2021年から放送を開始する「ドラゴン、家を買う」ですが、この作品では他のアニメでは見られないような物語を面白く見せるための数々の工夫が施されています。あまり知名度の高い作品とはいえませんが、細かい所まで突き詰めて調べてみると面白い要素がたくさんある作品なので、ぜひこの記事を見てみてくださいね!作品としての面白さや元となった作品群についても紹介していきますで、「普通のアニメ紹介記事では読み応えがないな」と思っているちょっとコアなファンの皆さんでも読み応えがある記事になっていると思います。
なぜ「ドラゴン、家を買う」は一発芸なのか?
さて、まず初めにこの「ドラゴン、家を買う」という作品はどのような作品なのか、ということについて一言で説明したいと思います。ズバリ!「ドラゴン、家を買う」を一言で説明をすると「ドラゴンがポンコツという一発ギャグをし続けている作品」です!では、この作品のどのあたりが一発芸なのかについて解説していきますね。
世界観がファンタジーなギャグ漫画
さて、この作品の最大の特徴は「世界観がファンタジーなギャグ漫画」である点です。ギャグ漫画では、テンポよく読者に笑いを届けなくてはならないので、世界観を複雑化して、その世界について細かい紹介をすることができないのです。
ファンタジー世界でギャグ漫画を描くメリット
だからこそ、ギャグ漫画は世界観の説明が不要な日常を舞台にすることが多いのですが、「ドラゴン、家を買う」では、日常ではなく、我々が様々な作品でよく知っている世界である、ファンタジー世界でギャグ漫画を描くことにしたのです。ファンタジー世界であれば我々に「ドラゴンは怖くて強いものだ!」とか「勇者は正しい人間だ!」というイメージが定着しているので、いちいち世界観について説明する手間がなくて済むのです。
一発芸
さらに、ファンタジーの世界では、読者それぞれに固定観念があるので、「ドラゴンなのに臆病」だとか「勇者なのに性格が悪い」だとか、◯◯なのに◯◯という構図を取ることで、テンポよく同じようなギャグを読者に届けることができるのです。このように◯◯なのに◯◯という一発ギャグを延々とテンポよく展開している作品こそがこの「ドラゴン、家を買う」なのです。
色々な作品のネタもちょくちょくと
このようにギャグとしては一定の法則性を持つものをテンポよく展開して笑いを誘う本作ですが、もちろん、このような単調な笑いを繰り返すだけでなく、ファンタジーという世界観を活かして、様々な作品に登場するファンタジー世界のキャラクターたちを模した小ネタをちょくちょくと挟み、ネタのマンネリ化を防いでいます。
一発芸作品の面白さ!
このように客観的に分析していると、なんだか単調な笑いを繰り返している面白みのない作品のように感じてしまうかもしれませんが、実際に作品を読んでみると、その圧倒的な描写力や生き生きと描かれたキャラクターたちに魅せられ、すぐに作品の世界観につかることができます。
実験的な作品
このように、「ドラゴン、家を買う」は通常では日常舞台に描かれることが多いギャグ漫画を、あえてファンタジーという世界観で描くことによって我々が持っている固定概念をうまく逆手に取る作品として完成されているのです。
それだけじゃない!!「ドラゴン、家を買う」の面白さ!!
さて上記では「ドラゴン、家を買う」の面白さは一発芸としての面白さだ!という風に解説をしましたが、もちろん「ドラゴン、家を買う」の面白さはそれだけではありません、ここでは一発芸としての「ドラゴン、家を買う」とは別の「ドラゴン、家を買う」の面白さについて紹介しようと思います。
昔の少女漫画のようなヒロイン!
「ドラゴン、家を買う」の世界に登場するキャラクターたちは、一見すると、「昭和に描かれた漫画なのか?」というぐらい古い作画であるかのように感じます。しかし、思い返してみれば、現代でこのような作画で描かれている漫画は少なく、逆に新鮮な作画であると言えるのではないでしょうか?
「ドラゴンと王妃」というコント
「ドラゴンと姫」という単語を聞いた際に皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?当然ではありますが「ドラゴンにさらわれたか弱い姫」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?しかし、本作では姫は父親である国王と喧嘩して家出をしたキャラクターとして描かれています。このように私たちのイメージとはズレたキャラクターが多々存在します。
勇者がただの厄介者
ファンタジー世界の勇者といえば「勇敢で正しい存在」と思う方がほとんどだと思いますが、本作に登場する勇者はただの厄介者で、なおかつ噛ませ犬というひどい扱いを受けています。このように、様々なキャラクターの他の作品では見ることのできない姿を垣間見ることができるというのも、本作の1つの魅力なのではないでしょうか?
