「岸辺露伴は動かない」はジョジョの奇妙な冒険第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場する人気キャラクターの岸辺露伴が語り手となるスピンオフ作品です。OVAでいくつかのエピソードがアニメ化され、高橋一生さんが岸辺露伴役をを務める実写ドラマも放送されました。今回はコミックス1巻に登場するエピソードをネタバレ紹介していきたいと思います!
エピソード#16 懺悔室
とある理由で負傷してしまった岸辺露伴は執筆を中断し、イタリアのヴェネツィアへと旅行に行きます。協会の資料が欲しかった岸辺露伴は禁止されているにもかかわらず、教会を撮影して経験のために「懺悔室」へ入ろうとします。しかし、そこは相談者が入る部屋ではなく懺悔を聞く神父が入る部屋でした。神父と間違えられた岸辺露伴は、その懺悔室である男の告白を聞くことになります。
懺悔室②
その男は24歳の頃、トウモロコシの食品市場で働いていました。そこに1人の浮浪者がやってきます。浮浪者は何か食べるものを恵んでほしいと言ってきますが、男は働かずに食べ物を恵んでやるのはまっぴらだったので、飯が欲しいのならと強引に働かせます。しかし、既に体力の限界だった浮浪者は労働に耐えきれず死亡。そして、その浮浪者が怨霊となって現れ「お前が幸せの絶頂の時必ずお前を迎えに戻ってくるぜッ!」と言い放ちます。それから男はとてつもない幸運に恵まれ巨万の富を得るほどになっていました。
懺悔室③
そして美人の奥さんをもらい可愛い子供にも恵まれて生活が幸福の絶頂を迎えたとき、浮浪者の霊が現れます。男が幸運に恵まれたのは悪霊の手助けがあってのことで、幸せの絶頂を経験させるためでした。しかし、逆恨みだと思われたまま死なせるのは後味が悪いので男にチャンスを与えます。そのチャンスはポップコーンをランプより高い位置に投げて三回連続口でキャッチするというものでした。
懺悔室④
男はポップコーンを空中に放り、太陽光の眩しさで一瞬見失うものの何とかキャッチ。その後、雲を使って太陽光を遮ろうとするもポップコーンを狙った鳥に狙われます。男はポプコーンをばら撒いて鳥の気を反らして二回目も成功させるも、そのせいで大量の鳥が集まってきてしまいます。最後はポップコーンに火を点けてキャッチしようとしますが、炎が太陽光にまぎれてポップコーンを見失い失敗。男は悪霊に殺されてしまいます。
懺悔室⑤
男は死んでしまったのです。では、懺悔室に来ているのは誰か?実は殺された男は最初の男が金で整形手術をさせた偽物だったのです。偽物は本物の代わりに殺されたのですが、それで事件は解決せず今度は殺された男の悪霊と浮浪者の悪霊の二つの悪霊に憑りつかれてしまうことになったのです。
エピソード#02 六壁坂
岸辺露伴は編集者に原稿料の前借りをできないかと尋ねます。実は岸辺露伴はとある理由で破産し、今は康一の家に泊めてもらっている有様でした。その理由は妖怪伝説のある山で計画されているリゾート化を強引に阻止するために6つの山を買ったからでした。リゾート化なんかしたら妖怪が逃げてアイデアの種が無くなってしまうと考えたからです。その計画がとん挫した後、土地の価格は暴落しモン無しになってしまいました。ただ、何ともその山には本当に妖怪がいて、岸辺露伴自身が遭遇した経験を話し始めます。
六壁坂②
六壁坂村に住むとある金持ちの異一族の一人娘の大郷楠宝子はふとした事故でボーイフレンドの釜房群平を殺害してしまいます。不慮の事故ではありましたが、状況的には楠宝子が殺害したように見える状況でした。群平の死体からは血がとめどなく吹き出しますが、楠宝子はどうにかして群平の死体を隠してやり過ごします。しかし、群平の死体からは死後も一定量の血液が流れ続け、楠宝子は婚約者との結婚後も毎日その血液を捨てていました。
六壁坂③
群平の死体は死臭が漂うことも腐ることもなく、霧吹きをかければ一瞬だけ生きていた頃のように戻るのです。やがて楠宝子は群平の死体を愛するようになり、その噂をどこかで聞きつけた岸辺露伴がこの六壁坂にやってきたのです。ヘブンズ・ドアーの能力で楠宝子の秘密を知った岸辺露伴は、群平の正体と目的を掴もうとします。ですが、突然そこに一人の女の子が岸辺露伴の前に現れます。
六壁坂④
