「あひるの空」の主人公は150㎝のバスケットボールプレイヤー・車谷空です。身長が重量視されるバスケットボールにおいて、不利ともいえる体格ながら、持ち前のバスケットセンスで相手と渡り合っています。そんな車谷空はバスケットボールプレイヤーとしても、彼の性格や過去も含めて魅力的なキャラクターといえます。今回は「あひるの空」の主人公・車谷空の魅力を紹介していきます。
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
目次
1.150㎝代のバスケットボールプレイヤー
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
車谷空の最大の特徴と言えば、身長150cmというバスケットボールをやる上では、不利ともいえる体格ですよね。実際、九頭竜高校に入学するまでは、思うようにバスケットをすることはできませんでした。高校に入って、色々ありましたが、念願かなってバスケ部に入ることができました。身長には恵まれていない空ですが、3ポイントシュートや低い姿勢のドライブ、ゲームメイク能力などを武器に、自分よりも大きな選手たちと渡り合っています。彼自身「日本で最高の 最小プレーヤーになってやる……!!」と語っており、小さい体に生まれたことを全く苦におもうようなこともありません。バスケには中々いない小柄な選手が活躍する漫画だからこそ、見ごたえがあるのかもしれません。
2.3Pシュートが得意
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
空が得意とするプレーの一つに3ポイントシュートがあります。その成功率は他を圧倒しており、その精度の高さは身長によるハンデを補って余りあるものになっています。千秋によると、空はシューターにとって必要とされる深視力がずば抜けて高いといわれており、空の3ポイントは敵の脅威となっています。また、ボスハンド(両手打ち)での3ポイントや、坂田監督に教わったクイックシュートなどを駆使して、より相手がブロックしづらく、かつ精度が高いシュートを身に着けています。こんな3ポイントシュートを身に着けるために、空は毎日1000本シュート練習をしていました。並外れた努力を経たことで身に着けた空の翼といえますね。
3.敵に指導を求める貪欲さ
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
空の魅力として、敵味方関係なく必要だと思ったら教えを乞う姿勢を持つ貪欲さにあると思います。空はもともと3ポイントシュートを得意としていましたが、体格が小さいことで相手にブロックされる回数が多くなっていることに悩んでいました。そこで、北住吉高校のエース・蒲地太郎が得意とするストップ&シュートを身に着けてブロック対策をするために、太郎の元を訪れて直接ストップ&シュートを教えてもらうように頼みこみます。太郎自身も敵に塩を送るようなことはしない方がいいのですが、空の姿勢に感化されて、居残り練習を空に見せることで、自分の得意技を教えていました。空のバスケに対する姿勢は本当にまっすぐで、時には人に影響を与えることもありますね。
4.母親思い
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
空と母親のエピソードは、車谷空を語る上では外すことはできません。空の母親は元女性バスケ日本代表の車谷由夏ですが、空が小さいころに大病に倒れ、選手を引退し、病床に付しています。幼少期の空は、バスケット選手になりたいのに、体が小さいことに不満を持っており、そのフラストレーションを母親にぶつけることもしばしばありました。次第に、母親の病状や、小さくても戦っていけること知り、母親との絆が深まる中で、高校生になります。インターハイ初戦、新城東和戦後、様態が急変した由夏の元を訪れた空と母親の最後の会話は涙なしには見ることはできません。
5.病気に関する嘘は大嫌い
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
病気を抱えた母親を持つ空は、バスケをやりたくてもできない人が持つ痛みを誰よりも理解しています。そのため、病気を利用した嘘をつかれるのが何よりも嫌いです。茂吉要が登場した時、バスケ部に勧誘された茂吉が病気を理由に断ったのですが、のちにそれが嘘ということが判明し、空は激怒します。茂吉としては、勧誘を断る便利な手段ぐらいに思っていたのですが、空にとってはこの嘘はどうしても許せることができないものでした。後に、茂吉の過去を知り、バスケへの情熱を取り戻した茂吉はバスケ部へ入りたいという希望を伝えるのですが、空は反対します。入部の条件として、空との1on1勝負で勝つことが課された茂吉は必死の頑張りで、この勝負に勝ったことで、その熱意が認められ、入部することになります。
