2022年7月に放送開始されるアニメオリジナル作品『ユーレイデコ』みなさんはどこまで情報収集しましたか?本作は『映像研には手を出すな!』で一躍有名となったサイエンスSARUの手掛けう完全新作アニメーションということで非常に大きな期待を集めている作品なのですが、いかんせん原作が存在しないということもあり、作中の設定はストーリーについてまだまだわからないことだらけですよね。そこで、今回は本作の明らかになっている設定と、何よりも本作の舞台である「トムソーヤ島」について現在明らかになっている情報や、それらの情報から推測できる本作の舞台「トムソーヤ島」の魅力について紹介していきたいと思います!
目次
トムソーヤ島とは!?
さて、本作『ユーレイデコ』の舞台であるトムソーヤ島ですが、このトムソーヤ島というのは一体どのようなところなのでしょうか?現在明らかになっている情報などを元に推測をしていきたいと思います。
作品予想はまず舞台から!!
トムソーヤ島に関してはまだまだ明らかになっていない点も多くありますが、物語の舞台という性質上、他の設定に比べて情報を露出が多い設定であるというのは間違いありません。本作のストーリーを推測する上で一番の手がかりになる要素だと言えます。
PVでトムソーヤ島を分析しよう!
特にトムソーヤ島に関してはPVの時点でかなりの情報が公開されており、誰でも気軽に本作の舞台であるトムソーヤ島の雰囲気に触れることができます。本作のPVと今回の記事を合わせてご一読いただけますと、本作の舞台のトムソーヤ島についてよりよく知ることができると思います。
トムソーヤ島の元ネタ
そもそも、トムソーヤ島とはどのような場所なのでしょうか?ここからは本作に登場するトムソーヤ島の元ネタについて解説していきたいと思います。トムソーヤ島自体は非常に知名度のある作品に登場する場所ですので、もしかしたら本作以外で既にトムソーヤ島に触れたことのある読者の方々も多いのではないでしょうか?
『トム・ソーヤの冒険』
トムソーヤ島と聞いてまず初めに思い浮かぶのはアメリカの大人気児童文学作品の『トム・ソーヤの冒険』だという読者の方も多いのではないでしょうか?そもそも、トムソーヤ島のトムソーヤというのも、『トムソーヤの冒険』の主人公であるトム・ソーヤ(通称トム)の名前からとっているものなのです。
冒険活劇
この『トム・ソーヤの冒険』は日本のアニメーションでも題材になっているほどポピュラーな冒険活劇作品で、アメリカ児童文学としては『オズの魔法使い』と並ぶほどの知名度を得ている作品なのです。
ディズニランドにも!!
『トム・ソーヤの冒険』の雰囲気を味わってみたい!という読者の方は、ディズニーランドに本作に登場するトムソーヤ島と同じく「トムソーヤ島」という島がありますので、訪れてみてください。本作に登場する『トムソーヤ島』の元ネタである元々のトムソーヤ島の雰囲気をすぐに掴むことができると思います。
トムソーヤ島のちょっと変わった表現を深掘り!!
それでは、ここからは本作におけるトムソーヤ島のちょっと変わったところや面白い表現について紹介していきたいと思います。本作が全体的にそうなのですが、本作の舞台であるトムソーヤ島は特に少し変わった表現が目立つ設定ですので、特に詳しくみていきたいですよね。
独特な配色センス
まず本作を見たときに真っ先に感じるのが本作の独特な配色センスですよね。本作はデジタル上のバーチャル空間であるトムソーヤ島を舞台にした物語であり、本作の舞台も現実世界ではなく主に電脳世界が描かれることとなります。そのため、本作の配色はどこか現実離れしたものとなっており、非常に派手でどこか我々の目を引くものとなっているのです。
細田守作品『サマーウォーズ』との共通点
この電脳世界をコントラストの激しい配色で描くというトムソーヤ島の独特の表現ですが、電脳世界を独特なタッチで描くというのは実はかなり昔から試みられている表現なのです。数多くある電脳世界を描いた作品の中でも2009年に公開された細田守監督作品の『サマーウォーズ』は本作同様、電脳世界を独特な配色で描いた作品であるといえます。
電脳世界を表現する
『サマーウォーズ』のOZでも『ユーレイデコ』のトムソーヤ島でも、共通して言えるのは我々の住む現実世界とは大きく異なる浮世離れした世界をどこまで視覚的に表現することできるのか?という点にチャレンジしている点です。本作のトムソーヤ島でもカラフルで不思議な配色をしていることで、現実世界との対比を目指しているのですね。
トムソーヤ島の起源を探そう
