小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されている『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』は、転生をテーマにしている作品の中でも特殊な作品と言えるでしょう。主人公が、なんと転生後の世界で自動販売機になってしまうのです。人でも動物でもなく機械になるという斬新な設定で、今から期待度が高い作品です。7月にはアニメが放送されることで注目されています。そこでアニメの放送前に、原作での面白エピソードを筆者の独断ではありますが紹介したいと思います。紹介したエピソードが全て放送されるかは分かりませんが、期待を込めて紹介していきます!
はじめに:あらすじ紹介
生粋の自動販売機マニアである「俺」は交通事故に巻き込まれた時に、倒れる自動販売機を助けようとしてその下敷きになって死んでしまいます。目が覚める何故か自動販売機に転生しており、体は動かず、声も録音済みの限られた言葉しか話せない状態でした。誰もいない状態で孤独に過ごしていると、怪力少女のラッミスに出会い、意志を持つ魔道具だと認識されます。迷宮内の村まで連れていかれた自販機の「俺」は、ハッコンと名付けられ、自販機として地球の飲食物を異世界の住人に販売することになりました。ハッコンの異世界での不思議な生活が始まります。
主人公の自動販売機愛がスゴイ!
序盤からいきなり、主人公の「俺」が自動販売機に対する愛を存分に語っています。「俺」はもし財布に千円しか入ってなくて、それで一週間生活しなければいけないと言われたら、迷わず自動販売機に使うと語っています。見知らぬ商品が入っていたら購入したいと思っているようですが、自販機が好きな理由は中身だけではありません。当然外観も好きであり、中身が色んなジャンルであふれている自販機のことは、宝箱のようだと表現しています。古今東西の自動販売機に興味があり、気に入った物は実際に現地まで旅に出るほどの自販機マニアです。そんな彼は、倒れてきた自動販売機の下敷きになって死亡してしまいます。しかし、彼の上に運悪く自販機が落ちてきた訳では無く、落ちてきた自販機を助けようとして自販機の下までわざわざ行き、その結果押しつぶされて亡くなったのです。心から自販機を愛していた「俺」らしい行動といえるかも知れませんが、その結果亡くなってしまうのは何とも皮肉なことです。
ラッミスとの出会い
自動販売機に転生した後、まともに動くことが出来ず孤独な日々を過ごしていた主人公でしたが、ある日お腹を空かせた少女と出会います。彼女はハンターで怪力が自慢でしたが、上手く扱うことが出来ずパーティーメンバーの足手まといになっていると感じていました。彼女は初めて見る自販機に興味津々でした。お金を入れられた自販機は、彼女にコーンスープを提供します。初めて食べるコーンスープの美味しさに少女は感動します。自販機も、彼女には聞こえませんがコーンスープの良さを熱弁します。彼女は自身をラッミスと名乗り、自販機とコミュニケーションを取ろうとしますが、機械なので当然出来ません。しかしラッミスは何とかしてスキンシップを取るべく、自販機を担いで移動することにしました。怪力の彼女にとっては、自販機を運ぶことなど容易いのでしょう。その後自販機は「ハッコン」と呼ばれるようになります。自販機との出会いで一人の少女が救われました。まさに、人間と機械の友情が芽生えた瞬間です。
ハッコン、ピンチを乗り切る
冒険の途中でワニの魔物と戦うことになったハッコンは、ワニの猛攻に苦戦します。弁当の販売機に変身し、からあげ弁当を出すことでワニの空腹を満たそうと考えましたが、結局ワニに飲み込まれてしまいます。胃液によってポイントがどんどん減っていき、このままでは自分の身が危ないと感じたハッコンは、自販機の中身を洗濯用洗剤に変えます。次々に洗剤を出すことで胃液に影響を与え、ワニに苦痛を与えていきます。しかしそれだけでは倒すことは出来ないと判断し、ガスの自販機に変更することでガスをワニの体内に充満させました。更に、火をつけて爆発させようと考えますが、自販機の体ではコンロを出しても捻ることが出来ません。ここでハッコンが思いついたのは、冷凍食品を解凍するための温め機能を使う方法です。まず缶を落とし、その後に上からタオルと新聞紙を落として加熱します。火が付いたら取り出し口から放出し、その充満したガスに触れて大爆発を起こしました。自動販売機の特徴をフルに使った機転の利いた作戦は、見事に成功したのでした。
ラッミスの憂慮
自動販売機としての能力を使い、魔物相手に無双しまくっていたハッコン。新たな技も覚え、向かうところ敵なしに見えました。しかし仲間の一人から、ポイント消費について心配されます。ハッコン自身は大丈夫だと思っていましたが、ポイントは思った以上に減っていました。いつもと違う巨大自動販売機ということもあり、ポイントの減りが全然違ったのです。そのような無理をして一番怒るのは誰かというと・・・そう、相棒のラッミスです。ラッミスは、誰よりもハッコンのことを心配していました。「そこに座りなさい」と言って、まるで母親のように説教を始めるラッミス。ハッコンはそれに対して返事などすることが出来ないのですが、ラッミスはハッコンの心の動きが何となく分かるようです。ハッコンが心の中で「反論せずにだまって反省するフリををしよう」と考えていると、そのことにラッミスが勘付いたりします。相棒だからこそ、分かる部分があるのでしょう。彼女がハッコンのことを大切に思っていることが良く分かるシーンです。
原作の面白エピソードまとめ
前半2つのエピソードは原作の序盤に登場するので、アニメでも観られる可能性が高いと思います。後半2つは、原作だと中盤以降のエピソードになってくるので、もしかしたらアニメでは放送されないかも知れません。しかし原作は既に完結しているので、1クールで原作の内容を全て放送する可能性もあります。個人的には第2期も制作して欲しいと思う位面白い作品なので、第1期でどこまで放送されるか気になる所です。7月の放送が今から楽しみですね!それでは今回はここまでです。読んで頂きありがとうございました。