『薔薇王の葬列』は中世のイングランドが舞台となっており、ヨーク家とランカスター家の王位を巡る戦いである「薔薇戦争」がテーマになっています。ウィリアム・シェイクスピアの史劇がモチーフになっていることでも有名な作品です。原作は2021年3月時点で15巻まで出ています。原作では第一幕と第二幕があり、現在は第二幕の段階です。おそらくアニメ版では第一幕の内容を描くのではないかと思われます。今回は、第一幕のあらすじをネタバレ含めて紹介したいと思います!
目次
はじめに:どんな物語?
舞台は中世のイングランドです。王位のために、ヨーク家とランカスター家は争奪戦を繰り返していました。ヨーク家の三男として生まれたリチャードは、生まれつき男女両方の性質を持つ「両性具有」であることが原因で、母からは「悪魔の子」と呼ばれ蔑まれていました。一方で父・ヨーク公からは愛情を受けて育ちます。父に王位に就いて欲しいリチャードですが、彼の願いはイングランドに戦乱を巻き起こすことになります。さらに、リチャードは自身が両性具有であることを秘密にしており、秘密を抱えながらリチャード自身も戦いに巻き込まれることになります。
ネタバレ ① リチャードの願い
「悪魔の子」呼ばわりしていた母のセシリーと違い、父のヨーク公は息子のリチャードに愛情を注いでくれました。リチャードは大切にしてくれた父を敬愛し、父が王になることを願います。王になるため、ヨーク公はランカスター家の王であるヘンリーと約束を取り交わしました。その結果、順当にいけば次の王になるはずだったヘンリーの息子のエドワードは、王位を継承できなくなってしまいました。息子の次の王座を奪われたことに王妃のマーガレットは失望し、不甲斐ない夫だと感じるようになります。
ネタバレ ② 女性としての目覚め
男女両方の性質を持っているリチャードですが、リチャード自身は強い男でありたいと願っています。ある日、リチャードはランカスター家の王子、ヘンリー六世と出会います。ランカスター家はヨーク家にとっては宿敵なのですが、リチャードはヘンリーの素性を知らず、そのまま惹かれていきます。ヘンリーに惚れたことによって、リチャードは自身の中にある「女」としての部分を自覚するようになりました。ヘンリーはリチャードを女性だと信じており異性として惚れ込むようになりますが、リチャードが父と抱擁している場面を見て、嫉妬から怒りを募らせるようになります。
ネタバレ ③ ヨーク公の死後
リチャードの父は戦いに敗れ、王妃マーガレットの手によって処刑されてしまいます。ヨーク家の長男のエドワードは父の跡を継ぐことになり、激しい戦いの末にランカスター家を打倒し、ヘンリー六世に代わって王位に就きました。エドワードには婚約話が既に持ち上がっていましたが、エドワードは小貴族の未亡人であるエリザベスに魅了され、彼女を王妃にしました。しかしエリザベスの目的は、亡き夫の復讐でした。
ネタバレ④ エドワードの運命
エドワードが勝手に結婚したことに怒りを覚えたウォリック伯は、ヨーク家の次男であるジョージを誘ってランカスター家と手を組み、エドワードを失脚させることでヘンリー六世を再び王座に返り咲かせました。エドワードは囚われますが、リチャードの手によって助け出されます。ヨーク家三兄弟の力でランカスター家を倒し、ウォリック伯は殺されます。マーガレット王妃とエドワード王太子の親子も戦いを挑みますが、エドワード王太子は最終的に殺されてしまいます。ウォリックの娘であるアンは、夫のエドワード王太子を失ったことを後悔しており、妹のイザベルの悪巧みによって酷い扱いを受けるようになります。
ネタバレ⑤ ヘンリー六世の末路
リチャードは捕らえられていたヘンリー六世が、実は愛した男性・ヘンリーであることを知ってしまいます。父の仇であると知りながらも、愛する気持ちが邪魔をして殺すことが出来ません。長男のエドワードは母のセシリーから殺すように唆され、リチャードは全てをさらけ出し、愛して欲しいと懇願します。ヘンリーは混乱状態の中、リチャードの気持ちを拒絶し、ヘンリーは失望したリチャードに刺されてしまいます。
あらすじのネタバレ紹介まとめ
『薔薇王の葬列』の第一幕の部分をネタバレ含めて紹介しました。父に王になって欲しいというリチャードの純粋な願いは、薔薇戦争と呼ばれる大規模な王位争奪戦を引き起こしました。王位を巡る戦いは人間としての欲が生々しく描写されており、読みごたえがあります。そしてリチャードの性に関する秘密と、その秘密によって巻き起こる禁断の人間関係は、読者をハラハラさせること間違いありません!気になった方はアニメを観る前に是非原作を読んでみて下さい!それでは今回はここまでです。読んで頂きありがとうございました。