それでは、『サマーウォーズ』や『ユーレイデコ』に代表されるような立体的でカラフルな独特の世界観というのはどこからきているのでしょうか?ここからは本作の舞台であるトムソーヤ島の世界観の『サマーウォーズ』よりも更に前の起源について考えていきたいと思います。
村上隆作品
トムソーヤ島のような近年のアニメ作品における独特な配色センスに大きな影響を与えた人物として絶対に押さえておきたい方に、日本出身の世界的アーティスト村上隆さんという方がいます。彼は独特な配色を駆使した数多くの芸術作品を生み出しており、彼の描いた作品は海外で大きな評価を得ています。
日本のアニメ作品をポップアートに
なぜ、村上隆作品が本作のトムソーヤ島の配色を読み解く鍵になるのか?という点なのですが、それは村上隆作品は日本のアニメ作品の配色センスから大きくインスピレーションを受けた作品だからなのです。つまり、彼の作品は日本のアニメ作品をより芸術的な視点で書き換え、更に色畦やかに焼き直すことによって生まれた作品であると言えるのです。
ポップアートとしての日本アニメ
このように、近年の日本アニメーションは単なるアニメとしてだけではなく、村上作品がそうであったように芸術作品としての性質も持ち合わせるようになっているのです。数多くのアニメ作品が海外の賞を獲得しているニュースを見ることも多くなったと思いますが、海外では日本のアニメ作品を物語としてではなく、配色やセンスを楽しむ先進的な芸術作品であるという意識もあるのです。
電脳世界の異質さと日本のアニメ配色の相性
近年ではそんな彼の独特な配色センスが、アニメ業界へあらためて再輸入され、本作のトムソーヤ島やサマーウォーズのOZのような非現実的な描写を描く際の配色に影響を及ぼしていると考えることができます。村上作品のようなカラフルで不思議な配色と電脳世界という現実から乖離した世界というのは非常に相性がよく、本作のトムソーヤ島をはじめとして数多くの作品でこの村上風の世界観が電脳世界として描かれているのです。
「電脳世界はカラフルだ」というステレオタイプはどこからきたのか?
それでは、そもそもアニメ作品における「電脳世界はカラフル」であるべきだ、というステレオタイプはどこからきたのでしょうか?私はこの電脳世界のイメージは元祖SF作品である「ブレードランナー」から来ているのではないかと考えています。
ブレードランナーが世界に与えた影響
ブレードランナーも同じく電脳化した近未来を描いている作品なのですが、極めてカラフルな世界観で描かれている作品です。ブレードランナーは実写作品ですので、アニメのような書き込みはできないのですが、水溜りにカラフルな色を発する高層ビルを描くことで幻想的な世界観を演出しています。この表現が当時としては極めて活気的だったのです。このようなブレードランナーの近未来の描き方は、のちに全世界のクリエーターに大きな影響を与えることとなりました。
ブレードランナー×村上隆×アニメ
この「近未来はカラフルでどこか幻想的だ」という『ブレードランナー』が描いた世界観と、村上隆作品によって提示されたよりポップな芸術作品としての色合いの二つをうまく折り合わせて描かれている作品こそが本作の『ユーレイデコ』魅力なのではないでしょうか?
その他の作品でも感じることができる「ブレードランナー風味」
本作のトムソーヤ島のような世界観は、その大元を辿ってみると名作SF映画『ブレードランナー』の影響を色濃く受けていることがわかりますね。しかし、『ブレードランナー』の影響を受けているのは本作だけではありません。先ほど紹介した『サマーウォーズ』も含めて世界各国のSF作品の世界観に影響を与えています。まさに『ブレードランナー』はSF作品の表現の全ての教科書とも言える作品なのです。
トムソーヤ島とSF作品の歴史
このように、本作の舞台であるトムソーヤ島一つに注目してみても現代ポップアート作品や、超有名ハリウッド作品の影響をみることができました。本作のトムソーヤ島のようなどこか不思議で懐かしい未来の描き方は、これらの歴史の中で、どのような新しい近未来の描き方を本作で我々に提示してくれるのか、今から楽しみですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は本作『ユーレイデコ』の舞台であるトムソーヤ島について解説していきました。アメリカの超有名な児童文学から名前を持ってきていたり、描写の一つ一つに数々のSF作品の世界観が織り交ぜられていたりと、非常に示唆に富んだ舞台であると言えるのではないでしょうか?トムソーヤ島のみにかかわらず、本作では数多くのSF好きが唸るような設定も仄めかされていますので、SF作品が好きな読者の方はぜひ本作を楽しみにしていてくださいね!