6.バスケ以外は結構バカ
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
バスケットに関しては、誰よりも努力家で、他を圧倒する武器を持っている車谷空ですが、バスケ以外の場面はかなりおバカな一面が目立ちます。まず、学内での成績はいつも赤点ギリギリでほめられたものではありません。また、人を信じやすく千秋などにいつも騙されています。良く言えば、真っ直ぐな性格をしているとは思うのですが、結構バカな側面が目立ちますね。
7.仲間思いで、仲間を信じる
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
バスケに対する真っ直ぐな性格を持っている空ですが、何よりも仲間を大事に思い、仲間を信じる姿勢を忘れません。その姿勢は、試合中でも仲間に勇気を与えて、たとえ劣勢に立たされていても、勢いを盛り返すこともあります。そんな空を象徴するエピソードとしては、インターハイ敗戦後、部室を燃やしてしまったことで、バスケ部が休部状態になってしまったとき、クズ高バスケ部は、燃やした組と無関係組の2つに分かれてしまいます。無関係だった空は、部室を燃やしてしまった百春たちに対して、怒りや呆れを見せるかと思いきや、百春たちのバスケへの情熱を信じているため、また一緒に頑張りましょうと手を差し伸べます。どんなときでも仲間を思い、仲間を信じる空の姿勢はチームスポーツの中では理想的な存在ですね。
8.あきらめない強いハート
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
空の強いところはどんな状況でも前を向いて、あきらめない姿勢を前面に見せるところにあります。試合がどんなに劣勢に立たされていたとしても、常に前を向いて勝利を目指す姿勢はチームに勇気を与えます。チームメイトからはこんなに心強い存在はいないとも評されており、空の存在はクズ高バスケ部にとって大きなものとなっています。このような空の姿勢は、おそらく小さい体でバスケットを続けてきたことが関係していると思われます。どんな時でも逆境に立たされている空は、それを打ち破ることで前に進んできました。そんな経験を積んでいるからこそ、この真っ直ぐであきらめない精神が身についているのでしょう。
9.薮内円があこがれの人
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
空は女子バスケ部の薮内円にあこがれています。元々は、バスケ部に入部した時に、バスケをやりたがらない不良たちの中で、唯一空に味方してくれたのが円でした。そんな空ですが、一度だけ円に告白をしたことがあります。しっかりと「好きです」と伝えたはずの空だったのですが、円からは「ありがとう」という返事しかもらえず、結局は告白にもなっていない結果になってしまいました。空にとっては、初めての失恋でした。ちなみに円自身は百春に好意を寄せています。
10.作中でちょっとだけ身長が伸びる
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
連載当初、空の身長は149.22㎝と150㎝を下回っていました。身長が弱点の空にとってみれば、身長が伸びることはとても重要なことなのですが、作中でちょっとずつ空の身長が伸びます。最初に伸びたのは15巻のときで、この時に初めて身長が150㎝になり部員全員から祝福されました。現在では、もう少し伸びて155㎝に届くか届かないかといったところです。ちなみに試合に出場するときに書くメンバー表には160㎝と記入して、鯖を読んでいます。
まとめ
出典: あひるの空 ©日向武史・講談社/「あひるの空」製作委員会
「あひるの空」の主人公・車谷空は150㎝という身長ながら、それをハンデとも思わない精神力と、3ポイントシュートなどの武器によって、バスケットボール選手として相手と戦っています。そんな逆境を抱えた主人公がいるからこそ、「あひるの空」は引き立ちますね。アニメ化が決定した「あひるの空」ですが、この主人公・車谷空がどのように描かれるのか注目ですね。