女学校で繰り広げられる日常を、美しく描いた作品「マリア様がみてる」。明るくて元気な主人公、祐巳は憧れの先輩である祥子と、晴れて姉妹関係を結びます。しかしふたりには一般市民と、とんでもないお嬢様という、大きな溝が…! そんなふたりのギャップについて、考察してみました。
許嫁の存在
まず祐巳が驚かされるのは、祥子の許嫁、柏木優の存在です。それも相手は、イケメンの御曹司という、非の打ち所がない男性でした。さらに高校生にして、スポーツカーまで所持しています。彼は祐巳にとって、祥子を巡るライバルのような存在です。しかし、祥子が体調を崩した時や、落ち込んだ時など、何かと先を越されてしまい、そのたびに祥子のいる世界と自分の立場の違いに凹まされます。
初めての庶民デート!
学園の行事に勝利した祐巳は、祥子とふたりきりでのデート権を獲得します。祥子をリードする初めてのデートで、自分の行きつけの店をまわる祐巳。しかしその道中でも、格差を感じてしまう出来事が…!デート中にファーストフード店や、Gパン扱っているような洋服店へ入ったことがないことを明かします。むしろ今まで日本のどこで暮らしていたの? と疑いたくなる常軌を逸したお嬢様ぶりに、祐巳も驚かされていました。
あえての、どじょうすくい!?
先輩たちが卒業する日、聖に担がれた祐巳ら一年生3人は、一発芸を披露させられることになります。悩みに悩んで祐巳が選んだ一発芸は、なんと安来節…どじょうすくいだったのです!一般的な学校であればまだしも…それでも、かなり浮きそうですが、散々一年間お嬢様たちを見てきた上で、なぜあえての安来節をチョイス…?卒業式の前日に聖から告げられたことや、家に唯一あった小道具がそれだったということが大きかったのでしょうが、ここにきて祐巳は強烈な庶民さを見せつけてくれました。物珍しさからか祥子たちには大ウケだったので、大成功!?
手土産はお米!
夏季休暇中、祥子に誘われて祐巳は小笠原家の別荘へと訪れます。初めての別荘に緊張しながらも、母親からの手土産を渡す祐巳。その中身はお米で、早速今夜頂きましょうと、祥子は喜びます…が。お米を手土産に持ってきたことを知った、小笠原家と懇意の財閥のお嬢様は、祥子をいじり倒します。どこへ行ってもクスクスと笑われ、「お米の子よ…」と陰口が…。手土産としてお米は、十分すぎるくらいに思われますが、お嬢様の感覚だと全く違うようでした。また手土産のことだけでなく、楽器を演奏できないこともなじられていました。これまで学園では優しいお嬢様たちとしか、接することがなかった祐巳にとっては、悲惨な状況でした。
まとめ
全く違った世界で生きているのにも関わらず、お互いのことを認め合える祥子と祐巳の関係は、見ていて羨ましいです。全く違っているからこそ、それぞれ新しい発見があり、楽しめるのかもしれません。