モンスターハンター
別の作品を彷彿とさせるネタが数多く登場すると紹介しましたが、本作で最も別の作品を彷彿とさせるネタ枠として登場する人物はハンターのヒューイというキャラクターです。小型の猫を連れたハンターという時点で、もうどの作品のことを指しているのかわかる方も多いのではないでしょうか?作中ではこのようにどこかで見たことがあるような組み合わせが多々登場します。彼らの活躍を別の作品と重ね合わせて楽しんでみるのも、また面白いかもしれませんね。
一人歩きする「炎竜王伝説」
さらに、実際は弱いはずの主人公のドラゴンが「炎竜王」として恐れられているという面白さもあります。作品でとんでもなく強い存在として扱われている主人公を見ながら「本当はすごく弱いのに」と思わずフフッとなってしまうような面白さが本作にはあるのです。
弱くて臆病なドラゴン
このように本来強いはずの存在であるドラゴンをあえて弱く描くことによって、数多くの方向性の笑いを読者に届けることができるのです。
ファンタジーの謎を解決していく!!
さらに「ドラゴン、家を買う」ではファンタジー世界という舞台を利用してギャグを展開するだけでなく、我々がファンタジー世界を舞台とした作品と親しんでいるうちに「これはどうなってるだろう?」と思った疑問を1つずつ解決していくということも試みています。
道具袋と魔王のポシェット
ファンタジー世界を舞台としたゲームで我々が普段疑問に思うのが主人公の道具袋のではないでしょうか?様々なアイデアが制限なく入る道具袋には「一体どういう構造なんだ?」と疑問に感じる読者も多いのではないでしょうか?そのような疑問に本作ではディアリアが所有している魔法のポシェットが登場することで「ファンタジーの世界ではそのような袋が存在する」というように説明しています。
ダンジョンはどのように成り立っているのか?
ファンタジーを舞台とした世界のゲームに登場するダンジョンですが、あらゆる罠が仕掛けられているダンジョンはどのように用意されているのでしょうか?「ドラゴン、家を買う」ではこのようなプレイヤー側の希望に対して、家主となるモンスターが自ら資金を積みマイホームとして購入するという形の説得を行っています。
ステータスカードはマイナンバーカード!?
道具袋やダンジョンに続いて、ファンタジー3大七不思議であるステータスカードの存在ですが、作中ではステータスカードはモンスターの個人情報を管理するためのものであり契約や取引をする際に利用されるという風に説明されています。
勇者と犯罪
様々なRPGゲームをこなしているうちに疑問に思う点が、人の家に勝手に入ってアイテムを取る勇者は犯罪を犯しているのではないだろうかということです。作中では実際に勇者が平気で犯罪を犯す厄介者として描かれており、我々が普段勇者に対して感じる疑問点をうまく反映した人物設定となっています。
ゲーム好きは必見!!
このように「ドラゴン、家を買う」の世界では我々が普段疑問に思う点について様々な角度から解釈を行っており、普段からこれらの疑問を持ちやすいゲーム好きの方に、非常におすすめできる作品となっています。
「ドラゴン、家を買う」がおすすめの理由
上記の内容では「ドラゴン、家を買う」がいかに面白いのかということを紹介してきましたが、ここでは、面白いだけではない「ドラゴン、家を買う」が皆さんにオススメな理由をさらに紹介していきたいと思います。
現在発行されているのは6巻のみ!!
現在発行されている「ドラゴン、家を買う」の巻数は6巻のみで、すぐに買い揃えることができます。「漫画を読みたいけど巻数がたくさん出ている作品はお金がかかってしまい手を出しにくい」という方にはまさにもってこいの作品なのではないでしょうか?
読みやすい!
このように、もともとがギャグ漫画であり、なおかつ巻数が少ないことから「ドラゴン家を買う」は非常に読みやすい作品であるといえます。別の作品と併用して読みたいという方にもオススメできる作品です。
これまでの知識が活きる!!
何よりも「ドラゴン、家を買う」では私たちが別の作品で触れてきたファンタジー世界での知識が多いに活きます。特にドラゴンクエストやモンスターハンターなどの作品が好きな人には非常に面白い作品だと思いますので、ぜひ読んでみてくださいね。
他の作品と合わせて楽しみやすい!!
このように「ドラゴン、家を買う」は非常に見やすい作品であると同時に別の作品との相性も良い作品なので、ぜひ別の作品を楽しみながら、一緒に楽しんでみてください。
まとめ
いかがでしたか?今回は「ドラゴン、家を買う」についてその面白さを解説していきました。一見、単調なように見えるギャグマンガですが、その裏には多くの工夫が隠されていることがわかりましたね。ぜひ皆さんも、別の作品と併用しながらでも、この作品を楽しんでみてくださいね。