2022年7月から第2シリーズが放送される人気アニメ、メイドインアビスは可愛らしいキャラクターデザインに世界樹の迷宮やウィザードリィシリーズに影響を受け、その難易度を100倍くらいにした殺伐とした舞台設定と、その中で必死に生き抜くキャラクターたちの躍動を描いた作品です。容赦の欠片もないトラウマシーンは確かに心にくるものがありますが、その展開があってこそ、ストーリーを際立たせとてつもないカタルシスを味わえる作品です。今回は1期と劇場版で登場した心に残るトラウマシーンをまとめてみました!
目次
トラウマセレクションその① 上昇負荷を受けて瀕死になるリコ
深界三層から四層へと降りてきたリコとレグですが、そこで二人は固く毒を持った針が全身に生えた狂暴で凶悪な生物『タマウガチ』と遭遇してしまいます。実質的に未来を予知する能力を持ったタマウガチは、遭遇したら無事ではいられないヤバい原生生物でした。そして、リコがタマウガチの針に刺されてしまいます。機動力のあるタマウガチから逃走するには、上に行くしかありません。しかし、上に行くということは強烈な上昇負荷を受けることにほかなりませんでした。
はじめてのトラウマ
四層の上昇負荷は全身に走る激痛と、穴という穴からの流血。 さらに毒による影響もあって、リコは血まみれの死にかけとなってしまいます。今まではシニカルで怖そうに見えたけど実は聖人だったオーゼンや、案外簡単に突破できた三層から案外いけるじゃんと思っていた視聴者たちに現実を見せたはじめてのトラウマシーンであり、本作が情け容赦ない展開でトラウマを植え付けに来る作品であると分からせたシーンです。アニメで言えば10話、EDが明るい曲なので複雑になった視聴者も多いことでしょう。
トラウマセレクションその② ミーティの成れの果て
リコを助けた成れ果てのナナチは、元々身寄りのない孤児でした。白笛と呼ばれる生ける伝説の一人、黎明卿ボンドルドはナナチを含めた身寄りのない子供たちを保護していました。ナナチはそこで、一緒にいたミーティという女の子と仲良くなります。ある時期までは、幸せな日々が続いていました。ある時期までは……。
悪魔的実験
ボンドルドはある研究を行っていました。それは、上昇負荷による呪いを他人に押し付けるというものでした。実験には孤児たちを使っており、ナナチとミーティは六層の上昇負荷、人間性の喪失を片側に押し付けるという実験の材料にされていました。エレベーターのような装置で六層に落とされた二人はそこでかつて人間だった孤児たちだった生き物を見ます。それは実験に耐えられず、異形の生物と化した仲間たちの成れの果てでした。
だいたいこいつのせい
やがて、二人にも実験が始まり、上昇が始まるとミーティは激痛に悲鳴をあげながら異形の生物へと変貌していきます。ナナチの呪いは全てミーティが引き受け、ナナチは上昇負荷によるメリットだけを受けた唯一の成功体となりました。実験が始まる前にミーティが泣きながらナナチを励ましていたシーンと合わせて、強烈に心を抉ってくるシーンです。本作のトラウマシーンの大半は大体ボンドルドのせいです。
トラウマセレクションその③ 解剖されるレグ
劇場版深き魂の黎明より。深界六層へ進むためにはボンドルドとの接触は避けられませんでした。ナナチにとっては仇敵のボンドルドですが、意外にもボンドルドは暖かく三人を迎え入れます。リコはボンドルドの娘のプルシュカと仲良くなり、ナナチはボンドルドにここに戻ってくるからリコとレグには手を出さず、先に進ませてやってくれと頼み込みます。しかし、ナナチがそれを言った時点でボンドルドはその約束を叶えることが出来なくなっていました。というのも、もうすでにレグに手を出していたからです。
ボンドルドとの対決へ
ボンドルドは機械の身体のレグがとても気になったので解剖してみたいと思っていたのです。そして、当然の権利のように眠っているレグをとらえ、解剖を始めていました。大切なお客様とか、ナナチに対する配慮とかそういうのは一切ありません。ボンドルドには常人が持ち合わせている常識は通用しません。オーゼンはボンドルドを筋金入りのろくでなしと評し、ハボルグは得体の知れない何かが仮面被ってヒトの真似事をしていると評しました。それはまさにその通りで、そのヤバさは視聴者の背筋を凍り付かせるものでした。
トラウマセレクションその④ ボンドルド卿!新しい身体よ~!
ボンドルドとの対決で、リコたちは緻密な作戦を立ててボンドルドを迎撃し、その結果ボンドルドに無理矢理上昇負荷をくらわせることによって、ボンドルドを瀕死に追いやります。誰がどう見てももう助からない状況で、ボンドルドをパパと慕うプルシュカは嘆き悲しみます。しかし、そのとき一人の祈手がボンドルドの元に近づき、自分の頭とボンドルドの頭を挿げ替えます。
復活するボンドルド
そうするとなんとボンドルドは復活します。顔が濡れて力が出なくなったアンパンマンの逆で、新しいからだに頭をくっつけたら何事もなかったかのように復活してしまったのです。プルシュカは喜んでいましたが、視聴者とリコ、レグ、ナナチの三人は絶句。この顔である。何なんだお前は!
トラウマセレクションその⑤ カートリッジの正体は?
ボンドルドが生み出した画期的な発明品の中に、上昇負荷を軽減するカードリッジという発明品がありました。それだけ聞くと革新的な発明品ですが、その正体は生きた人間を箱詰めにして持ち運びできるようにしたのもでした。そのカードリッジに上昇負荷を押し付けることで、疑似的に負荷を回避する、倫理観の欠片もない発明品だったのです。
プルシュカだったもの
リコたちの対決でボンドルドはカートリッジをフル装備していました。上昇負荷をもろともせずに戦うボンドルドですが、カートリッジは次々と消費されていきます。そして、恐ろしいことにボンドルドはそのカートリッジだった子供たちの名前を全て覚えており、そのすべてを愛していました。子供たちに愛を注ぎ、愛されることで呪いは祝福へと変わるのです。そして、そのカートリッジの名前の中には、つい先日まで人間として生きていたプルシュカもいました。ボンドルドが最後に排出した無機質なカートリッジは、プルシュカそのものだったのです。
【メイドインアビス 烈日の黄金郷】トラウマセレクションまとめ
メイドインアイス1期、劇場版におけるトラウマシーンをまとめてみました。だいたいボンドルドのせいでした。でも、ボンドルドは本作品を象徴するキャラであり、ボンドルドのエピソードはアニメ、漫画史に残るほどの名作であることも確かです!ボンドルドがほぼ出てこない2期ではトラウマシーンはかなり薄まると思います!