いちいち熱くてかっこいいグレンラガンですが、特に心に刻まれるのが別れのシーンです。グレンラガンの物語をたどりながら、彼らはどのようにして別れていったのか、考察いたします。
カミナ、親父との別れ
地上に出ることの1つの目的として、父親と会うことを夢見ていたカミナ。しかし、その願いもむなしく、出会った父親は既に亡くなっていました。カミナは再開を果たせなかったことを悲しみ、そして地上で生きることの厳しさを痛感します。しかしこのことから、カミナは人々が地上で平和に生きていける世の中を作ろうという、決意を固めます。父親との別れによって、カミナは強くなったのです。
ロシウ、仲間との決別
貧しくも支えあいながら、村人たちと生きてきたロシウ。しかし、新しい命が誕生するのと同時に、くじ引きを引いて当たりが出た人間を犠牲にして、食い扶持を増やすという村の制度に違和感を覚え、村を出ることを決意します。慣れ親しんだ場所を離れ、家族とも言える人々と別れるということは、勇気のいることです。ロシウはその一歩を踏み出したことにより成長し、シモンの右腕として、地上で平和に暮らすための手助けをします。
カミナとの突然の別れ
アニメを観ていた人にとっては、最も衝撃的なシーンだったのではないでしょうか。メインキャラクターであり、主役だといっても過言ではない、カミナが戦いの途中で真っ白に燃え尽き、死んでしまいます。奇跡も助けも現れない、残酷な運命でしたが、その命が尽きるまで叫び続けたのは、彼らしい最後でした。また、次話のオープニングからは完全にカミナがいなくなっており、改めてカミナはいないのだと感じさせられ、涙を誘いました。
ニアとの誓いと別れ
シモンと恋人同士となり、地上の平和を守るため共に戦ったニア。しかし彼女は人類と敵対するアンチ=スパイラル側の存在であることから、アンチ=スパイラルが消滅することで、存在することができなくなってしまいます。最後の瞬間、結婚式を挙げ、永遠の愛をシモンとニアは誓いました。ニアとの別れが近づいていることを知りながらも、気丈に結婚式を進めるシモンが印象的でした。最高の幸福感に包まれながらも、もう愛する人との時間を過ごせないニアを想うと、とても残酷な結末です。シモンはニアが亡き後も、彼女との思い出を胸に、旅立ったのでした。
まとめ
別れは総じて辛いものですが、キャラクターを成長させるきっかけともなっていました。特にグレンラガンは、物語上メインキャラクターたちがどんどん亡くなってしまいますが、互いにひとつの目的のために戦った彼らは、死を超越する絆で結ばれていたのではないでしょうか。