します。
第2試合VSチームY①
1試合目の結果を受け馬狼の個の力に感化されたチームZの面々は、自分だけの武器や長所を磨くことに注力します。チームのまとめ役・久遠渉(くおんわたる)の提案で、時間制で1人ずつFWをして他の10人がそのFWのやりたいことをサポートする「次俺9作戦」をすることに。蜂楽の超単独のドリブル戦法や我牙丸吟(ががまるぎん)の無茶ぶりアーリークロスなどで決定機を創りますが、チームYのカウンターを受け1点を先制されてしまいます。
第2試合VSチームY②
後半開始直後、コーナーキックの場面で、潔はある違和感を覚えチームYの二子一揮(にこいっき)の元へマークに走ります。彼らが狙っていたカウンターサッカーの起点と影の中心人物はこの二子であり、潔は視野の広さとゴールの匂いや嗅覚を感じ取れる能力を持っていたのでした。そこからは二子と潔の起点の潰し合いが始まり、わずかながら嗅覚が勝った潔世一がゴールを決め試合に勝利します。相手を文字通り蹴落として勝利する、潔はエゴイストとしての第一歩を感じ始めるのでした。
第3試合VSチームW①
視野の広さの目と危機を察知する脳、潔の能力が開花しはじめ、第3試合を迎えます。鰐間(わにま)兄妹という強力FWを擁するチームWですが、今回は相性のいい3人一組をFWとして入れ替えていく「3×3(さざん)オールスター作戦」で挑みます。難敵と予想していましたが、ふたを開けると久遠のハットトリックで3対0の大リードで前半を終了します。しかし後半にはいると、久遠の凡ミスから2失点と何やら雲行きが怪しくなってきます。
第3試合VSチームW②
ゴールの匂いのしない展開に違和感を覚える潔ですが、また久遠のミスから同点ゴールを許します。「久遠…お前…裏切ってんのか…?」潔が気づいた時には遅く、作戦も選手の特徴も久遠によりバラされ、久遠自身は得点王として1人で選考を突破するためスパイをしていたのでした。裏切り者のせいで10対12の圧倒的不利なサッカーを強いられたチームZ。劣勢そのまま追加点を奪われ、点数は3対4になってしまいます。
第3試合VSチームW③
ロスタイム3分。崖っぷちの状況であきらめない潔のプレーに感化されたのは、千切豹馬(ちぎりひょうま)でした。彼は膝の大怪我のせいで治った今でも怪我を恐れ、全力でプレーできないでいました。快速のFWとして輝いていた姿を、潔の必死なプレーと重ね合わせ、千切は走り出します。滾る思いに正直に世界一のストライカーを夢見ていたあの頃へ、千切の足は誰よりも早く逆サイドを駆け上がります。
第3試合VSチームW④
千切の突然の覚醒、潔の眼は確かにそこへゴールの匂いを感じ取りました。強引に今は誰もいない逆サイドへのクロス。敵DF(ディフェンダー)を抜き去る快速の彼は、ただ自分の強さとエゴを求め、ボールを拾い同点のゴールを奪取します。この足が壊れるまで走り続ける、俊足ストライカー千切豹馬の大活躍で試合はドローで決着しました。
ここまでの試合成績
チームVが全勝の1位、そして鰐間兄妹のチームWが勝ち点5で2位。チームZは勝ち点4でした。残るはチームZの最終戦のみなので得失点差の関係上、最終戦に勝たないと上位2チームにはなれないことが確定してしまいました。待ち受けるのは、全勝のチームV。最後に最大の敵と戦うことになります。
最終戦・試合準備
チームを裏切った久遠抜きの10人で最終戦を挑むことになったチームZですが、相手はこれまで全勝の強敵チームVでした。これまで以上の進化が求められるこの戦いに向け、潔はチームYのエース・馬狼照英の元へ向かいます。彼と強引に1対1をする中で彼の得意技、右足のコントロールシュート。一見どこからでも決められそうなこの技にもゴールからの距離と角度、そのシュートを撃つポジションが明確に定まっており、だからこそ再現性の高いゴールを量産することができているのだと気がつきます。
チームV選手紹介
三人の絶対的なスコアラーを擁するのがチームVです。賢ぶっていますが実はバカの剣城斬鉄(つるぎざんてつ)。オールラウンダーで味方へのアシストも上手い御影玲王(みかげれお)。そして神トラップが印象的な超感覚派の天才、凪誠士郎(なぎせいしろう)。玲王は大企業の御曹司でありながらなんでもある生活に退屈していました。そんな彼がTVで見たのがW杯、親の反対を押し切りサッカーを始めようとした時に出会ったのが凪でした。彼の運動神経の良さを評価した玲王は凪を誘い、サッカーを始めて半年でこの「青い監獄(ブルーロック)」に呼ばれるほどの実力になりました。
第4試合VSチームV①
馬狼の強さの秘密を理解した潔は、自分の武器である空間認識能力を活かせるシチュエーションなどを考えゴールの再現性を高める努力をします。そしてチームVとの最終戦が始まるのでした。玲王のパスワーク、剣城の得意コース、凪へのパス、集めたデータからこれらを阻止したチームZは徐々に流れをつかんでいきます。しかしこれまで全勝のチームV、オールラウンダー玲王の鋭いパスからの凪の超絶トラップで簡単に先制を許すと、立て続けに2点奪われ、あっという間に3対0にされてしまいます。
第4試合VSチームV②
策も通じず、絶望的な状況、次々と戦意を失くしていく中、ただ一人笑っていたのは蜂楽廻でした。敵に勝つためにはこの試合の中で進化しないといけない、限界を超えることが必須条件、ビビる前にワクワクするメンタリティ。彼の本領が発揮されます。超高速シザースにルーレット、空中エラシコなど咄嗟に浮かんでくるアイデアを実行し相手DFを抜き去る蜂楽、彼の楽しそうなエゴのサッカーで1点を奪うことに成功します。
第4試合VSチームV③
蜂楽の限界を超えた楽しそうなプレー、それに感化されたチームZは次々に覚醒していきます。まずは國神のいつもより遠い場所からの超ロング無回転シュート、千切の再加速でのドリブル突破、これらで2点を追加し3対3の同点まで持ち込みます。個の覚醒、逆境が彼らへ進化を余儀なくさせ、挑戦し達成する。しかしイケイケムードのチームに感化されたのは敵チームの凪でした。
第4試合VSチームV④
彼らの異次元なプレー、敗北のプレッシャーに天才・凪誠士郎は勝手に体が動き出していました。彼もまた進化を余儀なくされ、背面トラップからのボレーシュートという超絶技で1点を奪われてしまいます。またもや逆境の中、今度は潔が覚醒します。なんと千切へのパスから國神のゴールまでを頭で思い描いた通りに再現し4対4の同点にしたのでした。頭の中で思い描いたプレーのウィークポイントを自分が埋める、彼の眼と脳でチームVを超え、最後は自らのダイレクトボレーで勝利を飾りました。
まとめ
いかがだったでしょうか。晴れて一次選考をクリアしたチームZの選手たちを待ち受ける次の試練とは?今後の展開が気になりますよね。漫画では5巻途中までのお話になりますので、気になる方は今後の展開もアニメや漫画でチェックしてみてくださいね。