岸辺露伴はその女の子を追いかけようとしますが、女の子は転倒し死んでしまいます。それはさながら楠宝子が経験したような状況で、女の子の目は群平のときのように急速に死んでいきます。その女の子は楠宝子と死体の群平との間にできた子供でした。岸辺露伴はヘブンズ・ドアーの能力で「岸辺露伴なんて知らない。たとえ出会っても岸辺露伴を見ることさえない。」と書き込むことで難を逃れます。
六壁坂⑤
釜房群平は人間の愛と心の弱点に憑りついて、全ての世話を人間にさせる妖怪だったのです。誰かの目の前で死ぬ。それこそがこの妖怪の目的であり正体だったのです。
エピソード#05 富豪村
六壁坂の一件からすぐ後、岸辺露伴は編集者の泉京香から山奥の別荘を買いに行く話を漫画にしないかと提案されます。杜王町の北西の山奥の一角、道路すら通っていない区画にポツンと豪邸が立ち並ぶ区画が存在し、京香がその一角を購入しようというのです。何でもその区画の持ち主は、全員が25歳のときにこの土地を買い、その全員が大富豪となっていました。岸辺露伴と京香は徒歩でその山奥の村に取材に行くことになります。
富豪村②
何でもその村は非常にマナーにうるさく、マナー違反をするものには売らないらしいという話でした。その村に着くと案内役の一究という子供が屋敷の中に案内してくれるのですが、もうその時点で岸辺露伴たちのマナーを試す試験は始まっていました。そこまでで三回のマナー違反をおかしていた泉は今日のところは帰るように言われてしまいます。諦めきれない京香は再トライを申し出るのですが、次の瞬間に玄関で拾ったひな鳥が死に、泉の母親と婚約者の訃報が届きます。
富豪村③
この試験は成功すれば何でも手に入る代わりに失敗すれば大切なものを一つ失う。山の神々が企てたハイリスクハイリターンの試験だったのです。岸辺露伴は一究にヘブンズ・ドアーを使いその仕組みを知りますが、他人のプライバシーを覗いたことでマナー違反とされ、泉が心臓発作で死んでしまいます。このままでは帰れない岸辺露伴は再トライを申し出ます。その試験は出されたトウモロコシをどう食べるかでした。岸辺露伴はそのままトウモロコシにかぶりつき、ヘブンズ・ドアーの能力で一究にマナー違反を起こさせ、まんまと泉の命とその母親と婚約者の命を取り返します。
富豪村④
一究は、これはイカサマだと憤りますが、岸辺露伴は再トライを受けず山の神々が怒り出さないうちにそのまま山を下り、まんまと逃げ去ります。結局、泉と岸辺露伴は何も手に入れることは出来ませんでしたが、何かを失うこともありませんでした。
エピソード#06 密漁海岸
トニオの店でアワビ料理を食べた岸辺露伴は、そのトニオにとあるお願いをされます。そのお願いとは杜王町の海岸でのみ獲れるクロアワビを獲ること。ただしそれは「密漁」でした。だから気に入った岸辺露伴はその提案に乗ります。密漁の伝統に則り、鮑を密漁することになりますが、トニオの目的は脳腫瘍で歩けなくなった恋人を助けるためでした。パール・ジャムの能力と伝説のクロアワビならもしかしてという望みをかけていました。
密漁海岸②
密漁のポイントへ行くと、伝説の通りに大量のアワビが流れてきていました。二人は大喜びでアワビを獲ろうとしますが、アワビを獲っていたトニオが海から上がってきません。慌てて岸辺露伴が助けに向かうのですが、トニオは既に溺れており、その身体には無数のアワビがくっついていました。そのアワビは一つ2kg前後。身体にくっつけばそう簡単には離れない。このアワビは水中で触れてはいけないものだったのです。
密漁海岸③
アワビは潮の流れに沿って流れているだけですが、そのアワビは天然のトラップ。密漁の言い伝えは密猟者たちに対する罠だったのです。無数のアワビに取りつかれ身動きが取れなくなった岸辺露伴は、その周囲にある白骨死体を見てそう確信します。岸辺露伴はアワビの天敵となるタコを見つけてヘブンズ・ドアーの能力で襲わせます。生還したトニオが岸辺露伴に振る舞ったのはアワビではなくタコでしたが、その傍らには恋人の姿がありました。
「岸辺露伴は動かない」エピソードネタバレその①まとめ
「岸辺露伴は動かない」の1巻に収録されているエピソードをネタバレ紹介してみました。岸辺露伴というキャラクターはこうした独立したエピソードでもしっくりきます。ドラマやOVAでも未発表のエピソードがあるので、今後新しい展開があるかもしれませんね。